日別アーカイブ: 2018年8月16日

動かし方を体になじませる

プライベートレッスンは、見極め方が結構重要だと思っていて、その生徒さんが求めているものをどのくらいできるようにさせるか、という課題に対して基礎や感覚の練習をどのくらい必要としているか、また、その動作を行うリズムにうまく入れるか、というのが練習したことを実践で使えるようになるかどうかというカギを握るところになると思います。

全体的に大体できていること、のほうが多くて、いくら苦手だからと言っても打ったボールがコートに入るくらいのことはあるわけです。

そのなかに、動作が不安定になる要素が見つけられたとしたら、全体の動きの中にその要素を意識して入れてもらったところに結果が出ればそれでよいものなんです。

ただ、話はそう簡単じゃない。

皆さんそれぞれにボールへのアクセス方法があるものですから、それを見極めてあげることが先でもあるし、そこに癖がある場合は、足を止めて動作の練習をしても全体的に動かしてみると元に戻ってしまうことが多いものです。

とくに、ボールに反応する時間や反応する最初の姿勢というのはけっこう無意識に作っていることが多くて、相手がショットを打った時にまだ時間があるうちにできることなんですが、差し迫った状況でもないのでリラックスして形にしていなかったり、単純にリズムだけを取ろうとしていたり、ボールを見て何かを理解するまで動作が始まらなかったりなど人によって様々。

 

 

 

そうかと思って足の動きを決まった順路を通って最後に欲しい動作を要求すると、ほとんどの皆さんが決まった動作に落ち着きます。

2本の足で動いてスイングすることも体重移動などの役割を必要とするものですから、みんなの動きはそれぞれ似てくるらしいです。

だから、プライベートレッスンで発見したことをグループレッスンにも昇華できることがあって、要素だけを要求すると、こちらの欲しい要素に乗っかってそのうえで自分の個性を出せるようになります。

理想的なフォーム、っていうのはただ一つの正解ではなくて、プレーヤー個人の感覚の上にストレスのない動きがあり、そこにテニス特有の約束事が満足させられていればプレーは途端に落ち着きます。

「テニスのやり方が分かった」という発見につながる要素かなと思います。

「テニスのやり方」なんてすごいむつかしいってものじゃないはずなんですけど、初心者の目線と上級者の目線とでは、やはり風景は違ったように見えるものだと思います。

最初から上級者の目線でコートやボールを把握できる人はおらず、やはり経験をしながら育っていくものですが、意識の違いで全員が経験を経れば上級者の目線に自然になっていくものでもないようです。

だから、動き方はとてもいいのにポイントを取るための動きが皆無だったり、そんなに上手にすべてのショットを打てるわけでもないのに勝負にはめっぽう強い、なんて人がいるんだと思います。

だから、コーチとしてはボールを見てショットを打つ人を観察しながら、どのくらい自分のインパクトに目線や集中を持って行っていて、打ったらその次のショットに備える、というイメージを持っていそうかはものすごく見るようにしています。

チャンスがやってきてコートの中に入ってもボレーに上がっていかない人もいますし、球出しでスタートしたボールをすぐにアプローチしてネットを取る人もいます。

ネットをとっても自分のテリトリーを決めずにまっすぐ突っ込んでくる人もいれば、相手に打たせてからショットを見て飛びつくエリアに柔軟に動ける人もいる。

自分の次の動きのために、相手をどうしたらいいのか、ということはラリーができるようになった最初からできるようになるものではないわけです。

相手のショットを打ち返す競技ですが、技術的に習熟する必要もあるので、ゲームとして勝つためにできることを思いつくのが速い人と遅い人がいるのは当然かなと思います。

ということは、たぶんですが、必殺のショットをひとつ、身に着けられるようにしていけば、それを使うことをいろいろ考えて練習するようになる、ってことでしょうかね。

そういうのがうまいコーチになれるように。。。なるかなぁ。。。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 11:45 | コメントをどうぞ