日別アーカイブ: 2017年3月25日

「スイング」を作り上げる

ラケットをあんな風に振り切って気持ちよくプレーできるようになりたいな、と、上手な人のプレーをみて思うわけです。

私の場合は、モノマネがけっこう出来たんですね。自分だったらこうやっちゃうところを、あの先輩はこんな風にするんだなぁ…あれが自分にもできるようになったら、あんな風に打てるようになるのかなぁ。。。ってところから、ワタシのテニスへの興味は始まってきたように思います。

 

自分がうまくなるためにも、それと、コーチの仕事について、自分とは違うタイプの「打ち方に悩んでいる人」について考えるときにも、モノマネするイメージ作りは役立ちました。

自分がうまくないと思っている時(いまでも”上手い”とまでは思い上がっていませんが)には、一番の悩みは「強く打とうとするとすぐに当たらなくなる」というものでした。何が悪いんだか、強い球、早い球を打とうとするとすぐにガシャる。

タイミングも早くなりがちだし、すごく力んでいたと思うし、今から考えればそうなって当然の動作だったと思いますが、当時の自分ではなんでなんだか全然わからなかった。

そこで、最初にイメージに残ったのは、しっかり合わせてミスなくきっちり打ち込んでくるN先輩。大学1年の頃の4年生のコーチの先輩でしたから、アドバイスを受けたわけでもなく、こっそり盗むようにして観察し、真似してみました。

打点のそばまでラケットをゆっくり持っていくようにして、当たる自信が付くところまで振り切るような力の入れ方をしない。

ぐぅ~っと合わせて、スパンと振り切る。足のリズムもそのためにしっかり沈み込んで、丁寧さを絵にかいたようなフォームの先輩でした。

その、「ぐぅ~っ」をなんとかモノにしたいと、暫く頑張って、スライスがうまく打てるようになりました。そこから8年くらいの間は、スライスこそ信頼できるショットだったし、フォアもバックもスライスで試合していました。

N先輩はスライスの人じゃなかったんですが、他にも憧れの大先輩たちがすごくいっぱいいる環境だったのは、当時の私としては最高のシチュエーションだったと、いまでも運命の神様に感謝しています(笑)。

スライスの名手が、千葉県チャンピオンにも、学生同好会の先輩でもいて、ものすごく強くてカッコよかった。サーブ&ボレーの世界チャンピオンがいた時代ですから、そういう選手たちからも良いイメージがすごくもらえた。

トップスピンが打てるようにならなきゃ、と取り組みを始めたのは、そんなこんなで30歳を過ぎてから。でも、そこで「合わせ」の動作をしっかりやっていた恩恵はかなりありました。

タッチの仕方、ボールに入る姿勢、身体の向きなどにスライスとの大きな違いはありましたが、モノマネがうまくできることで、そういうイメージに自分を近づけながらすこしずつ出来るようになっていきました。

3年目位には、シングルスの試合でバックハンドはドライブ系がメインで打っていけるようになりましたが、精度に関してはまだまだ。スライスだったら押し込まれて相手が前に来ちゃうような場面で、ドライブを無理やりセンターに強打する事でヤバい状況を回避するくらいの役割でしたが…スライスの頃にそのまま拾いきれなくなるような展開を変えられるようになり、すこしゲームがうまくなった実感がありました。

打点の感覚が上がるにつれて、その前後のスイング=フォワードスイングと、フォロースルーが変わってきました。一連の動作の繋がりですから、当たり前の事なんですが、打点でいっぱいいっぱいだったので、打点の感覚を元に、そうなる為の「構え」「テイクバック」「フットワーク」についてはとても見直しが出来ました。

その「感覚的なちがい」を発見して、自分なりに言語化したことで、整理が付きました。自分が再び元のレベルに戻ってしまうようなときに、キーワードで思い出すことで簡単に新しいレベルに復活できますし、コーチとして人のフォームを見るときに、どっちのタイプに近いか、その人の今日現在の適正はどちらが優勢なのかを見極めると、その日に使えるアドバイスが伝わりやすくなりました。

 

自分の上達が、コーチの仕事にも役立つようになりました。

ここまでの自分の中のキーワードが、

「打点の感覚を知ること」

「打点に入る為のボールの見方」

「ショットを成功させるための姿勢」

などが、スイングを作り上げるときの要素にと思います。

こまかくは、そのほかは個人個人のどの要素が何のために役立っていて、どこかの要素がうまく打てるはずの要素を邪魔しているはずで、それが何なのかを見極めます。

基準になる動作は一つじゃなく、スライス型の人もいればドライブ型の人もいるし、初級者の中にはさらにたくさんの「悩めるタイプ」が存在します。

でも、テニスがうまい人って、ある一定の枠の範囲に入ってくるので、そこを紹介する事でスクールのような集団レッスンでも打ち方の矯正が生徒さん自身でイメージできるように持っていくようにしています。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:49 | コメントをどうぞ