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テニスの打ち方に対するこだわりを書くとこです
コーチとして勉強してるんですってアピール?

「時間」というプレッシャー

早く着替えないと遅刻しちゃう、とおもって急いで着替えていたら、なぜか手が震えてうまくできなかった、という小学生の時の思い出があります。

その時に「なんだ落ち着けばちゃんとできるじゃん」と自分でわかって、大人の人たちが「落ち着きなさい」とかっていうのがちょっとだけ理解できたような気がしたものです。

 

ボールが飛んでくるのがプレッシャーになる、と前回の記事で書いたのですが、どんなレベルになってもそういうことはあると思います。

プロの選手だって、さっき200キロのファーストを見た後に、急に150キロのすっごい跳ねるスピンサーブ見せられたらうまく対応できないかもしれません。速いからいい、ということもありますが、相手が慣れる、ということもあるので、そういう速度の落差、みたいなのを武器にすることもありますね。

 

かくいう私も、スクールの上のクラスで、男性のサーブへのリターンはやっぱり不安定で、そのメニューの時には挑戦するような気持ちでリターンの打席に入っていたようなところがあります。

 

それがどういうことか、最近ではリターンでは崩されにくく感じています。書き方を間違えたかな、相手のサーブでは崩されにくくなってきたと感じています。

 

実は、コーチが相手になるとまた違ってきます。やっぱりボールの伸びとかは違うんですね。

技術的に上がったというよりも、見慣れてきた、ということの方が大きいと感じています。

 

そのほかに、

 

「ボールをより遅く見る方法」

 

もあるんですね。

 

そのコツは、

 

「もう打てるはずなんだけど、まだ打たない」を一瞬でも作れるようになるってことです。

 

いつも通りのテイクバックからインパクトまでの体の動きは、まさにいつも通りに動く、慣れた動きの上で意識して見ます。

一瞬、いつもだったらもうボールに向かっていくけど、わざと我慢する。

 

言い方を変えれば、「ひきつけてから打つ」というかもしれません。

体のバランスが、相手ショットのスピードがあるように見えて、突っ込みがち担っているなと感じた時には、きっとそれができるはずです。突っ込まなければ、バランスはいい方に保っているはず、と信じてそうやってやります。

 

同じ相手の、同じようなショットに、一瞬我慢するくらい、「実は速い球じゃない」と信じ込ませて(自分にですが)見ていると、見えちゃったりするものです。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:19 | コメントをどうぞ

非利き手

右利きなので、非利き手は左手です。

左手は、スイングをリードする立場にある、と思っています。

利き手側ってのは、物を飛ばす動作をするんですが、そのためには飛ばす対象を直接持っていたり、飛ばすための道具を持っているってことですね。

テニスはラケットを持ってボールを飛ばしてやるってことです。

スイングには慣性力などの力があって、非利き手側とおなじバランスでいられなくなることから、体幹から見て反対側にある手をうまくつかってバランスを取る役目と、スイングの勢いを増減させる役目などがあるはずです。

 

自然とできるものになっていて、ワタシにはこの、例えばボールを遠くに投げようとするときに左手をぐっと虚空に張って利き手と反対側におき、利き手をスイングさせるときには体側に引き付けるようにして利き手のスイングを鋭くするっていう回路を切ってみたいのですが、できません。

自然にやってしまうのです。

しかし、左手にボールを持ち替えて同じように遠投しようとしたときに、右手は左手との関連を知らないかのように右手は右肩から先、左手は不慣れな動きをするかのようにギクシャクして、ボールは半分も飛ばないばかりか手から離すタイミングすらよくわからないとかの症状で、うまく投げられる日が来るような気すらしません。

ボール投げの経験がない人も、こういう感覚で自分の身体をあつかっているのかと思うと、程度の差こそあれ、この中のどの要素が、上達に結びつくものかと思ってしまいます。

ワタシ自身、テニスを始めたころに感じていた、飛んでくるボールを見ながら「スイングのスタートのタイミングはどう測ればいいのか」と自分なりにわからないと思っていました。

小さい頃から野球の遊びではかなり親しみましたので、ピッチャーが投げたボールにタイミングを合わせてスイングして、間違って失敗しても、三振するまでに調整できれば打者である自分の勝ちになるとおもって身体を使ってタイミングを合わせる方法なんかを教わったりやってみたりしましたが、テニスはテニスで独特のものがありそうだな、なんて考えてやっていたと思います。

バウンドするテニスボールには、動き方や跳ね方に慣れるほどにわかるようになってきて、まじめに取り組み始めてからはある程度動きがわかるようになったと思います。

当時は壁打ちが近くにあって、壁から跳ね返ってくる球と、相手が打ってくる球でバウンドが違う事とか、けっこう面食らっていたんじゃないかと思いますが、そのうち特徴を掴んで対応するようになりました。

左手でラケットをもってフォアハンドストロークを打ってみても、相手がスライスを打ったり、速い球を打ってきたりしても、フォームは見れたものではないですが、ちゃんとラケットに当てることくらいはできます。

それって、ボールを見る能力がついているからで、ある程度右手でテニスが出来るんだったらそんなにいつまでもボールを見つめていなくても打ち方がわかるようなときでも、左手になって自信がなくなるとやっぱり速い球への対応は遅れるし、そうならないように目でよく見てしまって、ラケットをどう出すか、そこんところの感覚は出たとこ勝負のような感じになってしまうものです。

 

初心者の生徒さんが見ているような風景が、そういう事なんだろうなと思いますが、それって空間把握とか、動作の技術とは違う部分のスキルになるので、たくさんボールを打つ動作を繰り返して慣れていってもらうしかないものだと思います。

 

ラケットを持たない側の手の使い方について書いたわけではないのですが、明確なものがあるってわけでもなさそうなんですね。ただ、自分の身体、という物差しを持っているのに、その物差しとして一番使いやすいのが非利き手なんだという要素もあると思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 17:41 | コメントをどうぞ

最初の一歩

基礎技術、という意味ではなくて、今回はフットワークについて思う事です。

読者の方にさきに考えて頂きたいのですが・・・

テイクバックって、どうやって引いていますか?手で引いてる?肩で引いてる?腰を使ってる?足ごと動かしてますか?

どうやって意識して練習していたでしょうか。あるいは、意識したことのない動きだったでしょうか?

 

腕の力で後ろへ持っていこうとすると、軸足側を固定する必要が出てくることが多くなります。例えばボレーでは、チャンスボールがきていても足がうごかない。最初の一歩目がスパッとでないんですね。

最初に移動を始めると、要するに足から動かす順番だと、うまく動けますが、ラケットをいつ引いているんだか、飛んでくるボールと合わないこともあるかもしれません。

アタマで考えてやろうとすると、順番がはっきりしていて、整理する時間があるならうまくできると思いますが、同調しなければならないとか、ショットごとにタイミングが変わってきたりするようだと、自分の動作のリズムが取れなくて打ちづらくなったりします。

 

テイクバックでリズムを取る人が、ほとんどなんじゃないでしょうか。打球動作は下半身からの連動をつかうなら、下半身の主導で、全体の調和がとれていることが美しいフォームに繋がると思っています。しかしそれも、考えながら出来るかとか、毎回違うショットが飛んでくるようなラリーなどの状況で、テイクバックのタイミングを明確に「ハイ!いま!」ってわけにもいかないでしょう。

打球の為のリズムが、個人で違うことは当たり前のことだと思いますし、同じにしなければならないものでもないと思います。ただし、飛来するボールにいちいち対応できる中で、自分のリズムを守れるようにしなければうまくは打てないでしょう。

 

 

ボールが飛んできたら、こちらから向かっていけるように見ること

 

これが出来るところを、ポジショニングを考えている時にやってみて下さい。

ボールを追いかける用意

ではなくて、ボールの軌道が予測できたら、自分の打点をその中に作っちゃいましょう。

自分よりも後ろにできるようでは、テニスを真面目にやっているとは思えませんから、自分が見ている、相手コート側がみえている風景の中でどこにするか、自分の上手く打てているイメージと、そこに間に合う時間を見極めて見つけましょう。

難しそう?いや自然に出来るはずです。

ジュニアの初級クラスで、こんな練習をさせています。

ネット前からベースラインに、対角線上をゴロで送球します。シングルスラインから、そのボールをベースラインに沿って走って行って打つ。

そのつぎ、同じ軌道に雑なタッチで、ワンバウンドでは打てないくらいの弱めの球出しをして、何回バウンドしてもいいから走って行って打つ。

そのつぎ、ワンバウンドでとれるように走って行って打つ。球出しはもちろんきちんと合わせて出す。

さらに、フォアだったらエアーK に挑戦する。

 

ボールがやってくる場所を見据えながら、走りながら準備するようになります。想定通りの打点で打てるようにこちらから課題を与えるのは、この練習はベースラインに沿って走ってやってみよう、ってことくらい。

走りながら、だんだん近づいてくるボールが見えて、手に持っているラケットでネットの方に打てばいい。

初心者の子でも、楽しくできるかな、と思ってやらせています。

最後のエアーKは、ジャンプするところとタイミングがなかなかつかめない子が多いですが、まあ出来なくてもイメージしたり、出来るための工夫が出るようになるだけでOKなので、笑いながらやっています。

ようするに、走りながら自分のやらなきゃいけない事に向かって準備を進めていくことが出来ればいいという練習なんです。全身をつかったコーディネーションの練習とも言いますが、楽しさを優先させるつもりで考えて、ここ何週間かやらせています。

 

教えてからやらせると、真面目な人ほど、教わったことをきちんと思い出しながらやろうとするものなんですが、運動ですから、動きながら考えられるようにならないといけないわけなんです。

ダブルスの前衛をやっていて、相手のボールが浮いてきたのを見てから「あ!このボール、チャンスだ!」って脳みそで気が付いた頃には、ちょっと遅いと思いませんか?

 

常にどんなボールにも反応できるようになっていることが「構えている」ことですし、反応して身体が動いちゃってから「おっ、これはいただいちゃおう」と余裕のある状態でチャンスをきちんと攻めボールで打てると思います。

手で反応すると、軸足に体重が掛かって動けなくなることが多いですから、反応は足から行けるように構えている方が、打ち方がわかってくれば来るほど便利に感じると思います。

動き始めてから、実際にインパクトするまでが時間があるってことです。

同じ時間ですが、判断する時間を割きに取ってしまうと、動作の時間がさほどないってことでもあります。

 

最初の一歩が、ボールに対応してきちんと出るでしょうか?

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 13:55 | コメントをどうぞ

ショートラリーが苦手・そうでもない・得意

なんども書いている事かもしれませんが、元々のワタシは、スライスばっかりしか打てなくて、30歳をすぎてからやっとトップスピンに挑戦して打てるようになったんです。

 

練習の最初に、ショートラリーをする機会って、どこでもあるんじゃないかと思います。

ショートラリーから学んだ感覚は、とても役立っています。打点を合わせる感覚ですが、打点のみに注目できる距離(余計なパワーや、極端なスピンなどは特に必要ない)だからこそ、飛んでくるボールに、うまく「触る」ような感覚で打ち合いができることが、自分の感覚を取り戻すのにとても役立ちます。

むかし、何かの記事で、ウォーミングアップ時にショートラリーやボレーボレーをやらないと、その日のオフセンターショットが増える傾向が強くなる、という内容のものを読んだことがあります。

目で見たところに、正確にラケット面の中心を持ってこれるかどうかっていうことが、一般のテニスプレーヤーには怪しいこともあるんじゃないでしょうか。目の感覚と、手の感覚が不一致な状態っていうのが、例えば週に一度しかラケットを持たないようなプレーの習慣だと、良くあること…というようにも思えます。

 

そして、それ以前の問題として、ショートラリーの距離で、自分のショットを収めるのが苦手な人も、かなりいるんじゃないかと思います。

スライスの私も、かつてはそうでした。ドロップショットみたいなタッチでなら、コントロールできていましたが、ロングラリーで打つような、低めの滑るスライスでショートラリーを続けることは、とても難しく感じました。相手も合わせづらそうになりますから、余計にラリーそのものが不安定にもなったものです。

 

IMG_0016

 

 

若干見切れてますが、ワタシのノートから。

要するに、テイクバックを小さめにとって、フォワードスイングから得られるパワーを小さくすることで、通常の打点で打てるようにした方がいいってことです。

ショートラリーといえば、そんなに嫌じゃないけどなんとなくこなしてるだけっていう雰囲気に見えるのが、「卓球型」(上の囲みの方)

打点を後ろにずらせば、面を早くから相手コートに向けておくことで手首を固定しやすく、斜めに擦り上げるようにすることで距離の出ない、意図して短めに打つショットが実現できます。

だから、ショートラリー用の打点があるってことで、実際のロングラリーや、ゲーム中にコントロールすべき打点やそこから出て行くショットとは関連が薄いってことにもなります。

この打点をデフォルトにして、ロングラリーもできるという人は、ショットにスピードが出せません。ロングラリーに見合った距離にするには、フォロースルーに乗せるようにしてスイングを長くすればできるようになりますが、インパクトが弱いためにショットのスピードは出るようになりません。苦肉の策でフラットに当てて、手首を返すようになると今度は距離も軌道の高さも安定しなくなります。

 

 

それ以前に、ショートラリーが苦手な人もいますね。

このパターンは、初級クラスに多くいて、スイングは勢いをつけてラケットをボールにぶつけるようなイメージを持っているとか、きちんとテイクバックからをロングラリーと同じだけ取っちゃうとかで動きそのものにパワーがあるのに、インパクトで握りや手首の力を緩めて当たりを弱くさせるように調整しようとして失敗します。

ボールを最後までよく見て打点を逃してしまうこともありますね。ボールが遅い(短い距離でワンバウンドするようなショットだから)ために、しっかり見て打点を見極めようとするんですが、いくらゆっくりでも空中で止まってくれたりはしませんから、テイクバックで腕を(身体から見て)奥の方に置いてあることから、後ろになっても間に合いそうな感じに構えている、というのも理由になるかもしれません。

そういう、苦手な方でも、自分でトスしてボール出しをして始めるわけですが、その第1球目ではちゃんとコントロールしていたりします。

ボールが前から後ろに流れて行く動きではなくて、自分の打点を想定した位置で落ちてまた弾んで来るだけですから、ラケットを後ろへ引く、というイメージなしで短い距離に合わせた打点とスイングを実現できているってことですね。

 

 

テニスのスイングってボールを思いっきり飛ばせばいいのではなくて、コースと高さ、距離を狙って強さや回転を調節しつつ打てる、飛ぶ飛ばないが加減できるスイングが欲しいわけです。

だから、野球などのように勢いをつけて、当たればなるべく遠くへ飛ぶように、というスイングでコントロールもよければ、決め球が打てるかもしれませんし、卓球のように決まった距離に撃ち続けるような形でスイングをして、常にボールがアウトしないようにする要素も欲しいわけです。

そういう感じを、言葉で表すのは難しそうなんですが、

 

「先に狙ったところへ打てるスイングの型を作っておいて」、

「イメージした型通りにスイングをしながら」、

「狙った打点に位置を合わせて、ラケットの真ん中でボールをキャッチする」ような感覚なのかもしれません。

強打できるようになればなるほど、キャッチする感覚じゃないような気もしますが、私の場合に限っては、打ったショットがミスになるのはすっごい嫌なので、

肩や腰のひねりこみを利用して、フォワードスイングの角度を稼ぎ、

インパクトで狙った面と、スピンのための(スイングが抜ける方向)に強くイメージを持ちながら、

勢いよく面でキャッチするような  感覚で打っている…と思います。

コート内に踏み込んでのチャンスボールなんて、短い距離への強打ですからね、ショートラリーを強めにしてもやり切るくらいの技術があれば、自信を持って打ち込めるようになります。

 

ショートラリーの技術が、ゲームにも活かせるってもんです。

 

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 23:18 | コメントをどうぞ

握りについて知る

実感としてのマジメな話なんですが、ワタシ、ここ2年くらいの間、「グリップの神様」に目をかけていただいているんです。

アタマがおかしくなったわけじゃなくて、明け方の枕元に何度も現れ、ラケットを通して手が感じる感覚についてイメージを残していって下さるんです。

自分よりもうまい人、あこがれるようなプレーをする人、自分にはなさそうな感覚の人のプレーをみると、つい真似てみたくなる性分。それが、ワタシ自信をコーチとしてお客さんの打球法をつぶさに観察したり、要素を発見したり、またはどこの段階まで戻って矯正をかけるといいのか、そういう判断をその場のコート上でできるようになりたいと切に願っていたら、神様がほっこり現れて下さるようになったんです。

実体は拝謁したことがありません。時には天からの声で、時にはワタシの手の感覚を操作して、

ボールが当たったラケットがどんなふうで、

ラケット面にあるボールが手にどんな影響で手に伝え、手がどの部位でどんな感じにボールを把握するのか、教えてくれるのです。

手のひらはパーじゃないってこととか、

バックハンドも手の甲じゃなくていいとか、

ラケットの重みが手のひらでくるっと回るとか、

5本ある指や手のひらの部位にポイントがあるとか、

それを把握するのは細やかに感じることのできる手の神経ならではだってことなど

腕の「芯」をラケットの「芯」とうまく合う角度に持って動かす事とか、およそテニスを普通にやっていたら思いつかないことを、悩みがあるごとに答えやヒントを下さいました。

 

 

先日のこと、スマッシュの感覚の為のドリルといって、速射砲ドリルをやります。ボレーだったらゆっくり連続して打ち返せる程度のテンポで、あまり動かなくてもいいようにロブを上げます。

オーバーヘッドの動作は、3拍子であることが多いものですが、

このテンポの良い球出しは、ゆっくり目の2拍子なんです。

はた目からはゆっくりした球出しなんですが、2拍子の球出しに3拍子の動作はどうしても遅れがちになります。

それを、うまく連続ではたき返す練習。ひとり2分でレクチャーしていきます。

まず、小指と薬指とをしっかり持つようにしてもらって、それだけで腕を振るとグリップエンドを中心に、ヘッドが回るのを手が感じやすくなります。

残り3本の人差し指、中指と親指は、輪っかを作るように持つわけなんですが、この輪っかが、ラケットヘッドの動きを制御する動きです。意図的に動かせるように、腕はラケットを軽く感じながらスイングできるようにするのに、5本の指と手のひらを上手く使うようにレクチャーしていきます。

そうするとですね、全員がそのあとのメニューであるサーブの練習まで、ラケットをつかったボールコントロールの仕方がわかるようになったと嬉しい感想を述べてくれました。

ストロークや、ボレーでも同じようなことが起こります。

ラケットが手の上でどのようにゆれ、動くのか。そこに興味を持つ事も、打ち方の理解に役立つものだと思いますし、握りを変えられないことがどれだけテニスの技術をスポイルすることになるのか、知らないことは不幸なことだと思います。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:31 | コメントをどうぞ

個人レッスン

個人レッスンには、メリットが多くあります。

ラケットの扱い方は、型どおりに教わったとしても持ち方や、ラケットの重さの感じ方、あるいは飛んでくるボールに対するリズムのとり方などは人によってだいぶ違うことがあります。

グループレッスンでも、どこのスクールでもそうでしょうが、かならずマンツーマンでコーチとラリーや、テーマの球出し練習などをするなかに個々へのアドバイスをするようにしていますが、たとえば10人のクラスだとすれば、90分ていどのレッスンの中ではきちんと見てあげられるのは2~5分くらい。

クラスのメリットもありますよね。それが色々な人と打ち合いができるうちに対応力が磨かれてくるとか、ゲーム形式などの課題をみんなで楽しみながら理解しやすくなる、っていう面だと思います。打ち方などの技術以外の面でテニスというスポーツを理解しやすくなるってこと、そしてそっちはすごく楽しいってことを伝えられるようにするのがスクールの持っている一面です。

そんな中で、自分のテニスに課題がある方とか、あるいは集中して取り組みたい人、なかには集団の中ではやりづらさを感じる人もいて、プライベートレッスンのニーズがあると思います。

一人で受講される場合はほとんどが、打ち方やラリーでの技術のみで、120分の時間をほとんど使います。

はじめて受講される方も、ワタシを打ち方を診るのが上手いコーチと認識というか信用してくれてオファーを下さっていると思いますが、さいしょのレッスンから、その方の課題に光が見えるようになるまで、一定かそれ以上の時間がかかります。

最初のレッスンでは、矯正法をおこなって、足りない要素に気付いてもらうと、球出しのボールを打つのに、人によっては劇的に良くなることもあり、おたがい(コーチとしても)すごく楽しい時間になるものです。

しかし、ラリーやゲームでその矯正がすぐに成果を表すものではないものです。

もう30年近くレッスンをやってきて、ホント半分くらいの間は、こないだのレッスンで上手くなるコツをつかんだんだから、今日はみせてくれるだろう、なんて期待をしてしまうようなコーチだったと思います。

おそらく生徒さんの方も、せっかくいいことを教わったからすぐに活かさなきゃ、と意気込む気持ちもあると思います。

よくわかったのは、そんなに簡単じゃないってこと。

 

 

理解できるようになったのは、もともとの動きに癖があって、自分でも気づいていたとしても、筋肉が記憶力を持っているので、普通に打とうとすれば癖の方が先に出てくるようになっていることだということがひとつ。

みためは、他の人がやらないような癖の強い打ち方だとしても、その方にとってはデフォルトになっている、自然な対応なんですね。それが、いつついた癖なのか、それもコーチとしては気になりますが、いまその状態であることは間違いないので、その癖がいつか治るものなのか、それとも付き合いながら自分の新しいフォームを見つけていくのかっていう事になります。

 

癖の部分は、とくに準備のための動きにあることが多くて、それが動きのリズムを作ることになります。インパクトの不安定さに影響のある部分がわかれば、そこさえ整えてあげると、リズムはその人がそれまでやってきた合わせ方でできるようになるので、取り組みが簡単になります。

インパクト前に注意しなければならない一つか二つの課題を、気にしながらラリーをしてもらう。そうすることで打ち方とボールが飛んでくる動作に順番がはっきりしてきます。そういうのが見えてくればもうほとんど大丈夫。あとは反復が必要なだけです。

手を取ってスイングを導いてあげることは、コーチにとっては簡単に感覚の違いを示してあげられることですが、頻度が多くなるのはデメリットになることが多いものです。

自分のラケットの扱い方や、ボールのとらえる感覚の違いなどに気付いてもらったら、もうそれ以上は体やラケットに直接触れずに、自分でつくる差の部分に注目してもらいながら練習してもらった方が上達は早いです。

結局は打ち方って頭の中にイメージがあっても、体はそのイメージを追っているつもりで違う形になっていることがほとんどなんです。その違いを直す方法を自分なりに見つけてもらうまでは取り組みは意味がほとんどないのと一緒。

頭で理解できた、ということ以外に成果がないことになります。

コーチの側にも同じような気持ちがありますが、生徒さん本人は、教わった通りにやったとたんに見違えるように自分のショットが良くなることを期待していると思います。

それは、矯正法を行うと、一部分に矯正をかけただけでインパクトが良くなる効果があるのは間違いないので、レッスン中にできるようになったとおもってお互いに喜ぶものなんですが、デフォルトになっている部分の書き換えるには至らないものです。

いままでと違う感覚でボールを打つことになりますから、本人は違和感と戦うことになりますし、結果を求めることが先になってしまうと、直したい動きよりも、飛んでいくボールの方に期待をしてしまいがちです。だってそのためにレッスンを受けてくれているんだから、当たり前ですよね。

だけど、実際には身体ってそんなに器用にいつでもどんなふうにでもフォームを変えて打てるなんてことはないので、まずは動き方ができるようになる方が先で、最初のうちはコントロールや、安定感なんかは期待しなくて大丈夫です。

動作の順序の中に、課題の動きがきちんと入れられるか、とんでくるボールのプレッシャーにまけて、ついいつものフォームまでしかできないでいるかの課題をまず克服しましょう。

それが出来てラケットにボールがふつうに当たってくれれば、手に残る感覚が、いまどうやって当たったか、うまくいっているときの感覚と、見当違いのショットになってしまった時の感覚の違いを身体が覚えてきてくれないと、再現性は上がりません。たまにすごく気持ちのいいショットを打てたとしても、二度と再現できないようでは意味がないですもんね。

そこで自分の「うまくできているはずの動き」と「向こうから飛んでやってくるボールの動き」が合わせられるようになるための練習ができるようになります。

 

だから、練習する課題はなるべくシンプルなものにして、できていく毎に負荷をかけていったり、新しい課題を見つけていくなどして上達への道に入ってもらいます。

その、最初の課題ができるようになるまでは、やっぱり少し時間がかかるものなんです。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:09 | コメントをどうぞ

打点とは

打点とは、ボールが当たる位置

打点とは、ボールが当たるとき

その時のラケットがショットの成否そのものといっていいでしょう。

打点を迎えるためにするのがスイングで、スイングとは打点の為の動き。

下から入って打点を迎えれば、ドライブ系のあたりになるか、上向き面に当たればロブになる。まあそういうことです。

打点は線ですか、点ですか?という質問には、どっちかと聞かれれば線だと答えます。自由に答えていいのなら、範囲(エリア)だと思っています。だから、点ではない。

打点では自分のラケットの動き方の影響でボールの動き(飛んでいき方)が変わります。

打点でラケットを止めるような打ち方をしても、ボールは飛びますが、そういうショットにしかならない。より振りぬき方向に動かしたときにショットは似たような飛び出し方から質の違うショットになると思います。それは、スイングの入れ方から影響するもの。

テニスにハマっていると、歩きながら打点の形にチェックを入れるような、素振りみたいなことをする(ゴルフにハマっている人が傘をクラブにして素振りしたりするようなもの)と思いますが、打点でピタッ、と止めるのは、形の意識としての練習なら意味のあること。

しかし、ラケットを持っても同じようにしているとしたら、きっとうまくはいかないと思います。だから、点だとは思いません。

そこから自分の意思を載せて動かすことで、コントロールっていうと思いますから。

 

打点とはパワーですか、と聞かれれば、それにははっきり否定します。

打点ではボールが当たる音がします。

その音って、プレーヤーならどのレベルでも期待しているもので、手ごたえと同様に打点の意識のおおもとだと思います。

それだけに、打点の位置に合わせて握る力を入れてみたり、速くスイングするように力を込めてみたりしますが、結果を見ればわかりますが、そうやってショットが良くなることはないものです。

そのやり方で気持ちよく強いショットが打てる人もいますが、同じだけのスイング量で、打点の位置を変えずにスイングすることができれば、あまり力を籠めなくとも同じようなスピードでボールが飛んでいきます。

そこの理由は、ラケットとボールがぶつかるという物理の世界の出来事だからです。筋力はラケットの運動方向に対して使うので、振り始めのきっかけに負荷がかかり、加速が乗るように振り子運動に乗せてしまえば打点までは決まった形の運動をします。腕の長さや、ラケットの長さは不変だし、関節をどのくらい曲げたり伸ばしたりするかっていうのは、ラケットにあてるための信頼できる形を、プレーヤーはキープするものだからです。

インパクトの瞬間に形をはっきり意識するために力を入れるなら、安定のための力です。余計なミスをしないための力。ボールを飛ばすことや、回転をかけるために打点の位置でラケットを動かすとしたら、真ん中に安定してあてることが難しく感じるようになるはずです。

じゃあ打点が力でないとして、点でもないとしたら、どうやってボールにパワーを与えるのかといえば、打点とは流れの中のある点であって、インパクトは一瞬とはいえ1000分の3~5秒程度あります。

ラケットに進行方向があって、面の向きと一致していないなら、回転がかかるようにボールに当たるはずです。(進行方向と面の向きが一致していれば、その一瞬はフラットに当たることになるはず)

スイングは

体軸を中心とした腰や肩の円運動と

肩を中心とした腕の円運動と

肘を中心とした前腕のひねり方向(内旋・外旋など)への円運動と

手首を中心とした手の多様な方向への運動

握りを中心とした、ラケットの運動

がボールにぶつかっていく力のとなってショットを成立させてくれています。

最初の方に書いたものほど大きな力を持っていて、最後の方の手首や握りなどは、その流れに沿って力を発揮することは出来ますが、流れに逆らって力を入れても、ラケットを自由に扱えるようにはならないものです。要するに運動連鎖を使えばいいけど、手先が器用だからってうまくは打てないよね、ということです。

腕でボールに合わせてその位置に連れてくると、ラケットが出てきてボールに当たってくれる

っていう動きをうまくできるとしたら、先にやりたい動き=トップスピンを打ちたいとか、スライスで打ちたいとか、深く打ちたいとか、ロブで前衛の頭を抜きたいとかの動きを腕の動きに持たせてやって、あとは狙った高さや距離に対するタッチが合っていれば成功するもの。

ラケットが出てくるときに持っているパワー(動きの速度とか距離)と方向(打点に入ってくる方向)などでどんなショットを打つかがほぼ決まり、

ボールに当たるときのラケットの向きがどこへ打つか(方向と高さ)を決めることになります。

入ってくる方向というのは、回転がどうかかるか、ということに影響が最も出るので、打つ方向に対しては面の向きに依存すると言っておいた方が良いと思います。

だから、

打点で面を作る

ということが重要ではありますけど、面を作って当てるだけではショットは不完全なものになります。

相手のショットにあてるのも難しいようなら面を作って当てるだけから始めればミスを少なくしてラリーができると思いますし、

それに慣れてくればすこし勢いを付けて面にあてればショットの質が上がります。

さらに、自分の意思を乗せてコントロールしようとすれば、どう構えてどう振るか、という課題が常にあると思います。

プレーヤーは個々の「型」をもち、自分の感覚に合わせて打てるショットの範囲があるはずです。

相手としてはそれをうまく崩せればミスを誘うことになるし、自分としては崩されないようにするためにフットワークにこだわってみたりするわけですね。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:48 | コメントをどうぞ

なわとびの縄を回す

テニスのラケットの扱いにおいて、その道具になじみが薄い時には手首は固定しておくことで面の向きや、スイングの大きさの調整がわかりやすくなります。

形の基準を作ることで、動作の中のどの部分の、強度、あるいは大きさ、方向などの要素を早く覚えられるようになると思います。

そして、その動作に習熟してくると、力を抜いても同じ動作ができるようになり、もっと簡単に感じられるようになってきます。

その頃にはもっとコントロールする欲求が増えてきていて、細かく狙ってみたり、強弱をつけて相手の打ち方を翻弄したりするようになったりします。

ワタシ自身はもう31年もテニスをやっていますが、ラインを狙ったりとか、コートの端っこギリギリを狙って外さない、なんていうレベルには至っておりません。

そんな中で、ストロークのスイング中にラケットの握りこみについての質問や、手首を使う方法について考えたりして、自分のクラスの生徒さんにスピンをかけることのメリットやコントロール向上の意識付けを伝えていく方向でもスイングについて細かく考えてみました。

 

ラケットの動きと、エネルギーの伝達に関しては振り子の先にもう一つ振り子が付いている(=腕の先にラケットを持っている)二重振り子の法則が元になります。

それに関しては、筋力はさほどボールのパワーに関与していないということがわかってから色々な角度で勉強を進めてきました。

腕力のある人がすごいパワーショットを打ってくる一方で、小柄で細い腕の女性でも、遜色ないキレのあるショットを打ってきて、ワタシの渾身のサーブからでもリターンエースを奪われたりします。

女性の方は、そんなに圧倒されるようなダイナミックな動きでもないですが、やっぱりコートに入るショットとしてはかなりスピードもありますし、足元にスパッと切れてきてかなり取りづらい。

しかし十分にテイクバックを取り、そんなに速くないとしても男のファーストサービスにきっちり合わせて打ってくるわけですから、メカニカルな部分の理解ができないと「なんであんなに細いのに…」って思っちゃいますよね。

できる人はセンスが良くて、頭で理解する前にイメージを体で追いかけたらできちゃうくらいのものだと思いますから、打てたショットが良い結果であり、相手に効果的なショットであれば、それを反復して練習していくだけで良いものです。

ただ、やってるつもりなのにできない、あるいは自信がないままどこに注意して打てばいいのかコツが知りたい、という人には、やはりやり方のヒントが必要になると思います。

テニスのショットは、決まったストライクゾーンに入ってくるボールではなく、相手が好き勝手に打ったショットに自分の型を合わせて打てるようにするもので、ラケットの引き方から、振り方、ボールとのコンタクトの仕方を一つのスイングで覚えても応用が利かなかったら苦手なイメージから抜け出せないものです。

 

 

ただ、動きの連結性とか、そういうのがうまく出せない人も多い中、腕とラケットのことだけを論じてもできないんだろうと思います。

シングルスのクラスでは、ジュニアもそうですが、「全力疾走ショット」を試してもらっています。

走りながら打つには、全体の調和をとりながら、目標を「打点」において全ての動作の帳尻を合わせるようにしなければならなくなります。

だから、この練習は突然やるのではなく、スイングの中でのボールコンタクトの感覚、タッチの感覚を磨いてからやった方がいいかなと思っています。

 

ラケットは、腕で連れてくると、出てきてくれるようになっている

というイメージで扱う

言葉で書くと、捉え方は人それぞれでしょうから、言い切れないかもしれませんが、ワタシ的にはそんな感じ。

振り子の運動則、と先に書きましたが、重力に任せた自然な振り子でなくともよく、腕には筋力があって、打点に向けて自由に振り子のスイング角を決めることができます。

肘や手首、肩の関節は腕の内旋・外旋や回内・回外を使うことができ、位置を動作範囲の中で自由に求めることができるということ。

そうすると、制約があると言ってもどこまでで、どのくらい自由なのかがわからないことには、教わる人の方からしてみればコツとか言っても、言われた通りに動くくらいしかできなくなりますよね。

ボールを打つ目的がある、ということが不慣れな方にはプレッシャーにもなるし、ゆっくり考えながら確認したいことも、ボールのスピード以下の速さで動くことができませんから、慣れてこないとなかなか結果が出ないものです。

 

こうやると、こういう風にしかならない!

 

という、自分の中に制約というか、約束の形=型を作ることが目的なんですが、それは型を真似してもどこでどういう力が働いて動きになっていくのかがうまくできない人にはできません。

で、うまくできるってどういうことなんでしょうか。

やっとタイトルのところまでたどり着きました(笑)。

なわとび、飛べますか?二重跳び、三重跳びは?あやとび、ハヤブサは?できますか?大縄を回す方、やってことありますか?できそうですか?

ワタシ、小学生の頃は得意だったんです。それで好きになって、結構やってましたね〜

今ではコンビニとかでも売っている、ビニール製のなわとびが、一番馴染みがあります。

けど、さすがに小学生の頃よりか体が大きくなったので、ピュンピュン小刻みに回すには、縄の長さが必要になったから、3重飛びとかは何回もできませんね。

さて、その縄の問題が、割とヒントになるかもしれません。

例えば、そうやって小学生の頃とかに使い慣れた縄だったら、今でもスムースに回せて、なわとびができる方は多いと思います。

なわとびがそこで飛べなかったとしても、問題は縄を回す、という動きなので構いません(笑)。

話が飛ぶようですが、ここんところ1ヶ月くらい、私のクラスの皆さんには、「ショートトップスピン」という紹介の仕方をして、腕がラケットを連れてくる動きと、その効果としてトップスピンが打てるようになる、ということを導入し、継続させてなじませようとしています。

その時に使っている比喩が、「ラケットは、なわとびの縄を回すように」(後ろ回しです)という言い方になっているので、今回のタイトルがこうなっちゃったってわけです。

なわとびを回している(後ろ回し)動きが、ラケットのフォアハンドの動きの方向(ラケットの動きではありません)というか、リストワークのヒントになるもの、というのは飛躍した考えでしょうか。

腕はラケットの重みを感じていて、スイングをボールにぶつけにいくことでボールの飛んでいく強さや、ラケットの向きやボールにどうやって当たったか、その時にどのくらい力を入れておけば良いのか、というようなことのフィードバックをもらっていると思います。

コーチに教わったことをやれば、ということよりも、普段打っている感覚の中に、コーチにアドバイスされた要素を試してみて、その時に打ってみた感覚の違いや、飛んで行ったボールの結果から、その時に起こったことを体が覚えていって、そのアドバイスが生きたのかそうでなかったかの評価を自分なりに下しているはずだと思います。

コーチ側としても、打ち方の中の形だけにこだわることよりもこうやって変えてもらった方が感覚がよくなるんじゃないかな、という観点からアドバイスを差し上げることが多いはずです。なぜなら、自分がそうやって(ラケットからのフィードバックをもらって)やっているから。

 

なわとびを飛んでいる時に回している腕は、ある場所にあってさほど動いていませんね。かといって手首をぐるんぐるん回しているってほどでもない。

縄の重さを手で感じながら、ちょうど反対方向に引っ張る力を入れれば、握りを中心に縄が回るようになります。

とはいえ、一番最初からそうやって位置を固定して回せるってこともないですよね。運動のきっかけを作るときは、腕を少し大きめに回して、縄に運動の方向と勢いをつける動作が必要になります。それって、テイクバックとフォワードスイングですよね。

多分、1回転目で腕の位置が決まれば、あとは縄は安定して回り始めると思います。

うちの子供が、幼稚園に入りたての頃はうまく縄が回せなかったし、飛ぶのも失敗ばかりでした。でもその冬の間には飛べるようになってたんじゃないかな。馴染むってそういうことだと思います。

逆に、腕の位置を固定できない人は、いつまでもうまく回せない感じになって、二重飛びとかはできない人なんじゃないでしょうか。

そういう人は、ボール投げも苦手。腕を決まった位置まで持ってきてリリースする、という運動と力の関係に、体が未経験なためにうまくできない。

あやとびを飛ぶには、回転の軸を二ヶ所に作る必要があります。普通に飛んで、腕を交差して飛んで、という動き。これを二重跳びの形でやれば「はやぶさ」

手で「そこ」に連れてくると、縄が約束通りにうまく回すことができるようになります。連続の動作になっても、リズムを失わずに飛ぶ動きと回る動きが同調することでなわとびを続けてできるものです。

手でラケットを「そこ」に連れてくると、面が出てきてボールに当たる、という動きなら、しなやかにリストワークが使われていることになりますが、手首の力でボールを打つ、というような積極的な使い方でないことが理解できると思います。

バウンドしたボールが入ってくる角度と、スイングを入れる角度がうまくマッチすることで、ボールはうまく飛んで行くことになるし、自分の狙いにうまくその二つ(入ってくる角度と、出て行く角度)がマッチするように導く動きができることで、コントロールを意図的なものにしていくことになります。

スイングは始めてしまえば決まった動きをするように腕の形を決めておいて、スイングをするところにボールが来てくれるように動くのがフットワークだし、

スイングにボールがうまく入ってくるようにするのがスイングの目的だし、

当たったら出ていく方向にあらかじめイメージを持てることがプレーヤーのセンスだと思います。

 

そんで、それを磨いていくのが練習。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:08 | コメントをどうぞ

構えと、型

自分の打球フォームを、どこからイメージしていますか?

テイクバックの仕方?

振り始めた時の面の向き?

握り替えをするところ?

イメージですから、人それぞれでいいと思います。

よくないのは、ボールを一生懸命見つめていて、そういった準備が同時進行でなされているかどうかを自分で判断できないこと。

ワタシの場合はどうかというと、その時その時で注意を向けるところは違うかもしれません。

ただ、調子が悪い時とか、動作に改善点を見つけた時には、

構えている形

から見直すようにします。それで、原点からやってみることで自分にその動作が適しているかどうかもわかるし、楽なラリーでは問題なくても、すごい速い球を打ってくる相手には使えなかったりして、そこでその後に判断しようってことにもなります。

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ストロークの時の、レディポジションとフォア・バックそれぞれのテイクバックです。

テイクバックは私は体のサイズが小さいので、テイクバック自体はもっと大きく引くところまで持っていきますが、この写真ではグリップチェンジが完了しているところを見て欲しくて載せました。

特にバックハンドはこういう「型」を作ることで、ストローク戦の時にはかなり腕を突っ張った形まで大きく引きます。

240px-Justine_Henin

 

自分ではロンギ正幸選手がやっているのを見て真似してみたらすごく力が入るようになったのでそうしているのですが、イメージ的には右腕を後ろに突っ張って肩を大きく入れる感じをイメージしています。

なるべく一瞬で「型」にはいるようにするには、引き方の記事を以前に書いた時のように、利き腕側は体を擦るようなイメージで、近くからシュッと持っていくようにしています。

だから、構えの形(一番上の写真)のように、レディポジションから、スプリットステップが着地するときに腕が落ちるようにしておいて、そこからは下から体の近くを通って、最短距離でテイクバック完了するようにしています。

それはフォアもそう。

腕のどこが、というのを説明しづらいところがありますが、フォアのテイクバックの写真では、握りができていますね。

IMG_1558

 

右ひじを少し外側へ張るようにして、左手を使って決まった位置にラケットを押し込むようにしていくと、形が決まっているのでグリップチェンジをする際に迷うことも間違うこともありません。

ストロークのテイクバックは、引く大きさを可変させられるようにする必要があるものですが、その条件は、

打点に腕が入る

ようにすることです。

腕が入るっていうのは、打点で

IMG_0879

 

こんなような、送り出す動きができることです。

肘を外に張るのは、すぐに内側に入れればこの形になれるようにするからであって、その際に必要なグリップができていなければ狙って打てないので、ワタシの場合はすべてのシーンに対応する必然からこの型になりました。

この形になれると、あとは打点にさえラケットが合えば、万能です。

テニスで「手首を使え」っていうのは簡単に言っちゃうのが危険な言葉ではありますが、スイングというのは元が「モノを飛ばす」動作。

手首は、手に持っているモノの重さに応じて動きが出るようにしていったほうが威力とコントロールとの両方が手に入ります。

この打点の見つけ方もそうやって考えれば簡単で、ボールを持って投げる時に、スナップを使う、短いスイングで狙って投げる時に、リリースする位置とそんなに変わらない。

要するにヘッドがシュッと動くようにするところを見つけます。

本題はそこからで、その動きに適した面の向きとヘッドが走る方向を理解できるかどうかです。

うまくマッチすれば、かなり自由にボールを扱えます。

バックハンドも、打点の位置がわかりづらい動作ではあるのですが、フリスビーを投げたり、手首の動作で投げやすいものを投げていくうちに、腕がどうなってくれればいいのかがちょっとわかります。

ワタシの場合はラケットを振りながら分かるようになったものなんですが、よく思い返してみれば、片手打ちのバックハンドになって、トップスピンが打てるようになって、それを試合で使えるようになるまで、実は18年くらいかかってるんです。

その後、さらにフォアハンドと比較しても大丈夫なくらい自信持って打てるようになるんですが、自分としては「バックハンドって…深っけーな…」って思ってました(笑)。

 

ボレーはボレーで、IMG_1553 IMG_1555 IMG_1557

こういう始動なので、構え自体が上がります。

それと、ラケットの位置を中心に、ボールをどっちの面で取るか、フォアかバックかの判断を自然に手がやるようなイメージで動きの中に入れている、というように意識しています。

反応は脳みそを通らずに、反射的にできる方を優先して、ボールよりも先に動作が始まったほうが、動き出してから打点に合わせたり、狙う方を判断したりするゆとりが出ます。

「よしフォア!」って頭で考えてから準備したら、きっと間に合わない、なんて思いながらそうやっています。

相手の球がマジで速かったりすれば、ボレーの腕の動きは本当にここまでで、あとは踏み込んでいくけど腰をターンさせることでボールを呼び込む形になり、打点に奥行きを持たせるようにできます。

腕の動きだけでできることは、ボールの到達点を予測していち早くそこにラケット面を合わせられることに自信のある形になれることです。

手首を固めたり、腕の重さを載せたりすることでラケットの反発力を活かせるようになりますから、スイング自体はすればあるし、しないで合わせるだけになるような厳しい場面でもなんとかします。

反応するときに速く腕を動かす、なんて意識をしていると、勢いよく腕を引いちゃったり、そのために余計なジャンプみたいな動きをしちゃったりして、空中で修正がきかずにうまく当てることすら難しくなります。

 

なんどもそういう「見えているのにうまくできない」経験をしてきた中で見つけた、自分の中ではいちばんシンプルな「型」です。

打球感覚を覚えるごとに、ボールの操作性も上がります。気づいた頃には、ドロップショットも瞬間的に判断してできるような時が出来ました。

足が一歩でも動かせるなら、同時につなぐのか、かわすのか、ドロップショットのようなテクニックを使うのか、体が動かせるような時間を感じることができます。

 

自分が一定の「型」を持つことと、ボールに先んじてその形になれる時に、自分の方にアドバンテージができることがわかれば、相手の球を返球することにプレッシャーを感じにくくなり、主導権を取りに行くようなラリーを展開できる自信がつきます。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 11:03 | コメントをどうぞ

ラケットの引き方②

前回のこのブログで書いたことの捕捉というか、ウルトラマンくんではちょっと分かりづらい面もあったかなと思いましたので、捕捉も含めて書き直し、ということで「②」として投稿します。

スイングの力を効率よく、というのをテーマに、このところ実はシリーズ化していて、

「要素とか成分…」というタイトルで書いた頃のあたりから、考え方のもと、握りの重要性、手の中でラケットの感じ方がわかるなら手首の動き方、スイングのパワーの出る形としてトルクの説明…と進んできたわけです。

それで前回が、それだけ要素の絡みが出るのだから、ラケットを引くところから考えてみようという事で引き方の考察です。

今日はワタシがモデルになってます(笑)。

IMG_1545まずはレディポジションの形。

これを、こうしろってことを書いたんです。(ウルトラマンを使って)

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右脇の下のエリアを作るような格好になっています。この写真だけをみれば、イメージは右手で左腕を持ち上げるような形に――ですから、レディポジションで左手は右手よりも上にあるんですが、左腕を右腕のしたのエリアに入れるような、という説明の仕方になっています。

これって、

IMG_1558こういうことですよね。

右側の肩や腰を引く形になっているのが解ると思いますが、ラケットはまだそんなに後ろに引けていません。

「ラケットを引く」という言葉だと、先に手で持っているラケットを引く動作=手の動作というイメージが先に出やすいものです。というのは、手や腕は器用だし、気軽に動いてくれるから。

IMG_1548

こんな感じになります。これでもリズムが合っていて、振ればボールはちゃんと飛んでいきます。ラリーも十分に出来ますし、間違っているってことではありません。

ただ、対応が幅広くはならないと思います。なぜなら、肩と腰のターンが不十分だから。

下半身にタメをつくるように、膝を少し曲げても、腰のターンが少ないと

IMG_1549まあこんな感じですよね。

「肩が入る」っていう言葉がありますけど、具体的に肩がどこへどんなふうに入ると、何が起こってどういいことなのかが分かりづらい言葉ですよね。

この、手で引いている(ラケットをヘッドから引くような形)ような引き方だと、ラケットを振ることができる事は良いのですが、打っていく角度を変える(たとえば逆クロスに打つようなとき)に力を緩めるような握り方をして面の向きを変えないと出来ないと思います。それは、上半身のひねりこみが小さいから。

左手を斜め下側に入れるようにすると、左肩がぐっと前に出ます。それに伴って右側の腰が深く折れるようになります。

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こんな順序でぐうっと右腕を持ち上げるようにすると、腰と肩の位置がボールの新入方向に対して深くなり、見た目横向きになります。

この写真では下半身は写っていませんが、オープンスタンスになっています。

体重はひねることで自然と右足に乗る形になっているので、左足は自然に打点方向に踏み込ませてスクエアスタンスで打つことも、飛んでくるボールの勢いが強ければ踏み込まずにそのままオープンスタンスでも打つことが出来ます。要するに状況に応じて可変できる。

右ひじは後ろまで持っていけています。さらに言えばグリップの位置は、すぐにでも打点に入れられるように反転させる準備が出来ています。

スイングスタートでは、

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さっきのテイクバック完了(上側)から、スイングスタートはグリップが打点方向に向けて動き始めるのに、ひじ関節が内側に入ろうとしてきているので、下の写真の方が肘の位置が身体の近くになっています。

一度この形になってしまえば、ボールが打点に入ってくるのにあわせて振りだせばいいので、振り子の勢いを使えますから、打点を前にとって面の向きが正しく出てくるときにはかなりの加速を貰っているはずです。

ということは、二度引きなどの余計なリズムを作らなくてよくなります。下半身に力があるので、打点が前に取れるような厚めのグリップであれば、当たったボールを押し出すように体の回転を使うことも出来ます。

手の位置が先に後ろへ大きく引く必要もなく、速い球に先に手首を出せる形を作れば、振り遅れずに打点に合わせることもできるようになります。

 

バックハンドの方が説明が分かりやすい面もあるので、両手打ちバックハンドの例でも見てみましょう。

同じような理屈で、引き方はこんな。

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右手が、左腕を下から持ち上げるような感じ。右手が下側になるので、自然とテイクバックではヘッドがタテになるようになります。左腕は肘ごと持ち上げられて、身体から少し離れます。

そして、肩と腰が「入る」形になる。下へ押し下げるようになるために重心も落ちて安定させやすかったりもします。

このままスイングを追っていくと、

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右手の動きよりも左腕の動きの方が大きくなっていき、その分だけゆっくり振ってもトルクが強くなります。

引いた右腕の外側を左腕のスイングが通っていく為に、回転半径が大きくなっていくという事です。

右手は打点に早く入ることで位置を安定させ、左手はやや遅れて外側から大きく現れてパワーを与えつつ押し出せるようになるので、スイングの形態も単に一例ではありますが、ひとつの「理屈に合った形」であると言えます。

 

フォアでも書いたようにヘッドの方から引くのもパターンのひとつですが、比較してみましょう。

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こんな形になります。このパターン、セリーナ・ウイリアムズがこんな感じじゃないでしょうか。

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世界のトップがこの引き方をしているところからしても、決して悪いとか間違いってわけじゃない。

トップ選手は、腕の動き方以前に、さきに腰と肩のターンがなされているので、スイングがしっかり力強く始められるのここの形であれば、同じようにスイングにパワーを載せることが出来ます。

要するに重要なのはインパクトであって、そこに上手くボールが入ってきて、「つかんで、はなすように」して軌道に乗せる様なイメージと合った感触で打てるかどうかです。

このセリーナのように打てていて上手な人には少しも文句はありません。

ただコーチとしてみていて、ラケットを引いていても腰と肩のターンがしっかりしている人はかなり稀です。

走るとほどけるような恰好だったり、ボールが速いと思うと早めに開いていってターンでつくるべきタメが無くなってしまったりすることがほとんど。

この、『下側から振り子を作る』ような引き方でやってみて、というアドバイスで姿勢が落ち着いて、そしてスイングのパワーを効率よく伝えられるようになったことも事実です。

それは、先に「肩が入る」形を作ることで打つ前に約束の形になっておくという事が出来るからだともいえると思います。

要素は要素であって、最重要項目もあれば、軽んじていても大きな影響がないような要素もある。

それがどんな高さのどんな勢いのボールでも対応が効く、という事かどうかの分かれ目になるのが小さな要素の方かもしれないんですね。

 

中級クラスでショットのスピードの出る男性のお客さんから、「こないだコーチの最上級クラスみたけど、あのスピードでなんでミスしないで打ち合えるのかわからない」という感想を聞いたことがありました。

その方もかなりのパワフルショットが打てる方なんですが、やはり続けて打てないし、重要なポイントでは思い切り打ったら入らないかも、という不安から打てなくなるそうです。

しかしこちらとしては、ショットのアベレージスピードが高いのは常に全力のショットを成功させているわけじゃなくて、その人にそう見えるのはアベレージであって無理はしていないから打てるんですよね。

思い切り力を入れてスイングすればスピードは出るでしょうが、距離を狙うのは難しいと思います。

上級者は、相手のショットを上手く受け止めて、反発のパワーもラケットから必要以上に逃がすことなく活かしているので、軽々と打っているようでも速い球に出来るという事ですね。

冒頭にも書きましたが、

ショットの成否はほとんどがインパクトの瞬間になされるものであり、

打点でのラケットの動きを把握するのには握りから得られる感覚が必要で、

ラケットの動きというのは手首の稼働範囲内であって、

手首の関節は二軸なので、あるていどの制約を持っているから約束通りに動くことになっていて、

ボールにパワーを持たせたいと言っても速く振ればいいというわけではなく、

腕を動かす肩がギヤの役目を持っているとすれば回転半径が大きい方がトルクは大きいことと、

大きいスイングは遅くなるのでラケットに当てるのが容易になる事と、

肘の曲げ伸ばしや手首のひねり方向などで打点にうまく面が合うようにすることでより強いスイングにすることが出来るということ、

さらにそこへ狙いをしっかりするには時間的な余裕が欲しいために引き方から考えた方がよいだろう

 

 

という事へ繋げてここまで書いてきました。

言葉で説明するとだいぶ多い文章量になるってことがわかりました(笑)。動かしてみれば、1秒足らずの動作です。一つひとつ、要素を掴むことで、全体のパフォーマンス向上になるかと思います。

 

すぐに100点満点のスイングやインパクトが出来る様にはなりません。自然にできる事はそこがセンスの良さになりますから、自然にできる事+これは足りなかったかな、という要素が組み合わさっていくことで上達の足掛かりになればと思います。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 13:54 | コメントをどうぞ