日別アーカイブ: 2016年12月11日

打点の感覚の理解のために

ボールを打つという事は、打点があるという事で、打点が合っているという事は、スイングに狙いがある以上ショットが狙い通りに飛んでいったということです。

だから、どこに打とうか決めてスイングしているのにうまくいかない時は打点でミスをしている訳です。

打点でミスをするのは、打点に入ってくるまでの段階でミスをしやすい形になっていたか、ボールの方でイレギュラーしたとかで合わせきれなかったか、自分が思い描いていた飛球ラインと違うボールが来ていたか、ということになります。

ということは、打点に必要な要素は、ラケットの向きがイメージ通りに出ていること、ボールが真ん中に当たる事のほかに、相手のショットの飛球ラインと自分のスイングの侵入角が適したものであるという条件があると思います。

じつはまだあって、腕、とくに上腕骨と手のひらでなす角と、ボールとの衝突の位相が合っていないとインパクトの力がラケットをぶれさせる原因になる、なんてことも。

けっこう複雑です。

解析するってことは、いかにむつかしいかを考えるようなところがあって、それはコーチがやる事でいいんです。要するに、その条件の内のほとんどが満たされる状態でみなさんはボールを打っていて、出来ていることはことさら意識して確認しなくてもいい。出来ているということは才能がある、くらいの気持ちで、もうできることはできるでいいじゃないか、と思っていた方が得です。

生徒さんでショットにミスが出やすい人がいて、フォームは綺麗なのになんでかなぁ、と考えたときにどの条件かがうまくできていないのを見つけられればいい。

自分の中にひとり、自分専用のコーチを持ちたい、と思っている人は自分で自分のテニスを見つめたときにそういった要素を取り出して顧みることがあればいいかもしれません。

打点は、簡単な状態の事を言えば、自分のラケットに当たったボールを狙った方向へ動かす事です。

打点とは、線だとか点だとかいう話がありますが、論争があるってことはどっちでもあるってことなんです。

とらえる点があるわけですが、「ボールを押す」という表現があるように感覚的にラケット面から狙ったラインに乗せる動きが感じられると思います。

打った瞬間に「よし、うまくいった!」とわかるショットも、「しまった!失敗だ!」とわかるショットも、ラケットを通して手の感覚でショットの成否がわかるわけです。

飛んでくるボールには、止まっているときとは別に、力の方向や強さなどがボールの重さに付加されてラケットに当たります。

ラケット面をどっち側から押してくるのか、それを支える腕の形が面に当たるボールにきちんと力を加えることが出来そうかどうか、というのがあらかじめわかるときには、インパクトの直前までには何となくでも自信があると思います。エースをねらって打つようなショットを打つときに、「もらった!」なんて思うときがありますよね。

ぎゃくに、相手のショットがたとえ遅い球でも、角度が合わなさそうなときには、あらかじめ「打ちづらそうな球が来た」と思って後ろへ下がったりします。

そのボールをもっとよく見ようとか、打ちやすい所がそこじゃないことがわかっていて、下がるわけですね。ボールの方が動きが早ければ、下がってもうまく打てるところまでいけないか、体勢を崩してやっぱりうまく打てないんじゃないかと思います。

さっとスイングと面の侵入角を合わせることが出来れば、ラケット面の入射と反射の角度が合っていて相手のコートに返ったり、浮かせちゃいそうなところがうまく低い球で次の攻撃を避けられた、なんてことに繋がります。

 

ラケットを通してボールを「持つ」とか「捕まえる」という感覚があれば、合わせるという動きがわかりやすくなります。たたくとか飛ばすという感覚を初心者の内に持ちすぎると、都合のいい球が来た時には凄い球が打てるかもしれませんが、相手がスライスでつないできたり、当たり損ねのチャンスボールが来てもタイミングを合わせて打ちこむのが苦手だったりしてくるようになります。

捕まえて、放り投げる様な感じ、という人がいますが、理解できないと思う人はできないと思うし、共感できる人はそうやってやっているんだと思います。

すべてそうでなければならないってことでもないですけどね。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:15 | コメントをどうぞ