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ナガキヤスヒロ

ナガキヤスヒロ の紹介

フリーのテニスコーチをしています。テニスにこだわること数十年。。。こだわりが強くて周りに引かれることも多いくらいですが、コーチとしてはアリかと。 こだわりはあるけど発表できない世の中ではダメだ!と思いブログを再開します。 以前のブログ=「身辺テニス情報」 オタク万歳!!

《考察》ジョコビッチ攻略

えー、ライブスコアでしか見れていないのですが…

錦織選手 マイアミ決勝進出おめでとうございます!!

いやー、もー、すげえ!

ライブスコアで、2セット目6−5アップのリターンゲーム。キリオスから40−Aの、最後のポイント。どんなラリーしてんのか、その前のポイントが終わってからの間の長さ。。。

ただ数字が変わるだけを期待して待っているのに、まさに「固唾を飲んで」待ち構えていました。スコアボードが7−5になるのと、「Nishikori」に✔️マークがつくのが同時で、その場でバンザイしちゃいました。なぜだかトリハダ!スコアだけなのに!

 

さて、そんな決勝進出記念に、ジョコビッチ攻略の作戦会議を自分の脳内で開催してみました。

もちろん、妄想なので、錦織がどのようにジョコビッチのショットが見えているのか、どのくらい打ちづらいような影響下でショットを放っているのかは考えていません。映像を見る限り、ショットそのものがすごすぎてコントロールできない、とは思っていないので。。。

 

攻略法その1・いつもよりちょっと下がる

ジョコビッチが苦戦した、あるいは負けた試合は、昨年から見ても数える程度。フェデラーに3度、あとはマレーとワウリンカとカルロビッチに1度ずつ。

苦戦した試合はちょっと詳しくはわからなくなっちゃいましたが、フェデラーは超速攻、カルロビッチはサーブ&ボレーですが、カウンターのうまいジョコビッチには、フェデラーといえど、その勝ち星のたびにリベンジされています。そして15年のツアーファイナルのラウンドロビンでフェデラーが勝ってから、その後3度の対戦はすべてジョコビッチが勝っています。

全豪で、シモンがジョコビッチから多くのミスをさせ、ファイナルセットまでもつれる大接戦を演じました。

それと、去年の全仏で、ワウリンカは4セットでジョコビッチから優勝を奪っています。

この二つの試合の特徴は、ジョコビッチのショットのスピードが殺されている、ということ。

どういうことかというと、例えば我々でも、試合の時にオープンスペースに放ったショットに相手が走り込んでいると、しっかり速い球を打ったはずなのに、走っている相手はぐんぐん追いついてくるのが見えて、まるで自分のショットが遅くなったような感じがすることがあります。

もちろん、実際にコートにバウンドすれば、ボールスピードは大幅に落ちます。だから、プロ同士のラリーになった時に、ショットが抜けやすい、抜けなかったとしても相手を上手く崩せたような状況でなければラリーが終わらないと思っていた方がいいでしょう。

カウンターパンチャーは、そういう状況の中、相手に強いショットを打つために踏み込ませて、つぎの体勢が整わないうちに厚く当てて返すコントロールができれば、先に打った方が不利になる、という戦法。

当然、後ろに下がれば、自分の守備範囲が広がるというリスクも追います。

シモンの試合は、ジョコビッチが打ったショットが有効な場合にはつぎのショットが取れないこともしばしばあることも承知で、時間をとることでジョコビッチのショットから受ける影響が少ないような返球姿勢がとれることで、相手が不安になるような、イヤーな「間」を稼いだように見えました。

ワウリンカは、後ろから撃つ自分のショットが強くて重いショットであることを利用して、ジョコビッチが自分から仕掛ける時に疑いを持つようにしたことと、クレーコートであることの両方からラリーが長く続くと見せかけてアングルに鋭く強いショット(これを入れるのはすごく難しい)それに加えて目の覚めるようなストレート(その深さから打ってきても取れそうな距離に見えるので、警戒が少ない)にうまく持っていくことでバックハンドからのウィナーが印象に残りました。

印象に残るポイントは、数は少ないのでただ印象に残るだけなんですが、それがきっと精神的に重たいポイントになるんじゃないかと思います。

だから、印象に残るだけでいいのなら、重くないポイントで撹乱のために使う。15−15とか、うまくいかなくてポイントを取られても挽回可能な時に使ってその次のポイントに疑いを持たせるとか。それが錦織にとってただの布石にすぎなかったとしても、後からジョコビッチにとってのプレッシャーになるかも。

あるいは、2−2か3−3という、先行されずについていけている状況で、相手のサービスの時に、1ゲームまるまる粘り強くラリーをしてプレッシャーをかける、とか。

ジョコビッチは精神的に優位に立ってラリーをしている時は、相手から攻めのショットを打たれても、有効なパスやカウンターを打てると自信を持っているので、簡単には崩れません。

ただ、最近はそういう試合をあまり見れませんが、精神的に充実しない状態で相手の方に流れが傾いたりすることがあります。セットを落とすときなどは、急にショットの読みが外れたり、余計なミスみたいなことをしてくれます。

歯車が完全に狂うのは、最近ではワウリンカ戦でしか見ないですもんね。狂った後に、ギアアップとか(シモン戦の時はファイナルセットになってやった)できないくらい、ワウリンカはやりづらい相手なんだと思います。(ワウリンカって、その唯一の存在になりかけているのに、トーナメントの序盤で負けちゃうことも多いですけどね…)

 

その2 先に打ってくるまで仕掛けない

これも、「守り戦法」みたいですから、逆に乗せちゃうと大変なことになるかと思いますけど。。。

例えば、錦織側から惜しかった、とか、悔しさの残るポイントを取られた後に、遮二無二ポイントを取りに行くような姿勢になるのではなくて、逆に「別に気にしてない」「今日はタフに戦う準備がある」というのを見せつけるためにやります。

例えば、錦織はいま、彼を攻略する一つの手がかりとして、セカンドサーブをひっぱたく、という戦術をとる相手が増えてきています。マレーもそうでしたし、ワウリンカやペールもそうでした。それがうまくできる選手も少ないからいまのランキングに入るんでしょうけど、ジョコビッチは確実にそれができる一人だと思います。

ひっぱたくにはコースや深さなどにある程度制約があるものだと思うので、錦織ならそのつもりでサーブを打てば、一発だけしっかり返して、その後のラリーに持ち込めるんじゃないかな?

ここで考えているのは、そのヤバイ状況のポイントは、たとえ落としても、後からやりづらさを感じてもらえるように終えられることがカギだってことです。

だから予測が外れてエースを取られたり、もう一度とどめのウィナーを叩き込まれたりしてポイントを落とすかもしれませんが、それを狙われてる、と思われるような要素を残せるのなら、やってみるポイントが数ポイントあってもいいかもしれません。

 

その3 正攻法で速い展開に

これが錦織の必勝パターンですから、この形で取れるポイントがある、というのが本人のメンタルには一番の安定剤になると思います。自分が崩れない、攻めていけている、と感じられる時にジョコビッチの「上から目線戦法」をその上から睨み返す…という図式になれるんじゃないでしょうか。

特に、自分のサービスゲーム、それも、ポイントリードを狙っていくような場面では積極的に行くべきですし、それを落としたら先に書いた二つの遅功戦法でタフな戦いに誘い、いくら打っても平然と返ってくるという恐怖を味わってもらう、なんていう感じ。

 

 

相手はいま、神の領域に踏み込みつつあるジョコビッチですからね、勝てるかどうかはわかりませんが、中一日あって、錦織陣営はどんなプランを立てているのでしょうか。

マイアミの、高温多湿の気候条件も試合を左右する要素になるのかと思います。準決勝のゴフィンも、かなりタフな試合を挑んでいて、ファーストセットは惜しかった。あのスマッシュね。。。ちょうどいるところに軽く入っちゃいましたからね。。。

セカンドセットには、それ以上あげるギアがなくなった感じで、ラリーはタフながら、ジョコビッチにブレイクを許してしまって後がなくなりました。

ジョコビッチはファイナルセットとかに6−0とか6−1とかの圧倒的なスコアで終えるのが去年から目立ったのですが、今年はフェデラーとの全豪決勝とかもそうですし、ラオニッチとのインディアンウェルズ決勝も、攻略したと見るやそこからはゲームをろくにとらせてくれません。

 

以上、勝手な妄想でしたが、できるんならみんなやっとるわい!って感じでしょうね(笑)。

14年の全米準決勝以来、連敗中の錦織は、さてどうやって試合に入ってくるのでしょうか?

楽しみです!!

 

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 01:00 | コメントをどうぞ

モンフィスを支持

いやーーー

今朝の錦織vsモンフィス戦。

朝起きたらもう3セット目の4-5.40-40!(テニスオタクが聞いてあきれる起床時間・・・)

やっべ!これすぐ見に行かなきゃ!とリビングに降りてテレビをつける。

ベッドの中ではライブスコアでだったんですが、テレビつけたら5-5に。

聞けば、そのゲーム錦織のサービスゲームで0-40までいったんだとか(みとけよ)。

いやあ、ヒリつきました。モンフィスにあったマッチポイントは5度。

プロの試合ではよくニュースで聞きますが、相手のマッチポイント5度ですよ、5度!あと一点で負けちゃうっていうのに、まードロップショットからでも、ネットプレーでも、勇気のいるポイントでしのぎます。

錦織はクールに、そして目に力がある。次のポイントに向けて燃えているような表情。

すごい!デ杯での敗戦以来、諦めないで戦いきることと、精神のつなぎ留め方?あきらめずにファイトし続ける、あのファイナルセットの勝率歴代世界一だった強い錦織圭が帰ってきました!

勝負はタイブレークに。4-2リードでミニブレークを許しますが、そのあとのモンフィスのサービスを二つ破り、モンフィスとしてはもうどうしようもない、と思っても仕方のない状況に。

タイブレーク6-3で迎えた、その最初の自分のサービスポイントを、フォアハンドをクロスにウィナーを叩きこんで決着がつきました。

 

モンフィスは4-5のゲームをとり切れなかったところで、体力的にそうとうしんどかったのでしょう。膝に手をついて、ウェアはびっしょり。汗もあるかもしれませんが、この大会は熱中症?で棄権する選手がナダルをはじめ何人か出るほどの猛暑。気温も湿度もたかい、厳しいコンディション。

チェンジコートではモンフィスは、ペットボトルの水を頭からかぶり、息が荒れているのか口に含んでもぶうっと吹くような感じで、消耗しているのが顕著な感じ。

しかし、タイブレークまでのラリーでは、パフォーマンスは落ちたように見えませんでした。

それでも、錦織は執拗にモンフィスを走らせ、ダメージを与えていきます。自らのミスにもつながる、超ヤバい橋を、お互いに渡るかのよう。

 

勝負の決まったフォアのクロスウィナーのあと、お互いに大きなアクションはなく、激戦の様子をかえってうかがわせます。

激戦の勝者も、相手を称えるのは無論笑顔で行くものですが、このときのモンフィスのやさしい兄貴のような笑顔に、またシビレました。

ブログでもよく書いているように、ワタシはフェデラーのファン。で、プレースタイルのもっとも近い、錦織圭の試合はどうしてもいつもみたいです。(その割には今朝は・・)

今年の注目はティエムですし、好きなプレーヤー、見たら絶対楽しめるという選手はいっぱいいます。

もちろん、モンフィスもその一人。現役選手の中では、最もトリッキーな選手であり、それがショーマンシップに生きている。それでいて今年の全豪からみているモンフィスは、そういった一見ムダ?に見える派手なプレーを封印?してベスト8まで行きました(ラオニッチに敗戦)

今日のモンフィスも、勝ちにこだわる、一本一本が真剣なプレー。

そのプレーを終えて、あの笑顔。

いやいや、惚れてまうやろー

かっこよかった!

もちろん、錦織のマッチポイントを一発で決めてしまうメンタルとショットメイクにも痺れ、あさの6時半過ぎにテレビの前で「勝ったー!」って叫んじゃいましたが、今年のモンフィスはまだ行くでしょうね。いや、いってほしいですね!

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:36 | コメントをどうぞ

スイングをシンプルにする

ショットを打つためのうごきに、いくつかのプロセスがあると思うのですが、その項目を減らすことがショットをシンプルにし、その確度をあげることにもつながるのではないでしょうか。

例えば、ストロークのスイングで、テイクバックして、ヘッドダウンして、インパクト面を作って、フォロースルーへ。

この中で、ヘッドダウンして、というのは無くてもいい。

要素として、ヘッドをあげてテイクバックしたものが、見た目落ちていなければスライスになるか、地面にたたきつけるかどちらかにしかならないと思いますが、スイングをグリップからインパクトに向けていくと、立っていた形のラケットは自然と倒れてヘッドが下がります。

もう一つ、肩と腰のひねりこみがしっかりされていれば、インパクト前にしっかりそれが出来てきちんとスピンがかかるはずです。

そこいらへんの、形として出来ていれば、意識して動かさなくても勝手に(自然になされる)動きがあるなら、意識としては省略しても良い。

ある程度訓練されてくると、出来ることが自然になってくるようなら、そこは飛び越してよりインパクトに集中できるようにした方が、ストロークの確率が上がると思いませんか?

プレーヤーの技術レベルに応じて、というよりかボールへの習熟度に応じて、出来ることは出来るとして次に気にしておくと威力が増しても確率が落ちない方法とか、強く打っても当たり損ねやミスショットにならないですむような方法はあるわけです。

というのは、それが出来る人がいっぱいいるから。

大事な約束事を抑えておくことで、そこにフォーカスを合わせておくことで忘れずにとおるプロセスは、意識からは省略して良い事にしましょう。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 17:19 | コメントをどうぞ

スライスで使う力

きのう、ジュニアにスライスを指導する、という記事を書いたのですが、まあ概念的に自分が思っていることを書いちゃったので、具体性もなにもなかったですよね

で、スライスが苦手な人が何が足りないのか、ジュニアに限らず一般でも、ある程度ラケットの扱い方に「あそび」を持たせておかなければ、後から急に言われてもできませんてなるのが怖い、と思います。昨日もそういった観点から思ったことを書いたまで。

ストロークでドライブ系のショットをうまく打つには、打点に先に

「腕が入る」

という要素が必要になります。そこにラケットの動く流れがあってほしいわけです。

腕とラケットで成す、二重振り子の動きですから、先に腕が運動をはじめ加速をし、その腕の動きからラケットに伝わった運動エネルギーがインパクトに結びつく、というもの。

野球のようにどこまでもとんでもいいものではないですから、そこで出来る面の向きと、振り抜き方向に一定の法則が出来るようにしておいて、強烈なインパクトであってもコートに収まる方法があるんだと思います。

プロのフォアハンドのウィナースピードって160キロくらい出てることがありますよね。以前ウインブルドンでデルポトロが放ったフォアのクロスへのウィナーは190キロってでてたけど。。。それが入るんだからすごいっす。

腕の動きが不十分であると、どこかで手首やひじなどの関節を上手くたたむようにして面をつくることが出来ます。多少くいこまれても返球できる。

だから、ちょっとくらい打点を外してもラリーを終わらせずに済むわけです。

そして、そのショットは威力もコントロールもベストじゃない。それは、畳んだ腕が途中でエネルギーを十分にラケットに伝えられなかったから。

で、腕が入らなかった時に、

面をつくる・面を入れる

みたいなことをするわけです。

これは、あまりスイングをせずに、ギュッと握って面を固めるようにして、ラケットの反発力を使って弾き返すような形になります。

これは、面の向きの作り方さえ良ければ、コントロールはちゃんと出来ます。

面白いのが、打点を後ろ側にとって面を入れる(ギュッと固める)とボールはそこそこ飛んでいきますが、

打点を後ろにとって面を固めつつスイングで運ぼうとすると、全然飛ばなくなります。

ちなみに、文章だけでは分かりづらいので捕捉すれば、打点を後ろに取っちゃったら厚いグリップで持っていられなくなります。向けられないから。

 

とまあ、そんなようなラケットとボールの約束事を頭に入れておくと、ストローク(ここで言うのはドライブ系の)と同じようなボールの見方や打点への入り方をしていくと、やりづらさを感じるんだと思います。

ここの、ラケットの出てくる動き方の違いを手が理解していると、スライスもドライブも、どっちもいけるようになると思います。

体全体が動いて打点じゃなくて、手が打点に入ってラケットが出てくるとか、面が出てくるとかっていう感覚にならないと、分かりづらいものはあるんじゃないでしょうか。

普通の高さのボレーで考えるよりも、難しいハイボレーとか、身体から遠くに腕を伸ばして打つような打点の時(もちろんサーブやスマッシュでも)にもそういう(ラケットでボールを見れる)みたいな感覚は役立ちます。

連れてくると、流れ上出てくるラケット=腕を入れるとできるラケットの動き

腕の長さや動きは位置を合わせるためにつかって、手のひらで解るボールの感覚をつかう=面を入れる時に使う力

ちなみに、腕を入れる方の動きをしないと、ドライブ系のショットは上手く飛びません。

てことは、面を入れる動きは、ブロックとかスライスの動きになります。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 12:39 | コメントをどうぞ

ジュニアにスライスを指導する

テニスキャンプを開催しました。

ジュニア向けの、ショット強化合宿in白子・・・というタイトルで小学生を対象に一泊二日、楽しい合宿でした。

何が楽しかったかって、子供たちのパワーの凄さですね!「仲良くなってほしいと思ってます」と言ったら数分もしないうちにクラスメートみたいになっちゃって、いま初めて会った学年の違う子供達とは思えませんでした。

いやー、ずっと笑かしてもらってました。。。

さて、今回はもともとの企画としてはスライスやボレーと、サーブの強化合宿というタイトルだったのですが、結果としては、やっぱりラリーの基本になるストロークもみっちりやっちゃったりしました。

時間があるというのは良いもので、段階的に慣れていくところを見ながら次のステップを用意できるところが、普段やっているレッスンよりも、今回初めて会う子供達でももともとどのくらいのスキルがあるのか、こうやってやらせてみたらどのくらいできるのかを見ながら進められたので、そういう意味ではやりがいがありました。

仲良くなれたので、どうしても基本スキルの方に目が行ってしまうのは、ワタシの生業では仕方のないことでしょう。でも色々と良いヒントを持ち帰ってもらえたのではなかったかと思います。

 

さて、タイトルにある、ジュニアにスライスを指導する、ということなんですが、いくつか心配な要素があります。

まずは、その是非について。

いまだに、小学生にスライスを禁じるスクールがあるようですが、ワタシはそこに一理あることを認めつつも、持論としては正しく教えることが必要で、小学生の間は使わないものだとするのには反対です。

というのも、昨年の全米でR・ビンチがセリーナを打ち負かしたのもペースのあるスライスを打てたからで、男子でもトップ選手はネットを取るのに有効な手段であったり、ラリーのペースを落ち着かせて自分の展開に持ち込みやすくしたりする重要なアイテムになりつつあります。

ということは、スライスのショットの役割は確実にあり、相手に攻めづらくさせる良い展開をつくれるショットであることが第一です。まずはそれを知ること。

悪い方向性のものとしては、動けば打ち込んでいけるようなシーンで、フットワークを怠って面だけ合わせて返すようなショットを覚えると、そこに頼ってフットワークのトレーニングをいい加減にやったり、ラリーの最中に注意力の落ちたようなダレた動きをするもとになりかねません。

スライスを「当てるだけ」とか「面をつくるだけ」で打つショットと勘違いするから(そうやって打つショットがアンダースピンになるから)スライスは悪者のように扱われるんじゃないかと思います。

 

第2には、ラケットの扱い方の問題

これは、あれこれを詰め込み過ぎてはいけないだろうという指導する側からの心配もあるかと思いますが、ラケットの扱い方をトップスピン型にし過ぎているのは指導者の過ちなのではないかと思います。

もちろん、自然な動き方をすればスイングは野球の打ち方のように横殴りというか、叩きつけるものになるかもしれません。それで不安定なショットになればなかなかラリーが出来るようにならないですが、うまくドライブ系の当て方とスライス系の当て方の両方を自然と知る方法が無いかと思います。

スイングの全体の長さを考えれば、場所によってはスライスが使いやすく表れる位置と、ドライブの面をつくれば安定するように現れる位置が違うだけで、同じ動きの中で、握りやそれによって変わる面の使い方さえわかればいいのです。

スライスは非常に正しく教えるということが難しく感じるショットで、その原因は多様性にあるということだと書いたことがあります。

ブロックのような形でもあるし、チップショットのような形でもあるし、パンチして鋭く飛ばすこともできるし、ドロップショットのように飛んでいかないショットに変えることもできる。

ただ、スライスをうまく使える人の感覚では、同じ入り方からの「ちょっとした工夫」でそれらをつかいわけている=一つの感覚の中の広い範囲がある、というのが出来ない人にとっては理解できないものみたいに感じるので、教える方は出来るけど、出来ない人に上手く教えるのがすごく難しいものなんです。

 

教わる人は「正解」を求めている可能性が高くて、それが出来れば満足すると思うのですが、そこで別の切り口からスライスはこんな風にもできるんだ、なんてやると混乱してしまうこともあると思います。

そこで、ボールがラケット面に当たって飛んでいく感覚だけで、打ち方として指導するというよりは、ボールの軌道を見せて、そうやって飛ばすにはこんな風に感じてみて下さい・・・という「当て方」を工夫する、というアプローチならどうか、ということかもなと思っています。

そうすればラケットの握りが厚いままではいろいろと器用にボールを扱うことが出来なくなるのが解り、基本の握りは薄く握っておけば色々なことができるようにすることでサーブやスマッシュなどへの対応が楽になると思いますし、ストロークは良く鍛えられているのだろうから、グリップチェンジして厚い握りにするのは問題ないんじゃないかと思います。

ボレーヤーでサーブが苦手、という人はあまり見たことがないです。身体から遠い位置でも面のコントロールが出来るような、グリップと面の感覚があるからだと思います。

サーブだって打点は高くて、言ってみれば体の中心からは遠い打点の一つですからね。

ストロークのスイングで飛ばすイメージだけではなくて、ボレーの面感覚で距離や軌道の高さをしっかりさせられるようになると思います。回転をかけることにだけ、サーブが入る感覚を持たせるのではなくて、この角度の手(面)をつくれば、だいたい入る、ということを約束にしなければ、スピードを上げていくときに障害になりかねません。

もう一つには、ショット自体の使い方が出てくると思います。

高いバウンドのボールに下がってムーンボールを合わせるだけでは埒が明かないと感じているジュニアプレーヤーは多いはずです。バウンドの高い位置に、背の低い選手が下から上にスイングを入れれば、スイング自体が上がりきったところでしかインパクト出来ないために思ったような軌道にボールを打てなくなります。

相手にそれ以上高いボールを使わせないためにライジングで合わせられるならスライスは高い位置で待ちやすいために打ち方としてのアドバンテージがあると思います。もっとも、そのタイミングで打つ勇気と慣れが必要だと思いますが。

また、低めの短いバウンドのボールを、攻められないようにコートの中に使い、そのあと思い切って相手を下がらせれば、相手の高いショットを短くするような、前後に振るような動かし方をすこし早いペースで出来るようになったり、自分が相手にこうやってプレーさせたい、という時間のコントロールが上手くいく要素を持っている可能性もあります。

しっかりスイングしなければいけないドライブよりも、面を合わせてシャープに速い球が打てるスライスは、使いようによってはストレートなどの狭い範囲にうまくコントロールできるアイテムかもしれません。

スイング自体が必要というよりも、もっと面の感覚が必要ですがスライスなら面を合わせて押し込むことでスイングはシンプルで良くなるために、どうしてもそっち方向に入れたいときなどはスライスは便利です。

 

戦い方の重要なアイテムとしてスライスは存在しているわけですね。

 

だから、早晩、ジュニアでもスライスは必須になるような時代に入ると思います。

 

 

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 18:13 | コメントをどうぞ

大事な場面でミスをする

キンチョーするんですよね・・・

それで、ミスをする。

年末にでた、千葉県選手権を、動画に撮ってもらっていたんです。(試合は負けたんです)でそれを見返していると、セットを通じて同じくらいミスをしているんですが、ワタシがしているミスって、割と大きなポイントでやらかしているものが多いんですね。

このチャンスをあっさり決めて、ノリたいところの、超簡単なネット前のボレーをなぜかネット。

それも、ペアの藤井クンが作ってくれた、完璧なチャンス。

その後も1-4から追いついて、4-4のペアのサービスゲーム。

自分のポーチがアウト。

ペアのボールがチャンスになり、相手の打ち込んでくるコースにいたワタシが受けミス。

作戦でポーチに出たところをストレートに抜かれ、0-40。

試合の序盤と、もっとも勝負のかかった場面で、ワタシがゲームを壊しました。。。

ホントにゴメン。

もうね、ホントに、闇の世界の悪霊がとりついたんじゃないかってくらい、絶妙なタイミングでミスをする。

え?そこで?っていうミス。

しかも、なんで自分だけ?みたいな感じしますよね。

 

でまあ、自分を例に出してはみたんですけど、誰でもそういう経験してるんじゃないですかね。

それで、勝った試合の後は、あんまりそういうイヤな思い出はなかったりします。ミスはしていたかもしれないけど、重要なシーンじゃなかったか、そういうところを乗り切っていいイメージのゲームができたからなんじゃないでしょうか。

さて、ミスらせるのは、プレッシャーです。

目に見えないものに原因を作るのは、好きじゃない(ワタシもそうですし、そういう人も多いと思います)。

ですが、心理的な要因で動きが固くなったり、ほんのちょっとの狂いが出ることもあるのは事実。

で、あるものは仕方がないので、それとどうやって向き合って、克服するか。

今は年を取って、「ナガキコーチはメンタルが強い」なんて言われることもあるんですが、それって普段と変わらないくらいユルっとした動きなのと、基本的なミスが少ない(ように見える)ことからなんだと思いますが、もともとは不思議なくらい緊張するタイプ。

試合前から手のひらは汗びっしょりだし、トイレ近くなるし、ずっとドキドキしてる。

テニスの試合で緊張する(特に初戦)では、ワタシの対処法は、やたらめったら走る。

心拍を上げて、ドキドキしてるのかゼイゼイしているのかわからないうちにゲームに入れるようになって、しかもそのころには体がよく動くようになっている。

うまくスイッチが入れば、普段の練習のように気持ちよくショットが出て、相手もよく見えて守備もうまくいく。

こんな、自然とできる方法を自分で見つけた時はしめたとおもいました(笑)。

しかし、コーチとしてはみんなにそのプレッシャーがあることを知ってもらって、自分のパフォーマンスに不安があること、狙った通りに打てると思ったショットにも精度の問題が常にあることなどを説明するうえで、心理的なものは話すようにしています。

自分の練習で思いついてやっていたのは、3ポイント連続でとるまでやる、という試合。

2連続は相手の緊張もあるので、偶然でも簡単にできるものですが、たった1ポイント違うとその確率はぐっと落ちます。4ポイントになると、意図的にやり切るのはホントに大変です。

1ポイント目、2ポイント目と、挑戦者の心持ちで強気にポイントしたとしても、あと1ポイントを絶対確実に、と思うと1stサーブが入らなくて急にラリーが弱気になったり、思い切ったショットも大きくアウトしたり、不用意に挑戦的なショットが返ってきて甘くなり、そこをつけこまれて逆襲されたり、などなにしろ取れないときは強気でも弱気でもうまくいかない。

 

さてテーマはここにあります。

強気と弱気のあいだでゆらゆらしたものがあって、それをどうしていいかわからずに不安定でどこに力を入れればいいのか、あるいは抜けばいいのかわからなくなる。

メンタルは、だれもきっと強くないし、弱くない。差があるとしても、たぶんちょっとの差。

あるいは、メンタルが弱くて、と悩んでいる人はこのことに気づいていてどうしていいかわからないと思っているだけで、悩んでいない人は気づいていないで飄々としているか、自分のことがあんまり好きじゃないとかっていう人。

そうじゃなければ、納得のいくトレーニングを積んでいて自分のパフォーマンスに自信があるか、本当の天才か?

プラス思考かマイナス思考かは関連があると思います。

ミスに落ち込みながら、自分をどんどん落としていく人は、まあ勝てるようにはならないでしょう。

だけどある意味マイナス思考でも、自分の最低なプレーをイメージしてみて、相手とアップで打ち合ってみて、そうでもないとか、試合の序盤をそれよりもいい感じで入ったら、落ち着いたゲーム運びができて勝てたりする。(←ワタシがこのタイプ…うまく乗れなくて負けることもありますが)

プラス思考でも、ミスしてもお構いなしにパカパカ打って自滅してたら、ただのバカなんでしょうし、自分をうまく持ち上げる要素を見つけていい方向へもっていこうとできるのなら、自分の性格を知ったうえで強くもなれると思います。

自分に自信のあるナニカを、武器として持っているのならそれだけでもメンタルを支える太い柱になります。サーブでも、フォアハンドでも、どんな球でもあきらめずに走れる足でもいい。自分の武器を知っていることは強くなれる条件。

ただ、たくさんのプレーヤーの中で、人より抜きん出た武器をはっきり持てている人というのもそんなに多くないのかもしれません。

そこで、自分にできることを丹念にやってみるとか、相手の戦力分析をしてみるとか、そういうことに頭を使うことで心理的に自分と相手が同じだとか、自分の方が先読みしているとか、優位にいるように気持ちを保つようにすることもあります。

自分はよく試合の時の自分がどうなってしまうか知っている、として、同じくらいのレベルだけど、自分の方が相手のちょっとだけ先に行く方法を考えよう、みたいなことです。

相手はフォアハンドが得意らしいけどそれでも自分も返せないわけじゃない。しっかり打ってもきっちり入るようにクロスに強く、あまり厳しくないコースでラリーして、たまたまいい球になっちゃったり、戻ろうとした相手の逆を突いたとかで一瞬でもスキがみえたらバックを狙ってみようとかを想定します。

相手のテニスと自分のミスが出ない範囲の計算ができるなら、あとは必死にしっかりつなぎながらチャンスを待つ。何しろ相手も自分に勝ちたくて必死でしょうから、最大限に油断なく戦って、何ポイントか、あるいはしのいだら大きいようなポイントでゲームの要所を締め、相手を心理的に追い込んだり、心をポキッと折っちゃったりしたいと思うわけです。

試合をしているときに、自分の都合しか考えていないと、メンタルがどうとか言っても自分で打破できるようなものなら今頃はそれ専用の教本とかトレーニングコーチとかがいてすごい稼いでいるんじゃないかと思っています。

専門家はすでにいますけど、一部のプロ選手についていたり、一般プレーヤーにはむつかしい存在かもしれません。

 

相手と自分

相手が打ってくるショットは、それぞれ自分にとってどうでしょうか?

①返球もむつかしい

②半面のコースの打ち分けならできる

③球種を打ち分けて、強弱や高低の差をつけてリズムを変えられる

④相手よりも強く打てる

⑤相手よりも強い球を、コースを変えて打ち分けられる

⑥ラリーしながら相手のショットを押すように、コート内に入って攻撃的にいける

⑦狙ってエースがとれる・それを拾われてもトドメを刺すまで攻め続けられる

・・・とまあ、できることのランク付けみたいなものがあるわけです。

例えば④は、強く打てるだけで入るかどうかわからなければ、①よりも下になりますが。←大事なシーンでも入れられるなら④はそこでオッケーですが、たびたび決めに行って自滅しているようではダメですよね。

それが、またサーブに対してどうか、フォアハンドに対してどうか、バックハンドになったらなにか変わるか、ネットに出られたらどうだろうか、ということをシミュレーションしてみて、生き残れそうなプレーを相手にさせましょう。

そういうのに集中していくと、メンタルがどうとか、試合中に考えずに済みますしね。

 

自分と相手

自分が相手のどっちを狙ったらいいのか、相手の弱点を見つけたけど、そこを自分が狙う力があるか、そして今日はどうか。何球までなら続けられるか。

・1stサーブではコースをしっかり考え、確率と威力とコースをどのくらいのレベルで入れられるか

・2ndサーブではいかに相手のタイミングや打点を狂わせられるか

・サーブの後のショットがどのくらい攻撃的な動きで入れるか(相手の返球の具合はどうかってことと自分がどのくらい準備よく形に入れるか)

・バックハンドの精度はどうか

・コート内に踏み込んで打ったショットを、相手はどのくらい強気で打ってこれるか

・高く弾ませた影響はどう出るか

・スライスで低く滑らせたり、速い球への対応はどうか

・ネットをとったらプレッシャーと感じてくれていそうかどうか(相手のプレーの質が落ちる=焦って勝負球を打ってきたり、無理に狭いコースを通そうとしたり・またはその時の精度)

・・・とまあ、挙げればきりがないかもしれませんが、自分の得意パターンや持ちネタを相手にぶつけてみてどうかってことを計測するようなつもりでゲームの序盤を戦うわけですね。

この時点で差がはっきり出ているなら、ワンサイドになる可能性もありますし、自分が勝っていて後で追いつかれたりするときは、相手も分析ができていて、すでに最初に見えた相手とは別人になっている可能性があります。

緊張している自分に気づけば気づくほど、あるいは無視していても考えないでいれば、大事なシーンでミスをするのは自分かもしれません。

ミスをしている自分と、未オスをしなかった自分とが具体的にどう違うかを知っているってことも、練習をよくしている人なら持っているアイテムで、練習していてもたくさん打っているだけで実験的なことや反省などをあまりしない人はある程度強くてもそれ以上に行くのが大変なんじゃないかと思います。

ワタシだって一生懸命練習して実験して反省して試合もしてますが、心理的なものは自由になったりしません。

いい時ってこうだな、ってときはいま書いたようなことが全部自分にとっていい方向へ回転していて、そこに乗って気持ちよい緊張感と、高揚感のある勝ちを味わっていると思います。

 

 

 

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 23:54 | コメントをどうぞ

自分のテニスに合った…

人にはそれぞれ動きのタイプがあるようで、「4スタンス理論」なんかを読むと、いくつかのタイプに分かれて得意な動き方がある、というようなものも紹介されています。

ワタシもそれを読みました。そんなに深く読めなかったのですが、動きのタイプ(姿勢や体の中での位置のタイプ分け)があるといっても、そうかといって苦手な動きができなければ相手としてはそこを突きたいと思うわけですね。だから人を見るときには非常に参考になりましたけど、だからと言ってこういうタイプの人はこういう動きは苦手だからあきらめて、とはレッスンで言えないなぁ…なんて思います。もうちょっと勉強しないといけないですね。

 

今週ブログの更新がいつもよりも多いのは、かける時間が多いから(笑)。息子の卒業式やら、申告やらで予定を入れず、外に出ずに家にいる時間を確保できているからなんですが、そうすると考え事もするわけです。

 

さて、今回は自分のテニスに合ったナニカを考えてみようという企画です。

冒頭にその人に合った動きがある、ということを書いたのもそこに行こうとしていたからにほかなりません。

その① 自分に合った『ラケット』は…?

ラケットを選ぶのは、テニスをこれから始める人には、なんでもいいんだろうなと思っています。もう30年近くコーチをやっていて、結局そう思うようになりました。

ただし、最初の出会いはその人のテニス観をそこで作ることになるので、最初に握ったラケットのタイプが、ずっと好きなラケットのタイプになっていくと思いますから、どうでもいいっていう考え方とはちょっと違います。

体格や運動能力などによってツアータイプのような昔からあるオーソドックスな薄めのビームのラケットがいい場合や、フレームの厚みや面の大きさがあって高反発なタイプがいい場合なんかもあると思います。だからいくつかのタイプのラケットをショップやスクールの試打用のラケットから借りてみて、上手な人に見てもらったり、自分で感じたりしてから自分のラケットを選べればいいと思います。

経験者の方が、新しいラケットを考えてみるときには、今使っているラケットで普通にスイングしてちゃんと打点が取れていれば、いつも通りのいい球が飛んでいく、という感覚があると思います。

それができる条件でなら、同じスイングをしてみて、ラケットを替えるとなにか影響があるかどうかを見てみればいいと思います。手のひらからフィードバックをもらいながら、普段のラケットよりも上に飛んでいきやすかったり、左右にぶれやすかったり、回転がかかったりそうでなかったりするような感覚的な部分があるかもしれません。

それが、フレームに張ってあるストリングスの硬さや種類である場合や、フレームの硬さ、面の大きさなどの違い、またはラケットのバランス(スイングウェイト)による場合などいろいろな条件が出てくると思います。

扱っているプレーヤー自身の手が、違和感を感じたり、期待と違うボールばかり飛んでいくなら、そのラケットはあっていないわけだし、何とも思わなければ合格圏内で、好きな異性ができた時のように気になって仕方ないラケットが現れたら、もうそのラケットがほしい証拠です。

見つからなかったら、その時は焦らずに少し待ちましょう。

ちなみにワタシの場合は、すでにかなり狭いストライクゾーンであることがわかっています。だからそんなに選ぶのに苦労はしませんが、お気に入りの一本が見つかるまでは相当な時間がかかったりします(笑)。

 

その② 自分に合った『グリップ』は…?

スイングする形はこれも人によって違います。したがって得意な打点の位置も変わります。そうすると、打点でラケット面ができ、インパクト付近で保持しやすい、グリップの握り方との相関関係があります。

苦手なショットがある人も、握り方を変えると急に振りやすく感じることがあります。その時にはその握り方とスイング方向には無理のない形が得られていることになります。

握りに慣れていなければ、面がどっちに向いているのかの感覚がわからなくなると思いますから、コントロールができなくなるのは当たり前のことです。いきなり「正しい握りが正しい結果を生む」のではなくて、ラケットの重さがストレスにならずに振り出せて、方向はわからないけどラケットにボールがよく当たる、なんていうのがわかったらもうけものです。

ラケットの動きは、握っている手の中に動きの支点ができて、スイングに合わせてヘッドがある程度回転したり、急に面を決めるために握りこんで止めるような動きがあります。その時に握りがあっていないと関節に負担がかかるので、面だけ感覚の上で向けておいて、適当に力を抜いて動きの勢いだけでボールを飛ばそうとすると、合わせ方だけがうまくなって本質的なコントロールにはなりません。握りの命題は個人にそれぞれあるもので、慣れることができれば何種類かの握りに自然に握り替えられるようになります。

握り替えは知識の下でやるのではなく、そのボールをねらった方に打つにはどう向けてボールにどう当てるのかがインパクトのイメージになる者ですから、ラケット面を作ることが先で、それを支える腕の形を作るのが握り替えです。

握り替えができない、何度もトライしたけどうまくできなかった、という人は、おそらく握り替えをすればすぐにコントロールが良くなると思っていたら、まったくできなくて悔しい思いをしたんだと思います。しかし、適切でない握りでも、強引でも曖昧でもラケットを向けることができたらそれでスイング方向が決まってしまうので、腕が覚えた動かし方と、握り方を変えた時に必要な腕の動かし方が合わなくなるために混乱するのです。その期間を乗り越えないといけないのですが、乗り越えてみればあっという間に何年も打てなかったレベルのショットが打てるようになるものです。

 

その③ 自分に合った『体の向き』は…?

ラケットがボールを飛ばす感覚がわかって、握りとスイングが合う場所がわかって、それでなおかつ不安定になることがあります。ボールをよく見て、ラケットをうまく合わせたはずなのに、打ちづらい。

相手の打ったショットが、とりづらい位置に飛んできているんですね。そして、とりづらいリズムで飛んできている。

足にリズムがある者なんですが、上級者ほどみんなに合って、初心者ほどそういうことができる人が少ない。当たり前のことなんですが、どうやって動けばうまく打てるのかに慣れている人は、リズミカルに打点に入り、同時に形になっているものなんです。初心者の人はどうやって引けばいいのか、ラケットの向きはこれでいいのか、ボールをよく見ないと失敗する、ちゃんと狙いたいけどもうボールが来ちゃってて時間が足りない、なんていういろいろな要素と戦っています。

上手な人がシンプルに打てるのは、それだけ訓練しているから。それだけに問題のある動きだと矯正も大変になりますけど。凝り固まって矯正が無理に近いような人も上級クラスにいますし、すっと改善できてコーチとともに喜べる、なんて人もいます。その両者の差は、リズムとテンポです。

簡単に言えば、足がよく動く人は、大丈夫。初心者でも、例えばサッカーの経験のある人なんかはテニスを始めてやってもすっとうまくなる人が多いです。足でボールを扱うには、柔軟に状況に合わせて足の動きで対応しなければいけないので、自然なフットワークが適切な動きになりやすいんでしょうね。

打点ていうのは、一瞬のことですから、その瞬間にできるラケット面とか力の入れ方に着目しやすいものですが、ボールには飛んでくる方向と、飛んでいく方向、そのためにはスイングを入れていく方向が決まっていないと自信をもってスイングできるようにはなりません。

そうすると、ボールの位置へ行ってラケットを向けて振ればいいのではなくて、スイング方向に合ったラケット面を入れるために、肩の向きがある程度の範囲で決まっていなければ再現性のいいスイングになりません。動きの中でボールをとらえることが必要なスポーツですから、上半身だけでもできれば、何とかしちゃうこともできます。

狙った方向に打つには、ボールが飛んでくる方向に入り口の感覚を作って、そこから出ていく方向を決めやすいように自分の振り方に合った体の向きを作っておけるようにするといいです。

上手にボールが打てるのに、いつまでも初心者がやっている「ボールをよく見て打つ」だけではできることのレベルが上がりません。うまく返せるだけではなく、積極的なショットが打てるようになるには、自分がやるべきことは、打つ前にイメージしておけるようにならないとゆとりのあるフォームにはなりません。

 

その④ 自分に合った『ボールの見方』は…?

体の向きがわかったら、ボールをどのように迎え入れるか、姿勢の問題も出てきます。頭が下がる癖があると、体の軸が折れます。軸が折れれば、下半身の力を上半身に伝える回転運動がかなり損なわれます。

軸、ですから回転の中心が折れてしまうのですから、転びかけのコマのような動きになってしまうので、いいパフォーマンスにはなりません。

軸を追ってしまうのは、フットワークの問題もありますが、ボールを目で追ってしまうためにバウンド地点に顔ごと下を見てしまうということもあると思います。

とくに相手のショットが強烈だったり、足元近くに深々と飛んできたりすると、バウンド後の動きが目にも止まらない速さになるだろうことが想像できるので、必死にバウンドを目で追ってしまって腰が折れ、顔が下がります。そして手打ちになる。

手打ちでも面がしっかりして当たればしっかり返球はできます。(狙いなどは甘いかもしれませんが)手打ちでなおかつ軸が折れていると、面がぶれてショットが死ぬ可能性も高くなります。要するに当たり損ねをしやすいので、試合中なら万事休すですね。

バウンドは地面にボールが当たって跳ね返ることですから、そのあとはどうせ上向きにボールが跳ねるわけです。

だったら顔の位置は上に合って上がってくるボールを待ちましょう。ラケットが地面すれすれでないといけないのなら、後ろ足側の膝を落とせば届くようになります。

ゆっくりボールを掬い取るようなつもりで丁寧に合わせてやれば、スイングに乗って強くはなくても狙った軌道にボールを乗せやすくなります。これも、ボール感覚の話ですから、すぐにできるようになる人と、苦労しないといけない人に分かれます。センス?みたいなものですが、慣れれば大丈夫なので、できるようになる時間がかかる人とそうでない人の差ですから、なにしろ練習はしましょう。

 

ここいらへんの条件がそろってくると、その人なりの無理のないフォームが出来上がってきて、多少のことでは崩されなくなってきます。

テニススクールだったらそれで上級クラスのレベルになる要素を、「打ち方」の要素では持つことになります。

上のクラスに行くには、

いい球が打てること

いい球を返せること

再現性・連続性が高いこと

ゲームの要素(テニスコートと人のつかいかた)を知っていること

より上達意欲があること

などの条件が必要になると思いますから、ボールを打つのがうまいだけじゃダメでしょうけどね。

 

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 23:29 | コメントをどうぞ

ラケットとボールの簡単な関係

ショットの打ち方、というのは奥が深いものだと思いますし、打ち方は感覚的なものの要素が多く、上手な人の形をまねしただけではその人と同じテニスができるようになったりしません。

例えば、ストロークとボレーはこれからテニスを上達していこうとしているレベルの人には、違う感覚なんだ、というように説明して、ストロークの時は構え方はこう、引き方はこう、振り方はこう、と教えたうえで、ボレーとはこうで、ストロークとは違いますよ、という認識を持ってもらった方が教えやすい。

 

そう、教える方もその方がやりやすいんじゃないかと思います。

 

ただし、自分でもうほとんどのショットは問題なく打てる、という上級者の中では、もちろんストロークとボレーの形の違いは認識していて、それでもボールタッチの感覚はその人なりの一つの感覚なんだな、というところに行きつくものなんじゃないかとも思います。

ボールをパンチするように打つ人が、ボレーになると急にボールをなでるようになったり、ストロークでスピンぐりぐりの人がボレーではフラットしか打たない、なんてことはそんなにないんじゃないかってこと。

基礎技術はちゃんとあるので、ストロークとボレーではラケットの扱い方は違ってくるのは当然ですが、ボールをどう扱うか、という個人の感覚は個人のものでいいんだろうと思います。

他人の家の芝生は青く見えるもので、コントロールのいいプレーヤーはさらにスピードを求めているかもしれませんし、その逆もあるんだろうと思います。

コントロールできるスピードにその人のテニスのテンポや展開力なんかも混ざっているから、組み立てて決めるまでのシナリオが描けるんだと思いますし、それを急にスピードアップしたら、処理する脳みその方が間に合わなくて結局甘い球を送ってしまったりしますよね。

スピードのあるショットを打てる人は、一撃必殺の武器を持っているけど、不安定になりやすいからコントロールがほしくなると思いますが、丁寧に気を付けて打てばやっぱりスピードが落ちると思うんです。プロでないなら、そのどちらかに皆さんは少なからず欲求を持っているんじゃないかと思います。

コントロール性能を維持しながらスピードを上げる=ラリーのアベレージを上げる、ってことは、スイング自体の改革がないとできないことで、そのためにはスイングはどうやって構成されているかを知っておけばいい。

テイクバックは、打点までの時間の余裕です。しっかり取れるときは、きちっと打点に入る自信があると思います。そこが性急な動きをする人は、どんなに簡単なショットが来ても、焦って打っているような感じで、強打するために勢いをつけているような形になるので、その人がそうしているかどうかは別として、コントロールは再現性の低いものになりやすいと思います。

フォワードスイングは、ショットの勢いをつける要素を持っています。このスイングがすごく速いか、たっぷり距離をとれるなら、強く打てます。要するにテイクバックを大きく取って強く振れば、ショットは強くなるってことですが、打点から遠い位置のスイングスタートや、力任せの速いスイングは打点を狂わせやすく、当たり損ねが多いとか、無論コントロールよく打つには訓練が必要です。

打点でのラケット面の向きが、ショットの飛んでいく高さとコースを支配しています。そこで決まった形ができるなら、それがまず再現性を上げるための要素ですから、そこにこだわるようになるのが初歩のうちの大事なことだと思います。

また、回転のかかる方向に関しては、スイング方向と面の方向の差異の大きさによります。下から上に大きく振って、面も同じように上向きなら、かなり大きなロブになるし、強く打ったらホームランですね。そのスイング方向で、面の向きを垂直にすれば、トップスピンがかかってボールはそんなに上に行かなくなります。上から下に振ってもいいし、体の内側から外側に向かってサイドスピンをかけるなんてこともできます。

深さのコントロールはおそらく一番むつかしいもので、スイングのフォロースルーで押し出せる感覚があれば、加減が利くようになると思います。そのためにグリップの方から振り出せ、と言われることになります。ヘッドを返すようにして打つと、スピードが出るけど距離に収まらないとか、高さを急に変えることがむつかしいショットになります。

例えば、ボレー対ストロークが普通にできる高さにショットを安定して打てるスイングとラケット面が作れるとして、そのプレーヤーは再現性もあるし、安定していて上手だといえると思います。

同じスイングで、ヘッドが高くなるとボールは下へ飛ぶようになり、インパクトでヘッドをより下げると、ボールをより高い軌道に持ち上げやすくなります。

飛んでいく(であろう)ボールの高さよりも、スイング軌道の方が高く終われるなら、「上がって落ちる」(=ドライブ系の)ショットになります。

下から上に振っているつもりでも、ボール軌道の方が上に行くことがあります。おそらく食い込まれて打点が後ろになったけれど面の向きを合わせてあまり上に行かないようにした、とかっていう場合。ボールは落ちづらくなっているので、スピードが出るとコートに収まらないかもしれません。

逆に、ボレーやスライスの時には、面をボールに当てて、スイングの方が下に行くようにすれば、ラケット面が負けたような格好にならなければならないほど、軽い力でボールがよく飛ぶようになります。

ジュニアなどでスライスを打つときにヘッドを下げて手首でこするようなショットを見かけますが、そんな風に力を抜いて、またボールが面を押す圧力を抜くような形になれば、ショットの勢いは失われて死んだようなボールになります。

スイングの形が悪いから、タイミングの取り方が悪いから、というのはどんな人でも違和感のあるスイングであることから見破れますが、要素を知っておけば、それの何が悪くてどんな症状が出やすいのかを知っておけば対策の練りようもあります。

コーチをしていてもそこいらへんが説明できないと、あいまいなことを言うようになり、生徒さんのクセばかりを見てよい面や改善されてきていることなどに気づかないでいるのはお互いに不幸なことだと思います。クセが悪いのではなく、それは生徒さんの独特のリズムであったり、動きやすい形であったりするかもしれませんから、それをある程度活かしつつできる要素を増やしていけば、一気に100点満点にならせるよりも徐々に上達の道を歩んでいる実感が持てていいのではないかと思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:35 | コメントをどうぞ

視野・打点に集中する

練習が必要、っていうのは打点に集中することを、相手のショットに同調させる練習だってことをまずやって、というのが最初の項目にあると思います。

 

打ち方の練習が必要な初心者ではなく、試合に挑戦しているような人が、という前提ですが。

まずはいつも通りのパフォーマンスが落ちていないかどうか確認する、というのが自分の中では練習の最初にあると思いますが、皆さんはどうなんでしょうか

 

ボールをよくみる

という「動作」(?)は、自分の体がやっている動きと連動してなされなければならないことなんですが、テニスに慣れていない人ほど、これができないことが多いものです。要するに、ボールをすごくよく見ているせいで動きが止まり、打つべきタイミングがやってきて急に力を込めて早く動くようになります。

それが、経験者からすると、「ものすごい勢いをつけてスイングする」ように見えるのですが、飛びすぎたりもするので、そうやって打ってしまう初級者や、二度引きの癖が治らない中級者なども、最初はそうやって打点まであまり自分の体がラケットをどのくらいの速さで動かすものなのかをしっかり把握していないってことも原因なんだろうなと思います。

ボールを打ち返すのが上手くなるほどに分かることだと思いますが、

自分がいかにボールを強く打つか

ということよりも

自分がどこにボールを打つか

に集中すべきだと思いますし、

それって

相手にどうやって打たせるか

をイメージしないと、

「打ったら勝てる」場所を探して打つことになると思うんです。

毎ショットそんなことをやっていたら、ほとんどのショットが入らないと思います。

ワタシ自身がそういうことをやると、大概のショットは決めにいってミスをしたり、どこに打つか考えているうちに打点がきちゃってミスをしたりしてましたから。

ひとことで言えば、欲張ってミスをする、自滅です。

練習でもそうやっている人(強く打って勝とうとする人)は、本番に弱い傾向が強いです。

強く打っても絶対入るように気をつけて打ち、しかもそれが連続して同じショットになるようにすること

相手のショットが強かったり走らされたとしても、打てるだけの強さはしっかりしながら、ラリーを長引かせる努力をすること

が練習の時に必要なメンタルなんじゃないかと思います。

レッスンで行う、3列でのラリー

とは、テニスコートをタテに3分割して、ストレート1/3の幅でコントロールしてラリーを続けるメニューです。若い頃の話ですが、ある時突然、すごく安定してできるようになった時期がありました。

コーチになりたての頃は、スライスで勢いを殺してしっかり運ぶようにすれば、相手も丁寧に打ってきてくれさえすればできたメニューだったものの、ちょっと挑戦的なお客さんとか、妙に深いところにボールが入ってくると自分のコントロールが乱れて他の列に迷惑をかける。

ま、そういう経験をしているので、ワタシのクラスでは、現在はショートラリーでなければタテ3列はやらないですけど。

この時の感覚は急にやってきて、 また翌日になるとその時のように「ミスる気がしない」という感覚はなくなり、不安定に戻ってしまいました。

手元の感覚には面をこうやって向けておければいい、という技術的な感覚があるのでそれほどひどくはないんですが、なんていうか、「ボールへの入り方」が変わった気がしたんです。

その、ミスしないで済む「入り方」に具体的に気付いたのはもっと何年も先の話でした。

スイングのきちんと入る空間を、開けて待っていられるかどうか、がカギになるんです。ラケットでボールを打てる位置、ではなくて、スイングが入る位置、なんです。

意味のわかる人は、すでにできる人だと思いますし、コーチとかされてるんじゃないでしょうか。

わからなかった人は、まだなんだと思います。

そこに狙いを定めている、ということは、スイングのスタートからフィニッシュまではすでに作られていて(イメージが完成していて)、そのフォームにすでに飛来するボールの方向と、飛び出ていくボールの方向とが入っているので、打点でラケットを合わせられればミスをせずに打てるんだろうな、という感覚になってきます。

それができるときと、できない時とがあるものだったんですが、そこそこのいいショットではワタシのフォームを崩されないようになった時があったんです。

それが、具体的にわかった時のことでした。

それで、お互いがラリーを続けようって時ならできるんですが、試合でもラリーでもそうですが、そのスイングの空間を作れないような難しいショットっていくらでも飛んでくるんですね。

けど自分でできる範囲はそれでもやらなきゃいけないし、できないなら甘いボールでも返しておくしかないし、コースが甘くても深いとか速いとかのショットが入れられるならそれでいいし…と挑戦していると、できる領域が広がってきます。

勢いのある、伸びてくるショット

遅いけど深くて、縦に高く跳ねるボール

シューっと伸びてきて、バウンドの位置とタイミングのつかめない、キレてるスライス

など、うまく打ち返すのが難しいショットっていくつかある。

そういう時に、視野を少し広く持ち続けることと、すでに振り始められるくらい余裕のある構えが出来ていて、一気に打点を取りに行けるフットワークをすること、それと、ラケットに当たって出ていくボールを強く押し出す感覚のあるスイング

それらの条件が整うなら、だいぶ厳しいコースを狙って行っても入れられます。

狂わせてはいけないものを、狂わせないで打てる、あるいは雑にせずに打てる、ということは、どの要素が良ければいいのかさえわかれば、結構単純なものです。

単純でなければ、スピードのあるラリーでは誰もできなくなるはずです。

単純化ができるような練習を積んできているか、それができる要素をはっきり認識して動ける人がいるってことは、できるようになればそんなに難しくはない、ってことなんだと思います。

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 16:28 | コメントをどうぞ

可能性を感じること

まだ自分の思ったレベルに到達していないということもありますが、2月に46歳の誕生日を迎えて、まだ上手くなれると思っているワタシでありますが、それというのも可能性がありそうだと思えるから。

見て、真似をする。

それがワタシの場合の練習法ですが、テニスを始めて以来、「うわあ、この人上手いな!」と思うとじっと観察して、自分だったらこうやっているはずのところがこんな風に出来るもんなのか、と驚きつつ出来るものなのかどうかを試す。出来なくても、やってみることでどんな感覚なのかは自分なりにわかりそうな気がして、難しくてしょうがないことも、こうやれば出来るじゃん!と発見することもありました。

そうやって要素だけでも自分の中で得ておくと、難しかったことでもある日思い出したら出来るようになってみちゃったりすることもあるんです。

新しい自分に挑戦することは、楽しいことなんですけど、反面、常に変化しても良いような気がしているので、まるで自分のフォームが無いような感じで自信につながらない、なんてこともありました。

レッスンでは、ボールが上手く飛ばない人にはよく注意します。ラケットは動いてボールにぶつかればちゃんと飛ばしてくれる道具なので、振ってもあまり飛んでいかない、という人は腕力が無いのではなくてどっかが合っていないんですね。

で、一方では良く飛んでいくんだけどよくアウトする人もいます。力があっても不安定なので、抑えていい打てばいいのか、力を抜けばいいのか、力を入れて打てばいいのかが分からなくなりそうですが、そもそも飛ぶんだから、その力の事は考えなくていい。

うまく打てているんです。ラケットの面が不安定か、打つ位置が不安定かのどちらかですから、ボールに合わせてしっかり面を合わせていられるかどうかが問題になるわけです。

ちゃんと動く、ということを面倒にしなければ、器用か不器用かはあまり問題にならないです。時間のかかり方は器用な人の方が早いかもしれませんが、出来るようになるってことはほとんど差がありません。

 

ちゃんと動けない、ということが大きな問題になります。太っているとか、あるいは筋力がなくて反応が遅くなってしまうなどの身体的な問題がある人には最上級クラスは無理かもしれませんが、走れるのなら速い球が飛んできても反応したりしながら状況に慣れてくるほどに出来るようになってきます。

見ていれば可能性のある人はいっぱいいますし、目先の負けやミスなどはそれがあってこその上達ですから、それを乗り越えるための努力はすべきで、悔やんだりしている場合ではないんだろうなと思います。

年齢とかじゃないとも思いますね。

ただジュニアを見ていると、こいつら可能性のカタマリだなぁとおもってにやけてしまいますけどね。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:52 | コメントをどうぞ