カテゴリー別アーカイブ: 打ち方オタク

テニスの打ち方に対するこだわりを書くとこです
コーチとして勉強してるんですってアピール?

リズム

テニスって、「時間と空間のゲーム」と言われます。

・・・というようなことを、結構若いときに聞いたことがあって、その時にもなぜか納得はしたように記憶しています。だけど、それを自分のテニスの中でどういう風に意識すればいいのかは全くわかっていなかった。

自分が思い描く「理想のテニス」って・・・皆さんはどうですか?

私はですね。。。例えば若いころは、憧れのプロ選手のイメージをもってコートに立ってる、みたいなことしかできなかった。若いころだから、コナーズとかベッカーとかエドバーグとか好きでしたね。

当時はサーブ&ボレーのような、サーブが返ってきたところを決めに行く、というようなラリーをポイントに使っても有効だったりしたものですから、プレイスタイルをそういう「だれか」と似たパターンにしたりそうでなくてもそう見えたりするようになったりしたものです。

ただしストロークのラリーっていうのがどうにもわからなかった。自分が打てると思ったボールは打てると思った方向に打つ、っていうことをやっていて、サーブ&ボレーのイメージがあったりするもんだからベースラインからでもすごく「積極的な」ショットを打っては自滅していたかも。

 

そんな私でも、最近はレッスン生のかたに「ボールのスピードはあんまり見ないほうがいいよ!」なんて声をかけたりするようになりました。

自分が打てるところにボールが来ていても、「うわっこのボール速っ!」なんて思ったりすると身構えちゃってうまく打てなくなったりするものです。

私も経験上、例えばそのクラスで3列のラリーとかをしていて、自分の列を守るようなコントロールができる日とできない日があったりしました。ローテーションで、その前の生徒さんとは丁寧につなぎあうようなコントロールができていたのに、その次の生徒さんのボールが速いとか深いとかっていう要素が私(コーチのくせに)のコントロールを狂わせてきます。それで隣の列に「ゴメンなさーい!」とか声をかけることになる。

それがなんかいつのころからか、どんなボールが来てもそこそこ自分の列は普通に守れるようになってくるものなんですね。

何の話かっていうと、さっきのスピードをあんまり見るな、っていう話につながります。

相手のショットを評価するのに自分の動作を基準に作れるようになった、ということなんです。

要するに「よし、間に合いそうだ」と思ったのなら落ち着いて打点を合わせよう、ということ。

ボールの軌道が見えて、自分の動けるスピードもわかっていて、ラケットを動かし始めて打点までに間に合うのなら、間に合う打点が狙ったところへ打つための打点だったらいいわけです。

どうせ一回スイングするときには一回しか打点のチャンスはなく(当たり前ですが)、そして失敗するわけにもいかないんですから、ボールに合わせて自分のスイングのリズムに乗せるしかないわけですね。

 

以前にもどこかで書いたかもしれませんが、テニスコーチをしていて、例えば初心者のクラスを担当している。テニスの楽しさって、ラリーがつながった時の喜びからですよね。

だから、コーチが上手くて(笑)、そのおかげででもラリーが10回でもつながると喜んでもらえると思っています。そこから「よし、テニスを続けよう」って思ってもらえるように担当すると思うんです。

そういう時に使う秘策があって、同じリズムのボールを打ち続ける、ということなんです。相手次第でもあるので、いつもいつも成功するわけではないですが、成功するときは必ず私のほうが一定のバウンドのリズムを作ってあげて、打点にボールを入れてあげるようなことができるとき。

ちなみにですが、相手のリズムがバラバラすぎると、コーチの私のほうがリズムを守れなくなったりすることもあるんです(汗)。

そうすると、生徒さんのほうに持っていてほしい要素を練習する、ということがそのクラスの当面のテーマになったりもする。

ボールを打つ方法ももちろん皆さん知りたいでしょうが、同時に「打った後の動き」も覚えてもらいます。打ったら戻り、また次のボールへの反応をしっかりしてもらう。

そもそもラリーってこうやって成立しているんだなぁ、と思います。初心忘るべからず。

一般のスクール生の人たちが打つボールを計ってみたことがありまして、インパクトから相手のベースラインに届くショットでツーバウンドするまでの時間は約2.5秒かかります。

ラリーで使う、自分側のインパクトまでの時間は、最大でも2秒半ですから、1.5~2秒の間に準備からインパクトをこなせればいい。

逆に言えば、たいして多くのことはできません。でも決まったことを決まった順番でこなして「間に合わせる」ことができると思うんです。

相手のショットがバウンドの位置がよくなかったり、回転がきつくてリズムが狂ったりします。そういうのも、相手のショットに「ミスをさせられた」という経験がまたあるものだから、打つ前に緊張します。

そしてその平均値よりも速いと思われるショットを打たれると、「間に合わないかも」というプレッシャーを感じ、動きが固くなります。

 

そこいら辺の悪循環をなくせるようにするのが練習だし、世の中のコーチたちが「早く準備すること」「ボールをよく見ること」とかいうし、さらに言えば「もっと足を動かせ」と「打ったら戻れ」ということが言えるようになるわけですね。

打って戻っても、反対側に打たれるかどうかはわからないわけですし、プロの試合を見ていると必ずしも打った後は必ずセンターに、というわけでもないですね。特に相手側がチャンスになったようなショットを打ってしまった後は、先読みしてどちらかにシフトしたポジショニングを取ったりすることもある。

だけど、「戻って(リセットして)」はいるわけです。自分の左右にそれぞれ守備範囲を設定して、相手のショットに間に合うだけの空間を確保しておく。

そこを守ることにして、取れないところがあることも理解しているはずなんですね。

打ち方の中では、軸足側にしっかり踏ん張ることができれば、例えば走りながらでもラケットのスイングをしっかり始めることができます。試合中のプレーヤーが走り抜けるようにしながらカウンターを打つようにするのは、その要素を合わせられれば「止まって打つ」ことができないながらも一矢報いることができるっていうことですよね。

それが、「脚→スイング」のリズム。自分側ではこれをまず確立しておかないと、相手のショットに合わせる基準を持ち合わせないことになります。

球出しのボールだけを打ち続けていると、バウンドにテイクバックを合わせると腕の動きがボールのリズムに合わせやすいものになってしまうので、足を動かす練習をしなくなりがちです。

実践的、という練習は足の動きにリズムを担当させて、腕は打点のためにたった一回のスイングを、適切なインパクトのために合わせられるようにしておきたい、ということになりますね。

だから、練習では決め急ぐような練習をすることがあっても、アップの時には一級のボールで長くつながるように意識して「打ち返す」という動きに自信がつくようにする必要がある、ということにつながっていきます。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:55 | コメントをどうぞ

ラケットの感覚=タッチの調整

久しぶりに技術編を書こうかと思います。

最近はラケットの動かし方というのはある程度形にしておく必要はあっても、可変が利くようにしておかなきゃいけないなんてこともあって、最初から最後までの形をそんなに重視しないことにしています。むしろボールに当たるところは変わらないで済むようにすることで、高さや距離のコントロールを損ねない、打点の感覚がすべてに通じるスイングの仕方になるんじゃないかと思っています。

簡単なことを言えば、ラケットの扱い方も握り方によって変わってくるのだろうと。

特にスクールで見ている生徒さんあてには、厚いグリップと薄いグリップは「握りの位置」を変えることでグリップチェンジを意識しても意味はなく、「握りの用途」を変えないと変わらないでしょう、というような説明をしています。

厚いグリップは力の入りやすさが下から上に持ち上げる形(フォアハンドで)になるのに対し、薄いグリップは上から下に止める形がやりやすくなります。

もちろん、握りの位置を変えることでそれが分かりやすいので、教科書通りに握りの位置を覚えることでそれはわかりやすくなるものです。

ただ、握りの位置を変えても、扱い方が「ボールに当たるときにラケットを後ろから前に押すようにする」という形にしてしまうと結局は力の入りやすい方向が厚いグリップの時と同じなので、握り替えをしないほうがよさそうな(握り替えはしなくてもよさそうな)感じがしてしまうはず。

 

 

ラケットを握る手のひらのほうの都合を考えていったら、ラケットの向きを感じ取る器官は手の中にどうも二つはあるようで、一つは手のひら。もう一つは腕の向き。

よく説明するときに使うのは、ドラゴンボールでおなじみの「かめはめ波」の手つきです。あんなふうに腕を突き出して狙いの方向を定めることもできるわけでして、そうすると厚いグリップの時、インパクトの時の手のひらは上向きになっていていいんですが、ラケットの面は相手コートのほうにむけられているのを体のほうでも感じ取れるようになっています。

一般にスクールで初心者から教わるのはイースタングリップで、かなり薄いグリップの部類に入りますが、これはその腕の向きではなく、手のひらそのものの向きがラケットの向きであるという説明ですよね。

どちらかというとこれはボレーなどでインパクトで面を確定するときに使ったほうが分かりやすい握り方になると思っているのですが、どちらにも(ストロークにもボレーにも)対応が利くような、というイメージで初心者にお勧めしているような雰囲気です。

だからそのまま育っていかなくてもいいんですね。ストロークの強打をできるようになりたければフォアハンドは厚いグリップにしたほうが自然なスイングになると思いますし、サーブやスマッシュをしっかり叩けるようになりたければ薄いグリップになるようにしてあげればいいわけです。

 

そこでその用途が、厚いグリップのほうが「後ろから押す形」でインパクトに合わせるイメージなのに対し、薄いグリップのときは、「しっかり握るとインパクトの形で面を固定できる」ということをイメージすればいいと思います。

つまり、薄いグリップの時にはそこで面を固定してスイングを止めることもできるようにする、ということになります。

ラケットの扱いに慣れる・・・というよりは、狙った方向にボールを飛ばすときに頼りになるのはラケットの向きを固定できることですよね。だから必要に応じてはそういうこともできるようにしておけばいいのかな、と。

テニスを始めてやる人を対象に考えたとして、どの段階で教えるべきか?というようなことにいつも悩むものなんですが、たぶん一番最初のうちに「うまく打てない」からこそいろいろと自分の自由になるラケットの扱い方を体に覚えこませるのがいいと思うんです。

たくさんミスヒットさせて、そのうえで「狙いはあそこに」という指定をし続けてどうにかしてもらう。

結局は自分自身の感覚が「動かしている感覚」と「飛んで行ったボールの”結果”」とを見比べてうまくいったところというか、納得のいったショットを「成功」とみなすと思うんですよね。

だから、感覚がよくなればさらに次のステップも紹介できる。出来るようになったその上がまたさらにあるはずなんです。

レベルが上がればボールのスピードや回転などによるバウンドの仕方もきつくなってくると思いますし、自分のショットに対する要求もシビアになってくるものです。

さらに試合を中心にテニスをされているとすれば、相手からのプレッシャーにも負けない安定した形を求めることになると思いますし、自分に自信さえつけば相手は怖く感じないと思います。

 

そのとっかかりには、攻撃的なショットも守備的なショットも、あるいは下限を調整しやすいタッチの仕方もラケットから得られるようにしておかなければならないと思います。

その要素として握り方=ボールの扱い方というイメージを持てるようにしておいてあげられるといいだろうな、と思っています。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:50 | コメントをどうぞ

薄いグリップについて

どこかで書いたことがあるかもしれないのですが、グリップの持ち方を細分化しないことにしています。

というのは、コンチネンタル、イースタン、セミウエスタン、ウエスタン…などと分けて教科書に書いてありますが、それらの中間ぽいものも存在する。ガスケみたいなフォアハンドのテイクバックではコンチに見えるのにインパクトでセミウエスタンに見えるなんてこともあって、握り方って本質的なところを抑えていないとどんな握り方をしていても力の伝達がうまくいかないし、握り自体を名前を付けて分析することに意味を感じないってことがあるから。

「薄い」握りと「厚い」握りには力の入りやすい方向が明確にあって、それぞれの用途に合わせて使い分けられるなら、あとはプレーヤー本人が力を扱いやすいところで持ってもらっていいと思います。

 

そんな中、最近はボレーの握り方というか、手首の固め方の面白い説明の仕方を自分なりに発見して、その成果が結構出てる、ということもあってちょっとマイブームみたいになっています。

力を入れるときに、何に向かって力を入れているのか、そこんところに目線を持っていくと面白いことが結構ありました。

単純に、ボールかごを空にして、一個だけボールを入れます。

そのかごをスイングして(テニスの型でなくてもいいので)、中のボールを上手く回す、ということができないものなんですね。

持っているかごに力を入れても、中のボールの動きが把握できない、ということが結構あるみたいなんです。

カゴを持ったらそのかごの形を基準に、中のボールを動かす、というイメージに変えるだけでできる人も結構いましたが、そこがクリアできない人も若干いました。

ラケットに当たって飛んでいくボールのことが想像できる人も、できない人もいるんですね。

 

それって、能力というか感覚に差があるから、ショットを見比べれば差はきちんとわかるものだったんです。

だけど、うまくできないほうの人だってちゃんとラケットにボールを当てられるし、ネットを越えてボールが入るので、試合になるとわかりません。

力の入れ方がうまくないと、ショットの質を上げるのに限界が早く来るとは思いますが、テニスはラリーをするゲームなので、ラリーができるなら、その中でイメージと実際が合致する瞬間を増やしていくほどに感覚がよくなって、また上達するチャンスが来るようになるものです。

 

さて、薄いグリップは、振り下ろしてきたラケットをあるポイントでピタッと止められるような動きができる握り方です。

その半面でフォアハンドのトップスピン方向へのスナップはうまくできません。

薄いグリップは手首の固定が楽にできる、といって差し支えないでしょう。

ただし、力を入れなくても固定できる、なんてことはなく、ラケットの長さも重さの一つの種類になるので、それなりに力を入れなくてはなりませんが、固定できると固定力が高まる、というのが薄いグリップの特徴でもあると思います。

私の場合、バックハンド側の高いバウンドをトップスピンで返す場合でも薄いグリップでいきますから、厚いグリップってのはフォアハンドストロークを打つとき以外には出番がない。

だけどテニスをする中で最も数多く打つのがフォアハンドストロークなわけです。だから、フォアの厚い握りと、それ以外で使う薄い握りの頻度はそれほど変わらないのかも。

それで、ボレーなどで前腕ごと固定して使うような感覚ができた時に、サーブやスマッシュなどにも応用が利くような感じがすると思います。

オーバーヘッド系のショットで手首を使うにしても固定するにしても、薄い握りだと結局はヘッドの動きがよくなり、ショットの質は上がっていくと思っています。

ボールをというよりもラケットを「後ろから押すような」スイングだと薄い握りにする意味は分からないままだと思いますが、先ほど書いたカゴの件のような、力の伝達方向がわかればやっぱり必要なことがわかると思います。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:54 | コメントをどうぞ

ボール投げとサーブの動作

最近、テニスのスイングにも「スナップ」の感覚がある方がコントロールも威力も出るよなぁ。。。と見直しております。

ボール投げの感覚の良い人(コントロールが上手い人)ってラケット使ってもコントロール良いよなぁ。。。というのが最近の自分の中では「やっぱりそうなんだよなぁ」って思って見直しているってことなんです。

この「スナップ」という言葉でなければ、「しっかり振り抜いた方が良い」とか「スイングにボールが乗る感じ」とか「捕まえて、放り出すように」とかっていうようなことがアドバイスされますよね。

その中の中心になっているであろう小さな部分の要素が「スナップ」って言っちゃっていいかな、と思うようになった、という事なんです。

手首に積極的に力を入れましょう、という捉え方をしたとしたら、その人は全く分かっていない人だと思います。

手首を使うな、と我々くらいの世代までだったら、「硬式テニス」ってそういうもの、というくらい浸透しているんじゃないでしょうか。

その中身は、インパクトの時に面がどっちに向いているか把握できるようにしなさい、という意味ですよね。だから初心者のクラスだとしたら、そういう意味で手首は固定して面の向きが狂わないようにしましょう、って言うかもしれません。

だけど上達を見据えるようになったら、あるいは経験者に言うとすれば、インパクトでは「面を維持」することが大事なことだとだけ言います。それは真理だと思います。

インパクトとはラケットに当たった瞬間を写真に収めれば静止画に見えますが、スイングは途中で止まったりするものではないですね。だけど有名なプロ選手の試合中のインパクトを上手く何枚か写真に収められたとしても、同じように面が出来ている(維持されている)と思います。

その形を何度も出せることで、狙った通りにボールを何度も打てるわけで、ボールコントロールの最大の要素は「再現性」を上げることにあると思っています。

 

 

 

そこで、身体の動き方と同時に物体を飛ばす力学とが上手く調和を取れればいいわけですから、ラケットを持ってボールを打つのも、手で持って物を投げるのも、身体の動作としてみれば同じような要素が同じようなシーンで役に立つことになります。

ボール投げをする時に、スナップは最初に習います。ボールの握り方と、手首の使い方を教わって、短い距離からキャッチボールをしたりするわけです。

思いっきり腕を振り回したりはしないですよね。

テニスを始めたばかりの人って、大半は力いっぱいラケットを振ると思います。でちょっとびっくりして(飛び過ぎたりどこへ飛んでいくか全くわからない事に気づいて)遠慮がちに動いたり、当たる瞬間に力を抜いてみたりする。

ラケットは打具ですから、力を込めて使うものだと認識されているんだと思います。それで思い切りひっぱたいても手は痛くないですもんね。生身の手を使う投球や捕球は手が痛そうだから最初っから思い切りやらないか、狙う感覚がリニアに手にあるから無理しないのか分かりませんが、最初っからフルスイングする投球動作ってあんまり見かけません。

それはさておき、ボール投げって上から投げる方ですが、サーブの動作もそれに近い、と皆さん仰います。もちろん私もそう感じています。

ですが、全く同じではないですね。手にはラケットを持っているかいないか、そこが大きく違う。

で、そういう打具を持ちなれている人には違和感なくサーブの動作が出来たりして、そうでない人はラケットごと投げちゃいそうなフォームになったり、良いサーブを求めて打点付近に腕を振る速さを求めたりします。それでたいがいはネットに突き刺さったり、ネットをスレスレで越えてくれないとすぐにオーバーになったりしてファーストサービスをフイにします。

 

スナップ、を投球動作に使う、ということは、腕を振ってきた勢いを活かした手首の働き…を使うってことですね。

距離や高さも含めて、ボールが飛んでいく軌道に乗せるようにする動きです。

投げるボールが手から離れるときは、指先に最もスピードが乗っている所なはずですね。だから、手から離れるときにボールと指が最後まで一緒にいます。

 

ラケットを持ってサーブを上から打つ時にも、腕がしなってラケットヘッドにスピードが乗るようなところにインパクトを作りたいわけですが、その時にスナップを利かせるつもりがあってもラケットの長さを無視するわけにはいかなくなります。

ラケットが長いから(その分の重さがあるからってのももちろんありますが)、手で持って投げるよりもボールに威力が出るわけです。

長さと重さは、運動エネルギーにもなりますが、同時にトルクという力(回転力)も発生します。エネルギーなので、交換するものがあるんですね。力を使うわけです。

自転車のギアもそうですね。スピードの出る方ってペダルが重くなる。だから平たんな道とかで一度スピードを得てしまえばその速度を活かして重たいペダルをこぎ続けられますが、上り坂のようにスピードが減衰していくと重たくなりすぎて漕ぎ続けるのがしんどくなります。

ラケットも先の方にスピードを出すのには、腕の動きでラケット自体を加速させておいて、そこからさらにスピードを乗せる、という動作が必要になります。

それがスナップなわけで、今この段階では方向の話はしていません。

腕の動きにはスピネーション(外旋および回外)とプロネーション(内旋および回内)があって、ラケットを腕からしなやかにスイングする動きを助け、力を増幅させる働きをします。(スパイラル運動)ボールが離れていく時の指先のようにラケットヘッドの動きを作れればいいのだろう、という事ですね。

 

インパクトの位置で、ラケットヘッドを走らせる、という感覚がどのくらいあるか、先程書いたように、打具を扱いなれている人にはそこはそんなにむつかしくないと思いますが。。。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:31 | コメントをどうぞ

タッチと、パワー

タッチ系のテニス、というとパワーはそれほどでもないのね。。。と同時にパワー系、というと繊細さはないのね、なんていうイメージがありますね。

私がテニスを始めたころなら、プロ選手でもけっこうそういう雰囲気があって、テニス界の不文律?みたいなもののように固定された概念が出来ていたかもしれませんね。

とはいえ、現代ではパワーを繊細なコントロールで使いこなしているようなテニスが求められていますね。プロだけでなく、我々のレベルでもやっぱりそうなる。

ゲームのシーンで何をもって「武器」とするか?を考えれば、引き出しというか、防具も武具も必要なんだろうってことですよね。それでいて身軽、っていうか。

キリオスとかのネット際のタッチ、もの凄いですよね。。。サーブも220キロオーバーで打てて、ストロークもベースラインからエースが取れて、ネット取ったらネット際20センチくらいの所にドロップ落とせるって。。。

レンドルは出来なかったと思いますよ(笑)。

 

さて、そんなこんなで色々と考えていまして、ストロークのコントロールってやっぱりタッチの良い人のモノだよなぁと。

それでパワーを載せる方法もあるんだし、という所。

その答えが、「コンパクトな」スイングってことだな!という事でつながって参りました!

スイングにはインパクトを境に、フォワードスイングとフォロースルーに分かれます。

とはいえ、動きとしては一つの連続した動作。分かれますといっても、分けて考えているだけの話。それぞれの動きは関連し合うもので、別々にはならないはずだし。

そうはいっても、スイングの最大の焦点はインパクトにあるはずですね。

そうなんです。インパクトの動きに集中することで「コンパクト」になるんです。

そういう言い方がねー。いままでできなかったなぁー。

スイング全体を引いて、止めて、振る。。。みたいな教え方を昔はしていたような気がしますけど、やっぱりどう考えても応用力のある人が勝手にそこを脱して初めて上手くなっていく、様なところがありますよね。

そうじゃない人がどうしても「打ち返し方」で悩むような...

 

まず、相手の飛球には打点で狙った方に打ち返す型の、最小単位が用意されるべきだと思います。

時間的にゆとりがあれば軸足にシッカリ乗って体重を乗せ、スイングを大きくしてさらにパワーが出せると思いますし、相手が攻撃的にその時間をくれなかったとしても先に打点の最小単位は出せるわけですから、対抗策にはなるはず。

そこいらへんの自由に動けるゆとりを持てるようにする事が、コンパクトなスイングを手に入れよう、という皆さんのご要望になるわけですね。

 

小さめのスイングをする、という事がコンパクトではなく、出来る最低限=失敗しないで自分のショットが打てる自信が持てる、というのがコンパクトです。

スイングの癖があるせいで、この言葉でわからない、という人もいるハズ。テイクバックの仕方、変えられませんか?

インパクトはいまある程度のコントロールが出来ているのなら変えなくてもいいと思いますが、「今はまだボールを打っていない」時間帯の動きを、意識して変える事は出来るハズ。

タッチと、パワーを段階的に手に入れるプログラム、つくりましたよ。

夏までにホームページを作ろうと思っているので、それが出来たら公開します。

すごく簡単だと思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:41 | コメントをどうぞ

スランプからいかに脱出できたか

3月のおわりに、2本使っている私の「SRIXON REVO CX 2.0」をポリガット仕様から一本だけ、ナイロンに張り替えて、気づいたらフォアハンドストロークの調子が悪くなっていました。

4月の1・2週はかなり落ち込んでいて、「あれっ、なんかおかしいぞ」と気づいちゃってから急激にどうやっていままでコントロールしていたのか俄には思い出せないくらいのレベルでスランプに。

まあ試合に出ている日常ではないですから、プロ選手でもないし死活問題って程でもないですが、毎日テニスをしている男としてはやはり焦ります。

それで、その時にどんな風に調子悪くなったか?というと

・見えているはずのボールと、持っているはずのラケットの接点(打点)のイメージがなくなった
・ラケットをスイングしてくる間の「時間」がなくなり体の動きにリズムがとれなくなった
・ラケット面がまちまちになり、ありえないミスをするようになった

私はライジンガー(ライジングで打つのが多い)人なので、バウンドに近づきすぎるきらいがあり、上記の症状なもので「じゃあよく見えるように下がって打とう」っていう発想でベースラインから少し下がって打つようにしてみたりもしましたし、しっかり回転がかかる感じがわかるように面を伏せ気味にしてみたり、または打点を前にとって伏せずにこするような当て方にしてみたりしましたが、そういう付け焼刃では余計に傷口が広がるだけで、何の打開策にもなりませんでした。

その時のミスは回避できても、何しろ自分の動きのもとになるリズムが壊れてしまっている感じでした。動き出しも遅くなったし、動きそのものもギクシャクしてきたような感じも体の中の違和感として感じちゃってどうにもラリーをしていて気持ち悪い。

その時は思いました。「いやー・・・どこ行っちゃったんだオレのフォア…」

ボールの見え方すらおかしくなってるってのが、自分でわかったのはまた驚きでした。

ボールを見る、という作業ですが、テニスがうまい人の見え方と、そうでない人の見え方は違います。そこに気づいてからは、私自身相手のショットがすごく強いときでも慌てずに自分のスイングエリアをボールのために開けてさえおければちゃんと間に合う、ということが多くなりました。

以前のボールの見方から、わかった後のボールの見方の差が自分でわかるようになって何年も経っているはずなのに、自分でそこがコントロールできない状況、っていう意味が分かりませんでした。

 

何度もブログに書いたことではありますが、私は選手だったり、試合に出続けてすごく強かった時期があるなどのいわゆるエリートプレーヤーではなかったこともあって、40歳を過ぎてもまだまだ自分がうまくなる要素も見つけられたし、体もまだ動くし感覚は上がっていくので、経験って本当に上達を感じる要素だなぁなんて思っていたんです。

その裏ではやっぱり48歳という年齢もあって、もうそろそろ上達はしなくなって下降線に入ってくるんじゃないかという恐怖もありました。

たしかに、足は若いころに比べれば遅くなったかもしれません。だけどポジションや相手とボールを見ること、飛来するボールの時間に対して反応することを意識すれば、まだ自分がへたくそになっていくような感覚ではありませんでした。

 

それが・・・一気に崩れた感じがした時って、やっぱり恐ろしく感じるものなんですね。

 

そんな大したレベルではないかもしれませんが、築き上げてきたものが失われていくものって、自分のアイデンティティの崩壊・・・大げさではなく、コレで飯を食っているわけですから、自信がなくなるとか、上手な人たちのクラスを任せてもらえなくなる(あるいは自分で身を引く決断をしなくてはならなくなる)ようなことを考えるととても恐ろしく感じたんです。

 

3月の終わりに描いた、ジュニアのキャンプのために作った資料の中の、このイラストに救われました。

ライジング図説このイラストは拡大できます。

ライジングでのボールのさばき方を図説したようなものなんですが、スピンが打てなくてスライスしか打たなかったところから、トップスピンがラリーの主になるようなテニスに変えてくれたのが、

「ボールを打ち上げてしまわないように面を伏せ気味にして、スイングはボール軌道の上側をかすめるようにイメージしてラインを合わせる」という基本に立ち返るヒントになりました。

 

ちなみに、片手バックハンドの調子がどんどん良くなってきたのとフォアハンドの調子が悪くなってきたのは時期を同じくしてのこと。

肩よりも上に弾んでくる、以前はすごく苦手だった高さのバウンドにうまく合わせられるようになってきていて、先にスイング軌道の角度を調整して待てるくらいの感覚がありました。そのぶん、フォアハンド側のターンが不足していたのかも、と思い直してチェックすると、軸足は伸び切っていたしラケットは肩と腰のひねり込みを無視して遠いところに引いてパワーだけを期待するような形になってしまっていました。

だんだんと自分のフォアが以前にどうだったか、そしてどうするとよくなるのかのビジョンが見えてきました。

 

スライスしか打たなかった時期の私の癖で、上半身をボールに乗っけるようにして打つために腰が開きやすいという特徴?がまた出てきていました。

レッスン中のラリーでしっかり打つことをせず、楽にスライスで安定したリズムが出るようなラリーばっかりしていたことも原因だったかもしれません。

すこしテイクバックをコンパクトにし、体の前にスイングスペースをとれるようにしながらもグリップ側を操作すればいつでもスイングが始められるようにしました。

ボール軌道の上を、自分のラケット面が通過するようなイメージでスイングするようにイメージして、微妙な角度にはこだわらずに何となくで打ってみながら、調整していくと、先にボールを見るという作業が戻ってきて、ボールがゆっくり見えるようになってきました。

 

あとは若いコーチなどに相手してもらいながら、乱打で自分のリズムを守りながら動けるか、フットワークのほうの課題です。

追いつくけどひねりがないようなときは、やはり深いボールを打ち返す時などには失敗してしまったりしましたが、もう答えの出し方はわかってきました。

そのおかげで、テイクバックの時の手の位置や面がボールを受け止めるときの形のイメージが明確になってきて、合わせる動きにゆとりが出せるようになってきました。

 

いいぞいいぞ、戻りつつあるな、と実感できるところまでこぎつけてきました。

 

おそらく、テイクバックの形が調子が良いときに手だけで合わせられるかなんかで、正しい形から変わってしまっていたのが大きな原因かと。

ナイロンガットに変えて、タッチが変わったこともその一因かもしれませんが、自分で調子が「悪くなった」とはっきり認識する前にその兆候を感じていたかもしれません。

スピンがかかりにくくなったとか、ショットが棒球?っぽくなってしまっていたような感じだったかもしれません。

 

もっとヌルッと、ストレスなくスイングやラケットの重みでボールの衝撃を受け止めて手に大きな衝撃が来ないようにする、というところが私のヒントになりました。

 

今日現在は、朝練をしているアルドールのコーチたちに混ぜてもらって、若いコーチたちと打ち合ってきました。スランプのころは打ち返すのにすごくエネルギーが必要な感じがして遠慮していましたが、今日は「かかってこいよ」的なコートポジションで楽しくプレーできていましたので、ほっとしています(笑)。

カテゴリー: 打ち方オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:06 | コメントをどうぞ

1年か、2年かかる

スイングの要素は体の各部にあって、分解する事によってその効果とか順番とかがあることが分かってきている、という私の研究成果なのですが、それらに一般の方がいちいち詳しくなってもテニスが上手になるのとはまた別。

大事なことは全体の調和の取れた動きで正しい打点の感覚を得られるようにすることです。

「身体をフルに使って打つ」みたいなことは必要ありません。連続した動作にそぐわないからです。フルパワーだしてどこまでボール飛ばすんだってことにもなりますから、フルパワー使ってもまだコートに入るような非力な人ってどうかと思いますし、物凄いショットを打ってなおかつそれを入れる技術があるなら今度はその続き、相手が返球してきたときにどうTENNISするかが課題になると思います。相手のレベルは幾らでも上がる先があると思いますから、うまくなったらステージを上げていけるといいんだと思います。

さて、今回のタイトルですが。

プライベートレッスンをすると、ほとんどはマンツーマンのレッスンで、打ち方の悩みを聞き、それを解決する矯正法をおこなう、という手順になる事が多いのですが、その矯正法がうまくいったとして、それが定着するまではタイトルのように1~2年かかると思った方が良いですよ、というようにしています。

それは、対象となっている生徒さんのレベルがひどくてアンタだったらそのくらいかかるから覚悟しな、という意味ではありません。

これまでテニスを続けてきた中で、その人なりに築き上げてきたのがその人の打球法な訳ですから、それを書き換えるのは慣れて習熟していく必要があるという事です。
矯正法がうまくいったという事は、その人はすでにアドバイスを元に自分のフォームの中に何かの要素を取り入れたら悩ましい部分が改善した、という体験できたという事で、何が悪くなる原因で、手っ取り早く治すにはここに注意しながらスイングすると良い、ということが出来たという事。

つまり、コーチのアドバイスはその方に受け入れられたことになるわけで、生徒さんとしてもすごくむつかしいことをやってのけたというよりは「気を付けるべきポイント」をひとつか二つ、自分の動作の中に組み込んで成功したという事。むつかしくなくて出来るなら気を付けていればいいですね、というレベルの話だったと思います。

で、それを持ち帰ってレッスンでなく自分のテニスシーンで常に気を付けて出来るかどうか、という事。

たとえば確率の悪いボレーをレッスンで矯正して、その練習では確率がグッとよくなった、としても、現実に他の人とのラリーや、ゲームのシーンではやはりミスも出ると思います。

打球技術は、相手のショットが放たれてからの短い時間に判断や反応をした後にできる、ほんの少しのポイントに気を付ける事でいいはずなんですが、それをそのように実践のシーンで成立させるには構え方や反応の仕方にも影響が出ないと、レッスンの効果として実感できるほどのものは無くなってしまうと思います。

つい、普段のリズムで構えて反応すると、矯正前のフォームに戻ってしまうのは、筋肉に記憶があるからです。書き換えるには時間も回数も必要です。
クセ付けをし直さないといけないわけです。

プレッシャーがかかる状況というのも、つい以前の打球法に戻ってしまう原因の一つになり得ます。
とくに、力を入れてスイングを速くするようなタイプの人は、力があるので、動きを速くしてどうにかしようとすることになりやすく、一生懸命にプレーするときほど矯正された打ち方は身体に馴染みがない分出てこなくなります。

準備を速くする=テイクバックを早くすることなんでしょうが、そこで時間が余るくらいの意識をもつとか、つねにゆとりのある状況にできると、気を付けるのにもゆとりを持ってできるはずですが、ゲーム中にそのゆとりがないことの方が多いものです。

だから、元に戻っても、そのせいでミスをしても、それを思い返せることが大事なんだと思います。

「ああー、いま気を付けてなかったなぁ!」と思えたのが、ミスをした直後ならけっこう大丈夫。家に帰ってからじゃかなりマズいです。

「教わったのに、なんでできなかったんだ」と思うのはマイナス思考。
「よし、今度こそ!」がプラス思考ですね。

ミスをした過去はもう戻ってこないですが、この次に期待できるのなら、全然大丈夫。出来るとも思っているだろうし、きっと10球のうち何本かは成功します。

その成功例を増やす努力をし続けていくと、ミスをしないで済む確率が増えれば増える程意識しないでも出来るようになった証拠でもあるだろうし、レベルも上がっていると思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:29 | コメントをどうぞ

オフェンスとディフェンスについて

今日は短文になると思います。(珍しい)

それぞれを簡単に、テニスシーンにおけるオフェンスとディフェンスとを定義づけしたいと思います。

オフェンスとは

・次のショットも「攻め」でいけるようにすること
=たとえば、よりコート内に入っていけるとか

・相手が「良いディフェンス」をしたときにイーブンに戻るまではあってもそれ以下にならないこと
=つまり、打ったからといって「決まった」などと油断してしまわないとかその後の動ける範囲をきちんと用意できる、など

・次の展開のためのポジションがイメージできて、移動しやすい状況にあること
=まさかの時のゆとりも持ちながら、甘ければ速攻で次の攻めに移るよういができているとか

そうでなかった場合

打った後に先にコート内に入り過ぎて、思わぬ方向への返球に後ろへ下がっての対応をさせられる(逆襲された)

一発で決まってしまった(アタックだった)

 

ディフェンスとは

・その返球の後の「もう一本」がとれるようにする、または期待できる状況をつくること
=想定できる「捕れる範囲」を拡げて待てるようにした、とか

・良いディフェンスとは、「相手からの更なる攻撃」をさせない工夫のこと
=時間を長く使う為に深く返すとか、相手を走らせる方向へ打つとか…逆襲のための足掛かりになる

そうでない場合

逆襲したら決まってしまったり、攻撃に変わった(カウンター)

返すには返したが、もう一本はムリだった(最後のあがき=相手がミスる場合もあるのでムダではない)

ミスはいけないと遅い球で返したら、次で決められた(弱気)
 

ともかくも、「もう一本」のために動いているというのはテニスの中には必ず必要かと。
状況として「決まってしまった」というのがあったとしても、それはそうなりやすい状況の下で、という事が先で、どうやってテニスしたら点が取れる、なんて方法を先には論じられないはずです。テニスコートは走ってツーバウンドさせるまでの時間を遣えばそこそこ拾いまくれるので、決まってしまう状況というのは説明できますが、それを必ず作れる、なんてことはないと思います。

相手に上手く打たせないようにする工夫が出来る人がどんどん強くなっていくのであって、強いショットも弱いショットもそのなかで使う意味があるというのは、「その次に繋がる」という状況を作る意味があったという事だと思います。

その作った状況を活かせないとしたら、それはそのプレーヤーが未熟だったという事だし、そこんところが成熟しているプレーヤーってのもなかなかいないものなんだろうと思います。だって相手がすごければ、自分なりにやった事が活かせないことだってあるわけで、更なる工夫が出来るかどうかなんじゃないでしょうか。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:11 | コメントをどうぞ

回転のかけ方

今日は具体的なやり方を紹介、ってわけじゃないんですが、回転をかけると飛球が安定します。

というのは空気中を飛んでいく物体はその空気抵抗をまとっているわけでして、またスイングをしてボールを打つ以上、まったく無回転のボールを放つこともむつかしいもので、回転がかかってしまうのなら、意図的にかかるようにすることで、飛球軌道を狙った通りにしようというものです。

ボールを打ちさえすればみんなわかることだと思うんですが、ラケット面に当たったボールを狙った距離に落とすのって、むつかしい。

ラケットに当たれば手で持って投げるよりもスピードが出てしまうからですね。

そこで、回転をかける。

 

回転がかかるというのは、そんなにむつかしいことではないです。

グリップが先行して打点に入ってきて、そこからラケットヘッドが遅れてやってくるような形であれば、スピンであれスライスであれ、その条件を満たすだけで入ります。

要するに、手首でなす角をつくっておければそれでよい。

で、それをうまく実現させるための条件があって、

①インパクトでは面を維持できること

②スイング軌道と面の向きがあっていること

③スイング軌道がボール軌道に合いやすいようになっていて、入射角と反射角の関係を築けていること

といったところでしょうか。

IMG_2061

みぞおちくらいの高さでとった、ライジング気味のチャンスボール。若々しさのないフォームですけど、コートの端っこ狙って入るようなショットです。

写真加工してレイヤー重ねてずらして置いているので、体は全く移動しないでスイングしているんですが、スイング軌道はボールが上がってくるところを上から押さえつけるようなところを斜め上方向に駆け上がるように通っています。

ボールはこの写真で左上に向かって跳ねていっているところを、スイングはその頂点までいかないうちに右上方向に向かってラケットを通しているわけです。

面はネットを余裕で越えるところに向かって入射角に対して反射角でそこへ行くように作っているわけですが、フォワードスイングにはいるところで面を伏せていますね。

そこから打点までは約束通りに通せば狂わない、という自信があるスイングになるように腕の形を決めておくようにしています。

 

ボレーでもそうですね。いや、ボレーこそ回転がナチュラルにかかるような面でないと、ゲームで信用できない武器になってしまいますね。

ボレーはなるべくピンポイントへのコントロールができるかどうかはカギになってくるので、ラケット面とボールの関係を手で持っている感覚で自由にできるように、薄いグリップで持てるようする必要があります。

厚いグリップでボレーできている人も結構いますが、こと「ピンポイントに」と「フォアバックどちらも遜色なく」という条件には当てはまりません。単に「打てる」というだけのこと。ただ、一本で決まってしまう、という要素のボールは打てますから、単純に厚いグリップのボレーはダメだ、とは言い切れない部分もあります。弱点があることは確かですが。

 

ボールにブレーキがかかる、という意識でいいと思います。

それで、ショットをコントロールする。

 

 

 

同じパワーでスイングをしたとすれば、フラットよりも回転がかかったショットのほうが球速は落ちます。それは当たり前のことで、回転がかかるということは、スイング方向と射出方向のズレを生んでいることになり、スイングのベクトルは狙った方向に全部が向いているわけじゃないので、速度の成分は減っていくわけですから、物理的にも正しい。

ただ、世の中にはそんなに速度を落とさなくてもしっかり回転のかかったショットをコントロールしてくる人たちがいますね。

それはそれなりに感覚的にスイングは回転方向に出しながら面だけをボールの真後ろからひっぱたくような当て方にすることもある程度できるということなんでしょう。いわゆる「ボールをつぶす」というやつです。

「ドシッ」と当てて「ぎゅるん」と落ちて行ったり逆に伸びてきたりするようなやつ。

スイングをただ速く振るような力の入れ方をすると、どうしてもできないものですが、ある程度腕をリラックスして、関節の動きをうまく流れに乗せられるような人なら、言っていることがわかるんじゃないでしょうか。

 

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 11:59 | コメントをどうぞ

操体法

うーむ。。。

うまく言葉にできないでいることがあって、テニスに限らず「カラダの動かし方」を○○理論、なんて言ってどこかを強調したようなものにすることに、納得もするけど違和感も感じるわけです。

骨盤とか肩甲骨とか、あるいはどこそこの筋肉だとか?

その部位は確かに使い方がうまい人が効率よくパワーを引き出せるし、そのおかげでショットが良くなったり、プレーそのものが楽になったりすると思います。

なによりその理論には根拠があって、間違いなく正しいものであるはず。

だけど、私がテニスコーチをしていて目にするのは、もっと「それ以前」の状況で悩んでいる人たちです。

人間、骨格のおかげで動きのもとがあって、それらは筋肉というバネとかゴムのようなもののバランスで立って歩いています。神経はそういったバランスを制御しつつ瞬間的な反応を、脳を通して行うものも、脳に伝達されずに行われるもの(脊髄反射)もあります。

ようするに、意識下で動けるものだけで体を動かしていないんですね。

それぞれの関節に人間の活動に即した働きの方向があって、テニスというスポーツ独特の動きもふくめ、それらの動き方の特徴をうまく利用するほかない・・・というか、そのようにできる人がとても「自然な動き」に見える振る舞いで美しく打球動作をするんだと思います。

 

 

神経も扱いになれるほどにレーダーのように予測した動きができるようになっていて、空中で速いスピードで動くテニスボールをラケットの真ん中にしっかり当てられるようになるだけの成長していく、すごい機能があります。

 

たとえば速いサーブをうまく打ち返せるようになったり、ライジングでもボールをうまくいてるようになったり、バックボレーの当たり損ねがなくなったりなど、初心者のうちにはできなかったことができるようになるってことです。

 

ある人はボールを強く「打つ」ための方法を論じたり、またある人はボールを「捕る」ような感覚で、とアドバイスしたりします。どちらも正しく、視点が違うだけのことですが、テニスに不慣れな人だったり、片方だけを取り組んでいて発展途上の時に言われたら戸惑うんじゃないでしょうか。

指導者としてコートに立ちながら、自分自身もそのアドバイスがその人に適したものかどうか、正しく判断できているかどうか不安な時もありますし、過去の自分を振り返れば正しくなかったこともあったかと思います。

もちろんその時にはその生徒さんのテニスをよく見たつもりだし、自分の知識を総動員して真剣に考えた末に言っていると思います。だけど、自分が何かのマイブーム的なものに取りつかれて偏っていたり、単純にその後よりも知識が足りていなかったりしたためにいまから思い出せば、ということになってしまっているわけです。

 

 

 

 

カラダを操る、ということについて私の考えは、全体の調和をうまくとって、再現性の高いプレーを目指せるようにしよう、ということを目的に考えていくんだということです。

つまり、より良い一打を放つことよりも、自信をもって打ち続けられるプレーを、ということです。

試合をしていて、自分なりに放った「より良い一打」も、けっこう相手にとられるってことなんですね。その一打は緊張とともに成功させたかけがえのない一打だったのに、もう一度同じクオリティのショットをまた違う場所に打ち込むのは勇気がいるってことなんです。自分では決まってほしかったショットが返ってくるほどめんどくさくて、その次がむつかしく感じるものはありません。

そして、試合中に「完璧なフォーム」を忠実に再現しきるだけのゆとりが出ないことがほとんどです。

 

じゃあ、うまい人はどうやってんのか?ってことになりますよね。

 

ラケットの感覚がいいんです。

 

ボールに近づける「合わせ」が感覚的に正確で、狂いがない。

だから、相手の球が速かろうが遅かろうが、自分の感覚でとらえられたボールには裏切られることがないんです。

ラケットに当たったボールがどのくらい飛んでいくものなのか?

当たったら出ていく方向を事前に察知できているか?

スイングの形を変えて対応することが可能なのか?

ラケットと仲良くなってからじゃないとわからないことも含めて、徐々に感覚を上げていく、という練習をして、ラリーの中で想定できる範囲はプレーのカバー範囲に入っているということにしておければいいんだと思うようになりました。

できないことはできないし、できることを最大限しっかりやり続けるしかない。

自分なりの感覚の中でスイングを確立する

また、そのスイング自体が発展性のあるものにする

コーチとしては「打ち方」を指導するときにその二つにはとても注意が必要だと思っています。

手のひらの感覚のようなラケット面に、サポートを強くできるのが体の役目。

身体の使い方、というのを先に考えるのではなく、感覚的にそっち方向にこんなショットが打てるのなら、パワーを上げるにはこう、回転量を加減するにはこう・・・などといったプラスアルファを与えられるものとして説明ができれば、と思っています。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 23:17 | コメントをどうぞ