カテゴリー別アーカイブ: 打ち方オタク

テニスの打ち方に対するこだわりを書くとこです
コーチとして勉強してるんですってアピール?

自分のテニスに合った…

人にはそれぞれ動きのタイプがあるようで、「4スタンス理論」なんかを読むと、いくつかのタイプに分かれて得意な動き方がある、というようなものも紹介されています。

ワタシもそれを読みました。そんなに深く読めなかったのですが、動きのタイプ(姿勢や体の中での位置のタイプ分け)があるといっても、そうかといって苦手な動きができなければ相手としてはそこを突きたいと思うわけですね。だから人を見るときには非常に参考になりましたけど、だからと言ってこういうタイプの人はこういう動きは苦手だからあきらめて、とはレッスンで言えないなぁ…なんて思います。もうちょっと勉強しないといけないですね。

 

今週ブログの更新がいつもよりも多いのは、かける時間が多いから(笑)。息子の卒業式やら、申告やらで予定を入れず、外に出ずに家にいる時間を確保できているからなんですが、そうすると考え事もするわけです。

 

さて、今回は自分のテニスに合ったナニカを考えてみようという企画です。

冒頭にその人に合った動きがある、ということを書いたのもそこに行こうとしていたからにほかなりません。

その① 自分に合った『ラケット』は…?

ラケットを選ぶのは、テニスをこれから始める人には、なんでもいいんだろうなと思っています。もう30年近くコーチをやっていて、結局そう思うようになりました。

ただし、最初の出会いはその人のテニス観をそこで作ることになるので、最初に握ったラケットのタイプが、ずっと好きなラケットのタイプになっていくと思いますから、どうでもいいっていう考え方とはちょっと違います。

体格や運動能力などによってツアータイプのような昔からあるオーソドックスな薄めのビームのラケットがいい場合や、フレームの厚みや面の大きさがあって高反発なタイプがいい場合なんかもあると思います。だからいくつかのタイプのラケットをショップやスクールの試打用のラケットから借りてみて、上手な人に見てもらったり、自分で感じたりしてから自分のラケットを選べればいいと思います。

経験者の方が、新しいラケットを考えてみるときには、今使っているラケットで普通にスイングしてちゃんと打点が取れていれば、いつも通りのいい球が飛んでいく、という感覚があると思います。

それができる条件でなら、同じスイングをしてみて、ラケットを替えるとなにか影響があるかどうかを見てみればいいと思います。手のひらからフィードバックをもらいながら、普段のラケットよりも上に飛んでいきやすかったり、左右にぶれやすかったり、回転がかかったりそうでなかったりするような感覚的な部分があるかもしれません。

それが、フレームに張ってあるストリングスの硬さや種類である場合や、フレームの硬さ、面の大きさなどの違い、またはラケットのバランス(スイングウェイト)による場合などいろいろな条件が出てくると思います。

扱っているプレーヤー自身の手が、違和感を感じたり、期待と違うボールばかり飛んでいくなら、そのラケットはあっていないわけだし、何とも思わなければ合格圏内で、好きな異性ができた時のように気になって仕方ないラケットが現れたら、もうそのラケットがほしい証拠です。

見つからなかったら、その時は焦らずに少し待ちましょう。

ちなみにワタシの場合は、すでにかなり狭いストライクゾーンであることがわかっています。だからそんなに選ぶのに苦労はしませんが、お気に入りの一本が見つかるまでは相当な時間がかかったりします(笑)。

 

その② 自分に合った『グリップ』は…?

スイングする形はこれも人によって違います。したがって得意な打点の位置も変わります。そうすると、打点でラケット面ができ、インパクト付近で保持しやすい、グリップの握り方との相関関係があります。

苦手なショットがある人も、握り方を変えると急に振りやすく感じることがあります。その時にはその握り方とスイング方向には無理のない形が得られていることになります。

握りに慣れていなければ、面がどっちに向いているのかの感覚がわからなくなると思いますから、コントロールができなくなるのは当たり前のことです。いきなり「正しい握りが正しい結果を生む」のではなくて、ラケットの重さがストレスにならずに振り出せて、方向はわからないけどラケットにボールがよく当たる、なんていうのがわかったらもうけものです。

ラケットの動きは、握っている手の中に動きの支点ができて、スイングに合わせてヘッドがある程度回転したり、急に面を決めるために握りこんで止めるような動きがあります。その時に握りがあっていないと関節に負担がかかるので、面だけ感覚の上で向けておいて、適当に力を抜いて動きの勢いだけでボールを飛ばそうとすると、合わせ方だけがうまくなって本質的なコントロールにはなりません。握りの命題は個人にそれぞれあるもので、慣れることができれば何種類かの握りに自然に握り替えられるようになります。

握り替えは知識の下でやるのではなく、そのボールをねらった方に打つにはどう向けてボールにどう当てるのかがインパクトのイメージになる者ですから、ラケット面を作ることが先で、それを支える腕の形を作るのが握り替えです。

握り替えができない、何度もトライしたけどうまくできなかった、という人は、おそらく握り替えをすればすぐにコントロールが良くなると思っていたら、まったくできなくて悔しい思いをしたんだと思います。しかし、適切でない握りでも、強引でも曖昧でもラケットを向けることができたらそれでスイング方向が決まってしまうので、腕が覚えた動かし方と、握り方を変えた時に必要な腕の動かし方が合わなくなるために混乱するのです。その期間を乗り越えないといけないのですが、乗り越えてみればあっという間に何年も打てなかったレベルのショットが打てるようになるものです。

 

その③ 自分に合った『体の向き』は…?

ラケットがボールを飛ばす感覚がわかって、握りとスイングが合う場所がわかって、それでなおかつ不安定になることがあります。ボールをよく見て、ラケットをうまく合わせたはずなのに、打ちづらい。

相手の打ったショットが、とりづらい位置に飛んできているんですね。そして、とりづらいリズムで飛んできている。

足にリズムがある者なんですが、上級者ほどみんなに合って、初心者ほどそういうことができる人が少ない。当たり前のことなんですが、どうやって動けばうまく打てるのかに慣れている人は、リズミカルに打点に入り、同時に形になっているものなんです。初心者の人はどうやって引けばいいのか、ラケットの向きはこれでいいのか、ボールをよく見ないと失敗する、ちゃんと狙いたいけどもうボールが来ちゃってて時間が足りない、なんていういろいろな要素と戦っています。

上手な人がシンプルに打てるのは、それだけ訓練しているから。それだけに問題のある動きだと矯正も大変になりますけど。凝り固まって矯正が無理に近いような人も上級クラスにいますし、すっと改善できてコーチとともに喜べる、なんて人もいます。その両者の差は、リズムとテンポです。

簡単に言えば、足がよく動く人は、大丈夫。初心者でも、例えばサッカーの経験のある人なんかはテニスを始めてやってもすっとうまくなる人が多いです。足でボールを扱うには、柔軟に状況に合わせて足の動きで対応しなければいけないので、自然なフットワークが適切な動きになりやすいんでしょうね。

打点ていうのは、一瞬のことですから、その瞬間にできるラケット面とか力の入れ方に着目しやすいものですが、ボールには飛んでくる方向と、飛んでいく方向、そのためにはスイングを入れていく方向が決まっていないと自信をもってスイングできるようにはなりません。

そうすると、ボールの位置へ行ってラケットを向けて振ればいいのではなくて、スイング方向に合ったラケット面を入れるために、肩の向きがある程度の範囲で決まっていなければ再現性のいいスイングになりません。動きの中でボールをとらえることが必要なスポーツですから、上半身だけでもできれば、何とかしちゃうこともできます。

狙った方向に打つには、ボールが飛んでくる方向に入り口の感覚を作って、そこから出ていく方向を決めやすいように自分の振り方に合った体の向きを作っておけるようにするといいです。

上手にボールが打てるのに、いつまでも初心者がやっている「ボールをよく見て打つ」だけではできることのレベルが上がりません。うまく返せるだけではなく、積極的なショットが打てるようになるには、自分がやるべきことは、打つ前にイメージしておけるようにならないとゆとりのあるフォームにはなりません。

 

その④ 自分に合った『ボールの見方』は…?

体の向きがわかったら、ボールをどのように迎え入れるか、姿勢の問題も出てきます。頭が下がる癖があると、体の軸が折れます。軸が折れれば、下半身の力を上半身に伝える回転運動がかなり損なわれます。

軸、ですから回転の中心が折れてしまうのですから、転びかけのコマのような動きになってしまうので、いいパフォーマンスにはなりません。

軸を追ってしまうのは、フットワークの問題もありますが、ボールを目で追ってしまうためにバウンド地点に顔ごと下を見てしまうということもあると思います。

とくに相手のショットが強烈だったり、足元近くに深々と飛んできたりすると、バウンド後の動きが目にも止まらない速さになるだろうことが想像できるので、必死にバウンドを目で追ってしまって腰が折れ、顔が下がります。そして手打ちになる。

手打ちでも面がしっかりして当たればしっかり返球はできます。(狙いなどは甘いかもしれませんが)手打ちでなおかつ軸が折れていると、面がぶれてショットが死ぬ可能性も高くなります。要するに当たり損ねをしやすいので、試合中なら万事休すですね。

バウンドは地面にボールが当たって跳ね返ることですから、そのあとはどうせ上向きにボールが跳ねるわけです。

だったら顔の位置は上に合って上がってくるボールを待ちましょう。ラケットが地面すれすれでないといけないのなら、後ろ足側の膝を落とせば届くようになります。

ゆっくりボールを掬い取るようなつもりで丁寧に合わせてやれば、スイングに乗って強くはなくても狙った軌道にボールを乗せやすくなります。これも、ボール感覚の話ですから、すぐにできるようになる人と、苦労しないといけない人に分かれます。センス?みたいなものですが、慣れれば大丈夫なので、できるようになる時間がかかる人とそうでない人の差ですから、なにしろ練習はしましょう。

 

ここいらへんの条件がそろってくると、その人なりの無理のないフォームが出来上がってきて、多少のことでは崩されなくなってきます。

テニススクールだったらそれで上級クラスのレベルになる要素を、「打ち方」の要素では持つことになります。

上のクラスに行くには、

いい球が打てること

いい球を返せること

再現性・連続性が高いこと

ゲームの要素(テニスコートと人のつかいかた)を知っていること

より上達意欲があること

などの条件が必要になると思いますから、ボールを打つのがうまいだけじゃダメでしょうけどね。

 

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 23:29 | コメントをどうぞ

ラケットとボールの簡単な関係

ショットの打ち方、というのは奥が深いものだと思いますし、打ち方は感覚的なものの要素が多く、上手な人の形をまねしただけではその人と同じテニスができるようになったりしません。

例えば、ストロークとボレーはこれからテニスを上達していこうとしているレベルの人には、違う感覚なんだ、というように説明して、ストロークの時は構え方はこう、引き方はこう、振り方はこう、と教えたうえで、ボレーとはこうで、ストロークとは違いますよ、という認識を持ってもらった方が教えやすい。

 

そう、教える方もその方がやりやすいんじゃないかと思います。

 

ただし、自分でもうほとんどのショットは問題なく打てる、という上級者の中では、もちろんストロークとボレーの形の違いは認識していて、それでもボールタッチの感覚はその人なりの一つの感覚なんだな、というところに行きつくものなんじゃないかとも思います。

ボールをパンチするように打つ人が、ボレーになると急にボールをなでるようになったり、ストロークでスピンぐりぐりの人がボレーではフラットしか打たない、なんてことはそんなにないんじゃないかってこと。

基礎技術はちゃんとあるので、ストロークとボレーではラケットの扱い方は違ってくるのは当然ですが、ボールをどう扱うか、という個人の感覚は個人のものでいいんだろうと思います。

他人の家の芝生は青く見えるもので、コントロールのいいプレーヤーはさらにスピードを求めているかもしれませんし、その逆もあるんだろうと思います。

コントロールできるスピードにその人のテニスのテンポや展開力なんかも混ざっているから、組み立てて決めるまでのシナリオが描けるんだと思いますし、それを急にスピードアップしたら、処理する脳みその方が間に合わなくて結局甘い球を送ってしまったりしますよね。

スピードのあるショットを打てる人は、一撃必殺の武器を持っているけど、不安定になりやすいからコントロールがほしくなると思いますが、丁寧に気を付けて打てばやっぱりスピードが落ちると思うんです。プロでないなら、そのどちらかに皆さんは少なからず欲求を持っているんじゃないかと思います。

コントロール性能を維持しながらスピードを上げる=ラリーのアベレージを上げる、ってことは、スイング自体の改革がないとできないことで、そのためにはスイングはどうやって構成されているかを知っておけばいい。

テイクバックは、打点までの時間の余裕です。しっかり取れるときは、きちっと打点に入る自信があると思います。そこが性急な動きをする人は、どんなに簡単なショットが来ても、焦って打っているような感じで、強打するために勢いをつけているような形になるので、その人がそうしているかどうかは別として、コントロールは再現性の低いものになりやすいと思います。

フォワードスイングは、ショットの勢いをつける要素を持っています。このスイングがすごく速いか、たっぷり距離をとれるなら、強く打てます。要するにテイクバックを大きく取って強く振れば、ショットは強くなるってことですが、打点から遠い位置のスイングスタートや、力任せの速いスイングは打点を狂わせやすく、当たり損ねが多いとか、無論コントロールよく打つには訓練が必要です。

打点でのラケット面の向きが、ショットの飛んでいく高さとコースを支配しています。そこで決まった形ができるなら、それがまず再現性を上げるための要素ですから、そこにこだわるようになるのが初歩のうちの大事なことだと思います。

また、回転のかかる方向に関しては、スイング方向と面の方向の差異の大きさによります。下から上に大きく振って、面も同じように上向きなら、かなり大きなロブになるし、強く打ったらホームランですね。そのスイング方向で、面の向きを垂直にすれば、トップスピンがかかってボールはそんなに上に行かなくなります。上から下に振ってもいいし、体の内側から外側に向かってサイドスピンをかけるなんてこともできます。

深さのコントロールはおそらく一番むつかしいもので、スイングのフォロースルーで押し出せる感覚があれば、加減が利くようになると思います。そのためにグリップの方から振り出せ、と言われることになります。ヘッドを返すようにして打つと、スピードが出るけど距離に収まらないとか、高さを急に変えることがむつかしいショットになります。

例えば、ボレー対ストロークが普通にできる高さにショットを安定して打てるスイングとラケット面が作れるとして、そのプレーヤーは再現性もあるし、安定していて上手だといえると思います。

同じスイングで、ヘッドが高くなるとボールは下へ飛ぶようになり、インパクトでヘッドをより下げると、ボールをより高い軌道に持ち上げやすくなります。

飛んでいく(であろう)ボールの高さよりも、スイング軌道の方が高く終われるなら、「上がって落ちる」(=ドライブ系の)ショットになります。

下から上に振っているつもりでも、ボール軌道の方が上に行くことがあります。おそらく食い込まれて打点が後ろになったけれど面の向きを合わせてあまり上に行かないようにした、とかっていう場合。ボールは落ちづらくなっているので、スピードが出るとコートに収まらないかもしれません。

逆に、ボレーやスライスの時には、面をボールに当てて、スイングの方が下に行くようにすれば、ラケット面が負けたような格好にならなければならないほど、軽い力でボールがよく飛ぶようになります。

ジュニアなどでスライスを打つときにヘッドを下げて手首でこするようなショットを見かけますが、そんな風に力を抜いて、またボールが面を押す圧力を抜くような形になれば、ショットの勢いは失われて死んだようなボールになります。

スイングの形が悪いから、タイミングの取り方が悪いから、というのはどんな人でも違和感のあるスイングであることから見破れますが、要素を知っておけば、それの何が悪くてどんな症状が出やすいのかを知っておけば対策の練りようもあります。

コーチをしていてもそこいらへんが説明できないと、あいまいなことを言うようになり、生徒さんのクセばかりを見てよい面や改善されてきていることなどに気づかないでいるのはお互いに不幸なことだと思います。クセが悪いのではなく、それは生徒さんの独特のリズムであったり、動きやすい形であったりするかもしれませんから、それをある程度活かしつつできる要素を増やしていけば、一気に100点満点にならせるよりも徐々に上達の道を歩んでいる実感が持てていいのではないかと思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:35 | コメントをどうぞ

「手打ち」を定義してみたいと思います

よく、「手打ちになった」といいますが、手だけで打てるショットもあるし、悪くない場合もある。

身体が入って邪魔になることだってあるし、じゃあ「手打ち」の基準てなんだ?と思いまして、考えてみようと思います。

こういう試み、2年も前だったらやってなかったな。。。基本「打ち方オタク」ですから、いろいろな生徒さんを見させてもらいながら考えたり、グリップの神様に目をかけてもらったりしたので、さすがに勉強しましたね。

で、、一つの答えとしては、「体の軸が折れたら」、手打ちです。

腕しか動いていないような形ってかえってむつかしいですし、自然にできることじゃない。手打ちになりやすい人の原因は、足の動きが悪くて、ボール慣れしていないとかの理由で相手ショットの飛んでくる軌道の予測と実際が合わせられなくて打点に腕力でラケットをコントロールするような動きのことをいう、のだと思います。

「あぶない刑事」の舘ひろしが、走ってるバイクの上でショットガンをぶっ放しても転ばないのと同じで、走っている人間も、走っているときには転べません。両足を交互に動かしていることでバランスが中心に来るからです。だから、足が急に止まるような、躓いたり、滑ったりしないと転ばない。

で、テニスは動きながらボールを打つことが多いスポーツですから、基本、姿勢はよくないといけないものです。背筋は伸びていた方がいいと思いますが、足から見て腕を回す回転運動ができる軸が確保されていれば、猫背でも大丈夫ですが。

だから、崩されて打つ状況だったら、手打ちになるけどそれでも打ち返さなきゃならない。

ちょっとやってみればわかると思いますが、

背中をまっすぐにしてラケットを振ってみる。で、それから頭を下げて、腰が折れた状態で同じところまでスイングできるかやってみる。

ぜんぜん体が回らなくなると思います。で、腕を振るのに、けっこう身体って回してるんだなってことがわかると思います。

腕とともに、肩も回転する。で、両肩の中心が背骨になるわけです。

腕が片方になることが多い、フォアハンドではそこそこ対応できますが、両手打ちの人が多くなるバックハンドでは、姿勢が崩れてスイング量が確保できず、ショットに威力が出せない人も結構見かけます。

両手打ちで打ち方の形だけは普通に見えても、妙にリーチがなくて、届かないような格好になって頑張っている人、いませんか?

姿勢が悪くないんだったら、軸足からラケットが多い形になってしまているので、全体に軸が傾いているせいなんです。

たとえば、ラケットを持った姿勢から、打つ前に両腕を高く上げてみれるかどうかやってみましょう。

いつものフォームの中に、それをやって間に合うかどうか。

テイクバックしながら腕を高くすると、どうしても肩が回ります。上げられないとしたら、最初っから折れてますよ(笑)。打ち方が変わっちゃうので、ボールコントロールのことは気にしないでください。

肩が回るような動きができると、ボールは楽に飛んでいくので、飛ばせるゆとりを感じるようになったら、インパクトのラケット面にすこし気を遣う余裕ができるはずです。コントロールはそこからで大丈夫。

腰が折れても、軸をのこすことはできます。それって腰を意識するよりも、膝を使ってバランスをとれるようにすればいいんです。

スイングをしながら膝を柔らかく保つと、身体が倒れてしまわないように、両ひざの間を締めつけるような動きになるはずです。スライドフットワークを使うような感じの時ですね。プロはハードコートでも滑るようですが、ここいらへんではオムニコートで簡単に滑れますからね。

あるいは、モーグルステップのとき。空中でバランスをとるのに、腰の位置がきまるように軽く飛びながら姿勢を安定させるのに膝を使います。

頭で考えながらの作業ではないですね。同時進行でスイングの動作をしながら一方ではバランスを保とうとしている、っていうことでしょうから。

肩と腰はひねりこみがあると、そういった間接群は動き出しをスムースにしてくれたり、可動域を広げてくれたりします。

ボールが飛んでくると初心者のうちは必ず緊張しますから、最初のうちにそこいらへんの動きが固くなる傾向があります。慣れてくるごとに動かせるようにしていくには、反復練習の際に意識してリズムをとることです。

腕の位置を低いところで回すよりも、高いところで回す方が自然と肩と腰は大きく動くようですから、テイクバックで腕を上げるようにする(上から引く、という意味ではありません)と、重心が上がってしまいますが、そこで膝がそういう体を制御するようになると、腰をひねるような動きが入るようになります。

 

・・・言葉で書くのはむつかしいですね。

足の動きの悪い人に、インパクトの前に一瞬わざとラケットを高く上げてみて、というようにやってみると、足が動かざるを得ないような形になり、リズムの取り方がわかると、きゅうにスムースに動けるようになったりします。

そういったところは意識して動かせない人もいる(ボールが飛んでくるプレッシャーで固くなるとか)のですが、失敗ショットになってもいいから、という練習の際に軽い気持ちでやってもらえれば、すすすっと足が軽くなるのがわかる…というか、つい動いちゃう?ようになります。

基本形が手打ちの人はボールを飛ばすのに腕力を使わなくてはならなくなる分、インパクトが不安定になりやすく、身体が突っ込んだりして力んだ形になりやすいものです。

腰の動きとスイングやインパクトの関連が薄くなるスライスやボレーの時にはそうでもないでしょうけど、トップスピンのスイングの時には安定させて強いボールを打ち続けられるようにするには必要なことだと思います。

で、スライスやボレーの時ほど足のうごきがあるので、バランスを保つための動きはしちゃってることになると思いますが。。。

 

ま、ラリーを続ける以上、動いていられるような状態を作れていないとならないわけですが。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 07:55 | コメントをどうぞ

ボレーができないって、握りがわからないんだろう

ラケットはどうぐですから、道具の使い方もマスターする楽しみがあります。

最近、ジュニアの下のレベルのクラスの子たちにネットプレーを教えるドリルをよく使っていて、打ち方を教える前に飛んでくるボールにラケットの使い方をまず考えよう、って感じで速射砲ドリルを行っています。

 

小学生、それも中学年?の3年生とか4年生くらいの子たちの体格で、ボレーをうまくこなせる、というケースを見るのは珍しいことです。

でも、上手い子はいる。

感覚的なものなんでしょうね。うまく打てた経験を自分なりに活かして教わっている以上のことをする。

では、うまくできない方の、大多数の子たちは、教わった通りができていないのか?

まあ、確かにできていませんが、それは彼らが悪いんじゃなくて、コーチが悪いでしょう。

と言って、ワタシが教えれば一発でうまくなるんです、なんてことにはならない。

上達ってのは何事でも、経験を積んでいく上でのことですから、時間がかかるってことを考えて育てていかないといけないんでしょうね。

だって自分だってボレーがうまくなるまでにどれだけ時間がかかったか。。。

ラケットを軽々と扱えるだけの体力がついた15歳から始めて、30キロや40キロの荷物を背負って山登りに青春を燃やしていたワタシが、野球も小さい頃から楽しんでいて、ラケットよりもはるかに重たいバットを振り回していたワタシが?理屈ややり方は教わっても、教わった通りにできなかった時間が何年あったことか。

まず彼らには、ずっと球数を打ち込んでもらいます。フォア・バック・スマッシュの繰り返し。

リズムは一定で、休む間を与えずに、次々と3種類のボールが規則的に飛んできます。

 

不思議なことに、カラーコーンを置いてターゲットにしているのに、彼らのボレーやスマッシュは、ワタシめがけて飛んでくる(笑)。

なので、ワタシの球出しも、いい具合に散ります。(避けながら出してますから)

目的は、飛んでくるボールが見えているという状況で、手の中にあるラケットという「武器」をどうやって認識して扱うか、彼らの体の中の回路がつながるか、つながりそうな感覚が見えるくらいまで、何週間かやり続けようと思っています。

ワタシ、テレビゲームがすっごい苦手なんです。

小学生の頃から、インベーダーゲームで、100点いかない、っていう素質。。。よく笑われましたし、おかげでいまだにゲームは大嫌いです。

玉撃っても当たらないんですよね。ジョイスティックのタイミングと自分の体の反応が全く合っていない気がする…っていうか、動かしながら自分の機体の感覚が全くないので、やりようがないとすら思っちゃうんです。

自分の肉体でラケットを握りしめてコートに立って動いているからこそ、その感覚がわかるし、わかる以上自由に動かしてやろうじゃないか、って気にもなる。

それでテニスはハマったんです。

だから、無理やりっぽいけどそこへ連れて行こうっていう企画なわけですね。

腕を速く振れば、手首は緩みます。そしてラケットの動きは不安定になります。

ボールがラケットに当たれば、勢いでラケットが押されるような感じもしますが、振っているので手首が緩み、コントロールする感覚はないままにボールが飛んで行ってしまいます。

2分くらい、ずっと休みなく打っていれば、そのうち何球かはたまたまでもいいタイミングで力を入れた方に飛んでいきます。

それ待ちです。

ちょっとできたら、本人がわかると思いますから、それを連続で打てるとか、確率が上がるとか、そうなるまでは、ずっと同じようなドリルで、なにしろ考えている間を与えないくらいどんどん打ってもらうことにします。

 

もちろん、最初にはどんな感覚になるか、導入のメニューは入れておきますよ。

ラケットを振る、っていう動作が一つじゃないってことを体が知っていないと、ただの無駄な時間になると思いますから。

転がってくるボールを持ち上げるとか、ラケッティングで両面でボール突きしたり、その2タッチ目で相手のコートに入れるメニューなんかで遊んでおいてから、速射砲ドリルで素早く動いてボールに当てる、っていうつながりで、遊びからテニスになるように段階を経ておくようにしています。

包丁やトンカチだって、シーンによっては力の入れ方や、握り方を工夫して、うまく加減しながら扱っていると思います。

 

ラケットも大事な、感覚を表現してくれる道具です。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 19:24 | コメントをどうぞ

バランス!

打点はどこか、ということを明確にすることは、コントロールを確立することです。

ということは、飛んでくるボールをよく見ていても、打点はどこかは示されません。

自分の形で打点を知るべきで、そこでのボールの感覚から体が覚えていくものでもあると思います。ラケットにこんな風に当たると、あんな感じで飛んでいく、それがイメージしたショットになっているならいいわけだし、そうでなければ次はこんな風にやってみよう、って自分で工夫していくものだと思います。

 

それだけに奥が深い。

 

教えていると、再現性を上げるためにテンポよく腕を動かして、自動的に同じところにボールが飛ばせるようになるトレーニングとか、それに足のテンポを合わせて動く練習とか、動いて戻ることでバランスをとる練習とか、段階的に体に「一つの動作」として覚えやすいようにしていくことかなぁと思っています。

動きは、頭で理解していることを順序よくやっていくことで最初の段階をやると思いますが、プレーに昇華していく頃には、自動的にできるような動きになっている方がいいものです。

自動的にできる、ということは反射的に動ける、ということで、頭を使ってやらずとも自然と形になるようになるまでの反復練習が必要になってきます。

動きにはリズムが必ず必要で、だから足を止めての練習は長くやってはいけないものになります。よほど初歩的な練習でもない限り、動きを入れて、自分が相手のショットに対して時間を測るような感じで自分のリズムを使えるようにしておく必要があります。それは、必ずあるものです。

短いテンポのもの、長いテンポのものと両方必要で、最後のスイングの動作に合わせるところのために、最初に短いテンポのものをしっかりやっておく必要もあるはずです。

 

その中では、体のバランスに偏りがあると、どうしても打球後のリカバリの動作に差が出ます。いいショットを放てるようになっても、相手がそれを返してくる可能性がある以上、すぐに戻って構えていなければならなくなるはずです。

こんな基本的なことをわざわざ書くのは、やっぱりちゃんとできている人の方が少ないからですね。多分、ワタシ自身を含めて。

打点の設定には、奥行きが必要になってきます。

相手のショットはスピードや回転、深さや高さなどの要素を持っていて、相手ショットのコースにうまく入れたとしても、その要素の分、いつも同じ打点でとれることはないからです。

平面的なストライクゾーンを広くとれるように構えのバランスを良くすることももちろん必須ですが、そう言った勢の強さとか、バウンドに合わせるためには、腰と肩のひねりこみを使って奥行きを出せないと、どうしても苦手な球種ができるはずです。

やや腰を落とし、重心を安定させるために膝や腰には柔軟性を作れるようにしていないと、スイングが良いだけで良いショットは生まれません。

軸足は後ろ足にありますから、そこを意識していないと突っ込んでしまう人も結構います。

ボールをどうやってみるか、そこの部分にも大きく影響してくるものなので、姿勢の良さ、動きのバランスを取れるかどうか、そういったことは無視はできません。

 

みなさん「いかに良いスイングができるようになるか」って悩みますが、体って筋肉が記憶情報を持っているので急には変えられないことの方が多いものです。せいぜい、テイクバックの時に面を伏せようとか、スイングを下から上へ、なんていうことに気を取られてしまって相手のショットが難しくなればやっぱりできませんでした、なんてことになることがほとんどですから、ラケットがボールを捉える打点にいかにうまく入り口を作れるかとか、ラケットにボールが当たる時の感触を揃えられるか、そういうことをきちんとできるようにしていく中で打ち方はその人のオリジナルが生まれると思います。

 

守らなければならない約束はきちんと押さえた上で、自分なりに形を作っていけば、それを相手が打ったボールに合わせられるようにラリーの練習を活かしていけばいいわけです。

練習が好きな人は、そういうことを楽しめる人で、試合が好きな人でうまい人は、もう自分のショットを変えなくても変化をつけたり、相手の変化に対応出来る自信がある人です。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 07:58 | コメントをどうぞ

ふう・う!呼吸法

今度の日曜日、ダブルスの試合があるんです。

藤井くんと組んで千葉県トーナメントのベテランの部に出ます。で藤井くんてバックサイドなので、ワタシは当然フォアサイド。

センターに来るバックハンドへのサーブを、安定して逆クロスへ打てるようにならなきゃいけないわけです。ほんでワタシはそれが苦手。

去年の夏の選手権でも同じように組んでもらって、ベスト4(一回勝って、次デフォでもうベスト4)で準決勝が暑い日に3セットマッチだったんですけど、序盤はワタシがゲームを壊し、追いついたけど追い越せず4−6、次のセットはリードしたんですけど追いつかれ、肝心の藤井くんがスタミナ切れで追いつかれて追い越されましてまた4−6で負けました。

その時にはスライスで合わせるか、ロブにするか、思い切って両手でひっぱたくか、ってまあ迷いもある中やっていたんですが、1年半経ったら、片手のドライブを逆クロスへ打てるくらいにはなったんです。

練習ってするものですよね。

ただ、やっぱりサーブがある程度以上速いか、跳ねるかすると、食い込まれて返せなくなります。合わせられなくなるとスライスすら怪しくなる。

で、先週東MAXに特訓してもらって大体の感触をつかみましたが、入り方が特定されず、昨日も石戸くんにサーブ打ってもらって合わせてみました。

自分の弱点は、息を吸い込んで「う」って溜めること。フォアハンドでも打点は後ろ寄りになりますが、フォアはそれで懐ができてブロックができるので、面の作り方を間違えづらいのでいいんです。

片手バックがそれの同じ感覚を使えないんですよね。リズムなんかは同じでいいと思うんですけど、肩と腕の位置が決まっちゃえば、絶対どうにかなる。

ストロークでは、ライジングでもフォーリングでももう問題なく打てるんですけど、それも逆クロスへちゃんと押し込める。

足がうまく入らない感じだったんですね。サービスリターンだけ。

ボールに向かって体が入ろうとするんですけど、そこは腕の場所、っていう。。。

もうそこまで見えてるんですけど。。。

と思ったら、今まで「うっ!ぷはあー」的な、うっでためて体が前向きになって腕を押してくれようとするんです。でもそれが余計。

ある程度腕を前に置いといてスイングに入れるようになりたいのですが、それをそこに置いとくには「うっ」ってためて体が前にいっちゃあダメなんです。

それで、バックに来た時点で(まあフォアでも同じでいいんですけど)、「う〜」とか「ふうう」とかって感じで胸に空気を溜めないようなイメージでいくと、体が無理に出しゃばらずに面を出していける。

もうそろそろバックサイドには戻れませんね。。。(笑)

まそんなことはないんでしょうけど。

日にちはほぼないですけど、最初のサービスゲームのリズムの悪さに気をつけるのと、リターンの安定があれば、あとは藤井くんが活躍してくれますから、そこに集中ですね。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:09 | コメントをどうぞ

フォアとバックはほぼほぼ逆

片手バックのストロークの話です。

感覚的には、フォアと同じものを求めてしまいがちですが、バック(背)というだけあって、フォアとは逆位相なんだということを、ことあるごとに思い知らされています。

バックハンドが難しいのは、背中側で感覚を得なければ…というのがわかるようになるまで時間がかかるってことなのかもしれません。

両手打ちのバックは、左手側が腹の方に出てくるので、フォアの感覚が使えます。右手の感覚を使おうとすると、バックっぽくなります。

例えば、フォアハンドの打点を、低いところ、高いところに対応させてドライブで打ち返すってことを考えましょう。

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腰の高さの打点だと、ワタシのイメージでは「手(の位置)をボールの上に入れる」ようにしたら、そこからラケットのアクションがボールの上側に出ていくことでネットを越すように打つことにもなり、ネットを越した後確実に落ちるようにもなる。

これが基準で、低くなれば、腕を振って行く都合から、

ボールの外側に向かって手を入れる

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という感覚にします。インサイドアウトの格好で、サイドスピンをかける格好になります。例えば、ストレートに打ったとしたらシングルスラインから内側に切れ込んでくるような回転です。

そのためには、横向きに腰と肩を深くターンして、ボールを呼び込んであげないと、うまく持ち上げられません。

前向きに届かないかも、くらいに足も手も伸ばしてドライブ系で打つと、ヘッドが下がっていてもインパクトの頃には上がってきてしまうので、持ち上げられなくなります。

これが、片手バックの低い打点は、前向きにはならない(片手バックだから)ものの、うんと腕を前に出してヘッドを跳ね上げるように使っても、ちゃんと打てます。

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腰のターンは必須ですが、そうやって肩さえ入っていれば腕を前に突き出すようにして打点が取れます。

高い打点では、フォアは前向き。

下から上にはすでに手は届かなくなりますから、上体を前向きにしてコブシを内側に引っ張り込むようにしてワイパー気味に振れるように面を残します。

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ヘッドはインパクト前後で上に出るようになりますから、それ以上ボールが上がっていくことにはなりません。ということは、ネットの方に行っちまわないように気をつけてスイングすれば、垂直面ができやすく、肩の回転はそこから左手側に引っ張り込みながら自然に回転して、腕ごと押し込むようなフォームになっていきます。

この打点が腕をたたんで後ろ寄りになるほどスピネーションが効いてしまって上向きになる可能性が出てきますから、吹かすことにもなりかねません。

バックハンドでは、これを深く横向きにして行った方が安定します。というか、高い打点になればなるほど、普通にスイングすれば腕が上がっていってしまうことと、打点を前に取らなければならないのですが、垂直面を保持出来なくなって上に打ち上げてしまいます。

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それを、肩で堪える。

フェデラーはもともと横向きの強いフォームですが、まるでフォアのようにバックハンドを打ち込むガスケでも

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両腕を肩の高さに保ちに行くようなスイングになるため(この写真の後には左手も後ろに引っ張ることになります)、打球方向に対して横向きでなければ面を保持出来ません。

手首よりもヘッドが上がっていなければ、腕の高さが届かないような打ち方になりますから、高い打点が肩よりも上になるほど、ヘッドを縦にして面を作ることになります。

ストロークの腕の強さは、肩よりも腕が上がると力が入らなくなりますから、ラケットの長さを利用して打点の高さをとることになります。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 07:47 | コメントをどうぞ

基礎は怠りなく…

身体操作上の基礎(体全体のリズム・動作法)

打球感覚上の基礎(手の感覚)

待球感覚上の基礎(目で見たものとの判断・対応)

ラリーをするときの基礎(打つ、構える、見る、判断する、動く)

ゲームをするときの基礎(状況判断、コートの使い方、ショットの使い方)

など、基礎ってひとつじゃありません。

打球法だけをとれば、自分の体の中でどうやっているかというイメージと、実際に自分ができたパフォーマンスとにギャップがあれば、修正するのか、そのギャップを理解した上でゆとりを持たせた結果に期待するのかはプレーヤーのものです。

 

この項で書こうと思っているのは、打球法(その他は説明するっていうか、プレーしながら身をもって覚えていくこと)についてのことです。

手でボールを持って、目標に向かって投げる時、手から先の感覚の方が強いはずです。コントロールがちゃんとできる人ほどそう。

手の中に対象(ボール)があるわけですし、手って神経が繊細な器官ですから、手がボールを感じていることが最も重要なことで、それをどうやってスイングしてリリースするかってことは、簡単な内容だったら説明はいらない。

専門的な野球のピッチャーの技術といえば、そりゃあ奥が深いのは、何の道でもそうでしょうから、そこは論じません。

ティッシュを丸めてゴミ箱へ投げ入れる、なんてことをするときも手がそのティッシュをどう感じているかが大事だったりしますよね。

大きさや重さが違うわけです。ボールと同じ投げ方じゃないかもしれませんね。

でも、基礎はいっしょ。

急に左手で投げたりしないでしょうし、小指の方に持ったりもしないでしょう。肘を伸ばしっぱなしってこともないでしょうし、突然ティッシュの時だけカーブかけちゃったりすることもしないでしょう。

ラケットを扱い慣れてくると、それと近い感覚になってきます。

ワタシの場合、そうやって「慣れた」と感じるまで30年近くかかってるわけですが。。。正しく指導してくれる人さえいてくれればな、と思いました。

テニスの場合は、ラケットにボールが当たるとどんな感じがしてどうやってボールが飛んでいくか、ということを見比べながら、体の感覚を磨いていきます。

そんな、何年もかける必要はありません。

ワタシの場合は、見た目から真似をする、という勉強の仕方をしていたせいで、ああでもないこうでもないの時間が異常に長かっただけです。

感覚のための要素の練習をしっかりやっておけば、自分のフォームの中にその感覚を落とし込めればいいわけです。

できれば、実践的な練習まで、結果にとらわれずに要素の練習をしておいて、ラリーやゲームのシチュエーションになっても練習の成果を試せるくらいの「度胸」が必要です。

度胸ってのは、覚えたてのことが確実にミスなくできるわけがない、ということに基づきます。それでもやってみよう!という意欲がなければ、自分がもうひとつ上のステージに上がるなんてことはないですから。

コーチについて、引き上げてもらう、ってことは申し訳ないけどできません。最終的には、その麓まで連れて行くことができても、上がるかどうかは本人なんです。

練習でやった内容を、ゲームの中で自分が動かす風景の中で使えるかどうか、使えるまでやってみる、ってことができないと、時間がいくらあっても進みません。

時間がいくらでもあるのでしたら、強制的に毎回コーチがその動きをやらせて、慣れさせて行っていつ間にかできるようになってる、なんてこともあるかもしれませんが、ワタシだったら言いますよ。

「ほーらできるんだから、最初からやっときゃあもっと楽だったのに!」

基礎って面白いもので、何度も「あーやっぱり大事なものなんだなぁ」って思うものなんです。

もし、そういう項目がみなさん一人ひとりにあるのなら、それ、基礎です。

いつでもそこに戻って確認すると、「忘れてたわ…やっぱ大事」って気付くと思います。

大事なものは、大事にしましょう。

忘れても、思い出せればいいんですから、調子に乗ったり、勘違いしたりして、自分以上のレベルのプレーをしていっていいんです。

そのプレーは、ちょっと気をつければちゃんとできるプレーなはずです。雑に扱うとミスになるかもしれないってこと。

そして、雑になっているものほど「基礎」のことが多いものなんです。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 07:41 | コメントをどうぞ

打ち方の中で説明のむつかしい部分

二つあります。

ひとつは、ボールを見ることのコツ。

もうひとつは、握り方=ボール感覚というコツ。

あまり、そこのアドバイスをしている職業コーチもいらっしゃらないのでは?

ワタシ自身、そこの差を実感して、自分のフォームを変えていないのに打球があれだけ変わることに疑問を持たなければ、そこのところに注目はしなかったでしょうし、知識もなかったと思います。

たとえば、スクールでコートを3列にタテ割りしてラリーをするようなとき。

3列にすると幅が狭くなって、ちゃんと狙わなきゃ、というプレッシャーが不思議なくらい増します。

ある時、急に調子よく、どんなボールも外さずに打てるような気がして、「あれっ、俺うまくなった?」と勘違いしました。感覚がよかったんです。

打つ前から先にスイングの軌道をボールに合わせる準備ができるような感じがして、スイングをスタートするときには「あとはうまく当てるだけでいい」というような状態でインパクトを迎えられるような気がしたんです。

で、次の日、ぜんぜんダメでした。

もちろん、フォームなんか変えてませんし、むしろリズムよくボールに入ろうと意識して、昨日のようなラリーで丁寧にお客さんと長く続くラリーをしようとしていたのに、です。

バウンドに自分のスイングが…いや、予測が合わないような感じで、さすがに自分のレーンはかろうじて守るものの、ボールが死んだような勢いのないバウンドになったり、急に当たってショットが速くなったりして、相手のお客さんがリズムを崩すような返球が続きました。

 

その差は何だったのか?

ボールとの距離、という答えが一番先です。自分のスイングエリアにゆとりのある状態でボールを待てるのなら、自分が狙ったスイングをする準備をして、そこに向こうからボールが入ってくる(追いかけるのでなく)ようにすれば、ボールが自分のものになったような感じで打てます。

ストレート半面とか、上述の3列のような、コースを正確にするようなラリーの場合は、すこし下がってボールに自分から近づくようにしながらスイングの形を先に作れればOK。

そこに例えばシングルスの試合のような、自分がどこに立つこともどこを狙うことも可能な場合は、腰から肩のターン(ひねりこみ)がかなり重要になります。

来た方に返すのと、自由に正確に打つのとは、ちょっと違うんです。

乱打、といっても「ラリーを続ける」ことが目的の場合、相手のいる方にショットを打つので、ボールに合わせるのがうまければそれでいいんです。

ゲームの要素とか、練習で相手を振ったり、または振られるようになれば、アウトせずに相手のいない方に打ち返す、「ラリーを(自分が)終わらせない」ようにする打ち方が必要になってきます。

その時に、打点のエリアに「奥行き」を求めらるようにしておかなければ、ただ打点は「来たボールを跳ね返す」ための点になってしまいます。

膝をまげろ、といいますが、膝の屈伸がスイングのパワーになることももちろん打球技術として必要ですし、膝を曲げることは腰をひねることにも直結することなので、「膝はまげなくていい」なんてことは絶対にありません。

「膝はそんなに曲がらなくても大丈夫」なら話は分かります。要するに「柔軟にしておいて体の動きを助ける」という範囲が可能ならそれで充分です。

だから、レディポジションでは突っ立っていてはだめですよ。ステップや膝でリズムをとることです。スタートに瞬発力を持たせることや、先に腰のターンをしておけば追いついてすぐにスイングに入れるようにもなります。

もう一つの握りの中のラケットの動きの把握も、意識していない人の方が多いでしょう。

自然とできる人もいますから、うるさく言うべきことでもないのかもしれませんが、できずに悩んでいる人には、そこで感じられるラケット面とボールの当たった感覚がどうやって消化されているかは聞いた方がいいです。

ただ握っているだけでも駄目でしょうし、力を入れれば何でも言うことを聞くような道具でもありません。

力を抜く、という言葉だけでも駄目でしょうね。ラケットにはタテにもヨコにも軸がありますから、ラケット自体の動きを手が把握して制御できればそれでいいわけです。

スライスがどうしても打てない人とか、あらかじめ握りが悪いと思ってみてあげないと、振り方をいくら説明しても理解されない場合が多いです。

コーチが説明して、うなづいているから理解しているのではなく、それですぐできないのならできないのですから、理解はされていませんよね。

ラケットがボールに当たるとどんなふうに感じられるのか、というポイントが理解できずに動き方だけその人のイメージでやってみても元が間違っている(期待している当て方を手が作れない)わけですから、いくらやってもできずに終わります。

生徒さんも、コーチもがっかりするばかりです。

まず当て方がわかるように握りの中でボールをどう扱っているかはイメージさせるような練習をさせましょう。ラケット面かボールが逃げていくような感覚のままスイングをつけても、何にもなりません。

小さな要素の練習、勢いをつけた大きな要素の練習、調整できる部分からコントロールをつけていって…という手順を踏んでいく、ということでしょうね。

スライスが打てていてスピンが打てない人は逆の発想の同じことです。ボールへの入り方がもう違うのに、スイングだけを直しても実用性がありません。球出しのボールで必死に練習して、ラリー練習で元に戻ります。

違う点はどこか、いつから違うのか、そこから理解していないと、習ったことを実践で生かせずに、すぐに忘れます。

習った技術は、「通販で買ったけどちょっとしたら使わなくなった道具」みたいにお蔵入りになったり、荷物置き場になったりします。

カテゴリー: 打ち方オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 07:39 | コメントをどうぞ

最近好きな動画

オタクですから、やっぱりプロ選手の練習風景とか、ハマりますよね。

いろいろあるなか、最近では、この動画が好きなんです。

中村トレーナーとの、たぶん通常のルーティンなんでしょう。アップをして、ゆっくりラリーがはじまります。

これ、この距離の真横からの映像だからですかね。興味深い。

ボールが当たったように見えるところと、音がすこしずれるような感じしませんか?

フラットに近いドライブを打つ女子選手に良く見られるんですけど、溜めが凄くあるような感じなんですよね。

打点をさきに設定してあって、打点を中心に「ばね仕掛け」のようにぐぅっと手が入って一気に合わせて振り切る。

ぜったいに当たり損ねを許さないような、丁寧な打点の入り方。肘、グリップ、ヘッドの動きがしなやかで、ゆっくり丁寧に合わせながら、当たりはかなり強い。

ゆっくり打ってくれていても、プロの技術はプロの技術だなぁ、と思います。

ペースが上がっても、下半身はほぼブレがない。重心の位置、チャンスボールを打ち込むようなところでも、スイング方向にきっちり使っていて力を逃がしません。

真似してちゃんとやると、10球くらいでかなり息があれます(笑)。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:52 | コメントをどうぞ