日別アーカイブ: 2016年5月17日

サーブが入るようになった頃

ワタシ、サーブは最初、すごい入らなくて苦労したんです。

15でテニス始めて、18でコーチのバイト始めたのですが、本当の意味のなんちゃってコーチでして、自分の中の「確実なもの」が何一つなかった。

19の時に、先輩方に相手してもらったダブルスはもちろんボコボコで、しかも相手のマッチポイントで私がダブルフォルトして負けて、あまりにも下手くそで泣いたことがあります。

そんな中、掛け持ちしていたスクールのヘッドコーチだった「センセイ」に、スピンサーブを打てるようになりたいんですって相談したら、

「高く打て!」って教わったんです。

「高くって?これくらいですか?」ってコートで打ってみたら、それでも遅い、高い弾道のサーブだと思って打ってみたんですが、「まだまだ!もっともっと!」

「え!もっとって?これくらい?」

「まだまだ!」

っていうやりとりを3回繰り返して、ヤケクソ気味に天井サーブみたいなのを打ったら、

「うん、それ。それで練習しな」

と急に声のトーンを落としてきっぱり言われました。

もう27年前のことなんですけど、鮮烈に覚えています。

最初、なんでなんだかわかりませんでしたから。

けど、確かにその高さからでも、なぜかサービスボックスにボールが落とせたんですよね。

それから2年間は、毎日。正月も休まずにスクールの鍵開け前から社員さんを待ち伏せて、朝の掃除前に200本、アドサイドのワイドの隅にシングルスポールで囲いを作っておいてそこをめがけて高ーいところから落とすサーブの練習をしていました。

2年が過ぎた後も、そのくらいやったらもう日課になっちゃっているので、勤務の日は必ず朝のうちにコートに出てサーブの練習をしてきました。

それからですね。何があってもサーブは入るものだっていうのがわかってきたのは。

大学を中退して、専門学校に変わった時もテニス部に入って、試合も出ましたが、ファーストの確率100%、ていうゲームも何度かあったと思います。

要するにファーストもセカンドも同じだったのと、そんだけ毎日やっていれば、入らないように打つ方が難しいくらいのレベルだったので。ポケットに入れたボールは使わずじまい(自分だけ、ですけど)なんてことが何度かありました。

へー、すごい、って思われやすいんですが、すっごい遅い、普通の人のセカンドサーブよりも遅いスピンサーブを打っていたので、当たり前っちゃあ当たり前な感じなんですけど。

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この写真は、フリーになってすぐくらいの、ワタシが40歳くらいの頃のサーブです。矯正は意識していたものの、ほとんど見た目変わらない打ち方なので、その当時の特徴を色濃く残しています。

スピードは、もう何年も「どうせ入る」ってなってきたところから「低めに打ってみよう」ってできるようになって、ネットの白帯に刺したウチワを狙って当てられるくらいになりました。

それで、球速は140キロくらいがMAXで出るくらいにはなった感じです。

分解すると、

IMG_0016

 

こんな感じで、下半身が早く開いてくる癖があって、腕をうまく振ってもパワーはこれ以上でない感じだな、って気づいたことから矯正を試みています。

ただ、このフォーム、コントロールが良かったんですよね。

ていうのは誰にでもって意味じゃなくて、このフォームで何十万本と打ってきたから、この動きの中で期待されるインパクトが、手応え通りの軌道を通ってかなりピンポイントで狙えるようになるまで練習しちゃった、ってことなんです。

だから自分専用ですよね。

学生の頃のサーブに自信のある当時は、ペアと組んで太陽がまぶしい方のサイドはワタシがサーブでいいと先に言っていましたし、デモンストレーションでなら、目を瞑って打っても普通に入るサーブでした。もうトスも見ないで大丈夫だったんです。いつも通りの場所にあるから、見えないからってビビらないでいつも通りにラケットを振ると本当にそこにボールがあるわけです。

体の内部感覚は、ラケットを振る腕の意識じゃなくて、体がどうやって立っていて、バランスを崩したりしないかどうかがわかると、それだけでも自信がつきます。

 

 

さて、こんなフォームの是非は置いといて、そのセンセイが教えてくれたことは、

「ネットすんな」と

「アウト(フォルト)すんな」ってことです。

入らないで悩んでいる時は、そのどっちかが必ず心配になるので、どうしていいかわからなかったわけで、それを邪魔している要素が「スピード」でした。

やっぱり上手な人とか、プロの試合を見ると、まずサーブのスピードで相手を圧倒して…みたいな勝手なイメージが、自分の身の丈に合っていないってことを教えていただいたんですね。

たか〜くあげて入ってるイメージを持つ時は、もちろんネットの心配なんかしないです。

距離のオーバーを気にしている時は、高く上げといて前にも振る、なんてバカなことはしません。

 

だから入ったんです。

 

そこんとこがわからない人は、コーディネーションがもともとよくない人(感覚的なラケットがボールを飛ばす感覚がフィードバックされてきても利用できない人)

それか、「スイングの仕方」にこだわってネットの向こうに意識がいかない人

 

だと思います。

 

ボール飛ばしてあそこに入れる、ってイメージのラインを自分の打球でトレースするにはこんな感じかな、っていうのがない場合は、一度、100球くらいやみくもに打ってみましょう。

実は、そんなにバラツキがないものなんです。

速いサーブを、正確にサービスボックスに入れる、ってことを考えなければ、あっちこっちに飛んで行かずに、たまにネットしたりたまにアウトしたり、たまに入ったりするだけで、大概は同じ方向に飛んで行って、同じような高さに飛んで行っていると思います。

てことは、その速いサーブのまっすぐの軌道だと、ネットを越えてサービスラインの内側に落ちるまでの距離がすごく狭い範囲の中に収めないといけないことがわかります。

そこで、その狭い範囲にしっかり打つ方法を探す人は、間違いですよね。

できるんならもう出来ているはずですから。

そこで、

ネットも、アウトもしない

 

のには、軌道を曲げなきゃいけないっていう発想を持たないといけないんです。

特にワタシみたいな背の低い人がやる場合はそうです。

この高い弾道を覚えた時に、

ネットの心配がないってそれだけですごいイメージが変わるな!って思っていたんです。

コーチを続けていて、いろいろな人の打ち方を指導するうちに、

そうやって打てば、前に振るってことじゃなくてボールは前に飛ぶように当てるけど、腕や身体は前には振ってないな、ってことなんですよね。

写真の、ヘッドは前に倒れてるけど、肩から肘までの上腕は顔より前に出てないあたりがそういうことかと思います。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:35 | コメントをどうぞ