日別アーカイブ: 2016年7月20日

迷うステップ=スプリット・ステップ

スプリットステップについて悩む人が割と多いという事は、コーチになってからほどなく分かりました。

だからワタシにとっては結構コーチとして「やらなきゃならない項目」だってことはわかっているんです。

で、かなりめんどくさいのもこういう項目。

教わりに来る人は、腕やラケットの使い方に悩むものだと思います。固定観念になってしまうのはワタシにとってお客さんに申し訳ないことなので、そういうテストをやる事が多いとかで、大丈夫な人ときちんと指導したり声を掛けたりした方がいい人とは判断するようにしています。

とはいえ、「打ち方」を教える段階では、気をつけてもらう動きは他にあることが多いものだし、そういう課題の時にはオープンスキル、何が起こるか分かっている状況に対してのフォーム作りになることが多いので、その練習の時にスプリットステップは必要ないものになります。

動作を最初から教える時に、スプリットステップをしてから動きの順序をすべて追ってもらった方が実際の動きに役立つものです(相手が打ったのがみえた→自分のインパクトのタイミングまでの時間にできる事を感じるために)が、球出しや、最初の一球がどっちに来るのかわかっている状況ではスプリットステップのタイミングをきちんとすることは難しいことかもしれません。

 

 

学校の名前は忘れてしまったのですが、ダブルスの強豪校で有名な高校の、ボレー練習を紹介した雑誌の記事があって、その練習を「ハンドボレー」と言うそうです。

コーチは球出しをして、わざとネットに当てます。だから打ち返すような球出しではありません。

プレーヤーは球出しとタイミングを合わせて、一歩踏み込んでラケットでネットを叩きます。

ネットの白帯を叩けばよく、フレームのエッジでトンカチで叩くような恰好でよい。

記憶はそこまでだったのですが、レッスンで紹介した時にやったのは、そこから段階を踏んでいくことにして、

球出しはネットに当てるままで、フォア側かバック側へランダムに出し、プレーヤーは左右を正確に判断してネットを叩く。

この練習、「ボールを上手く打たなきゃ」というプレッシャーから解放しているので、すごくよくボールを見ることになります。相手のラケットの動き、飛び出た瞬間のボールの方向、ボールの勢いや高さ・・・プレーするときに判断しなければならないことを瞬時に見分けます。

実際に打球するのはこの後。

自分がしっかりボールを見たうえで、ラケットをつかう、という項目のみが残っているので、複雑さが無くなり、動作や判断がシンプルになります。

一歩踏み込んでネットを触る、という動きを最初に要求されているので、早い人ではネットを叩く練習の左右の判断のうちに、そうでなくてもほとんどの生徒さんが、打球する練習の内に、スプリットステップを取らざるを得ないようになります。

相手が打つ前に、まだどっちか分からないから、迷う。それがスプリットステップになります。ジャンプすることではなくて、どちらへでもスタートできるようにするためのステップ。

 

1分くらい続けて打球の練習をすると、太ももがかなりキます(笑)。

でも、それでいいのです。ボレーの高度なラリーをするときは、必ず太ももがヤバい感じにキます。

ダブルスで、前衛がポーチに素早く出るには、そのくらいの構えと反応が必要になります。

あるいはポーチでなくとも、前衛側にボールが来た時に攻撃的に返せるようにしたり、それ以前にも油断なく構えるという意味では「まだ打たれていない」うちに準備の動きをし、相手の打球の瞬間に反応が正しくできるようにスプリットステップを踏むことが出来るようになります。

ちゃんと癖がつくまで鍛えれば、ですが。

反応の早い状態が作れるのなら、相手と距離のある、サーブ&ボレーなどのファーストボレーでも、あるいはストロークでの動きの中でも、そのステップの後の動きにゆとりが出るようになります。時間的な猶予が出来るので、あと一歩、それとどこを狙うかの判断などに役立ちます。

もうひとつ効果があります。

ポーチに行けそうなコースにボールが来ると、反応は出来るんだけど上手く足がでなかったりしてギリギリ届かないようなケースになってしまう人もいますが、これって下半身が伸びきってしまって移動が出来なくなっているケース。

反応しようとして全身に力が入るんだけど、それで一瞬でジャンプしてしまいます。それが、腕を振るための力と一緒になると、腕を横に延ばしてもジャンプは真上に飛んでしまったりして、腕が届かない。

必要なのは股関節にきちんと力のタメが出来ていることです。骨盤に向きが出来ていることでもう一歩がボールの方向に正しく出せるようになります。

ハンドボレーの練習で踏み込んでいくように作っていくと、伸びあがりではなくて沈み込みの要領でボールに近づく癖が付きますので、こちら側の意味でも良い練習だと思います。

 

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:49 | コメントをどうぞ