打球時に
ボールを見るのではなく
ボールの予想される軌跡を見ることが重要なのだ
例えば
この時点で当たるかどうかはすでに決まっている
これ以降、インパクトまでのボールの軌跡を完璧に予想し
そのランデブー地点に向けて
自身の自信のあるフォームで打ち込むだけなのだ
この後
インパクトまでに
スウィングに修正があるようだと
わざわざ、完璧なフォームを崩してしまうわけで
たぶん、ミスショットになるだろう。
フォアハンドが一番デリケートで
難しい技術かもしれない、と書いた
それを易しくするために、面を下向き、外向きに構える
というのは、物理的な話
それに対しもう一つ、感覚的な話
ラケット面を感じること
特にインパクトで
この感じ方には
面の向きを感じる
当たる強さを感じる
トップスピン、アンダースピンなどの方向や手触りを感じる
等々、いろいろな要素がある
この感じることはフォアハンドに限らず
サーブも
ボレーも
すべてのショットに必要なことで
この感覚のあるショットが
その人の得意ショットだったり
マスターしたショットだったりするようだ。
思い切り打ってもスピードが出ない?
それとも
怖くて、思い切り打てない?
これはフォアバックのストロークの話
サービスも同じこと鴨
試合では
「怖くて、思い切り打てない」 のではないだろうか
ここは議論の入り口
試合で怖くなって
ハードヒットできない技術を
一所懸命に、毎日努力してもしょうがないからだ
試合でハードヒットできる技術
それには3つの方法がある
1、プロのように
ラケット面が正確に出てくるようなテイクバックをすること
2、プロのように
トップスピンをしっかりかけること
3、プロのように
余計な動かす部分を減らすこと
どれを採用してもいいのだが
1つだけでは不安が残るかも
だから
プロはすべて採用している
スピン方向のことを除けば
スマッシュも、ボレーもそう鴨。
目にも止まらぬスウィングのコツ?
日曜日のレッスンで
バックハンドの見本
目にもとまる、超スロースピードスウィングでのトップスピンを見せた
目的は
ゆっくり振ってもネットの向こうまで飛ぶということを見てもらうため
別に、鋭い振りでなくても
力のない側のバックハンドでも
充分に飛ぶし、返球できることを知ってほしいから
コントロールの面でも
急いで振りだすと
当たりそこなったり手首がぶれてエラーになったりする
それと片手バックの男性たちには
打点を前気味で取れば、充分飛ぶし
トップスピンも自然にかかるということを見せるため
スウィングはユウックリ
最初はホントに全行程、ゆっくり
もちろん構えが速くなければゆっくりスウィングはできない
そして
だんだんに後半のスウィングを勢いよくしていく
徐々に
目にも止まらないスウィングになっていく
もちろん両手打ちの人たちも
面を安定させて打つことができるようになっていった
目にも止まらぬスウィングのコツは
目にも止まるスウィングなのだ。
ラケットは短いほうが操作性がよく振りやすい
だが
長い方が手や肩からの重心までの距離があり
慣性モーメントを使いやすい
(俗に、遠心力で打つというが ・・・)
先日の松原テニスクラブ横浜でのリトルクラス
初心者ながらテニスセンスを感じる小3女子のMちゃん
フォアハンドのテイクバックで
手首がグネグネして、先がうまく引けない
面がとっ散らかる
先週はうまかったのに ・・・
彼女の23インチラケットに変えて26インチを振ってもらった
「この長さを感じながら振ってごらん」
「ボールを想像して、当てるイメージで振ってみて」
そしてボール出し
面も決まり、きれいに打ってきた
ついで、ラケットを23インチに戻す
ここから私と美しいラリーを連続で
じゃあ、26インチでいいのかも
というわけにはいかない
打ち合いになれば、いろんなタイミングで振らなくてはならない
それにはある程度扱いやすい長さでなくてはならないのだ
でも、どんな長さでも
ラケットの長さ重さを感じるセンスが大切なのだ
そしてそれは
コーチが教えることもできるのだ。
今日はちょっと算数の話
たまには頭も使ってみよう
さて
あなたはフォアハンドをハードヒットして
何本、連続して入れることができるだろうか?
確率の話だが
例えば70%のショットを2本続けて成功させる確率は
0.7 × 0.7 = 0.49
49% となり、50%を割る
このまま打ち続け
シングルスの平均的なラリー本数、6本連続成功する確率は
0.7 × 0.7 × 0.7 × 0.7 × 0.7 × 0.7 = 0.118
となり
9ポイントトライしてに1回しか成功しない
6本続いたら得点と仮定すると
わずかに、2ゲーム終了して、1ポイント取っただけ
勝負にならない
まあ、実際の試合では
1本目がウィナーになることもあるし
3本打ったら相手がエラーという場合もある
ここまで厳しくはないかもしれないが
70%はそれなりの確率と思っていた人には大ショックかも
もしかしたら、6本終わっても
相手が平然と返しているかもしれない
6本連続くらいは当然と考えるなら
上の計算例のようにやってみると
90% のショットなら、6回かけて、0.531 となり
何とかクリアー
半分じゃあ不安ということで
もしも70%以上達成したければ
95% で、6本
これだと、0.735となり、自信をもって打ち続けられる鴨
95%というと
私のフォアハンド、エラーするわけないでしょう
というレベル
トッププロもそれをクリアーするため
トップスピンをしっかりかけたり
姿勢を良くして、精度を上げたりと
才能がある上に、努力も惜しまないプロたちでさえ
苦労しているのだ。
先日の神奈川県テニスコーチ研修会で
苦手フォアハンドの矯正をやって見せた
最初の人にやってもらったのは (写真の人じゃありません)
上体を前向きにしたまま、腕だけで打つこと。
結果、それまでのポワンとした打球が
バシっという音に代わり、連続で向こうのコートに打ち込み始めた。
これは、身体を使わないことによりエラー要因が減ったこと。
エラーしないという自信で、強く打ってもよくなったこと、ということらしい。
それに対し、
体重の移動であったり、上体の回転であったり、膝の屈伸などは
あってもいいのだけれども
腕のスウィングの邪魔をしたり
運動方向や面の向きを変えてしまうものはいけない。
例えばフォアハンドストロークならば
上体の回転を使うためには、スウィング中、上体を垂直に保つ必要がある。
上体が垂直じゃないと
腕のスウィング方向やラケット面が変わってしまいエラーの率が増える。
タイミングで言えば
インパクト前に上体が前向きになっていなければならない。
そして
パワーのためには上体の前向き運動が止まりかけてからインパクトを迎える必要がある。
そうしなければ上体の運動量が、腕に、ラケットに移行しない。
前向きが遅れると
ラケットの振りを減速するための動きになるし
ラケットが移動する先にスペースが無く
強く打ちようがなくなる。
だから邪魔したり、逆運動量連鎖で減速したりで情けないボールを打つよりは
前向きで、腕だけで、の方がいいボールを打てるということになる。
もちろん先ほどの方には
上体を少し後ろ向きにひねって打ってもいいですよと
一部制約を解き
さらなるスピードアップに至ったことを報告しておく。
『うそほんと』 さんからの質問
以下がそのコメントの全文です
お世話になっております。前にストロークにおいて同様の質問をさせて頂いたのですが、サーブスマッシュ・ボレーも調子の悪いときほどボールを良く見ようとしすぎてミスしている気がします。見るのをやめるタイミングはどう計れば良いでしょうか?よろしくお願い致します。
うそほんと
私の答えです
基本的に、流れとして
ボールはよく見なければいけないし
ボールそのものについては
そんなにしっかり見る必要はありません
ボールのコース、飛んでくる軌跡、そのタイミング
それに乗れるのかどうか
ボールの動きを予測でき
その予測されたコース上にラケットを出していくのです
だから動きの中に入って行く
自分の動きでボールとの距離をしっかりと取る
ジャストタイミングでラケットを振り出す
音楽で伴奏のリズムに乗るように歌いだす
常にフィードフォア―ド、予測で動く
フィードバックはしない
反省もいらない
わかったようなわからないような ・・・
プロが自身の才能を信じてスムーズに打球に入って行く様を想像し
自分もそれになりきってみる
ボールは見えるのであって
必死に見るものではないのです
見えるボールに対して動きを合わせていく
自身を、できる子と信じてボールに合わせていく
動きを継続する
相手のボールのスピードもいろいろ
自分の動く距離や速さもいろいろ
どこまで見て、どこまで見てはいけないのか?
全部見るつもりでいればいいのではないですか
そのうちの前半は、ホントに目で見ている
どっかから後半は、心の目で想像している
切れ目はない、いや、わからない
でも、全工程をしっかり目のレンズでとらえる必要はない
ということを認識して
いっぱい練習すればいいのではないでしょうか。
昨日、クラブの会員さんと話していて気付いた
皆さん、あまりにも常識にとらわれやすいこと
スマッシュを確実に決めることなど無理
フラットサーブをバックのコーナーに安定して叩き込むなど無理
フォアハンドを試合でぶんなぐるなど無理
そりゃあ練習しなければ無理に決まっているけど
できる人はいる
デビスカップ大事な場面でのスマッシュ
そりゃあ、背が高いからでしょう
でもこんな人も
200km/hのサーブを確実に叩き込んで
キープし続けていたのを見たことがある
こんな怪人も
この人は少しくらいいいサーブが来ても
リターンがウィナーになると信じている
最初から
そんなにはできないと思って練習していないか?
できるものだと思い、ちゃんとイメージができていれば
そして、出来ることを前提に練習すれば
たいていのことは
案外、できるものなんだけど。
『sho』 さんから質問をいただきました
以下がそのコメントの全文です。
こんにちは。
この内容と関係あるかないか、よくわかりませんが、アドバイスあれば、お願いします。
サークルで、特にストローク時、出来る限り速く、打点近くに移動し、バックスイングまで、終了し、そこで、間をあけて、ボールがきたら、スイングを始める人と、
ボールの速度に合わせて、移動し、間をあけずに、スイングする人で別れています。
前者は、間をあけることにより速いボール時にも、対応ができる。
後者は、間をあけないほうがスイングが安定する。
とそれぞれ、長所短所があるようです。
どちらを、目指すべきでしょうか?
sho より
私の答えです。
プロのテニスを見たことがありますか?
TVでもいいです
彼らはどうやっていますか
止まって待っている人はいないのではないでしょうか
止まっていると筋肉が固まっちゃう
動いていた方が動くボールと合いやすい
最後まで動いて足を決めれば正確な場所に行ける
だからいい姿勢で打てる
等々
理屈はいろいろ考えられますが
そうじゃない人はどうしたんでしょう
たぶん
プロになれなかったんでしょうね
つまりプロのようにやった方が
勝てるテニスになりやすいということだと思います。