カテゴリー別アーカイブ: プロ選手オタク

好きな選手とか、興味のある若手が出てきたとか、注目しているテニス界のことを聞きかじりで。

ツアーファイナル終了

決勝トーナメントは見れませんでした。。。結果だけ

去年、このイベントは錦織圭が参戦できる成績を残したことで、日本でも放映がされるようになり、毎晩楽しみにしてみていました。

去年はそれでもワンサイドになるゲームが多く、批判的な意見も出ていましたね。トップ同士の試合なんだから、もっと緊迫した競り合いを見たいはずなのに、まるで優劣がハッキリした相手同士の試合みたいだ、なんて言われていました。

今年は、そういう競り合いを勝ち抜けていくスリリングな展開が多くて、目が離せない試合が見れました。

ジョコビッチ対錦織は、明らかなワンサイドゲームになりましたが、どう見ても錦織の調子は悪くないように見えました。ジョコビッチの仕上がりにどう攻めてもこれじゃあどうしようもないだろうとさえ思ってしまいました。

フェデラーがジョコビッチと対戦すると、まさかのストレートでのフェデラーの勝ち!

びっくりしました。1日空いて、それだけで?フェデラーがどんな魔法をかけたのか?プレーヤーのキャラを活かしたプレッシャーのかけ方をフェデラーがうまく利用したのか?

そしてベルディフとの対戦(錦織圭の)は、じりじりと勝負強さの出た錦織がファーストをとりましたが、セカンドになるとベルディフの積極的なプレーが徐々にコートを支配し始め、セットオールに持ち込まれます。

大事なファイナルセットの序盤で、大きなブレークをしたのは錦織の方でした。それでも一度ゾーンに入りかけたところをミスを誘い、迷わせるベルディフ。最後の結果が出るまで目が離せない代わりに、寝たのは2時半すぎでした。。。

錦織がフェデラーに勝ったとしても、ジョコビッチが負けない限り決勝トーナメント進出はない、と言われていましたが、ジョコビッチがもしも0−6 0−6だったら錦織が出るんだろうな、とも思ったけどそんなことはなく…でした。

しかしフェデラー戦では錦織の素晴らしいプレーを久しぶりに見たような気がしました。

早いタイミングで強烈なショットを打ってくるので、フェデラーが下がることもできず、防戦体制に入れないまま打たされるようなシーンが多かったですし、遅くて高いバウンドをうまく使ってフェデラーの戦略を封じてもいました。

ショットのクオリティは錦織の方がアイデアも豊富で、上に見えたので「勝っちゃうかも」と期待したのですが…

「重大なポイントの危うい局面」でのショットがフェデラーは挽回にこぎつけることができる中、錦織は積極的にいってもミスで終わる…なんていうことが何度かあり、そこの転び方次第では本当にわからないゲームでした。

フェデラーはゲームのキープに本当に珍しいくらい苦しんでいましたし、必死にプレーしてやっともぎ取ったような表情すら見せていました。

いつでもクールに、危なくても自分のプレーを相手よりも上回らせることのうまいフェデラーには、本当に見かけない表情でした。

順当に?決勝戦は去年と同じ、ジョコビッチとフェデラーとなりましたが、優勝はジョコビッチだったらしいですね。

ラウンドロビンで負けた相手に、決勝で勝つ、ってよく見るような気がしますが、並大抵のことではないと思います。

あらかじめ想定したゲームプランを、試合中に次々と修正して勝つように持って行くんだと思いますが、迷いとかないんでしょうか?
自分の得意なプレーだけができるわけじゃないと思いますし、本当にすごいなぁ、と思います。

 

その割には見なかった(朝3:00に起きてテレビつけてみたんだけど)くせに、今回はすごい見ごたえのある大会だったなぁ…なんて勝手に思っています(笑)。

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:39 | コメントをどうぞ

フェデラーつええー

けさ、5時には起きれずに、6時過ぎからATPツアーファイナルを見に降りていきました。

ファーストは7-5でフェデラーがとったというのを見てすぐに知り、錦織対ジョコビッチでの、あのジョコビッチの完璧さから、「ふえー、どうやってとったの?」ってまったくわかりませんでした。

全米決勝での、怒涛の攻めだけではジョコビッチは崩せないということもあるだろうし、O2アリーナのコートが遅いってこともあっただろうし、じっくりラリーして、なおかつネットへのプレッシャーをジョコビッチにうまく感じさせるようにしていて、ワタシがテレビをつけたころには、5-2リードで、すでにジョコビッチは壊れているような雰囲気でした。

ダイジェストをみれば、セカンドはブレイクしてブレイクバックされて、さらにワンブレイクリードしておいての5-2だったようで、最後のジョコビッチのサービスゲームをブレイクして6-2で勝利。

ジョコビッチは錦織戦での、ミスもなければ追い込みに行った時のカウンターの精度ったらなかったので、もしかしたら、ここまでの破竹の快進撃は止まってしまうかもしれません。自分の中では自然にできていたことに疑いがでるようにされちゃったようにすら見えましたから、いかに今日の練習で感覚を戻せるかっていう課題があるでしょうね。

そこまでのゲーム展開がみたくて5時に起きようと思ってたのになぁ。。。

錦織VSベルディフ戦が2時間半近い熱戦で、寝たのは2時ころですから、ちょっと無理でした。。。

錦織はファーストセットをとっておけたのが、セカンドで挽回されてもメンタルを引きずられずにファイナルセットをとりきれた要因でしょうね。

なにしろここ勝っておいてくれてよかった。

錦織は今年、ビッグ4の全員にすべて勝ったことのある選手になりましたから、フェデラー戦にもグッドイメージをもって臨めるでしょう。

フェデラーは今年、自分のサービスゲームのキープ率は驚異のものを叩きだしてきていますから、そこを崩せるのかどうか、というのが勝負のカギになると思います。

世界中で見ても、錦織のリターンは屈指のものであるでしょうから、見ないわけにはいかない戦いになってくると思います。

フェデラーが乗れば、圧倒されることもあると思いますが、キープをしっかりして、リターンゲームでプレッシャーをかけられるようにならないかな、と期待しています。

 

あとはナダルですねー。

ワウリンカに圧勝しましたから、かなり自分のイメージする「強いナダル」に近づいてきているんじゃないでしょうか?

 

 

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:19 | コメントをどうぞ

錦織選手の全米1R敗退…

リアルタイムで観ていました。

1セット目から、ドキドキしていました。対戦相手のペールは、リズムにクセのあるサーブ。フォームもなで肩?なのか腕が下がったところからコースの読みづらいスイング。

序盤からドロップショット、バックハンドへ回り込んでのひっぱたきなど、曲者でした。

試合を見ていて思い起こしたのは、ナダルが去年からカモられているブラウンとの戦い。

ブラウンも、ロケットのようなリターンから、一気にネットに詰めてドロップなど、走ってリズムをつかみたいナダルを相手に、なるべくラリーをしたくないという姿勢を貫いていました。

錦織は、ペールに対してグッドリターンをお見舞いしてラリーを始めて圧倒するはずのところが、そのリターンが思うようにコートに入らない。

ゆいつ、フォアハンドのストレート系が良かったですが、感覚の違う(ボールが高めに出てアウトする)タッチにも苦しんでいたように見えたし、サーブのコースを読み切れずに後手に回り、ブレイクのチャンスを活かしきれないようなシーンがたくさんありました。

第4セットのタイブレークまで、それでも自分のキープを続け、流れを相手に渡し切らずに持ち込んで、タイブレークも3−0スタートの展開でしたが、1つのミニブレイクを自ら潰してしまい、最初のマッチポイントがそのミスだったので、悔やみきれないミスになってしまったように思えます。

 

自分の形のゲームではないにせよ、要所だけは締めて2セット、3セットをとり、そのタイブレークが最後の関所だったはずなのが、取りこぼしてしまいました。

 

 

 

個人的なイメージなんですが、ゲームでの特徴は、錦織ってフェデラーに似ていると思っています。超攻撃型のテニス。

ただ、頼る武器が違いますね。フェデラーはサーブとフォアハンド。

錦織はリターンとバックハンドがカギを握ります。

世界のトップ選手ですから、その二つずつがなければダメなのか、というわけでもなく、錦織のフォアハンドはやはり脅威でしょうし、フェデラーのバックハンドも多様性があって攻めづらいところなんだと思います。

サービスゲームが安定してキープでき、セットの序盤でブレイクを得てリードすれば、精神的にも落ち着いて逃げ切りに入れる。

試合の中では、1ゲーム、調子の悪い時にはセットの中で1ゲーム、ブレイクの芽がでてピンチを迎えるゲームがある。それでもデュースにもつれながらもキープをすると、その試合は勝てる雰囲気を多く帯びてきます。

よく似ているのは、テンポの速いラリーの展開、相手にテニスをさせて迎え撃つよりも、自分の展開を先に作り、相手の動きを牛耳るような試合をします。

比較すると、ジョコビッチはそういう攻撃もできるし、相手の攻撃を許さない高い守備力を持っていて、バランス良くそれらを出し入れできる。

マレーやナダルは、相手に先に踏み込ませて、どこまででも走れる反応とダッシュで、先に攻めたかった相手の動きの逆側へカウンターを取りに行くのがうまい。

錦織とフェデラーは、ベースラインから下がらずにどんどんテンポを上げていける、というのが特徴でしょうか。相手は走っても走っても振り回されて自分の自由なショットでゲームを作れなくなります。

 

それが、今日はリターンから作れずに、ブレイクがなかなかできない後半の戦いでした。

 

いつも、勝っている時でも、こういう紙一重のところをなんとかしてきていまのランキングに入るんだろうなぁ…

今日は負けてしまって日本中が落胆したような感じですが、考えてみれば、たまたま相手に持っていかれただけで、錦織の凄さは変わりません。

 

ただ今後は、テンポを上げてネットプレーのでフィニッシュするとか、1stサーブが精度高く入って、相手がどうしてもブレイクできないような、フェデラーがもっている要素をなにか持てるようになりませんかねぇ。。。

外野だから好きな事言えるんですけど。。。

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:14 | コメントをどうぞ

時間は「奪う」か「稼ぐ」か

フレンチ、ウインブルドンと決勝をみて、その両方に駒を進めたジョコビッチは、片方は勝ち、片方では負けました。

ジョコビッチはポイントでは今年ずば抜けており、2位のフェデラーとは倍近い差があります。

数字で見るのはなんですが、ジョコビッチはプレースタイルもそうですが、いま究極に安定している選手。

このシーズンはクレーから芝生へ、プレーに差の出るサーフェスで勝負を続けながら、決勝まで出ている(オーストラリアンでも優勝ですからね)ってわけですから、その対応力は他の追随をゆるさないくらい素晴らしいものなのでしょう。

フレンチが終わった後の「テニスマガジン」に、R・ショーンボーン氏の記事が載っていました。
これからのシングルスのシーンは、こう変わっていく…という予測をされていました。

それは、ラリーをするお互いの距離が短くなる、つまり、コートの中に入ってのプレーば多くなる、というもの。

数年前からそのことは言われていて、ワタシもその記事を読んできました。

錦織がその筆頭を勤めるようなテニスをしていますね!
そして今年の、クレーシーズンの脅威とされてきました。
土のコートでも下がらずにプレーする、といういままでなかなか誰もできなかったプレーでマドリードを連覇し、フレンチでも地元ツォンガに敗れはしたものの、プレースタイルを貫き、大きな活躍をしました。

みているとワクワクする試合を、いつも錦織はしてくれます。

リスクを孕みながら、それでも果敢に攻めいる姿勢は、本当にかっこいいプレーですし、トップを目指すジュニア達にも、彼のプレースタイルを参考にする、有望な選手がこれからたくさん出てくるんじゃないでしょうか。

そして、去年のツアーファイナル準決勝の相手となったフェデラーも、錦織以上にベースラインから頑なに下がらず、そして錦織以上に積極的にネットを取る作戦を使って勝利しました。
その二人のプレーはまさに新時代のテニスを感じさせる、というものなのでしょう。ショーンボーン先生も彼らをその先駆者として考えられているのではないでしょうか。
去年の全米に象徴される、錦織の大ブレイクもあって、今年に入って当然マークが厳しくなってきています。

より早いプレーで圧倒しようとする錦織を、全豪ではワウリンカがストレートセットで撃破しました。高い軌道の、彼の特徴でもある重たいボールで錦織に攻撃的に無理をさせ、ミスをさせるような感じでした。

フレンチでのツォンガも、かなり下がってラリーをし、錦織は2セット目まで「自分を見失っていた」というほど攻撃させ、ミスを誘いました。3、4セットは錦織のペースで挽回を期待できる内容でしたが、ファイナルセットには精度の高いサーブと安定したラリーでキープを続け、「紙一重」という差でツォンガが勝利しましたね。

ウインブルドン決勝では、フェデラーはやはりベースラインからまったく下がらず、早いタイミングで先手を取ろうとしました。世界中でホントにフェデラーにしかできないんだろうなというコントロールで、ジョコビッチをコート上走らせますが、驚くほど深いカウンターで、フェデラーの攻撃を連続させないプレーで安定したキープを続けました。

ブレイクされると、ブレイクバックする、というフェデラーにとっても乗り切れないような流れの展開でもありましたが、要所ではジョコビッチがフェデラーの攻撃を丁寧に、確実にかわし、タイブレイクでフェデラーがとった以外にはセットを許しませんでした。
「新時代」を象徴する「下がらないプレー」は相手の時間を奪い、時間を奪われた相手は同時に「精度」を奪われます。
全速力で走りながら、細かいコントロールはできないものです。

普通、そうですよね。

そこに対抗した、ジョコビッチにしてもツォンガにしても、ワウリンカにしても、相手の奪いにくる時間をしっかり守って、幾重にも攻撃を仕掛けたい相手を走らせ、一の太刀、二の太刀とかわしながら自分の時間に持っていきます。

彼らの持っているのは、高い守備力は当然のことですが、共通している「もう一つの要素」は「遠くからでも効果のある大砲」を備えていることです。

ジョコビッチは、深さも角度もあるカウンター
ツォンガは、繋いでいると見せかけての矢のようなストレート
ワウリンカは、パワフルで重たいボールと、アングルにもストレートにも強打できるバックハンド

それだけじゃないのでしょうが、後ろからでも攻守を交代させるだけの力のあるショットを打ってこれることで、相手に連続のポイントを取らせなかったり、なにしろ「守り一辺倒」というテニスでない部分で相手にリスクを負わせます。
もっと早く仕留めないと、逆襲されるかも…というプレッシャーを相手に相当与えていることだと思います。
錦織やフェデラーをはじめとする、「新時代」のテニスが台頭するには、まだ時間がかかりそうな気がするんですが。。。

ただ、一時期あまり見なくなった感のある、ネットプレーを今年はすごくよく見ます。
クレーでも、マドリードで決勝を戦ったアンドゥハルも、スペイン育ちのクレーコートでのサーブ&ボレーヤーでした。

そういう意味では、また長いラリーを短くし、自分の側に優位を置きやすいようなプレースタイルはかなりの速度で発展して行っているのかもしれません。
偉そうなことを書いておいて、自分のプレーはどうなんでしょうか。

精度もないし、行き当たりばったりなプレーになるのは、自分よりも強い相手の方が多いからで、イメージしたような戦略通りになんか試合はできません。

性分としては、先に相手を振っていくようなショットを持ちたいし、機会さえあれば試しているのですが。。。

それよりも、守りができません。

深めを守るといっても、ボールに向かって斜めに走って打点を取れるようにしたいのですが、うまく追いついた形っぽく入っても、ショットが浅くなったり、遅くなったりして余計に踏み込まれてしまいます。

この辺が訓練するところなんでしょうね。

なかなか練習ができませんが。

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 14:20 | コメントをどうぞ

ウインブルドン決勝はちゃんと見ました

ちょっと熱が冷めてきたので、今日あたりでウインブルドン決勝を見た感想を書き残しておこうかなとおもいます。

 

女子は、セリーナの牙城を打ち崩せる新星の登場を待つしかない、っていうことでしょうか。GS21勝目というものすごいことになっています。

ムグルサに関しては、たまたま最近ワタシが注目していた選手でした。といっても、テニスがいいとかじゃなくて、笑顔がかわいい(笑)。

動画とかでも、ミックスダブルスの試合とかだと、すごいよく笑ってプレーする。そういうのをたまたま見つけて、パエスと組んだエキシビジョンの試合なんかをよく見ていました。

今年はあれよあれよというまに勝ち上がってきて、いきなり決勝のセンターコート。やっぱり緊張とかハンパないんですかね?1セット目いきなりブレイクから入って、4−2リードから追い上げられたところから、セリーナの猛攻にあったという形。

準決勝のシャラポワ戦でもそうでしたが、セリーナがすごくなるのは、相手が強く深く打ってきても、そこではほとんどミスをしない。耐えてからちょっとでも甘いショットには角度をつけて、というかより遠いところへ一発放り込んであっという間に主導権を回復する。

下半身が異常に強いんでしょうね。あれを崩せないとどうやっても勝つのが難しいと思います。ボレーヤーでも出てこないでしょうかね。ナブラチロワみたいな徹底した速攻派。

たぶん、ストロークは女子の中では破格に重たいとか、バウンドが伸びてくるとか、画面ではわからないそういう特徴もあるんだと思います。なにしろ相手は先に強打しても、押し戻されてそれ以上遠いところへボールを振れていませんから。

2セット目の5−1セリーナから、2ブレイク返したムグルサのプレーは感動しましたが、試合はそこまででした。

見応えのある試合になり、観客も総立ちで準優勝のムグルサを称えました。表彰式でも鳴り止まない拍手とか、彼女の選手生活において、かなりプラスになる経験になるんだろうなあと思いました。またこの舞台に帰ってきて注目を浴びたいと強く願うようになるでしょう。観客も選手をそだてる、素晴らしいことだなと思います。

 

男子決勝は、フェデラーのプレーに大注目でした。去年のフルセットの戦いとか、今年のマイアミ?だっけジョコビッチに勝った試合とか、そこまでの勝ち上がりでの完璧な試合内容とか、芝の王者たるプレーを十分に期待させる今年のフェデラーでした。

サービスゲームのキープ率が異常に高い、という今年の芝でのフェデラーのデータから、自信満々の展開かと思いきや、先にブレイクするもすぐに返されて、雲行きが怪しいというか、「あれ、フェデラー無理してないか?」と疑うような感じで見ていました。

セカンドサーブを、バックハンドよりのボディを狙われて、果敢に前に踏み込みながらアタック気味のリターンを再三打っていました。

ラリーでもバックハンドをしつこく狙われることもわかっていたと思います。それだけに、バックハンドをベースライン上かもっと前で強打していくシーンが多く見られました。

というか、ベースラインからほとんど下がらずにラリーを展開していましたが、ジョコビッチのショットがなにしろ深い。

その位置からだとスーパーショット級の、そのまま決まってもおかしくないような威力とコースのショットを放ったとしても、ネットにつなげるには遠い。

ストローク戦では攻めていかないと突破口の出ないフェデラーに対して、甘くなったら切り返しを狙うジョコビッチ。バックハンド側からなら、その甘くなったらを狙いやすいのはもう宿命のようなものでしょう。

準決勝のガスケや、フレンチ決勝のワウリンカのような、バックハンドをむしろ売りにしている選手なら、また違った展開だったかもしれませんが、準決勝はそのガスケさえもストレートセットでジョコビッチの前に沈みましたから、フェデラーにとってはよほど厳しいものだったのかと思います。

フェデラーも大事なところで、バックハンドのストレートへのウイナーが欲しかったと思います。決勝ではそれがネットにかかる、アレーに入る、甘くセンターに行く、となかなか欲しいショットが出ませんでした。

 

これも、画面で見ている以上にジョコビッチのショットがいいのでしょう。あの試合のコートで直に打ち返しているフェデラーにしかわからないボールのプレッシャーもあったのかとすら思います。

結果、アンフォーストエラーの数の差がそのまま試合結果になったような、4セットでの勝負。

下がってバックハンドを打ったとしたらどうだったのか?

セカンドサーブのリターンでは、スライスで角度をつけたり、ストレートへのチップアンドチャージでネットをとったりという対応の広さを見せつけながら、要所でフォアに回り込んでプレッシャーをかけるとか、片手バックのプレーならではの多彩さで…なんて素人からみれば難しい注文をつけても、あのフェデラーならできるんじゃないかと思ってしまいます。

本人の試合後のコメントにも、また来年、6回戦い抜いて上がってこないといけないんだから、今回逃したのはすごく辛いことだと言っていましたね。

勝ちたかったんだと思います(そりゃあそうだろう)。しかしイメージしたようには攻めきれなかった。そんな決勝戦だったのかなと。

見ているこっちとしては、プレーのかっこよさ、ショットの質の高さを十分に堪能できて、眠くならずに最後までフェデラーの挽回を期待できる試合でした。

まったく崩れなかったジョコビッチが素晴らしすぎました。

 

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 02:53 | コメントをどうぞ