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活動状況をリアルタイム?にちかく報告するとこです

適宜、前後に動く

最近のワタシのマイブーム?(笑)「適宜、前後に動く」っていうセリフ。

ラリー中の動きです。ボールはテニスコートをネットの向こう側からやってきますので、勢いのあるショットなら、ベースラインにいれば、ツーバウンドしないうちに打ち返す位置にいることになります。

だから、基本は横に動くことをイメージしますし、ワタシも15年くらいまで、タテ(前後)に動くことをさほど重要視していませんでした。

その頃くらいに、ウイルソンがビデオを販売していて、「ダブル・リズム」という杉山記一プロがモデルでずっとサイドステップで動いて、レディポジションを中心にX字型に動く球出しのトレーニングを紹介していました。

同時に、「スペイン・ドリル」も紹介されてきていて、延々と続く前後の振り回しに、こりゃあきついな、と思いながら、自分ではやらずにいたんです。

しかし、要素だけもらおうってことで自分の練習や、レッスンでも少ない球数でやってみると、この前後に動いて打てるようにするっていうことがすごく重要なことがよくわかりました。

相手が打ったショットは、常に強いわけでもなくて、さほど強くないショットも、低く滑るスライスも、高く跳ねる、あまり速くないけど強烈なスピンのショットなど、毎回違います。

これに対応するには、適宜、前後に動いて打点やリズムを自分の都合に合わせられるようにする必要があります。

それまで意識していなかっただけに、この練習すげぇ!って自分の中では大ヒットになりました。

それから何年経ったんだか、試合のポイントがかかったラリーでも、意識せずに動くようになっている自分に気づいて、若い頃からやっていたテニスが変わったことを、最も感じた瞬間でした。

クラスで生徒さんを見たり、またプライベートレッスンでも、いろいろなお客さんを見ていて、先にラケットを使った中のボール感覚をあげなきゃ、という取り組みをしてきました。

自分の中でもスイングについての理論を考えたり紹介することが多くて、きっと分かりづらくてつまらないドリルになることが多かったんじゃないかと思います。ただ、打ち方を改善したいというニーズが多かったこともあるので、お客さんはついてきてくれていましたし、言っていることもシンプルに「適切な打点を得られるように」ショットについてボールの見方や、追いつき方、手とラケットの使い方、また体の使い方などを、生徒さん個人の動きやすいやり方を見ながら取り組んできていました。

 

 

ボールを打つための「適切な打点」とは、

素振りをするようなスイングに、ボールが入ってくるような感覚で打てる

ことで、狙って打てばその通りにしかならないようになる(と言っても人間のやることですから、狙ったエリアに大体オッケーな感じのショットを確率よく打てるってこと)ものです。

これが、ワタシも勘違いしていた部分も含めて、相手が打ったショットの軌道に合わせて、特に練習(球出しの練習)ではバウンド−ヒットのリズムを一定に保つように動くことだと理解しやすいんです。

で、それがまたラリーになるだけで無理。

一定のリズムになるのは、スイングスタートからインパクトまでを揃えられればいいんです。

軸足の力でスイングのきっかけを作って、そこからインパクトまで。

「グッ・タン!」みたいな感じ?ですね。グッ…っていうのが力を入れた感じで、タンがインパクトってことで。

このブログを長く読んでいただいている方ならわかると思いますが、インパクト(の音がするあたり)に合わせて力を入れてグリップを握ったり、スピンのために手首をこねたりすればそういうリズムにならないと思いますから、そこんとこは注意して見ます。

ヒュッと腕が打点に連れてくれば、打点の位置ではラケットは勢いづいて走っているような状態になります。

グリップは手首の形というか、面の向きを決定づけるものであって、腕が打点の位置にラケットを連れてきてくれれば、自動的に決まった形の面ができているはずですから、そこにボールさえあればスイングが期待した通りの強さで、狙った通りのコースや高さにラケット面から跳ね返っていくはずですし、ラケットを握った手のひらにはそれが正しい感覚であることをフィードバックされて感じているはずなんです。

 

だから、大事なのはスイングにボールが入ってきてくれるような準備と感覚。

飛んでくるボールの軌道上にラケットをセットしたような感じで準備できるように意識します。

 

そこからなんです。

ワタシ、スライスしか打てなかった学生時代から、ライジングでボールを取ることで自分のショットの強さを維持していたこともあるので、そこまで出来れば、ってことでベースライン上から離れない人だったんですね。

もちろん、浅い球は前に入らなきゃ打てませんし、ライジンガーですから、むしろソッコーでバウンドの頂点にラケットを合わせに行くタイプでした。

しかし、後ろに動くことは、スライスを打つワタシとしてはかなりのピンチ。

そんなテニス歴だったので、なかなか後ろに下がって打点を合わせる、ってことができませんでした。そうしなくても器用に体の向きを変えたり、面の入れ方を注意したりするうちに打ち返せていたから。

30を過ぎてトップスピンを覚えて、特にバックハンドのスピンが使えるようになった頃から、いつの間にか後ろに下がれるようになりました。

スライスなのでショットのスピードは出ないタイプでしたから、トップスピンを打てるようになってもなかなか自分のショットにスピードを出すという発想にならなかったのは、ラリーのテンポが速くなると自分がリズムを崩してしまうということもあったのでしょう。慣れたリズムで相手の返球を待ちたい、ということが邪魔をしていたというか。

バックハンドのスピンが打てるようになったのは40歳を超えたくらいだし、46歳の今でもただ一生懸命やっているだけでは気づけなかった打点の秘訣なんかを見つけたりして、そういうことのためにいろいろなことが絡んできて、動き方は若い頃よりも今の方がちゃんとしていると思います。

ただ、さすがに歳を感じたので、すごい速さで走ったり、目の覚めるようなカウンターをお見舞いしたり、なんてことはできないっぽいですが(笑)。

 

一番の気づきは、ターンすることです。

そのためには、突っ立っていないで少し腰を落とし、相手が打った瞬間に正しいスタートがなるべく素早く切れるようにしておきます。

順番としては、

相手のショットを見る

とりあえず反応をして、動きながら判断する

追いつく前に自分がボールを打った時の姿をイメージして、

最後の一歩に帳尻が合うように合わせて走り、

できるだけ完璧にインパクトを迎えられるようにする

 

ってこと。

最後がラケットです。

ですが、ラケットがボールに当たる瞬間が最優先される事項ですので、走り出した時にはすでに十分な形で準備をしておきたい。

だから、グッ・タンの振り始めからインパクトのリズムを、走ると同時にボールに合わせられるように作っておくってことです。

走りながら、腕を強くしておくには、走っているのにヒザとか、腹(体幹)とかに強さをもたせておかないと力がうまく入りません。

打てる形になっておいて、まだボールが来ない、という状態でいられるようになれば、インパクトの取れるエリアが特定されて、そこに来てほしくないエリアもわかるようになります。

ボールが高く弾んじゃって落ちてくるところまでかなり下がる、っていうよりも一歩か二歩前に出て上がりきる前でもスイング自体は間に合うな、ってことが結構多いと思います。

ライジングはスイングをボールの入り口に見立てられるようになれば、難しくありません。目で追ってスイングを合わせに行くようでは、ボールのせいでフォームを奪われてコントロールを左右されてしまいます。

振袖の袂でふわっとボールをからげるような感じで、手首よりもやや遅れたラケット面の中にボールが収まるような感じでスイングを合わせに行きます。

ラケット面が遅れてくれていれば、自然とスピンがかかり、ネットしなければ越えた後に落ちるボールに自然になるものです。

ボールの威力そのものが弱くても、弾みっ端ではバウンドのエネルギーが強いので、腕やラケットをブロックの形に持っていくイメージを持ちやすいですが、これではただ当てるだけになってしまうので、振り抜き方向に持っていくことは条件の一つです。

ブロックの形を作ってインパクトができるとしたら、それよりもボール2〜3個分、打点を前にすれば、自然と腕は振り抜き方向に動いてくれるようになりますから、打ち方を変えるように悩むよりかは、そこでボールに当てる能力はあるから、もうちょっと前で捉えるようにしよう、くらいでできちゃうものです。

腕の下にスイングの入るスペースを作ること

そこにボールが入ってくる予定ですから、自然と腰と肩は横向きにボールを見やすい姿勢になると思います。それで、以前に書いたような、テイクバックの形ができていく、というのがワタシの考える理屈です。

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カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:41 | コメントをどうぞ

難しいよねぇ

何がって、テニスがです。

まず、ボールをちゃんと打つのが難しい。

とはいえ、その反面で、ラケット面が向きのわかりやすい道具なので、体を前向きにしたりとか、面をひねらずにボールに向けて振るとかすれば、当たれば返せるっていうことに関してはそんなに難しくない。

それと、ゲームをするときに、思ったようにポイントするのはさらに難しい。

ボールを打つのが上手くても、相手と駆け引きするようなことをして、チャンスは見逃さず、ピンチというか、相手が先に攻めてきたらなるべく次の攻めをさせないように返せるようにしないと上手くゲームがいかない。

実力差があったとしても、ミスをしないで終わるゲームなんてそうそうないから、ミスをしたことで自分がそれを気にして、以降が弱気な展開になっちゃったりすることだってある。

点差を離して勝っている状況でも、最後のポイントを取りきるのも結構難しい。5−2だったのに気づいたら5−5になってたりすることもある。

 

ね、難しい方面で書いていくと、結構難しいですよね。

ゲームができたり、勝ち方を考えるようになったりすると、またショットの打ち方で悩むようになってきます。

自分には持っていないショットを武器に、自分より強い相手が出てきたりすると、自分にもそういう武器が欲しくなるから。

プロの選手だって、全てが完成してからプロになっているわけじゃない。プロになってからだってさらに進化しています。

 

 

…それって、楽しいってことですよね?…

打ち方オタクってことでコーチをやりながら、自分のテニスでも、生徒さんと一緒にその方の打球法を考えながらも、「もともとの原理」みたいなものを探し続けているわけなんですが、

目で見て

足で追いついて

腕を動かしてボールを打つ

ということなんですが、横向きになってボールを見るのと、前向きのままでボールを見るのとは違う風景に見えたり、ラケットを引いて振るのと、ラケットを弾き終わってボールを待てるようにして振るのとは、来ているボールが同じだったとしても違うスピードに見えたりします。

要するに、「型」のようなものがあるってことと、「慣れ」が必要不可欠になるってことがあって、そこに馴染みがあれば難しくは感じなくなるでしょうし、普段そういう動きをするっていう意識がない人には難しく感じるでしょう。

ボールを打つことだって、強く打って気持ち良く振り抜きたいとか、強く打った時の打球感がいいとか、爽快感とか、自分が上手な感じが欲しくて初心者でも力いっぱいスイングしたりしますけど、結構空振りしたりするし、真ん中にピッタリ当たってもすごく飛んでいっちゃったりしてコートに入るかどうかはわからない。

コントロールを気にすれば思いっきりはスイングできないだろうし、かといって試合に勝つには強く打って相手が返せないようなショットが欲しいだろうし。

球出しのボールをうまく打ち返す方法と、ラリーの中で精度を上げる方法は、ちょっと違う部分もあると思います。

とはいえ、後者がうまくできる人は、前者も同じ方法でできるし、前者がうまくできるだけの人よりも格段に強いと思います。

これは、発展の段階があるってこと。でも、早く気づいてしまえば=あまり上手でないと思っていてもどんどん試合に出るとか=してしまえば、「まずは球出しの段階をクリアしてから」なんてやっている人よりも上達は早いのかもしれません。

しかし、人間はできることにこだわったり、今できることに依存したりするので、常にあたらしい練習みたいなものに取り組んでいないと、今できることで到達できる場所も決まってしまいます。

だから、常に成長しないといけない。

 

なんだか人生みたいですね。

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 06:36 | コメントをどうぞ

芯と、ねじれを感じる

手でラケットを持っているので、手から感じるラケットの動きを制御できれば、ボールの扱いが格段にうまくなります。

ラケットを力ずくで動かすと、ラケットが自然に動くべきところを抑え込む方に意識と力を使うために、ボールコントロールまで到達しません。

かりにそういう人がすごいショットを打っていたとしても、おそらく一種類のすごく強いショットの事を言っていて、スピンとスライスの打ち分けはおろか、相手を左右にコントロールする事さえ、そんなに広い範囲にはできないと思います。

 

というのは、一人のひとは、自分なりに決まった打席=テニスの場合にはフットワークを使って打点に入るときの位置決めのしかた=のとり方があって、力が入りやすいようにするために体のターンは抑え目で、安定した打点が必要になる「再現性」の為には打点の範囲は広くは取れないからです。

ボールはかならずネットの向こう側のコートに入れなければならず、そうすると打点でのラケット面の変化は角度にして20度程度が限界になります。

パワーがある、と自信のある人は腕を強く振る意識がありますから、せいぜいベースラインの幅=シングルスライン間とすれば8.23m=のコース変更ができるならかなりコントロールできるほうの人だと思います。

ボールの後ろからラケットを入れて、前=ネットの方に向かって力を籠めるわけですから、それしかできないのは当然です。

回転をかけることと、そこにパワーを乗せることが出来る人は、観察していると腕の芯というか、ラケットを振っても、ボールがラケットに当たってもまったくブレずにスピンの利いたショットを打てます。

ワタシは昔はスライスしか打てなかったので、柔らかく受け止めるような面の使い方=ボールの衝撃を柔らかくかわすために腕を自然にひねって面に乗せるような感覚で「打つ」というより「押し出す」ように打っていました。

「ナガキくんが打つとき音がしないんで気持ち悪い」とよく言われていましたが、ゲームをする時にはそれが相手の嫌がるプレーになるんだろうと思っていたので気にはしませんでした。

しかし、スピンが打てるようになると、やはり強打が欲しくなります。観察する対象はすごく強いショットを思い通りにコントロールする人。全日本に出ていたとか、県の上位とかの人とやると、そういうことがなぜできるのか、自分はいつかそういう感覚が身につく物なのかと、痛切に差を感じたものでした。

腕力があっても、コントロールが良くなったりはしません。ただ、ボールに負けるラケットの感覚があるために、筋力が欲しいと思った事は1度や2度ではありませんでした。

経験を積むごとに、わかってきたことがあって、必要なのは腕力ではなくて、ラケットの入れ方だということが分かりました。ラケットはボール(約60g)より5~6倍重くて、腕だけでもさらにその数倍重いわけですから、単純に考えて当たり負けるような要素はないわけです。

だから、当たるときのメカニズムが悪いわけですよね。

ボールの侵入方向に対して自分の動きのベクトルがあっていない。

腕を入れるスイングの方向も見直しましたし、そのためにテイクバックの仕方、フォワードスイングの面の向きなどは何度も修正しました。

打点は高さによって奥行きが決まるものだということもわかりました。肩の位置と腕を振る方向はどうしても関連するので、必要なベクトルを得るためには体のターンをしっかり行って必要な位置までボールを呼び込めば、かなり思い通りにインパクトができます。ただそれを確実に行うには、相手のショットのスピードがある中ではけっこうむつかしい。

そして、握りの中にラケットの動きを制御する「重心」と「支点」「力点」を感じるように持つこともわかりました。

握りはスイング方向と密接な関係があって、スイングとグリップがあっていない人はスイング自体が短くなる傾向があり、その分ショットが弱くなったり、浅くなりやすい傾向が出やすいものです。

 

出来る人としては、説明はできないはずです。感覚的にラケット面とボールを感じる能力が高いので、自分ではイメージからわかっていてできるものですから、できない人にどういって説明していいのかはわからないことが多いと思います。

出来ないところから始めた私は、そういう不思議な部分だと思っていたことの「説明」ができるようになることが目標でしたが、とうとうわかるようになってきました。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:56 | コメントをどうぞ

迷うステップ=スプリット・ステップ

スプリットステップについて悩む人が割と多いという事は、コーチになってからほどなく分かりました。

だからワタシにとっては結構コーチとして「やらなきゃならない項目」だってことはわかっているんです。

で、かなりめんどくさいのもこういう項目。

教わりに来る人は、腕やラケットの使い方に悩むものだと思います。固定観念になってしまうのはワタシにとってお客さんに申し訳ないことなので、そういうテストをやる事が多いとかで、大丈夫な人ときちんと指導したり声を掛けたりした方がいい人とは判断するようにしています。

とはいえ、「打ち方」を教える段階では、気をつけてもらう動きは他にあることが多いものだし、そういう課題の時にはオープンスキル、何が起こるか分かっている状況に対してのフォーム作りになることが多いので、その練習の時にスプリットステップは必要ないものになります。

動作を最初から教える時に、スプリットステップをしてから動きの順序をすべて追ってもらった方が実際の動きに役立つものです(相手が打ったのがみえた→自分のインパクトのタイミングまでの時間にできる事を感じるために)が、球出しや、最初の一球がどっちに来るのかわかっている状況ではスプリットステップのタイミングをきちんとすることは難しいことかもしれません。

 

 

学校の名前は忘れてしまったのですが、ダブルスの強豪校で有名な高校の、ボレー練習を紹介した雑誌の記事があって、その練習を「ハンドボレー」と言うそうです。

コーチは球出しをして、わざとネットに当てます。だから打ち返すような球出しではありません。

プレーヤーは球出しとタイミングを合わせて、一歩踏み込んでラケットでネットを叩きます。

ネットの白帯を叩けばよく、フレームのエッジでトンカチで叩くような恰好でよい。

記憶はそこまでだったのですが、レッスンで紹介した時にやったのは、そこから段階を踏んでいくことにして、

球出しはネットに当てるままで、フォア側かバック側へランダムに出し、プレーヤーは左右を正確に判断してネットを叩く。

この練習、「ボールを上手く打たなきゃ」というプレッシャーから解放しているので、すごくよくボールを見ることになります。相手のラケットの動き、飛び出た瞬間のボールの方向、ボールの勢いや高さ・・・プレーするときに判断しなければならないことを瞬時に見分けます。

実際に打球するのはこの後。

自分がしっかりボールを見たうえで、ラケットをつかう、という項目のみが残っているので、複雑さが無くなり、動作や判断がシンプルになります。

一歩踏み込んでネットを触る、という動きを最初に要求されているので、早い人ではネットを叩く練習の左右の判断のうちに、そうでなくてもほとんどの生徒さんが、打球する練習の内に、スプリットステップを取らざるを得ないようになります。

相手が打つ前に、まだどっちか分からないから、迷う。それがスプリットステップになります。ジャンプすることではなくて、どちらへでもスタートできるようにするためのステップ。

 

1分くらい続けて打球の練習をすると、太ももがかなりキます(笑)。

でも、それでいいのです。ボレーの高度なラリーをするときは、必ず太ももがヤバい感じにキます。

ダブルスで、前衛がポーチに素早く出るには、そのくらいの構えと反応が必要になります。

あるいはポーチでなくとも、前衛側にボールが来た時に攻撃的に返せるようにしたり、それ以前にも油断なく構えるという意味では「まだ打たれていない」うちに準備の動きをし、相手の打球の瞬間に反応が正しくできるようにスプリットステップを踏むことが出来るようになります。

ちゃんと癖がつくまで鍛えれば、ですが。

反応の早い状態が作れるのなら、相手と距離のある、サーブ&ボレーなどのファーストボレーでも、あるいはストロークでの動きの中でも、そのステップの後の動きにゆとりが出るようになります。時間的な猶予が出来るので、あと一歩、それとどこを狙うかの判断などに役立ちます。

もうひとつ効果があります。

ポーチに行けそうなコースにボールが来ると、反応は出来るんだけど上手く足がでなかったりしてギリギリ届かないようなケースになってしまう人もいますが、これって下半身が伸びきってしまって移動が出来なくなっているケース。

反応しようとして全身に力が入るんだけど、それで一瞬でジャンプしてしまいます。それが、腕を振るための力と一緒になると、腕を横に延ばしてもジャンプは真上に飛んでしまったりして、腕が届かない。

必要なのは股関節にきちんと力のタメが出来ていることです。骨盤に向きが出来ていることでもう一歩がボールの方向に正しく出せるようになります。

ハンドボレーの練習で踏み込んでいくように作っていくと、伸びあがりではなくて沈み込みの要領でボールに近づく癖が付きますので、こちら側の意味でも良い練習だと思います。

 

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:49 | コメントをどうぞ

経験して、選択しながら育つ

一例ですが、スイングするときに手首を固定するかどうか、ということを最初のお題にして、テニスの初球の時代からの過程をかいつまんで順番に並べてみましょう。

 

・初心者のうちに…

ボールを打つと、気持ちよく飛ぶ、という経験をしてテニスにはまります。または、錦織選手のようなカッコいいプレーにあこがれて、はやくあんなふうにうまくなりたいと、強く打ってみたりするわけですね。

 

それで、勢いよくラケットを振るには、

§手首を固定しきれない

§というのは、自然なひねり動作が出るから

 

ラケットを勢いよく振るけど、習熟度が低い場合には

§コントロールする以前に吹っ飛んでいく

 

だから、手首をかっちり固定して「面の向き」をつよく意識して打つようにすれば心配ない

面の向きと、当て方への意識ができるとき

 

これで、ショットが入るようになります。

 

そして、ショットは入るようになったけど、入れるために面を気にしていると威力が出ない

⇒初球の間は、どうせ強いショットは続かなくて使えない(相手に打っても返ってこないし、相手に打たれても返すのが困難)

 

 

しかしいずれ、威力の無いショットでは相手に先にすごいショットを打たれてうまく返せないような場面が増えてくる

 

相手のショットが強くなれば、自分の当たりも次第に強くなってきて、多少強い手ごたえのショットになっても入れられる実感が出てくる

様々なショットへの対応の慣れが、自信につながる

 

面を固定しているおかげで、ミスらずに返していれば簡単には負けなくなった

今度は相手も堅実なタイプが出てくるようになり、ミスが少ないなかの勝負になると、やはり強いショットが打てるようになりたい

 

回転をかけられるようになれば、強いショットでも調整が利く

 

強いショットを回転をかけて打てるようにするには手首の動きが必要になるが、やはり手首を動かすと安定しない

 

握りを変えれば、手首を使う方向と面の向きを合わせられることがわかる

適切な握りの発見

 

当てる瞬間に決まった動きのラケット面を出せるようになる

適切な打点の発見

 

強く打っても、強く打たれてもコントロールができるようになる

自分のプレーへの自信・プレーの幅(自由度)への発展

 

堅実な相手に、打って勝てるようになった

自分のプレーやプレースタイルに自信をもっての勝利

 

さらに強い相手に挑戦したいというモチベーション

 

 

あっという間の妄想劇場でしたが、ワタシ自身はこんな通り道を通って、30年かけてここまで来ました。まだ走れるので、まだうまくなるかもしれないと自分にも期待が持てています。

 

ブログの中でも何度か書いたかも知れませんが、打球感覚が次第に上がってきているので、追いつけさえすれば今よりももっとミスを少なく、質の良い球で返球できるようになるんじゃないかと考えています。

 

この、太字になっているところの項目が皆さんが練習で欲しいものじゃないかと思います。具体的なフォアハンドのスイングの仕方のどの要素がどうの、スライスの打ち方がどうの、という細かい部分は個人の課題としてあると思いますが、自信を持つということはもうちょっとおおざっぱで、しかし「確かな手ごたえ」の一打が打てるようになっていくことでプレーに自信が出ると思います。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:28 | コメントをどうぞ

ラケットの引き方

例えば、レッスンでちょっとしたアドバイスを与えて、その生徒さんが急に感覚がよくなった、ということは結構よくあることなんです。コーチとしては嬉し異瞬間ですよね。もちろんアドバイスを受けた生徒さんも「よしわかった!」って思うと思うんです。

しかしですね。

それがそのレッスンで身につくかっていうとそんなことはない。

今までそうやってこなかったからできなかったんだし、それがちょっとしたことでも気づかないポイントだからコーチに指摘されるんだし、それと、そのちょっとしたことが重要だとは思っていなかったからやらなかったっていうことでもあります。

動作の大多数の要素は、「考えなくても自然にできる」ことで処理されていて、ボールをよく見ることとか、見ながらうまくラケットに当てられるようにすることで「ちゃんとできた」っていう処理がうまくいったことになるはずなんですね。

テニスの動作に限らず、テニスを趣味にしている人の日常生活の中でも、自然にできることは気をつけなくても大丈夫なことに分類されていることなので、気軽にできます。

 

それって、「習熟している」という動作なので、その動作自体に対してプレッシャーがないんですね。

今まで通り、いつも通りにやっていれば大丈夫、と自信のある動作なんです。

そこを変えることって、難しいことではないんですけど、新しく習熟しなおす必要があって、必ず時間がかかる、いえ、時間をかけて記憶したものを書き換える必要があるものなんだと思います。

それだけに今日書こうとしている部分は、いじる意味を感じづらいところでもありますし、そこを直されて一時できるようになったとしても、すぐに元に戻ってしまう可能性の高い部分です。

反応のしかた

がみなさん意識をあまりせずにやることで、そして人によって差の出るところでもあると思います。

ボールに追いつくのが遅い人

例えばダブルスの雁行陣で、ストレートにロブを上げられてチェンジするような場面。

意表を突かれたような感じでロブを追って、そしてそのロブに追いつけないで抜けちゃうような人がいます。

最初の反応が遅れたのでしょう。初級や初中級のクラスではよくあります。

しかしですね。シングルスコートの横幅って8.23mしかない。ダブルスコートいっぱいの横幅でも10.97mです。ラリーのポジションってシングルスラインの内側に立ってると思うし、入ってくるロブもシングルスラインのあたりでも結構いいコースじゃないでしょうか。

ロブ上がって、それが見えて、8m追いつかない?そんなわけないですよね。

なんどやっても追いつかない人に、じゃあボールと競争しようか、ってロブあげますよー、よーい、ドン!って走らせれば、大概の人はそんなに速く走らなくても大丈夫。ね、そんなに遠くないですよ、ってやっておくと今度からは大丈夫になります。

心理的に遠いんでしょうね。

 

でも、それだけじゃないんです。

 

こういう人の特徴は、走っている時にラケットを引いていない。

厳密に言い方を変えれば、肩と腰にスイングの準備ができていないんです。

走りながら、ラケットを引く力を入れるタイミングを計っている。

だから、必要以上に小股でちょこちょこ走る。これがまず追いつけない原因になることが多い。

追いつけたとしても…

そして、ラケットを引く勢いを利用してスイングしようとするんですが、引いて、力を入れて、振るっていうプロセスを踏んだ上でタイミングよくインパクトを合わせる、っていうのが結構合わないんですよね。

その人はよーくボールを見ながら走って合わせようとしているんですけど、追いついたあたりからやっと準備を始めるので、見ているこっちとしては危なっかしく見えます。

IMG_0606レディポジション

からの

IMG_0952 IMG_0957

 

フォアと、バックのテイクバック。

レディポジションの絵から、それぞれの脇の下の空間をイメージします。

フォアは右腕の下の、その空間に左手を、バックはその逆で右手を左腕の下の空間に、それぞれ入れようとするような形で、この写真のようになります。

こうすると、肩と腰が「入る」形になりやすい。

ラケットの動きを見ると、上から回していくようにしてサーキュラースイングの準備をしますが、そうやって腕の動きにイメージを置くようにすると、そこが合っていて、そしてできていたとしても腰からターンができなかったりします。

ジュニアの子に、よく球出しをするときに二つの打ち方をやってもらいます。

「最初に引き方を考えないで、走ってから間に合うように打ってみて!」

「この引き方(脇の下の空間に腕を入れる)をやってから走ってみて!」

どっちが打ちやすくなるかっていうと、100%後者の方で答えが返ってきます。

ジュニアの選手じゃなくて、初級のクラスでです。変にクセがついていないけどコーチとならラリーが出来る程度にボール慣れしている子。

 

特に両手打ちでバックハンドを打つような人は、右手が左手の内側に入るようにすることでコンパクトな形になり、スイングをすれば左手側(ラケットヘッド側)を右手側よりも大きくスイングすることになり、スイングのパワー伝達が良くなります。

左手を後ろに持っていく、ということでももちろん間違いではないしそうしないとラケットはうまく振れないかもしれませんが、サーキュラーの形にするなら、ラケットヘッドを最初に後ろに持っていかなくても大丈夫です。

どちらかというと大事なのは左腰を後ろに折るように準備すること。

そこで振り出す時のパワーが貯められていますから、腕だけを後ろに持っていくよりもよっぽど打ちやすくなります。

IMG_0953

 

こんな感じ。こっから

IMG_0954こういくのは自然でしょ?

この、上の写真みたいに右足から右腰のラインですね。この折り目がちゃんとできる人が結構少ないものなんです。

厳しいボールをあまりとらないでいると、準備の形に甘さが出て、手がリズムを取り始めます。手のリズムは、「勢いをつける」という動作を欲するので下半身に頼らずに腕だけでできそうという判断をしやすくなり、それが結局バウンドの読み違いやイレギュラーへの対応ができなくなり、打点を合わせづらくさせることになります。

下半身がこの写真のように最初に決まった形をすると、

①実は結構このまま走れる

②もう腕は打つ時までやることがない

③そうすると足を動かすしかない

ということになります。

足の動きは、飛んでくるボールの時間を計る、時計の秒針のような役割を持っていますから、最後の一歩がドンピシャで打点に合うように動くことができるようになります。

それも、器用な腕ではなく、その上にスイングをしなければならないところで時間を計って合わせていますから、全体の調和がとれた形でインパクトを迎えるように仕向けやすくなります。

 

そういう部分があって、心理的には心配な形(ボールを見ながら腕で合わせるがしづらくなる)と感じやすいのがこの形ですが、実際にフットワーク込みでやるようになる(ラリーやゲームを主体で考えるようになる)と、この形が必要であって、やらないとうまく打てないのがわかるようになると思います。

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:46 | コメントをどうぞ

「回転トルク」を見落としがち

スイングスピードがあれば、ボールを強く打っていくことができますね。必要な時に強く打てれば、チャンスがあった時に決めようと思えば決められると思いますしね。

で、それには筋力がなければ重たいラケットを自由に扱えない、と思うのは、非力な人、非力だと自認している人に多いのではないでしょうか。

ワタシの場合は、基本が長距離走者で、持久力はあるけど瞬発力がないと思っていました。それで、必要な時に必要なラケットのスピードが出ないんだと。

ま、本当はスライスしか打てないからもともとスピードがなく、そこからトップスピンを覚えたけど急にボールのペースを上げても自分がそのラリーのペースについていけない感じもするし、当時はそんなことを考えてなかったと思うけど、自分のショットのスピードが上がっていく想像もしなかったんだと思います。

要素としてはほかにもあって、グリップが薄いことからスイングしている腕の強い形がインパクトの時に十分にできていなかったとか、打点が後ろの方にいきがちで(グリップが薄ければ当然なんですが)、それも今となってはスピードのでない一因だったと気づくとができました。

 

ラケットを動かす腕を、速く使うべきなのか?ということが今回のお題です。

答えは、そうできる人はそうでもいいし、そうしなくてもスイングスピードはあげられます。

aerokei fore 詰まってる?

グリップが厚い人のフォアハンドの、インパクト直前の”ある例”です。

普通にテニスをしている人には、ちょっと違和感ありませんか?

違和感の原因が、おそらく右ひじの位置が近すぎることに感じているのではないでしょうか。

普通にテニスをしていれば、その形ってこんな

フォア打点

ああ、またこの写真使っちゃった。使ったことあるやつって楽なんですよね。

で、やっぱりこっちの方がきちんとボールの後ろを支えているような感じに見えるし、そのままで大きくしっかり振り抜けていくことが約束されているのが想像できます。

ほんでまあ、フォローすれば、この上の写真の錦織は、基本こういう振り出しで、その後はこんな

follow

これだけ大きなスイングにもっていけるっていうことはかなり打点が前に、腕が体から離れているところにとれるってことなんです。

大きな振り=トルクがつよいってことになりますがもうひとつ。

大きな振り=速くは振れない

ということでもあるんです。

そこで、グリップの厚い人は打点を前に取る必要がある(グリップと打点の相関関係で)ことから、薄いグリップの人と同じだけ後ろに腕を引くことができたとして、打点までの距離が長くとれることになります。

と言っても、肩を中心に腕を振るわけですから、打点を前にとって面が垂直になるような厚い握りでは、既にスイング方向は水平から垂直に変わっているはずなんですね。要するに回転がかかるスイングになる。

回転はスイングと打球方向のベクトルの差によって生まれるものですから、吹かしたようなアウトをせずに強打を相手コートに入れられる武器になります。

 

ただし、遠回りさせては遠い距離のスイングスタートからインパクトまでが遅いスイングになって十分に力が入らない。そこで肘をたたんで(手首はインパクトの形を保っていないと打球時にブレる)腕を短くし、ヘッドのスピードを上げてまた腕を伸ばしていきながら重さを乗っけるようにインパクトしていきます。

腕を伸ばしていく途中でボールに当たるので、ベンドアームと呼ばれる形になりますが、その後は大きく振り抜いていくので錦織のフォロー(たぶんこのショットはベースラインかその後方から叩き込んだ強打でしょう)のように伸びて大きなフォームになっています。

 

写真で見ると、自分でやるときにこういう形になるように意識したスイング(スイング中にその形になろうとする)になりがちですが、実際のプレーヤーのスイングを見ると、本当にそんなところまで腕が伸びているのか不思議なくらいあっという間に体に腕が巻き付きます。小さいスイングに見えるってこと。

これは筋力でしょうね。スイングスピードを上げていってもブレない体幹の強さから、ラケットをラケットの重さでしか振れないような腕力でなく、筋力トレーニングを積んで、我々の想像以上にラケットの重さの影響の少ない腕の振りができるからでこそだと思います。

我々のレベルだと腕が体から離れてスイングをすればその分手首などの弱い器官でラケットの操作をするような感じになり、ブレやすくなります。そこに差がある。

小さいジュニアが一様に厚いグリップになるのは、筋力的に強いスイングにラケットを握る手が追いつかないからだと思います。

厚く握ることで腕とラケットになす角ができ、その分スイングが腕にかけるトルクが小さくできます。

そして打点を前に取るようにすることでスイングが十分に加速したところで面に合わせるようにできていくと、小さい体でパワフルなショットが打てるようになる。

 

じゃあ一般の、例えば女性とか、非力だと思っている人が厚く握ることでパワフルなショットが打てるようになるかって話ですよね。

答えは、理屈から言えば無論イエスです。

ただし条件があります。握りと面の意識が、打球方向やスイング方向とマッチしないように感じる期間が初期の段階に必ずあり、不慣れな時には握りが悪くてボールがどっちに飛ぶのかわからないし、ひどければ空振りとかだってします。

握りと打点の関係、手のひらとラケット面のイメージ合わせの関係、打球前の面方向とインパクト時の面方向の相違、スイングと力の入れどころの関係…そういったものの調和がとれてこないと、握りやすい、当てやすい、狙いやすいラケットの扱い方に行きやすくなります。

 

わかりやすいのは、面に手のひらを合わせて…って導入するイースタングリップですよね。スライスやボレー、サーブなどの握りへも意識しやすいので教えやすいグリップではありますが、私としてはきちんとグリップチェンジすることや、ストロークでの高い打点がラリーのシーンでは多くなること、また高い打点から攻撃的なショットを打つ発想が出やすいことなどからも、フォアハンドの握りは厚めに持つこと、そして先日書いたように、もう一つの握りからスライスやボレーの導入をして二つの感覚をラケットに対して持てるように初級の段階を過ごしてもらうことが理想かなと思うようになりました。

薄い握りでは腕を伸ばすように、スイングはわざとくらいのつもりでゆっくり大きく。

それができない人(ゆっくり振って打点をちゃんと取るのは割と難しい)は少しでも厚めに握って速くスイングし、打点にイメージを合わせてインパクトできるようにしていくことで、同じような強さのショット(回転や打球の軌道などには差がある)が打てるようになると思います。

 

薄い握りで腕をたたんでスイングスピードを上げれば面がブレるポイントでインパクトを迎えるようになりやすく、相手のショットが難しいときなどに結局ゆっくり振るとか面を合わせるだけとかになるでしょう。

見た目もヘッドがくるっと回るようで手首を使って振っているように見えるようになります。それでコーチや先輩に注意される。

厚く握っても打点が前で取れない、ボールを見ていないといつ打っていいのかわからないよ…みたいな初心者の人は、スイングしても打点が後ろで無理に肘や手首を使って面の向きを作ることになるので、十分なパワーが出なくなります。

スイングも妙に窮屈そうな形になり、「ボールが近すぎる」みたいな注意を受けることになります。

自分のスイングスタイルに合った形というのを、握りにしても打点の位置にしても見つけることで、トルクの問題は消えていきます。

普通言われない要素ですが、うまく飛ばない人や、力を込めてもスピードボールにならない人は、回転トルクが強くなる位置や方法を知らないからだと思います。

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 12:12 | コメントをどうぞ

要素を考えればやり方につながる

前回、要素と成分という考え方で分析してる、ってことを書きました。

テニスが上手くなくて悩んでいるような人でも、ボールは打てているんです。納得できるかできないかってことだと思うし、コートの中には収まるけど、何本も続けるのが難しく感じているかもしれないせいか、ここぞというときに限ってミスをしたりして、自分が下手だなぁって思う印象の方が強かったりするだけ。

 

スクールでは球出しの練習やラリーの練習などがあって、たくさんボールが打てるのがメリットですよね。試合だと一度のミスでいちいちプレーが止まる。しかも止まるだけじゃなくてボール拾いに行かなきゃいけなかったりして、テニスしてるんだか走ってボール拾うスポーツしてるんだかわかんないような時期も、自分にもありました。

ワタシ自身は乱打のラリーが好きで、どこへ打たれても取れる感じが欲しいのと、その実相手は結構ワタシを狙って打ってきてくれるので取れるボールが多くなることと、ワタシが相手を狙って打つときに、同じ軌道のボールで何回か揃えてみようみたいな試みをやってみることで、自分の技術の確認がしたいからなんです。

 

自分が打つボールには

・打つコース

・ネットを通る高さ

・ショットの威力

・相手コートに入る深さ

・軌道やバウンドに影響する回転

の5要素をコントロールすることになります。

コートは広いので、狙うのはエリア。コースや高さは、回転をかけて軌道を作ることで、だいたいあの辺を通して、ということになりますし、その軌道の先が付加さになります。相手に取れるようにするのか、相手にミスをさせるようにするのかはショットのスピードを変えることでラリーのリズムを変えることになります。そういったものの影響で打ちやすかったり打ちづらかったりするショットを考えることになります。

 

できることなら、自在になりたい。

 

そこで、スピンがかからない人には、ラケットは振れるしボールはちゃんと当たるし、スピードもある。だけど、下から上に振ってるんだけどスピンがかからずに吹っ飛んでいくようなショットに悩み、打ちたいんだけど弱めに加減して入れにいったり、低く打とうとしてネットしちゃったり浅くなったりして「思ったように打てるようになれれば…」って思うんだと思います。

ラケットはボールに当たる時に、普通、ラケットの縦軸(長辺)は地面に対して水平で、ラケット面は地面に対して垂直をイメージすると思います。基本ですから、それがコートに入れる一つの条件。フォア打点

それで、そうやっているつもりでも…

ヘッドが上がってくる癖がある

インパクトの瞬間に手首で面を作る癖がある

などの理由でスピンのかかりづらい形でボールを捉えている可能性があります。そしてこれらの大概の場合は打点をもっと前に取るべきだったりします。

腕に力を入れたようなインパクトの形と、インパクトに強い腕の形とはちょっと違います。どうしても速いスイングなんかにイメージがあって、腕に力を入れてインパクトしようとするとこうなる。

ヘッドのスピードが出るところはそこではないのですが、そう思い込んでいる場合が多いですね。

スピンをかけて、軌道をいちど持ち上げるようにして、ネットを越えてからしっかり落ちるような、力強い弧を描いてコートに入るような軌道のボールを打つには、まずグリップを上げるようにしてインパクトの位置にスイングを入れるようにします。

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上の写真群はストレートアーム型のフォア、そしてこの錦織とジョコビッチはベンドアーム型のフォアハンドです。肘が曲がってくるというのはグリップが厚くなれば自然とそうなりやすいものなので、この差は握りの差で生まれるものが一般的です。

この写真を見れば、フォアハンドストロークのスイングが、「ヘッドを下げて、上げる」というスイングではなくて、インパクトにはグリップを上向き方向に持ってくるという意識でやると、インパクトまでヘッドが下になる形になります。

垂直面を保ちながら引き込むように体の中心に引き込むようなスイングをしてくる方が、面を保っていやすく、当たった後にヘッドが上向きに回りスピンがかかります。イメージだけを追ってネットの方に腕を振ると面がブレていきやすくなります。

ストレートアーム型の中でも同じことが言えますが、こちらはグリップが薄いタイプの人が垂直面を意識すると肘を伸ばしていくようにした方がヘッドのスピードが出るものです。意識はヘッドが先に上がらないように、やはりインパクトではグリップの方を先にあげてくるようなスイングをしながら、面を垂直に残すイメージですね。

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フェデラーやナダルは、握りそのものは比較的薄い方ですが、グリップエンドが手の中に入るように長めに持つことでヘッドの動きをフリーにしているという特徴があります。普通のイースタンフォアの握りでは、この位置で手首を面の垂直のために傾けてもヘッドはこの写真よりも上になります。その辺の解説は細くなりすぎるのでまたの機会にしますが。。。

 

ということは、インパクトの段階でヘッドが下=ボールは上に飛びやすいということになります。

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この写真を見れば、手首よりもヘッドが上がっていることからスライス系のフラットに近いようなショットを打ったんだろうな、ってのは見て分かりますよね。相手コートで滑っていくようなショットを打ったのでしょう。おそらくボレーではなくアプローチショットではないでしょうか。

スイング方向は、握りと密接な関係があるので、今度気が向いたら(書く時間があれば)簡単なスイングと握りの良いところの発見方法を紹介しようかと思います。

フェースが地面に対して垂直=でネットすれすれの低めのショットが入るとして、

ヘッドを下げてインパクト(グリップをあげてスイング)=軌道は高くなる

ヘッドをあげてインパクト=軌道は低くなる

同じようなスイングプレーンで、インパクト前にヘッドが上がってしまうような人は、ネットミスが多いか、浅めに落ちるスピンが多いと思います。そういう癖を保ちながら深く打つには、すごい高い軌道になるようなスイングに変えて、ショットのスピードはその分落ちるはずです。

 

タテのラケット面は、ボールが下に飛びやすくなります。

飛んでくるボールが水平に飛んできたとして、ラケット面を垂直に、ヘッドを上にしてインパクトすると、当たった直後に少し下に向けて飛ぶようになります。ラケットの反発係数は1ならば、水平に飛んできて水平に出ていくと思いますが、衝突すればストリング面とフレームのしなり、ボールの変形などの要因によって減衰がありますので、ボールの勢いは弱まって跳ね返り、それで下に落ちるような形になっていきます。

ということは、ボレーの決め球でミスる人は、ネットより高いところから打てるのであれば、ラケット面をタテにして、ネットに当たらない方向にスイングすれば、ほぼ確実にコートに入ります。

体を前向きに回転させるような動きをすると、面の向きを狙ったコースに残すためにはヘッドが横に倒れ、その分腕はひねられる(スピネーションする)ために上向きに変わります。

体の方ではそれを自然に感じて、スイングを下向きにしますが、ヘッドの倒れ具合とフェースのひねられ具合によっては、下に振っても水平に飛んで行って落ちないショットになったりします。ネットの向こうのコートの長さは12mもないものですから、落ちない軌道(アンダースピン)の強いショットはベースラインの向こうまで飛んで行ってしまう可能性が上がります。

体と腕の関係がそのような形を作ってしまうのも、打点の位置をどうするか、という要素になります。後ろ側なら、腕のひねりが発生する前にできるので、体は前に踏み込みながら、腰と肩をひねって打点を奥の方にとり、面を安定させて、ネットにだけは当たらないように、そして面のタテ成分は狂わないようにしっかり持つことにすれば、ネットにさえ当たらなければ精度はともかくとして必ずおコートの中に落ちるようになります。

タテの面は手首の角度でストレートやクロス、あるいは逆クロスに向けることが容易になります。ヘッドを横に倒せば、むしろそう言った手首の形でコースを変更することが大変(変えた量に対して変化する量が多く感じることにもなります)になります。

ボレーの打点には奥行きが結構あって、前でとった方が良い形もあるし、前でとったせいでミスヒットになる形もあります。奥で取ればスピードは出せないことになりますが、安定することが多いです。そして結構正確に打つことができるようになります。それは腕のひねりを使わずに打てるようになるためです。

 

整理すると、いくつかの例として

飛んでいくボールよりもスイング(フォロースルー)が上に抜ける=ボールが落ちる

飛んでいくボールよりもスイングが下に入る=ボールは落ちない

ラケット面を垂直にするイメージでヘッドを下げる=軌道が上がる

ラケット面を垂直にするイメージでヘッドを上げる=軌道が下がる

のような、簡単なことを覚えておくと打球イメージが楽になります。

スイングを上に抜くには、打点が後ろではできませんし、その逆も然りです。

何しろネットの高さを越えることが前提で、そのあとのコートに収まる軌道を考えれば、ということになりますが。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 12:23 | コメントをどうぞ

テニスをする喜び

テニスにハマったのはなんでだったか。。。

ハイテンポで動く事と、自分がそのテンションの動きについていけること、その中で集中力がどんどん上がってきてなんでもできそうな気がすること、できるようになりたいと強く思うこと

そしてある程度打てるようになってきてからは狙った通りにプレーができるようにさらに挑戦すること、相手や相手の打ったショットを理解しようとすること

コーチになってからは自分が上手くなってきた喜びを他の人に伝えてわかってもらえる喜びや、上手く出来なかった時にどうやったらいいんだろうと突破口を探すことや、そういう悩みのうちにテニスに対する理解が深まったような気分になること

オタクであることを自認してからは動きの要素を取り出して自分の技術を見直したり、またそれがティーチングの材料になって役立ったりすること、試合をゲームとして捉えて真剣に遊べるようになったり、相手の心理や自分のできることを考えて常に前向きになる自分が上手くなったなぁと実感できるようになった時

 

だから、まだまだテニスに飽きることがありません。

上には上があるものだし、自分は到達度としてもまだまだなのでしょう。

ある程度のレベルまではボールもだいぶ自分のコントロール下におけるようになったと思いますが、ラリーのレベルが上がればそれも失われる。どのレベルまで自分が支配でき、やられてしまう時はどうすればよかったか?試合なら欲しい一球が打てた後に素早く行動に移せるかどうかのソリッドな感覚などはやめられません。

 

自分がすることとしてテニスを整理したい欲求があり、それが正しいこと?真理に近いことなのか?またはワタシにだけ効果のある理解の仕方であって誰でもできるような要素ではなかったのか?

コーチをやって、テニスに飯を食わせてもらっているので、できることなら真理に近づきたい。

真理を得られれば、ワタシに習いに来てくれるお客さんを、少なくとも正しい方向に導くことができる。

すぐに勝てるようになるわけでもないかもしれないし、あっという間にクラスをレベルアップできるようになることもないかもしれない。

だけど、自分の動きが理解できて、ボールを打てばどうやって打ったのか感覚的にわかるから責任持って打っているようになるし、自分で考えたプレーで試合ができるようになる。

相手がショットを放てば、瞬時に打点をイメージして、自分の打点が形良く捉えられるように「見え方」も変わってくる。

だから、自分で考えたプレーができるようになり、練習してもっと確実にできるように、もっと高いレベルでも崩れないようになり、上達を実感しながら長くテニスができるようになると思っています。

 

打ち方やテニスの仕方に悩んでいる人の、悩みは自分でも通ったところだと思います。完璧にクリアしなくても上の段階へ進めるのがテニス。

要するに、ミスなんていつでもどこでもするものなので、100%できるようになってから上のレベルへ、なんてことはないです。

ただし、ついていけないレベルでは、やはり何もできない。

それってボールの往来を見ていても、自分が考えたり判断して動いたりすることができないレベル。またはレベルを上げたつもりで早く動けば、動きを読まれて痛い目にあうようなレベル。

でもそういうことができる人がいるってことを知ってしまうと、また頑張りたくなります。

若い子たちが打ってくるものすごい勢いのショットを難なく返し、連続されれば取りきれなくて負けるとしても、ハードヒットはミスの確率も高いので、打てるボールをミスらなければ勝負になるし、その時にある程度強目とか深めにコントロールすることができるなら、自分がそのコートで渡り合える立場にいるという喜びがあります。

 

最近になってやらなくなった(と言ってももう10年くらい)ことが、細かく動きを止めながら注意することです。

動作はパワフルであったり、素早いものであったりするし、インパクトは一瞬です。ここで右足がどうでその後に左足がどうとか、やらなくなりました。ラケットを引いたら一回ヘッドを下げて、とか、やっちゃいけない指導だと思うようになりました。

レベルが上がれば、一瞬で通り過ぎることを、細かく見つめすぎても良くない。

インパクトへ影響することは一気に動き方をできるようになるまで動きの型をやっておいて、実際にその方をインパクトの位置とタイミングでできるかどうかが重要です。

バックスイングが終了した時点での型が、そのままフォワードスイングで繋がってインパクトまで影響します。スイング中に型を変化させれば不安定にしかならないし、インパクトの瞬間に調整できるものでもないからです。

だから、プレーヤーは個々に決まった型を持つようになる。

一定の法則に則った形の中であれば、個人の感覚と合うところを見定めて自分のフォームにすればいい。

手首の形で、ショットが良く飛ぶ形とそうでない形・ボールが高く上がりやすい形と上がりづらい形・回転が良くかかる形とそうでない形…がそれぞれあります。

 

初心者のうちにそこいらへんの、感覚さえ磨けばどうにでもできるようになる形を仕込んでおければ、誰かと一緒のスイングが合うこともあるし、自分の好きなスタイルを見つけることもあると思います。

ショットの技術は多様にありますから、多様に対応出来る型に入ってもいいし、不器用そうかもしれないけど相手の打ちづらいショットにこだわってもいいと思います。それは両方とも武器になることだから。

多様にある中で、小さな範囲のできることにこだわるのは逆にダメですね。

弱く返すだけとか、ロブに頼るとか、それしかできないのは返球率が上がったとしても、なかなか自信を得るには至らないと思うからです。ものすごく足が速くて、なんでも返せるという強みでもあれば別ですが。

 

 

テニスコートに立って、生き生きと動ける!ということを実感できるのがやっぱり一番の喜びじゃないでしょうかね。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:00 | コメントをどうぞ

考えること、時間を短縮すること

テニスの上達に必要なものって、この訓練することと、時間を短縮することっていうことをもとに考えていけばいいのかな、って思うようになりました。

技術に対する理解も、最初の段階ではある程度必要です。

要するに、最初は見よう見まねで形をまねしながら、全体のリズムを理解する。しかしたぶん、まねをされている側の「上手な人」よりはクオリティは落ちるはずです。それは「不慣れだから」という理由で。

その次に大事な要素は、「ボールが当たる瞬間」をいかにうまく迎えるか、ということをイメージし、実行する力を身に着けることです。

インパクトは一瞬で、ミスをするということは、ボールが当たる瞬間に結果として出ているものがそうだということ。テイクバックの段階でミスの要素が現れても、それ自体がミスではありません。そのまま要素を引きずって結局インパクトで面の向きが間違ったとか、真ん中に当てられなかったとか、タイミングがずれたとかの結果がミスにつながることになるからですが、そういうことはボールが当たる瞬間までに修正したりごまかしてミスにならない程度に収めちゃったりすることができます。

できるようになってみれば、正しいであろうインパクトのイメージから逆算してフォームをつくる、というようなものになっていると思います。

例えば基本的なラリーのペースで打ち合っているとして、再現性の高いフォームで打っていたとします。急にある一球が、相手がすごく速いショットを打ってきたときに、適切にテイクバックを小さくしてインパクトを狂わせないように調整できていれば、攻撃的に打ってきた相手のショットをうまくかわせることになるでしょう。

 

 

そしてテニスは打ち方を競っているわけでも、ショットの優劣を競っているわけでもありませんから、ゲームの中で自分のショットをどう使ってやりくりしていくのか、それもその日の調子や相手のテニスに合わせて最適を考えながら対戦していくものです。

ダブルスであれば、陣形やポジションを刻々と変化させながら相手の戦術に対応させていくことも必要です。

シングルスであれば、相手の得意のショットが出やすいポジションやペースに乗せるようなショットなどを打たないことや、自分がフリーで決め球を打てるように相手を振り回したりある位置にとどめておいたりなどの工夫が必要になります。

 

戦い方を考え付いたとしても、自分のテニスにその実行力がなければ思うような展開には持ち込めなくなりますから、状況を考えて必要なショットを打てるように自分を鍛えておくのが練習の意味かと思います。

苦手なショットを練習したり、得意なショットを広範囲に打てるようにしたり、ショット自体の手ごたえや、相手のショットに合わせるフットワークなど、課題をもって技術の習得に当たるべきだと思います。

練習といえば、うまくできないことを指摘されてなおされる、というのはスクールでよく見る光景ですが、最近(ここ数年間の)ワタシのレッスンでは「できるってことはどういうことか」を紹介して、ミスをしても修正することを考えるように反復練習と、シチュエーションを作ってのラリーからで状況に慣れる練習をする意識を強く持っています。

単にショット練習をする場、としてスクールのコートを使うのではなく、テニスコートに立ってボールを打てるときだからこそイメージがわくような練習内容を考えています。

初級でも上級でも、目的はゲームをすることと、ゲームを楽しむことだと思います。それはワタシのレッスンを受けてくれる人が逆のイメージをもつかも(ショットに詳しく説明がある)しれませんが、ゲームで現れる状況に対応が聞くように、一様なショットだけを身に着けるような練習はしないつもりでやっています。時間がかかることをわかって、半年とか1年とかのスパンでショットからつくりあげていく予定を立てていくような考えでやっていくのでそう思われても仕方ないかもしれませんが。

 

例えばシングルスクラスでは、もう4か月以上、球出しの後はサーブとリターンのラリーをしています。サーブのアップをしないでいきなりラリーになることも多いです。

というのは、試合の日に入念にサーブを打ちっぱなしの状態で練習できることは少ないからだし、特に男性のゲームはサーブかリターンかの出来が良いだけでゲームの結果の多くを支配することになるからです。

サーブがすごく良くて、相手のリターンが甘くなるなら、ポイントのペースをつかむことがしやすくなりますし、サーブ自慢の相手をしたときに、リターンが確実に返るとか、セカンドサーブになった時にはきちんと攻撃的に先手をとりにいく意識ができるようになれば、ブレイクのチャンスが広がる…そういうことを想定してこのメニューをずっとルーティンにしています。

というのは、こういう場面ではこうしましょう、と何回かレクチャーしたところで、すぐにできるようにはならないからです。

できちゃう人は、もともとそういう意識でゲームができていた人だし、ある程度かそれ以上勝ちにこだわっていた時期がある人だと思います。

スクールに何かを「教わりに」来ているひとは、最初から最後まで教わったらできるようになると思っている人も見かけますが、実際には自分自身が意識して状況を見て、そのうえで瞬時に判断して決行しなければ、イメージしたような美しいポイントは取れません。

教わった時に教わったことをやるのではなくて、「いつもやっているあの練習だな」と、もう考えなくても分かるようになるまでやりこむことで、自分自身がどんなプレーがしたいか、ネットの向こうにいる相手でそれができるか、あるいはその相手だったら自分が勝つためには何が必要かを判断できるようになるまでは慣れるための時間が必要だと思います。

人間、刺激があることで記憶が鮮明になるということも考えなくてはならないので、そのあとのメニューで変化やポイント形式にするなどの毎回違う項目を追ってもらうことで、さらに自分がどんな時に何ができて、相手に何をされると弱くなったりするのか、イメージに残してもらわないといけません。

 

ダブルスであれば陣形をまず作っておいて、そこでこのコースに打ったら相手はどうするだろうか、ということを考えるようにシチュエーション練習を行います。

その前に基本的なカバーリングの動きがわかっていなかったり、前後の位置の意味が分からなかったり、狙った通りのショットを打てなかったりするので、ダブルスのクラスではテニス自体の基本練習から、陣形にテーマを持たせて自分(またはペアの)ショットがここに入ると相手はこうしてきやすい…などのイメージをもたせます。

入った場所が同じでも、速かったり遅かったり、深かったり浅かったりすれば相手の対応は変わりますから、お互いに立場を交換しながらできることとできないことを判断しながらやればいい。

空いたスペースが見えたからといって、急いでそこに打ったら狙ったコースのアウトまでボールが飛んで行ったりすることは本当に多いです。要するにやりたいこととできることのギャップに頭が追いついていない。

バックハンド側にチャンスが来たからといって、思い切り打ったつもりでもそんなにフォア側のスマッシュみたいなショットが出てくるわけじゃありません。大振りをしてしょぼいショットが相手に取られて、次の構えができないうちに逆襲を食らうことだってすごくよくある光景です。

決まっているのは最初の一球だけ。それは狙った通りに打てなければシナリオが始まりません。そのショットが強く入った時に相手ができる対応と、やっと入ったような弱いショットの時に相手ができる対応が違うこともすぐにわかるはずです。

教わったことをやろうとするのではなくて、相手がスマッシュの構えをすれば強烈なショットに覚悟を決めなければなりませんし、バック側にツーバウンドぎりぎりのところを届くようなときには相手の上げたチャンスに向かって高い打点で攻撃できるように用意できなければいけないと思います。

 

訓練していくことで、状況を見てから判断・反応するまでの頭の中や身体の動きの処理を早くしていく必要があります。

 

相手が何をしてきたか、自分が打ったショットが相手に何をさせることになるか、見ていて想像がつくようになるには、いろいろな相手からデータをとりながら、自分のできることの範囲を知ることがどうしても必要になります。

言葉で言い表せなくても、なんとなくでも次の対応に向けて動けるようになっていなければ、いまいるレベル以上のステージで戦うのには不足している感じがどうしてもしてしまうでしょう。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:15 | コメントをどうぞ