日別アーカイブ: 2017年3月22日

打点に「足で入る」

「ボールの後ろに入る」とか、あまり具体的でないけど、出来るようになるとそうとしか言えないような、そういう表現って、世の中に沢山ありますよね。

「肩を入れて!」…って、どこに?(笑)。

でも、しっかり肩が入った時って「ああ、これかぁ」ってわかると思います。

ワタシはテニスコーチですから、そういうわかりづらいことをわかるように出来るようになんないかな、と具体的に違いを指し示せるようになりたくて勉強しています。

けどやっぱり、良く分からないな、という人にやってみてもらわないと、いくら言葉でうまく説明したと思っても書いてる本人には「つもり」の域を出ないものですね。

 

 

とても簡単なドリルを紹介します。

チャンスボールみたいな感じで、ゆるめに高く跳ねるボールを、サービスライン付近で打てるように球出しします。

できるだけサイドラインの方で打てるように球出しし、サービスラインのセンターTのあたりにカラーコーンとかをおきます。

チャンスボールなので、強く打っちゃっていいんですが、課題はひとつ。

打ったらそのあとすぐにセンターTのコーンにタッチする。というドリルです。

高い打点を強打するのが、練習量が少ないのもあるかもしれませんが、苦手な人が多いものです。ボールが遅すぎるってのも、合わせづらいものですね。

だから、自分から打点に入る練習になります。

スピードの要素がなく、タテに弾む要素が強いので、普段通りの球出しのボールがうまく打てるスイングじゃなくて、その軌道に合わせやすい角度でまずラケットを当てやすく持ちます。

出来る事なら、バウンドの頂点で打って、ネットよりも高い打点からの直線的な軌道のボールが自分の打った球を速い球に見せてくれます。

相手が「攻めてこられた」と思えばそのショットの球速が何キロかは大した問題ではなくなります。

こちらから走って打点に入る事で、ボールの軌道予測が出来ていることがはっきりします。ボールを落とさないと打てない人でも、打ちやすい打点がどこになるかわかってその位置にいるんですから、予測はなされている訳です。

初級クラスなどでは、ネットのすぐ前から、狙ったエリアに面を向けて走ってきて合わせる練習から導入します。ラケットを縦に持って、面を狙った方に向けてくれば、当て方がわからなくなるなんてことはないですね。あらかじめ向けてあるわけだし、タテに弾むボールに合わせやすい角度でラケットを持っているので、そのまま突っ込んでいけば当たる、ということがわかるように走ればいいんです。

当たった瞬間がダッシュのスタートになるように、センターラインに向かって走るようにするには、軸足側できちっと位置を決め、ラケットにボールを当てながら次の地点に向かってスタートするような格好になります。

サイドラインに沿ってまっすぐ走っていき、ラケットがボールに当たるころに直角に曲がるような感じです。

身体ごと回転しても、ラケットの面の方向を維持すると、体の回転に合わせてスイングのような形になります。

手ごたえを感じながら、自分のラケットが狙ったラインにボールを押し込んだような感触になるようにスイングに意思を載せていきましょう。

そうすると、ラケット(を持っている方の手)の役割は、

「うまく当てること」

「面の向きを維持すること」

が最優先事項で、そこにいくらかのパワーアシストがあればいい。軸足を起点に身体が回転する力は、肩から先の腕ごと押し込むような力を貸してくれますから、うまく利用して、少ない力でパワフルなショットを打つようにイメージすればいい。

前に走りながら、自分のラケットの位置と、回転の中心となる足(軸足って意味です)の位置をドンピシャに合わせられるのが、良いフットワークです。そのまま体重移動でうまく腕の振り子を、打点にフォーカスの合った形で行えるのなら、なお至極です。

そっと触って、グイッと押す、みたいな形から入れば、打点への入り方の練習になるでしょう。

徐々に、コーンの位置を下げていき、深めのボールに対しても同じように自分の狙ったラインにボールが打てるように仕向けていけば、うまく打点に入りさえすれば狙ったコースを外さずに打てるようになるコツを掴めるようになるはずです。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:42 | コメントをどうぞ