いやはや、勝ってますね!
もうホントつよい!びっくりするぐらい強いですね!
昨夜のキリオスは調子よかった。1stの確率もよく、しかも大事なシーンでセンターにエースを放り込んでくる。どうしてもブレイクが奪えない中、錦織はあせらずにじっくり機を待っていましたね。
フェデラーがウインブルドン決勝で、ロディックを相手にファイナルセットを延々と続けていく中、お互いに集中を切らさず、
自分のゲームをキープすること
相手のサーブからチャンスを見出すこと
の両方に精神を傾けていたのをふと思い出すような、緊迫した・・・というかもう、一瞬でも気の抜けない試合でした。
錦織もこの試合では1stの確率は7割を超えてきて、ファイナルセットに一度与えた以外にはブレイクチャンスを与えない堅実ぶり。ポイントリードされるような、0-30なんかもあったんですが、きっちりラリーに持ち込めば自分からは崩れない自信があるのでしょう。
先に展開されてもスライスが深く返っていたし、押し込んでいけばガスケ戦の時のようにコートの中に入って早いタイミングでウィナーを放っていました。
ゲームの終盤にウィナーを狙っていってアウトになるショットもあり、これが今夜のジョコビッチが相手の時にどうなんだろうって思ったりもしますが、あのショット1ミリでも弱気・・・ていうか迷いでもしたらカウンターで主導権を握られてしまうようなレベルの試合だと思いますから、あのくらい打って行ってオンラインで観客がどよめくようなフィニッシュじゃないと決まらない・・・そんなプレッシャーの中で打っているショットだと思います。
とくにジョコビッチは、打っても打っても崩れないように見えると思います。相手から「いったいどの作戦が通用するんだ」と見えてしまうような、そういうプレッシャーをものすごくかけてきます。
それだけに、以前に書いたこともありますが、センターにガンガン打っていったり、急に後ろに下がってペースを遅くしたりするとかでもしないと、全部とって甘くなったら見逃さずに襲い掛かってくるような感じのプレーですから、甘いコースや遅いプレーをするのがすごく怖いだろうなと思います。
けどワウリンカもシモンもそうやって苦しめてきていますから、バックハンドの得意な錦織が、王者のテニスをがっちり受け止めて見せることが、逆に相手にプレッシャーをかけることにもなるのではないでしょうか。
・・・て考えているだけでもワクワクしてきます。テニスのレベルは錦織は世界のトップに既にいるのは誰もが認めている通りだと思いますし、この先のブレイクスルーは本当のチャンピオンになるための最後の壁だと思うしかありませんね。
今年の錦織の目標としているプレーは「爆発力」だといっていました・・・と解説の辻野隆三が言っていましたが、本人も周りもあとはそこだけだ、という認識も持っているんだと思います。
負けた試合はすごく勉強になり、今後の目標が明確になるものですが、
実際に勝ってみて初めて、その乗り越え方とか自信とかが身に着くものだと思っていますが、これだけ勝ってこれる錦織のレベルで、さいごのボスキャラを乗り越えるだけの爆発力って、どんななんでしょうね。
今夜の準決勝も楽しみにしています。
ウルトラ調子がいい感じで勝ってくれるのも良いですが、ワタシが本当に見たいのは「攻略法」をもってねじ伏せに行くようなテニスがないものか、錦織ならやってくれるんじゃないかとさえ思っています。