メンタルを鍛える前に

一般のテニス愛好家、というレベルで試合をして、よく「メンタルが弱くて」っていうのを耳にしますが、競技レベルの人のとは違うんだろうなあと思って聞いています。

ただ、本質は同じなのかも。自信のあるプレーをどれだけ自信があるか、っていうのが差なのかな、とも思いますし。

インカレ経験のある、ジュニア時代は全国区だったという風早コーチと知り合いになったばかりのころで聞いた、印象に残った一言があります。

「さすがに相手のショットが強くて押される、ってことはもうそうないですね」

いまさっき私は彼のショットが強すぎて、まったく手も足も出なかったんですが、例えば相手が外人のプロ選手でも、ってことなんでしょう。そりゃあ物理的に無理なショットもあるし、突然流れを切るようなハードヒットをされれば、それはリズムを狂わされた、という意味でミスをすることがあると思いますが、彼が言うのは自分の打てる態勢で相手のショットを見たときに伸びてきてヤバイ、とか弾かれてコントロールできない、ということは最初のうちにあってもアジャストする方法というか、対処ができるという意味なんでしょう。

コートに立って相手のことが怖くない

自分のミスを先に心配せずにコートに立っていられる

相手のテニスをイメージして自分のテニスをどう生かすか、勝つことを前提にいられる

 

などの部分が競技者の場合にはものすごく強く、しかもわざわざ焚きつけるようなことがなくても試合になればスイッチが入るとか、そういうことなんでしょうね。

私自身、アルドールの事業所対抗戦には毎年出させていただいて、それもここ数年はまったく勝っていないんですが、見ていた人からは「楽しめました」とか「励みになります」みたいなお言葉を頂戴するんです。

その中で、よく「メンタルが強いんですね」って言われることが増えてきたんですが、自分ではその逆。

試合前は手のひらが汗びっちょりになって何度もトイレで手を洗ってたり、最初のサーブなんかヒザが震えてます(笑)。お客さんの前で自分のプレーをするのってすごい緊張します。

だけどそうやってみられているっていうのは、試合中によく笑ってたりとかいうのと他に、いつも見ている永木コーチがそのままのプレーをしてる、ってことなんだと思います。だから勝ってないのは、実力通りだと思われてる?そうかもしれない

 

練習という練習をする機会が最近はほとんどないんですが、レッスンでは固定の位置でお客さんと打ち合うし、そういうシーンで(コーチなんだから)自分のショットがコントロールを失うことはあってはならない。でも実際は打ち負けることはあるし、イージーミスだってします。

試合でもそうですね。

なんとなくラリーしているときって相手を狙ってラリーをつなげに行ってますし、相手も自分の方に打ってくれると思ってコートに立っています。

試合の時はそれが逆。そしてそれが両方とも怖い。

つまり自分が相手のいないところに向かってミスらないか、相手が自分の取れないようなショットを打ってこないか?とても恐れています。

それで練習をどう活かせるのか?

若いころは自分でもわかりませんでした。スクールにいれば、上手に返球できるようにすることでコーチもお客さんも満足すると思っていましたが、その生徒さんたちが試合に出ています。成績が思うようについてこなかったりもするわけです。

試合のコートでは、やっぱり「自分にできること」をできるだけ最大限にして出来続けるようにしていくようなテニスになると思います。

自分はうまくなったと思いたいから、それ以上のシーンで「出来るはず」に期待して無理を承知で打ち込んでみたりします。一本入ったけど三本ミスしたりします。そうやって負けて、メンタルが弱かった、なんて言ったりもします。

イメージと手ごたえが一致するときに狙った通りのショットになったという手ごたえがあるはずなので、集中するとすれば、自分側ができることといえばそれが最大のトピックスになるはず。

もう一つの集中はネットの向こうにいる相手に、ですよね。どんな性格で何が得意なのか、追い込まれたらどうするのか、チャンスの時になにか攻めるパターンが決まっているのか?しっていれば対応もできようってもんですからね。

 

そこに次のポイントはどうするか、考えるのと実行するのが忙しい間は、弱気になっている時間じゃないことが分かります。

攻め型のテニスをする人でも、守り型のテニスをする人でも、勝ちたいときは強気で自分のプレーを貫くはず。

 

その自分のプレーがなんだか?わからない人が、一般レベルではメンタルのことを言い訳のように使っているような気がしてなりません。

実力を出し切って勝てない相手なんて、ゴマンといますよね。だけど試合って楽しいじゃないですか。そこから入ったほうが続けられるし目標も作りやすいんじゃないかと思います。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:43 | コメントをどうぞ

乱打練習

乱打。

好きですか?嫌いですか?

私は乱打、好きなんです。自分に求めてるものがあって、乱打しながらその状況になるのを待ったりします。

乱打が嫌いな上手な人って、ゲームにするのが好きな人。こういう人は自分に戦術があって、できることをゲームの流れで確認したいんだと思います。勝負している、というプレッシャーは生で感じられますし、ポイントを取る為のラリーって独特のリズムやテンポがある。

このところ、私のテニスコートでのテーマは、「リズム」と「ニュートラル」です。

自分自身もそうだし、生徒さんにも課題として課しています。

出来るかどうか、っていうお題じゃないですよね。意識し続けられるか、というもの。

リズムを大事にしているので、私は乱打がしたいんだと思っています。

乱打って相手との共同作業ですが、自分のペースでリズムよく打てる人とは、長くつながります。相手のリズムに合わせながら続くようにすることも出来るし、速いペースや遅いペースに自分から課題を作って自分の思った返球が来るように作る事も意識します。

打球の「間」を自分なりに作れるときには、ほとんど狙った通りのショットがだせる。

だから、相手のショットからその「間」を取り出せるかどうかが乱打からだったら、いろんなことを試しながら自分をボールにアジャストさせていくことができるようになります。

 

だから、その後にゲームも必要になります。サーブや色んな球種のバウンドに合わせながら自分の思ったような展開が作れるかどうかはとてもスリリングな練習になるし、さっき書いたように、リアルなプレッシャーに晒されていると感じながらプレーを楽しむことができます。

知っている相手、何度も手合わせしたことのある相手とのゲームでも、それなりに戦略を使って考えてプレーしますし、初めてお相手してもらう相手には、なおさら観察してプレーを知る必要が出てきます。

そのときに、必要なのは目で見ること以上に、自分のプレーがアジャストするかどうかですから、リズムは非常に大事な要素になります。

アジャストしたからといって、適当にオープンスペースにガンガン打っていったところで、やっぱりミスをしますね。狙っていくのは広いコートの端っこになりますから、どうしても精度の問題が出てきます。

そこを狙ってもコートの枠内に収まるようにするってことは、攻めるショットだからといって思いっきり打つのではなくて、絶対に入るように打つこと。ゆるく打てば入るような気もしますが、力を抜くっていう事ほど難しいことはない。

ボールをしっかり見る事も正解ではありません。自分の形にし切ること。自分が崩れるのは、速く決めちゃいたいとか、その続きを考えないで打つから。

普段のラリーで余計なミスをしないのは、入ったショットのその次の為に構える事も出来るリズムがあるからです。

勝ちに行くけど、決まるとは思わない、くらいの方が私にはちょうど良く、乱打の中で出来るリズムをよりシビアにしながら待つように心掛けています。

なので、攻めているようで手堅い、守っているようで強気、という感じでニュートラルを意識した練習が役に立ちます。

どちらも自分のショットとして完成した形でさえ打てれば、そのシーンは活かすことができるかもしれません。

きちんと踏み込んで、タメを作って・・・っていう完璧な形が出来ればいいですが、ディフェンスの時などはそんなこと言ってられない時もあります。

だけど、ラケットとボールが当たる手ごたえだけだったらどうにかなるようにしたいものなんです。自分の信頼できるタッチでボールが触れそうなときは、出来る限り次に繋がる為のいいショットになるように当てに行きます。

乱打、というのはお互いに繋がっている方が楽しめるものですが、抑揚は無いわけではないですね。かならず「思ってもいないようなショット」が言っちゃうことがあって、一定のリズムを続けられなくなってきます。それを元に戻すのも、自分のペースってどんなものか知るいいチャンスだと思います。

そういうときがニュートラルを意識する時ですね。

ゲームで役立つのは、苦しい場面でも打点を自分のモノにする癖がつくってことですから、繋げるための乱打でも、常に狙った通りのショットを描くようにすることでパスを抜くようなシーンでも自分のショットが信頼できるタッチが出せるようになると思っています。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:25 | コメントをどうぞ

リズムを変える

前回記事にでてきた、B・ギルバートの言っていた、「リズムの無いボールを打たせる」って、テニスができるようになればなるほど意図的にそれをするのが難しいように思えます。

打つのがうまくなればなるほど、自分のリズムでボールを打てるようになるわけで、打球動作に狙い通りのショットが打てるリズムがあるってことは、ボールにもリズムがのってしまう事になる。

だから、自分のショットの「打ち損ね」みたいなやつの方がリズムは崩れているはずで、それを意図的にってのはけっこう難しい。

・・・自分からしてもそうでしょうし、相手側から見た時にやっぱりそうなんじゃないかと思います。

 

バックハンドを攻められた選手ががスライスで深めに打つと、球が遅くなっている割には相手がなかなか打てなくて戻る時間ができます。

ドライブでゆっくりした深いボールは、弾道が高くなるので、それが分かっているんだったらバックに強く打った後はネットを取りに行けば強くは打てない相手が高めの弾道のショットを入れてくることに期待が出来るってものですが、スライスの軌道は低くても深く打つことが出来るので、ネットを取ったからといってそこでフィニッシュという結末に結び付けにくくなる面があります。

落下しながら飛んでくるボールが、肩の高さよりも低くなると気って、あんまり攻撃的なショットが打てないものです。ドライブボレーをするには準備の時間が足りなく見える(弾道が低いと速い球にみえる)し、持ち上げて落とすにしても浅くなってしまっては決まらないかもしれない。スライス面でボレーカットするとしても、余計にもう一本プレッシャーをかける必要が出てきてしまいます。

そうするとスライスで切り返された相手としては、さっきの攻め球は無効化されたような感じにもなるわけですね。

これ、そう思って私もスライス得意なのでやるんですが、打ち頃のボールになって余計にひっぱたかれた経験もザラにあります。

リズムの良い球が行っちゃったんですね。

これには二つ、考えなきゃいけないことがあります。

一つには、自分の打つタイミング。ボールを落として自分の方に時間を作りすぎると、相手が十分に構えて打ち込んでくる体勢になりやすいものです。狙われた状態になってしまう、という事ですね。できればライジングというか、速いタイミングで遅い球を深く打てるようにすると良いんだと思います。

もう一つは、相手の前にはノーバウンドの落下中の軌道が迫ってくるように見えながら、前に行ってもせいぜいワンバウンドの地点とか、地面すれすれになってしまうタイミングで相手の前に落ちるような軌道が欲しい。

要するに高めに上がるようなショットを打ったとしても、タイミングが早ければ相手は軌道の高い位置に入ることは出来ず、後ろで待っていることを選択しても結構深く入ってきて、その割にはボールが(バウンドが)死んでいる、という感じにすることでさっきの気持ちよくはなった攻めボールとは違うリズムを要求されることになってしまいます。

そういう球がリセットボールになる。

つまり、もう1ラリー生き延びられるショットになります。もしも次に相手が返球を入れてくるだけにしてくれれば、逆襲のチャンスにもなります。

相手が攻めてきている状況でなくても、こういうショットでリズムを変えることをすれば、遅めの球を打つ以上コントロールにこだわれるようにして、そこを起点に自分の攻めパターンも作れそうなものですね。

私の場合だと、スライスを使うパターンとしてはバックに来た球を相手がベースラインの中に少しだけ入らないと取れないような位置にクロスへ返して、低いバウンドをすくいあげてくれたら自分から中に入ってその逆へスピンで高く跳ねる球を、なるべく遠くに入れに行きます。それで諦めてくれるプレーヤーなら何度も使えるし、それを拾うような相手だったらネットを取りに行きます。

 

攻撃の起点がフォアを狙う、と思われやすい、ズルくていい手だと思っています(笑)。

とくにフォアを得意にしている人のフォア封じに、バックの遠い所っていうのを前のめりにさせるっていうのは効果があるだろうと思っています。ただし勇気がいる。狙い打たれれば踏み込んできて強打されるとか、待っていない角度のショットで決められかねない。

まあ、うまい人はいくらでもいるので、そうなったらそうなったでそういう作戦を見せつつ他も頑張るってことにします。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:35 | コメントをどうぞ

ラリーのリズム?

時間と空間の話と繋がるものだと思っていまして、より具体的に体験している物かな、と思うのがラリーのリズムや、テンポです。

いまのところはコレの感覚が良い人が結局はテニスがうまく見えます。自力で制御の利く人は、きっと試合とかでも活躍できると思います。

球が速いから強いわけでもないし、粘り強いから強いってことだけでもない・・・いやいや、そういう要素を持っている人が、自分のリズムでラリーを支配できる時にすごく強い人な感じがするってこと?かなと思うようになりました。

リズム、ですから、ラリー中に途切れることがありません。体の中でそのリズムと同調できているとしたら、やはり打った後の動作や、打たれたすぐ後の動作が良い動きなんでしょう。

「休むな!動いてろ!」みたいなことをコーチはよくプレー中に声を掛けますし、私もそうしますが、それってそこの部分がかなり大事だからなんですね。

※           ※

読んだのはもう結構前なんですが、ブラッド・ギルバート著の「Wining Ugly」を読んだときに、彼の現役時代(最高でATPランキング4位)のプレーの中で、「リズムの無いボールを打たせる」とか書いてあったのが、何となく意味が分かるけど意図的にそうさせるのって難しいなぁと思っていたんです。

初心者同士の続かないラリーって、リズムがない。打つ方は一生懸命ボールに同調して打点を合わせてくると思いますから、それなりにリズムもあるだろうし、ボールがいったんラケットから飛び出したら相手コートまでの時間は設定されたようなものです。

問題なのは、構えている相手側の方。それまで「はーい、〇〇さん、いきますよー!」からはじまるボール出しのボールに覚悟を決めて教わった通りに動きをトレースしていくようになったばかりですから、相手が打つところのどこに向かって何を合わせればいいのか、そこから不安定なわけですね。

初心者から始めても、差が出るのはそこ。似たような運動経験のある人とか、そういうリズム感を持っている人は続けられると思います。コントロールは良くなかったとしてもコートに入れられたりとか。そうでない方の人が対応が遅れて、ちょっと大きいと差し込まれてボールが飛ばなくなったり、ちょっと短いとツーバウンドに間に合わなくなったりします。

 

走らないでだいじょうぶな距離でワンバウンドしたボールを上手く打つときと、走っていったところで同じように打つことは、リズム感がある人にとっては、ボールが飛んできて、弾んだらそのあとでヒットする、という事は同じことなんですね。

要するにボールの動きは自分から近かろうが遠かろうが、打ってからネットを越えてきてこちら側のコートで弾んで打てるようになる、という事は同じリズムに見える。

それが、自分の動きの中で消化しているだけの人だと、打つ前にラケット引いて、バウンドしたらボールをよく見て、今だと思ったら力を入れてラケットを振る、みたいな感じで動きを制御してるんだと思います。その中に「ボールの位置まで走る」というめんどくさいことをどうやって組み入れたらいいのかが分からない・・・というか分かるけど上手くできない?ってことなのかな、と。

 

 

上達した後でも、それと同じような、もうちょっとハイレベルなことで、やっぱり差が出る。

アガシが活躍してきたときに、その前の世代でクリックステインという10代で突然出てきて脚光を浴びた選手がいたんです。

練習コートのサーフェスが傷んでいて、凸凹していたらしいんですが、イレギュラーバウンドにすごく強くて、まるで普通のコートでやっているようにしか見えないアガシに対して、クリックステインはバランスを崩していかにもやりにくそうに顔をしかめながら打っていたそうです。

体幹がしっかりしていて、打点の幅がある事と自分のリズムを失わずに打ち返せることと、ライジングの目で見ているのでバウンドへの対応がものすごく早くできる能力なんかが、アガシにはとても高いレベルであったというエピソード。

自分の所にくるボールがいつどこに来るのか、その予測が正しいことと、柔軟に動ける細やかなステップ(動いていないように見えたとしても重心をシフトできるとか)で自分の位置にある時のボールを正しくヒットできるという事なんだと思います。

 

私もオムニコートが主戦場になって、最初の年はイレギュラーバウンドにけっこうやられましたが、視野を変えたり、油断せずに姿勢を保ったり、バウンドの変わる方向へも対応の利くスイングを覚えたりしていくうちになんでもなく返せるようになった部分はあると思います。

それって試合の時にコートサーフェスが変わるだけで上手く打てなくなっていた時代から見れば、私の中では大きく進歩したと思える事でした。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:21 | コメントをどうぞ

時間と空間・・・の例

前回記事の図説?を簡単なものからパターン図として作成してみました。

・・・申し訳ないですが、手描きです。

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これは、図の下が自分、という目線で(上が相手)ベースライン上を守る立ち位置と、少し下がった立ち位置での見え方の違いが時間の感覚も入ってくるものなんだという説明?みたいなものです。

下がるとドロップショットを拾えない、なんていう心配もあると思いますが、後ろに下がったらそれ以上下がる事は先には考えないでそこから前に行く前提で相手が打つところを見よう、ってことです。

相手が打った瞬間くらいに、ショットの勢いとかを見てどのくらい走る事になるかをみれるようになれば良いんです。。。ボールが飛んでくるもの、という目線の人には難しいかも知れませんが、本来カバー範囲の広い人の目線は、自分がそのボール軌道のどこに向かって走ればいいのか判断するのが早いものです。

 

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相手のバックハンドに向かって強打しようとする時に、バウンドのキツい高い弾道のショット(スピードは重視しない)を使うか、速球(低い弾道のフラット系)を使うか、という選択はその後どんな影響を考えるべきかという部分。

速いショットを打つと、相手が取れない、と考えやすいものですが、相手ってのはそのショットを取るべく必死で走るものなので、大概拾われます。

そう考えると、速いショットを相手が取るってことは、その間の時間は短いって事になりますね。決まらないうえに自分の時間が短いわけで、速い球を打つならコートの中に入って、少しでも距離を短くして決りやすくするとかの条件が必要になります。

ここではフォアに回り込んで逆クロスに打つような形を想定して描いています。あらかじめ中に入れるような、アプローチショットのような状況でなく、回り込んで得意とするフォアを使って、という状況です。イーブンのラリーからそこに活路を見出すべく回り込んだ、ということかな。

人間の眼は横に二つ並んでいるせい?かもしれませんが、低めの真っすぐにはは突っ込んで来れるんです。

縦方向へのバウンドのキツいボールには、スイングの形と飛来する軌道とが合わないような気がして下がってる調整することが多いです。

高いバウンドのボール、というのは軌跡が長くなるわけですから、力いっぱい打ってスピンを多量にかけて、バウンドの効果で相手を下がらせたいという意図のあるショットを打ったという事。速度で決めに行くのではなく、相手の動き方をこちらが制御しようとしてる、という事になります。

後ろに下がって行きながらのバックハンドってなかなか強打しようにも難しいし、背中向きになるような感じもあるので、ストレートにもクロスにもライン側を狙えるような気はしないものです。

そこで、ネットを取ってあっさりオープンスペースにボレーで攻撃しちまう、というのもありですね。相手が両手だったら、浅くなるショットを期待するとか、ロブで逃げてくる(後ろ向きからスイングの長さが取りにくい)ことも考えておきます。

片手打ちのひとだったら、スライスでペースを作ろうとして来る可能性も考えておきましょう。

でもネットを取ってしまったら、できるだけ一発で仕留めたいですよね。ドロップショットでも十分な効果があると思いますが、踏み込んで行って相手に後ろを守らせるくらいの演技ができると良いかも。

 

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フォアのクロスラリーから何かきっかけがあれば、そのほかのコースへ展開したいと考えている場合。

クロスといっても狙い通りにいつも打てるわけでなく、たまたま行ったショットとか、コースの良さよりも強く打てることで優位に立てることも考えると思います。

空いているからといってクロスの次はストレート、というのがうまい人もいるとおもいますが、両方とられ続けると一体どこへ打てば良いのか、とくたびれて来る事になります。

だからこそ、クロスラリーを制しておいて優位にたって堂々と展開を先にできるようにしたい。ストレートへは決め球を打ちたいし、そういう武器をちらつかせられれば逆をつくことも効果が出るようになります。

 

どこへ打てば良いのかをパターンで考えるのではなくて、自分にできる事と、相手のこともイメージに置いてラリーに臨むようにすると、無理してリスクを負わなくても良い時に、しっかり打って絶対にはいるボールを自信持って打ち込み続けられるようにすることが大事な事になって来ます。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 00:23 | コメントをどうぞ

時間をつかう

テニスはよく、「時間と空間を奪い合うゲーム」って言われますね。

技術的に使える武器がはっきりしてくれば来るほどその要素は強く感じますね。自分がどれだけのレベルに到達しているかは置いといて、良い見本ならあちこちにいるわけです。

強いショットを持っていても勝てない人もいるし、逆にそういうキラーショット的な必殺の武器は見た目ないけどものすごく強い人がいて、ああ、テニスって安定感が必要なんだなと思ったりします。

けど自分のテニスに安定感を求めて試合をしても、ぜんぜん勝てなかったりしますね。玉の速い人にボコボコに打ち込まれて取れずにおわる、みたいな。。。

そこのところで必要なのは、その人によってちゃんと「勝ち方」を身に付けておく必要があるんだなってことになりますね。球が速いだけでもダメなんだし、遅いだけでももっとダメかも、って私自身は思ったわけですし。

そうすると後考えていなかったのが、どんなショットが必要か、でなくてコートとボールト相手をどう扱うか、という事なんですね。

コートは空間。相手は時間と心理。ボールは技術。そのキーワードが合わさって使い方を考えるといいんだなと。

 

 

自分は時間をもらって、相手からは奪いたい、というのは言葉だけでそりゃあそうだろうな、って思うと思いますが、具体的にはどうやって、というのが?になりそうですね。

そこでその問題に上がってくるのがコートの広さです。

コートを広く見ていられる、という事は相手がどこへ打っても対応できる幅を広げて待っているという事になります。だから相手がどこへ打つか分かりにくい時は相手から離れた位置に立つ(時間的なゆとりが出来て走っていける)。それでも守備範囲には自分なりの限界はあると思いますから、オープンスペースはどうしてもできます。そこは捨てておくけどなるべく狭く見えて、相手が狙いたくなってもむつかしい所になるようにしとけばいい。

テニスコートは縦長ですから、真ん中から打った時と端っこから打った時とで平均したボールの角度が変わります。どこへでも打てるわけじゃなくて、真ん中から打った時に狙いやすい所、速い球が撃ち込みやすい所と、端っこから打つときに見えるコースとは違うようになるはずなんですね。

ネットを取るとしたらそうやって、相手がまず「コートに入れなきゃ」と考えることを前提にしたらどの範囲が有効か、そして自分の反応できて移動できる範囲はどのくらいになるかが分かるようになればポジショニングはむつかしくなくなります。

きっと正しいポジションがあるんだ、と思い込んでいる人は上手な人に「どこへ立つといいのか」を聞きたがると思いますが、それって相手に聞いた方がいいことですよね。

その相手がどんな人か?むつかしいことに挑戦するのが好きな人か、手堅く余計なミスをしない事を主に戦う人か?それだけでも傾向は変わりますね。

かといってどこへ打つのか聞く手段はありませんから、観察するべきなんです。ということは何ポイントか取られる覚悟で自分の作戦を考えていかないと、欲しい所でポイントの取り方を誤ります。

かまえた段階で相手がまだ打っていないのが見えるくらいの時間的なゆとりを持つようにしましょう。それで自分がどこからどこまで、どのくらいの速度のボールに対してなら思ったようなプレーが可能か、イメージはしておきます。

見たらすぐ反応する、は普段から訓練しておいて、得意なフォアに反応してしまうような体ではなくて、さっと打点のイメージが出来るような準備が出来るようにしていましょう。

そこに打ったからといって決まるとは考えないほうがいいです。相手は走って届くかもしれないし、速い球を打っても読まれているかもしれません。それが恐ろしくてミスるかもしれませんが、ミスをする様では先に終わってしまうし、自分の事が信じられなくなってきます。その後そのゲームを全うできるまでまともな心理状態ではなくなってしまいます。

攻めるつもりで打つショットが出来るなら、状況は自分よりなはず。たとえそのショットを取られたとしても次の攻撃は更に有効なはず。フィニッシュはちゃんと決まってから確認するくらいのつもりで油断なく構えましょう。

自分自身に油断が無くてその攻撃が返球されても大丈夫な時って、そうとう集中できています。コートを支配できている実感があると思います。

自分が常に次の用意があって、相手が走り回っているイメージが出来るとしたら、時間は持てていて、相手からは着実に奪えている状況です。

ただし、つねにシーソーがどちらかに傾いているとは限りません。イーブンの状態でも決して自分を見失わないでいられると、相手が強い人でもそれなりにビビッてくるはずです。自信があるとしても、簡単には勝たせてくれないな、という事が伝わるはずです。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:48 | コメントをどうぞ

全豪決勝後!

全豪オープンて、去年から急にですけど、GSのなかで一番盛り上がる大会になりました。あ。もちろん私個人で追ってる分にですよ。去年は決勝で泣きまくりましたし。。。

さて男女とも決勝が終わりまして、

女子はウォズニアッキ

男子はフェデラー

に優勝の栄誉がもたらされました。

前回が決勝の展望だったので、やっぱり終わってからもなんか書こうと。

実は決勝戦はリアルタイムではみれず、どちらもyoutube頼みに。

さて女子。

ハレプは攻撃力が増していて、動きの速さに攻撃力がマッチしているようにも見えましたが、正確さのあるショットに遠距離砲をつかっているような無理さ加減(決まり切らないジレンマを抱えてるような?)もちょっと感じました。しかし角度もスピードもあるショットを身に着けていて、これからもっと勝てる人になってくるような気がします。

ウォズニアッキは安定したポジションで、ファーストセットを取られてはいたけど自分のリズムでテニスをしているように見えました。前回書いたように、先にブレイクしたからと言って油断はできないような展開になるだろうと思っていましたが、案の定セットオールになりましたね(ニヤリ)。

予想通り、とスコアだけ見ればニヤつけそうでしたが、ウォズニアッキの守備範囲とか判断の鋭さには舌を巻く思いでした。ナダルみたいに走るんですね!

そしてバックハンド側に大きく振られたときに見せるタッチショット的なスライスの処理がすごく有効な守備に見えました。それを打った本人にはまだ守備中で油断のならない時間かと思いますが、打たれたハレプのほうにしてみれば、リスクを顧みずに相手をコート外にはじき出したにもかかわらず、そのスライスで自分の「まだ打てない」時間をつくられて結局無効になってしまう、というイラつきはあったでしょうね。

強めにターンっと当てるだけ当てて、その後の動きの素早いこと。かなりいいコースに打たれて、追い込まれること必至のショットなはずですが、次のショットまでには戻ってしまうんです。恐ろしいですよね。なぜか私にはそのショットが何度かあっただけですごく印象に残ってしまいました。ウォズニアッキがものすごく広い範囲をどこでも拾ってくるようなプレーの印象を受けました。

で、やっぱり準決勝のハレプ×ケルバー戦のような激しい走りっこなイメージで、最後に抜け出たウォズニアッキが優勝を決めました。彼女は無冠の女王といわれこれまでGSのタイトルが取れないといわれていたのですが、最後の決勝進出から6年。ここでとりきってくれてよかったなぁと思います。

それと同時に、次はハレプだな、とも思いました。やはり試合のリーダーは彼女だったような気もします。フレンチか全米!今年中にどちらかでもタイトルを取ってほしいですね!

…っていったらどっちも取らずにウインブルドンで優勝しちゃったりして(笑)。

 

 

それで男子のほうですが!

前回の記事を書いていながら気づいたんですが、チリッチってフェデラーくらいポジション上げてラリーするんですね。そのイメージがなかったので、このところ錦織との対戦でも分がいいことや、なんだかんだ強いじゃん、というよくわからなかった彼の強さが一つだけ見えた気がしました。

もしかしたらここ最近でそれをしっかりトレーニングしてきていて、効果があって去年のウインブルドンの決勝進出につづいて3度目のGS決勝のチケット(コートでプレーできるチケット。。。)を手にすることができたのかもしれません。

今大会中、3回戦でA・ズべレフはチョン・ヒョンに敗れてコートを去ったわけですが、目下世界ランキングも4位、昨年はマスターズ(1000シリーズ)をフェデラーナダル以外で複数勝った唯一の男であるズべレフをして押し切れなかったチョンとの白熱した一戦でした。

ファイナルセットは本人(ズべレフ)も言うようにグダグダ(6-1でチョンが圧倒)でしたが、出だしからしっかり打ち込んで相撲でいうところのがっぷり四つの素晴らしい試合でした。おおー、若手ながらレベルすごい高いなぁー!って思ったんです。

・・・という試合を見た、その裏番組ではフェデラーがガスケとの3回戦。

ちょっと世界が違う?フェデラーの完成されたというか、世界トップレベルのテニスを完全に上からねじ伏せるようなテニスに背中が凍る思いでした。この人どんだけ強いんだろう。。。何となく今年もフェデラーがタイトルをもっていくんじゃないかなと思ったのはこの時でした。

ブログ上で何度も書いたことではありますが、私は大のフェデラーファン。試合のないシーズンでも毎日何かしら動画を追っかけてはあこがれの目でそのプレーを見てから寝ます。試合の動画も、練習風景の動画も。オタクですから、見られてる人からは気持ち悪いくらい追っかけてると思います。だからそういうところを見ると興奮しそうなものですが、鳥肌が立ちました。強さが想像を超えていくんです。だって36歳でしょ?プロ選手をつづけているんだし、モチベだって高いんだと思うし、さらにトップもトップ、維持どころか進化をしてる、って日々それを見て思っているんですが、なんか私の想像している以上に底の知れない男なんだなと思って畏怖の念がやってきたように思います。

 

実力分析は、私の場合、印象点がほとんどでゲームをしている人を想像します。

フェデラー:サービスゲームのキープ力は抜きんでている。ほとんどのショットをライジングでとるだけでなく先手を繰り返し出せるコントロール力でコートをすべて支配する。フェデラーが負けるときは、その先手を相手にとられる時か、先手を取りに行ったカウンターが鋭くて後手回りするようなポイントが多い試合に限られます。

さらに、現役選手の中ではネットプレーでのプレッシャーのかけ方が抜けています。一時期よりもフィニッシュのショットをネットプレーで締める選手は増えてきているように思いますが、フェデラーはもっと積極的ですね。その辺が強さかと思っています。

チリッチ:長身のわりにフラット系のサーブでなくコースを丹念についた確率よく入るサーブと、返球の後のテンポの速い攻撃でクロスに鋭角に打ち込んでくる印象。フェデラーと同じようにベースライン上に長い足を広く踏ん張り、さらに長い腕を懐深く使ってライジングでもしっかり受け止めてコントロールできる。しかもそのテニスが体にも性分にも合っているような?

前回の記事で書いた、ラリーで捕まればフェデラーといえど・・・という部分は先にワイドに展開できたとしたら、フェデラーがバランスを保てなかったり、守備的なラリーから入らなければならなくなる、という想像からでした。で、そうなってもフェデラーならスライスで時間つくってすぐにストレートに打ってとかで回復しそう。。とかいろいろ妄想していたわけです。フェデラーが勝つかな、と考えながらですが、それは私がフェデラーファンだから。

とはいえすべてのポイントがそうやって優位な方は優位、と推移するわけでもないでしょうから、どこかでブレイクチャンスがあって、その時に策があるとすれば武器はどう使うかってことですね。

ファーストセットはフェデラーがとる、と考えるのはフェデラーが優勝するだろうから、という観点です。

そしたら6-2って。レッスンが終わって速報を聞いたら4-0リードのところでした。

試合見てないので想像と違う経過報告に「は?」って一瞬なりました。チリッチ本人のコメントに、「屋根を閉めたスタジアムになれるのに時間がかかった」ということでしたが、かなりミスヒットしていましたね。フェデラーは逆にインドア状態は得意にしているので、その差が出たみたいな感じなんでしょうか。12年のウインブルドン決勝でも途中から屋根が閉まって急に優勢になりましたからね。

風とか、音とか?が打球感覚をすこし変えるんでしょうね。

ファーストセットを圧倒しても、セカンドセットで盛り返すのはプロの勝負ではよくあること。帰宅中でしたが、気になって仕方ありませんでした。

で、案の定タイブレークに。ここからは混戦になるだろうなと思っていました。

セカンドセットはチリッチ。

3セット目はすこし寝ちゃった?らしく気づいたら終わっていました。たぶん30分かからないくらい。6-3でフェデラー。

4セット目の入りでチリッチがブレイクを許してしまうのですが、ここからのチリッチの集中というか、ゾーン?ていうくらいリターンがよくなりました。ほぼ返球したんじゃないかな。1-3を挽回して3オールにしたと思ったらもう一つブレイクして6-3でセットオールに。

もしも4セットで終わるとしたら、この4セット目のフェデラーがブレイクアップしたところで勝敗が決した、と言われるところでしたが、挽回して流れはチリッチに。

そして再びのハイライトがファイナルセットの最初のゲームにやってきました。デュースをとりきれずにフェデラーがキープに成功してからは、流れはあっという間にフェデラーに。

チリッチはやはりゾーンに入っていたんでしょう。スイッチが切れたようにフェデラーにポイントを許してしまいます。ネットミスが増え、ライン際も惜しくも入らないショットになってきてしまいました。

それにしても2時間を超えて冴えていくフェデラーには驚かざるを得ませんね。

以前に「フェデラー全盛期」と言っていた2004~2006あたりには、「神に選ばれた」という表現だったかもしれませんが、今回はその時代をも超えた感じになってしまっていて、「もはや神」としか言いようがありません。

 

ジョコビッチがどうしようもなく強かったころは、「悪魔に魂でも売ったのか」と思ったものですが。。。で愛に目覚めていまは普通になってしまったっていう。。。いやいや今から思えばあれがテニスの一番強い形かと思っていましたし、人間的に素晴らしい人物であることはいろんなメディアから知らされていますが。

 

マッチポイントでは、2年連続のまさかの「チャレンジ」(笑)

リターンが入らなくて、わーって喜んでおいて、ネットに駆け寄ったらちょっと待って、って(笑)。フェデラーも「だはっ」って一瞬崩れてましたが。

あの時に泣けそうだったんだけどおあずけくらっちゃって表彰式でやっと泣ける、みたいな感じですね。

とてもいい状態の環境でテニス人生を送れているんだと思います。すべての自分を取り巻くものに感謝してもしきれない、みたいな涙でした。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:05 | コメントをどうぞ

全豪決勝・・・

さあ、いよいよ全豪オープンも佳境に入りまして、男女とも決勝戦のカードが決まりましたね。

まず今日の女子決勝。ハレプ×ウォズニアッキ

女子って、この数年は誰が強いのか?GSタイトルを誰が持って行くのか?という課題に絞り切れない世界になったなぁと思っていました。セリーナがいないなぁと思っていたらヴィーナスが決勝に上がってきたり、ランキングトップにいた(以前の)ウォズニアッキとか、最近ではハレプとかはなかなか決勝まで上がれないキャラだったり、その間にムグルッサとかプリスコバとか、誰?オスタペンコって?っていう間に優勝しちゃったり、そうそうベンチじゃなかったビンチとペンネッタの全米決勝とかありましたねー。まさに混沌の時代。

こういう時は、トーナメントをずーっと追ってると面白いんですが、結果だけを追っていくと面白くないような気がしてくるものです。知らないタレントが上がってきても、期待していた選手が早々に負けていってしまうと興味がなくなってきたりするのは人情ですよね。

最近は、バンダウェイとかスビトリーナあたりに注目していましたが、予想は外れました。サービングフォーザマッチのゲームでもたつくことがありますね。取り切れずに挽回を許してしまうようなところがあったかな、と思っています。

さて準決勝は、メルテンスのことをあまり知らなかったのでアレなんですが、他の三人は共通項があるように思います。

守備範囲が広く、ミスが少ない。それでランキング上位に君臨している感じがします。ハレプ対ケルバーはファイナルセット6-6で決着がつかず、9-7でハレプが勝ったわけですが、ケルバーは先に6-5でブレイクアップしてサービスゲームをキープできなかったところから持ちこたえられない感じになってしまいました。

私としては、決勝も同じような死闘になるのではないかと思っていますが、互いにGS決勝は初めてではないという点では同じで、また優勝経験がないという点でも同じです。ハレプはフレンチの一回だけだったっけ?ウォズニアッキは全米とかで2回決勝に上がっていますが、かなり昔のような気がします。

どちらもセット序盤にブレイクがあってもそのままはいかないだろうなと思っています。どこかにチャンスがあって、挽回して混戦になっていく、みたいな感じでどっちが勝っても勿論不思議なことはない実力者。どちらが勝つかよりも、どちらがタフさを出せて、どこら辺に勝負の分かれ目が来るかを見たいと思います。

 

 

男子決勝は、フェデラー×チリッチとなりました。

チョン・ヒョンに関してはワタシ的にはすごく評価が高くて、まるでジョコビッチの動きやテンポにワウリンカのショットの重さを持ってる様に見えるんです。こりゃあ強いぞ、って思いますよね。ジョコビッチ戦では見ている手に汗をかいちゃいました。ジョコビッチの復活に期待するからつい応援しちゃうんですが、それだけにチョンのすごみに驚いた試合でもありました。

そのチョンはマメの下にまたマメが出来て、それもつぶれて、足の裏の皮膚を(マメを)削ってきたというのですが、赤い肉が出ちゃってる状態っていうんですから、それでよく試合のコートに来て、あのフットワークを見せられたな、とおもいます。

ナダルも4セット目のドロップショットの処理からすこし歩いている時のしぐさがおかしいなと思っていたら、あんなに苦しそうな表情でのナダルは見たことがないってくらいの顔になり、ついにファイナルセットを棄権してしまいました。

ナダルは真のプロフェッショナルですから、GSの準決勝という舞台で大観衆が見守るなか自分が試合を放棄する事になる、なんてことはあってはならない事だと心の底から思っているのでしょう。ベンチに戻ってバンダナを投げつけていましたが、かつて見たことがないナダルの悔しがり方でした。負けた事じゃなく、最後まで戦えなかったことについてなんだなぁと思い、こっちが泣きそうに。

終わってしまった試合ですが、フェデラー×チョンの試合は、1stセットをフェデラーが楽勝でとる、とセカンドは接戦になる、でそのままセカンドをフェデラーがとるようだとストレートセットで勝ちかもだけど、そうじゃないと面白くなる、みたいな展望をしていて、すごく見たかったんです。

フェデラーは「初見殺し」うまいですもんね。たぶん、初めて対戦する選手は、見たことがないくらいドンドン展開されちゃうんだと思います。落ち着こう、とかちゃんと自分のショットを打って、なんてスキを全くくれない間にガンガンゲームを奪って行っちゃうような選手なんでしょうね。錦織も、杉田も、フェデラーとの初見はさくっと持って行かれちゃいました。それで心を折るみたいな。

そしたらセカンドセット5-2フェデラーの時点でチョンが棄権。驚きました。そんな足にマメが出来てるなんて、言われりゃあそりゃああれだけ走るんだからって思いますが、逆にあれだけ走れているんだから健康なんだろうって思いますよね。とにかく驚きました。

 

さてファイナルです。

あの腕の長いチリッチがいかにフェデラーのサーブを上手くリターンするかによると思っています。

チリッチはサービスが少し変わって、ワイド方向がきつく、確率も良くなってきていますから、ブレイクは大変だと思います。

ラリーで捕まれば、チリッチには分があると思います。それが私にとってはこのカードの見どころにしようと思っている所。あの長身を低く構えてしっかり打ちこんでくる間はいかにフェデラーでもリスクを負うわけにもいかないと思います。

しかしフェデラーのラリーは他の選手よりもテンポが速くて、画面で見ているとそれほどでもないように見えるコースがかなり攻撃的に相手に効きます。ライジングでそこまでのコントロールが出来ているのが不思議でならないんですが、できちゃうんでしょうね。。。

サービスに効果があれば、ラリーの回数を少なくしてフェデラーのゲーム運びができるようになると思います。そう考えるとトスに勝てばフェデラーはサーブを選択するかも。

逆にチリッチは序盤のうちにリターンゲームでしっかり挑戦したいと思うかもしれません。チリッチがトスに勝てばリターンを選択するかも。

試合が始まってフェデラーがサーブだったら、私の勝ちね(笑)。←だれに?

これも、どっちが勝つか、じゃなくてどんな試合が見たいか、みたいな展望ですが。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:34 | コメントをどうぞ

冬場のハイブリッド

この9月からハイブリッドの車に乗るようになったのですが、そっちじゃなくてガットの話。

冬場って、ボールが硬い。Dunlop FORTとかBRIDGESTONE XT-8とかっていういわゆる試合球は、ほとんど私の生活シーンの中に出てこない。練習球がほとんどです。

スクールではBSのツアープロだし、外のレッスンではスリクソンのHDっていうボールを使っています。で、品質に差があるのかどうか検証はしていませんが、冬になるとボールが弾まなくなるのが顕著です。

ゴムがまず固くなるでしょ、あと当然気温が低ければボールの中の空気が体積を小さくします。

寒い朝の最初のレッスンとか、「おっ弾まない!」ってなっているのはまあいつも通りだし、そこから初めてすぐになれるんですが、夜になってぐんぐん気温が下がっていくような日は、徐々にボールが悪くなっていくような気がするんですね。実際には硬くなって小さくなっているってことなんですけど、ボールって空気が抜けて弾まなくなるじゃないですか、アレに感じちゃって夜のほうが面くらいますね。

 

それで、あったかいうちはポリエステルストリングスの一本張りですが、冬になってそれで手ごたえが硬いっていうか、手が痛いと感じるようになると、ハイブリッドに移行します。ここ4年くらいはもうそうすることが定番かな。

エッグパワー17、というよく伸びるポリ(打感もやわらかい)をメインにして、クロスストリングはAKプロとかミクロスーパーにします。

 

先週くらいに、それよりも寒くなったじゃないですか。まーあ飛ばない感じもするし、ガットが硬いような感じにも何となくですが感じちゃったので、メインストリングをトアルソンのムゲン、クロスにポリエステルの無名1.18ミリゲージのものを使ってみました。

おー、いいんじゃない?と思いつつもこれを張ったのが金曜日。切れたのが次の木曜って。。。レッスンしかしてないのに、一週間持たない。

うーむ、考えちゃいますね。。。いまのところ自宅の在庫でやってきていましたが、こんなんじゃあっという間になくなっちゃう。

 

ともかくも縦マルチはやめときます!

カテゴリー: グッズオタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 11:18 | コメントをどうぞ

ラリーを元に戻せる能力

「ニュートラル」なラリー、って聞いたことありますでしょうか?

ジュニアを育てているアカデミーとかではまずこれが出来るように、と取り組んでいる所もあると聞いたことがあったのですが、当初どういうことか、具体的には分かりませんでした。

なんとなく意味は分かりそうですよね。

ニュートラル=Neutral=中立、中間、中性とかっていう意味で、どちらにも偏っていないことを指しています。

車のギアを思い浮かべれば、調べなくてもニュアンスはそんな感じでしたね。

テニスのラリーでいえば、攻めても守ってもいないラリー。。。これが一番具体的でない感じがします。

なので、状況を変えて、ポイントを争っていない時で考えてみました。

普通にレベルが同じくらいのラリーが出来ている状態ですが、それで何十球もつづくことはなかなかないですね。どちらかの当たりがくるって、

「アッごめん!」っていうボールが必ずどこかにあります。思ったよりも相手から遠くへ行っちゃったり、打ちづらそうなショットにしちゃったとき。

それを、オッケー大丈夫!って普通のショットで返してくれると、ありがとうって思いますよね。

ラリーが壊れちゃうのは、やっぱりちょっと嫌なものです。

※                         ※

これを逆の目線で見てみましょう。相手側ってことです。

相手が打った瞬間「アッごめん!」ていうショットに、平然と打点を合わせてきれいな弾道のショットで元に戻してあげる感じです。

きっと追いつくのも早く、打点の設定もあっという間に出来て、その状況で自分のショットは狂わされなかったという事ですね。

リズムの狂う状況で、動き方を素早く対応出来るっていう事は、レベルがそのラリーよりも高い、ってことになります。

普通だと、想定外のショットという事になるので、対応が遅れて、自分のショットも崩れてしまい、元に戻せないままどちらかが2~3球のうちにラリーを終わらせることになってしまいます。それがラリーを壊してしまうってことですね。

※                        ※

そういえば、テニスコーチを始めていて、この「壊れそうなラリーの修復能力」を高くしよう、と心がけていた時期がありました。どんなショットが来ても、相手のフォアハンドの打ちやすい所に同じようなリズムのボールを届ける様に、みたいな取り組みです。

3球続けられると、自分でも「おお」って思えるくらい難しかったのをよく覚えています。フォアで打っても、バックで打っても、弾道とリズムをそろえて相手に返すのって、連続でやるのはかなり難しい。

相手のショットのいかんにかかわらず自分のショットとして合わせられるようになってから、ゲーム形式のデモンストレーションでは自分の言った状況を自力で作り出せるようになりました。当然、実際のゲームにでもかなり活きるようになってきた。

相手が強いときのプレッシャーは、その「自分のボール」を打たせてもらえないとか、自分のボールにしようとした瞬間を読まれて攻め込まれます。そういう圧に負けて自分がミスをすることもわかってきました。

でも自分のショットに出来るってことは、相手の思惑の逆も考えられるようになってきて、それができるようになってきてからはゲームのことを考えてポイント勝負ができるようになり、上達を感じられるようになったとも思います。

それが、練習でやるなら、ここまでいろんなエピソードで紹介してきた「元に戻すショット」を使う事で「ニュートラル」なショットになるんじゃないかと思う様になりました。

しっかり打たなければ、「弱気」なショットを送ることになります。

しっかりを「強めに」とだけ考えるとミスのリスクが上がります。

良い当たりを確実に、とやることでどこにもスキのない、手ごたえの良いショットが生まれます。

ショットのスピードも自分の動くリズムに即していると思いますし、相手がそれに乗ってくれれば自分の動きやすいリズムで返球されてきます。

試合でいえば、まさに主導権を握っている時と同じ状況。ただ試合だと、あいてが主導権を奪いに来るので思う様にならないことと戦わなければならないですから、まずは圧倒しにかからないといけない分プレッシャーが強くかかります。

それが「自分の方が強いぞ」という無言のアピールになると思いますし、それを平然と返球してリズムを作ることが出来れば「これしきでは何ともならんぞ」と逆に相手にプレッシャーをかけることが出来るわけです。

攻めようと思い過ぎてミスをすることもありますし

守らなきゃと思っても守り切れないシーンだってたくさんあります。

だからこその、ニュートラルかなと。

 

カテゴリー: トレーニングオタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:33 | コメントをどうぞ