2019年は私にとって…

2019年は令和元年となりまして、私にとってはSwingBuilder元年?となりました(笑)

自分をネットの世界に売り出そうとするときに、なんかキャッチコピーとか、タイトル的な何かとか、屋号?みたいなものが欲しかったんですが、ある晩に急に「降りてきた」のがこれでした。それも数年前のことでしたが、ついぞ使うことがなかった。とうとうYouTubeでSwingBuilderっていう名前を世に出したって感じでした。

テニスコーチをアルバイトで始めて以来、自分がテニスがうまくなりたいっていうことが常に先にあって、興味があったのが、「うまく打つこと」でした。最初に記憶にあるのが、いろんな上手な先輩方のボールがみんな特徴があって、それに対応しながら自分のボールがちゃんとラリーの相手になることが目標になったことです。

それで練習に明け暮れるわけですが、ボール打ちたそうな先輩のところに行って相手させてもらう、っていうことが日課で、毎日遅い時間までラリーしてもらったりダブルスしてもらったりしていました。

でサーブであったりリターンであったり、パッシングショットであったり、そういうシーンに合わせて使うときにも「落ち着いて、いつものストロークを」ってやればいいんだと思っていましたし、それを生徒さんにも伝えられるように言葉を選んだり、ドリルを考え付いたりして感覚的にこうやればできるようになる、っていうことを勉強させてもらってきていたと思っていました。

 

そこで長年やってきて、最近になってやっと気づいてきたことがあって、そのやり方で気づいてくれる人も多いですが、一方で全く違う結果になったり、実践になると全くできなかったりする例もたくさん見てきました。「できる人」も「できない人」もいるのは当たり前だしそうだと思い込んでいましたが、私はテニスコーチなので「できるようにさせる人」でなければ「できさせる人」である必要があったんです。

日本語ってむつかしいのでこの両者がどう違うかわかりにくいと思いますが、私にとっては前者は「教わったことを履行できる人を育てる」で、後者は「自分で考えて切り開く人を育てる」です。この両者は同じ教え方から育つことはないようで、私がその両者が同時にいるグループレッスンでできることはどうやればいいか、っていうことをよく考えた一年でした。

もうテニスコーチになってから、意識が低かった時代があったといってももう30年もやってるわけで、いまさら?っていう思いもあります。

そう、今更なんですよね。もっとゲームを考えさせて、自分で回りを見るゲームをする。

目的が「ボールをうつこと」じゃないんですよね。うまく打てるようになることの目的が、「ゲームを楽しむこと」で、そのために「狙った通りにボールが打てる」ようになりたいんです。強打をまっすぐ打てる、それがいつもコートに入るだけでは、強くはならない。高いボールも低いボールも加減しながら使い分けて、相手を相手のコートで動かすと返球のパターンを限定させることができるようになるわけです。それって教わったからってやっていいものじゃない。例えばコーチが言った配球の通りに打てたとして、球速であったり、それぞれを打つポジションであったり、バウンドのどのタイミングで打つのかによって、また相手の予測がどうだったかによって全く状況は変わります。そういう空気を作るのに、自分の中にビジョンがあるかどうかのほうが大事。それを一つ一つは「教え」られない。できるのは「見せる」ことです。

クラスの中では打ち合わせなしで自分が言う通りのショットから相手のショットをコントロールして見せることです。スライスを使うとどうなるのか、それは相手から見たらどうなるのか、だからこういう効果があるんです、まで説明したい。

もちろんそういうシーンを作ってもまったく狙った効果が出ない相手も出てきます。それはその相手がものすごく強い人で自分の狙いの意図を知って逆襲してきているか、その対応ができなくて自分のやり方でしか対応できない人かどっちかです。それはその時に対策を考えなければならないし、さっき見せた作戦のショットを出汁にして今度は意表を突く効果を信じてやってみる、っていうことが大事・・・っていうか試合の仕方です。

相手は自分のキャラを見定めようとしているはずで、「このひとバックに打っとけばスライスで返してくる」ってことがわかれば怖くないかもしれません。「ミスしないけどクロスしか打たない」とかっていうことを観察してくるわけです。

そういうゲームの時におこる、楽しい部分・・・闘っているというスリリングな体験・・・を紹介したい。

決して私はゲームがうまいほうではないし、大会で何度も優勝してるとかっていう猛者でもありません。とはいえ県の選手権で上位に行くこともあるし、優勝経験だってないわけじゃない。

だからこそ!って私自身は思っています。考える楽しさは、それを大変だぁって思いながらやることです。どうせ試合中って頭の中は高速回転してるわけですが、「迷い」があると回転数ばっかり上がって煙が出てくるような思いをします。

それを整理して考えられるようになるのに、戦略とか戦術とかっていう言葉が出てくる。

 

これまで「打ち方」ばかりのコーチだと自分の中で自分を揶揄してきた部分もある私でしたが、ダブルスにせよシングルスにせよ、戦い方を考えるテニスの楽しみをやっと紹介しようとしてることに気づけました。

押してダメなら引いてみな、ってことばもあるし、テニスの試合でもそういうことはあると思います。

練習ってたくさん失敗することだと思うようにもなりました。失敗しながら練習していく。それも昔なら「失敗を減らせるようにする方法を教える」みたいなところがありました。失敗って努力目標にすり替わります。そこまでコートが見えていて、相手のショットに対応がうまくいっていて、狙ったところでミスをしてるわけです。最後のピースがちゃんとはまれば作戦通りのショットになるはずなんですね。そこの感覚的なズレとか、自分の動きの速さとか、相手のテニスの見立てとかのビジョンをしっかり持てるようになればいいってことなんですよね。

慣れれば慣れるほど対応の速度も上がります。それが上達。


カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:51 | コメントをどうぞ