日別アーカイブ: 2018年8月14日

ジュニアテニスとのかかわり

ジュニア選手、という時代は自分にはありません。15歳でテニスに出会いましたが、もっぱら山登りのほうが興味がある時代のことだし、ラケットを買ってくれた兄貴とネットもない公園の広場で打ち合う程度か、壁打ちで激しく乱れ打ちをして汗をかいて帰ってくるくらいのものでした。テニスをやっている、というよりもラケットを持っているよ、という程度しかテニスをしていなかったようなものです。

それが、18歳でテニスコーチのアルバイトをするようになったんですから、いかに当時テニスを知らずにやってきて、へたくそな奴がコーチやってるな、と思われたかはわかると思います。

そんな話はいいとして、ジュニア時代からやっていた先輩などのプレーを見るのは単純に憧れそのものでした。なんであんなに滑らかに動けて、まるで相手がどこに打つか知っているかのようにそこにいるのか、当時は意味が分かりませんでした。

同時に、同じコートで小学生ながらすごいショットを放つジュニア選手にもただただ驚くばかりでした。

いま思えば、当時の私も目覚ましい速度で上達していたはずなんですが(笑)、小さなころからテニスをしているなんて、すごく差がつくんだろうなぁ、と自分が経験していなかったからこそ思っていました。

 

 

もう5年くらいになりますが、知り合いのコーチからジュニアの試合していない子たち向けに大会を様々開催している「スポ人」の主催の方を紹介してもらい、それが縁でジュニア選手向けのイベントレッスンを不定期ながら担当させてもらうようになりました。

お世話になっているスクールの休校日を利用して、指定されたコートに出かけて行って集まってくれたジュニア選手たちにテーマ別にレッスンをしていて、それは今でも続いている…というか今年から私がそちらに積極的にかかわらせていただくように仕事の形をシフトするように変えることに。

 

私は41歳でフリーになったわけなんですが、それまでのテニスコーチのキャリアの中で、試合に出てランキングを上げるためにポイントを稼ぐようなジュニアテニスとはかかわってこなかったんです。もちろんずっとテニススクールにいたわけですから、ジュニアクラスもありましたし、そのクラスを様々なレベルで担当させてもらっていました。

 

そのころは「育成系」とか「アカデミー」なんて自分で勝手に分類して、自分の住む世界とちがうテニスの分野のように思っていましたが、フリーになってすぐ、関東ランキング二けたくらいの中学生の子をみてほしい、という親御さんからのオファーもあり、何度かレッスンさせてもらった中でその子にも気に入られて2年近く続いたりしましたが、毎日が勉強でしたし、私も任されてレッスンを担当させてもらうわけですから、予習復習をしながら成長を見守りました。

残念ながら戦績を上げるようにするまでに至らなかったのですが、よく話をし、レッスン後にもレポートを送るようにして取り組んでいたりしたものです。

数年たってから、いまの状況になるきっかけができた、というわけなんです。

地元千葉で定期的に見させてもらっている選手もいるし、イベントレッスンに毎回来てくれるありがたいリピーターもいてくれる。

いつの間にか、一般向けにもジュニア向けにもテニスの指導を考えるようになってきたんだなぁと思います。

ただし自分自身は、ジュニア選手の試合に帯同したりするほど時間が取れないし、そういう取り組みをメインでやられているコーチとは全然違うんだろうな、なんて思っています。

もちろん試合に出ているジュニア選手たちからは良い練習をしたいというニーズがありますし、それは試合で結果が欲しい彼らのためのもので、一般のスクールや、大人向けのプライベートレッスンとはちょっと目線は違います。

だけどテニスはテニス。本質は全く一緒ですよね。だって相手が打ったショットを打ち返すスポーツなんだから、それが変わるということは全くない。

動くリズムはラリーに即したリズムを保てなければ自分が崩れてしまうし、ショットをコントロールする手の感覚も振れれば振れるほどわかるようになる。

いくら作戦やポイントのパターンを先に教えても、相手次第でうまくいかないことはいくらでもある。だからラリーを作っていくのに必要な、「確かな手ごたえ」と「コートに立つ自信」をつけさせてあげられるかが私の仕事です。

そう思ったら、常に選手たちのそばにいてあげることができて、ジュニア選手を育てるのがうまいコーチたちに自分が引け目を感じるようなことはないな、と思えるようになりました。もちろんそういう経験の長いコーチたちは結果を出せる選手を多く輩出していますし、取り組みは一貫していて強い選手を育てるプロセスを自分なりに作れているコーチたちへの憧れはやみません。彼らがどれだけ苦労して選手たちとともに泣いたり笑ったりしながら日々を過ごしているかは、ステージの高い大会で見れば見るほど私とは遠いところにいるなぁと思ってしまいます。

だけど私がそこに立っても誰かの真似ごとまでしかできないだろうし、それではいくら背伸びをしても大したことにはならないと思います。・・・というか、思えるようになりました。

テニスをしている人がうまくなりたい、強くなりたいと思うその先は、先ほど書いたその本質がしっかり伝えられるかどうかだし、不定期な私のイベントに来てくれていたジュニアたちも、日ごろ教わってきたことをベースに持ちながらほかのヒントを得たくて私のところに来るはず。

だから、私は私に特化することにしようと。

動き方をチェックして、リズムや動きの要素に違和感のある所をチェックして、ミスをするときの特徴や頻度などを練習しながら見ていきます。

同時に得意なショットも想像がつきます。そのショットを軸に戦うということはどういうテニスをしそうかということも想像して、どんなパターンにはめていくことになるのかをシミュレーションしていきながらアドバイスをしていきます。

たぶん世の中のテニスコーチってそういう風にやっていると思いますし、私もそうです。動きをよく観察して、いちど分解して頭の中で今度は理想の形として組みなおす。私の想像する理想と、プレーヤーの理想とは必ずしも一致しないので、会話しながら良いところを探していく。

 

ジュニア選手は私が「SwingBuilder」としてやりたいことをものすごい速さで吸収していくので、どんどん楽しくなっていきます。

上達の早道ってどこにあるのか、彼らがとても教えてくれるのです。すごく楽しい。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 16:44 | コメントをどうぞ