日別アーカイブ: 2016年12月17日

飛んでくるボールのプレッシャー

飛んでくるボールの空気圧、じゃないですよ。精神的な圧迫感があるかっていう話です。

たとえば初心者の人にも、差がある場合がありますよね。生まれて初めてテニスをするっていう人でも、普通のリズムでうまく当てられる人もいれば、固くなって動きがぎくしゃくしたり、なぜかワンバンドする地面に向かっていったりすることがあります。

上級者のクラスに行っても、もちろん私自身もそうですが、想定外の速い球が足元まで深く入ってくるような感じの時に上手く打てなくなったり、読みが外れて走っていこうとしているのと逆に真正面に飛んできたりする遅い球なんかで、うまく動けなくなっちゃって失敗することがあります。

ラケットの扱いに長けてくるにしたがって、そのプレッシャーは軽くなっていくものだと思いますが、たとえば上級クラスの、シングルスの試合に出ているようなレベルの人でもフリーの状態のチャンスボールを力んでミスってしまう事があります。

それって、へたくそだからミスっているのでしょうか?

狙った通りに、ミスなく決まるような勢いのショットを打てないと・・・とか、せっかくいい球を打ったのに決まらなかったとき、とか

なんでもないようなボールでもミスをしますね。

普通の練習では、気が抜けていて余計なミスをすることがありますが、相手のいるラリーや、試合などの環境の変化によって「失敗はゆるされない」というプレッシャーにさらされます。

スクールの初心者や初級クラス位の人なら、練習してうまくなりたいから、きっと気を抜かずに一生懸命うまく打とうとするでしょう。

ウォーミングアップの、コーチの手でトスしたワンバウンドの簡単なボールでも、試合中みたいな一生懸命さで打つ人もいます。

でもそれって、軽いはずのプレッシャーを重たくしていませんか?

そういうときの練習の目的は、自分の身体の各部位が普段通りに打球動作に対応できているか、例えばテイクバックしたラケットを打点に合わせてドンピシャでインパクトに合わせられるか、とか回転を掛けるようにしたのなら膝が曲がっているかとか、面を感じながらコントロールの感覚はどうなっているかとか、確認するくらいの意味でやっていればいいわけですから、「なんだか一生懸命」という結果だけにこだわってどうやっているのか、どこか間違っていたり余計な力が入ったりしていないかとかに気を付けていないと、うまくなるべき道が見つけられない人みたいになっちゃうこともあります。

 

車のレース、例えばF1の選手なんかでも、プラクティスの時にはコースに出て、ずっと全力で走るってことはしていないはずです。

コーナーごとに、侵入から脱出までコース取りを調整したりして、ゆるく入ったかと思えば急にコーナーで攻めてみたりして、全体を本番の決勝にそなえてコンマ1秒でも削っていくために研究?している訳ですね。

練習っていうのも必要な要素がわかれば、上達のヒントになると思いますから、全力で打つと決めたときはそうすればいいし、そのなかで振り遅れるとか、あたりが強すぎてアウトするとかいう不具合を治すための要素を取り入れるための練習をしてもいいわけです。

気づくのはプレーヤー本人ですから、コーチが気づきやすいようにテーマを設けいている場合もありますし、自分で目標とするプレーがあるならどんな感覚で結果までが納得いくものだったか、想像と違うものだったか、見比べてみればいい話です。

なぜか、ということよりもこの次にはこれを試してみよう、というようなやり方の方がいいでしょう。

 

飛んでくるボールの中にあるプレッシャーは、主に時間だと思っています。

よーく考えていると飛んできちゃうわけですから、あっという間に整理がついていないと打ち損ねます。

相手がどこに打ってきたかがわかってから、自分の打点までしか自由になる時間はありません。

ですがそれを少しでも自分に有利に持っていくためには相手がどこに打とうとしているかを見極められるようにしたいわけですし、さらに言えば相手にどうやって打たせようかその前のショットから作ることができれば、なんてこともあります。

ものすごい勢いで自分のショットが入れば、相手にも選択肢がなくなりますから、打ったところにまっすぐ打ち返すくらいがせいぜい、ということもありますし、当たり損ねて甘くなる、ということもあるかもしれません。

逆に真ん中に甘い球が入ってしまったら、どっちに打つのかわからないように隠されて、ドカンと決め球を打たれちゃうかもしれませんし、たまたまバックハンドの高いところに弾んだら、甘い球でもどこへでも打てるものじゃなかったりします。

攻める方の立場だったとしても、そういう中で不用意な失敗が続いたら、「帰ったらこのショットの練習しなきゃ」って思うはずですね。

 

とにかくラリーっていうのはポイントが掛かっていてもかかっていなくても、ネットの向こうの人と「かわりばんこ」に打ち合うものですから、たった一球といえど、プレッシャーのかかるシーンがあるわけです。

 

いつぐらいになったら呼吸でもするくらいの自然さで狙ったところにボールが打てるようになるんでしょうか。。。

生きている間には無理な気もしますが。。。(笑)

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 16:03 | コメントをどうぞ