電動・コンピュータ式が欲しかったのですが、やはり高くて手が出なかったものですが、ショップで使っていた中古を安く手に入れることができたのは幸運でした。去年の11月から自宅でストリンギングをしています。
GOSENの張人の認定は10年くらい前に受けていて、スクールでは年間300〜400本程度を張っていた時期がありました。ショップの人なら1ヶ月で張る本数ですね。
今は月に6〜10本程度ですが、自分のラケットを含めてほとんど趣味?のようにして張っています。
張人認定の技術者として、基本はGOSENパターンのみで張り上げをしています。特にお客さんのラケットを張るような場合は、前回と同じ手順で、時間もだいたい一定の範囲で張り上げることで、クオリティを守ることにしています。
張上がりの差とか、毎回同じように張れているのかどうかは使ってみないとわからないし、使ってみてわからないのなら同じだとしよう、みたいなところもあります。
オタクですから、一応テンションメーターとか、ストリングコンピュータなどでダイナミックテンションを計測したりもしましたが、概ね同じような数値が出ます。
誰かの張り方と同じ仕上がりで…というリクエストには、ワタシはちょっと応える自信がありません。
以前はよく、機械の差がある、と言われていましたが、ショップさんであればコンピュータ式が普及する中、機械の引きの差と、フレームの変形を抑えるサポートなどの都合がにているのなら、機械による差ってのはどうなんだろうと思います。
実際にアルドールのスクールにあるマシンと、写真に載せた自宅のマシンで、テンションキャリブレータを使って一本の糸の引きの強さを測ってみたら、だいたい同じ数字で、信頼できることがわかりました。
自分のラケットを両方の機械で、同じテンションで二本、作業にかける時間をだいたい同じくらい(25分程度)にして、もちろんストリングも同じものを張り上げてみました。
うん、差は出ない!
あくまでも自分の感覚の中でのことなので、それが正解なのかどうかはわからないことですが、自分のやり方で、条件をなるべく同じにして張れば結果は同じくらいに出ます。
ストリンギングに関して、絶対に守ろうと思っている戒めがあります。
・フレームを変形させない
・糸(ストリング)やフレームを傷つけない
・張り上げの手順を一定にする
・結び目での誤差に注意する
という、単純なものです。
フレームの変形は、タテ糸を張っている時に、引っ張るところをよく見ているとフレームがテンションによって変形していくのがわかります。
そのフレームは柔らかめなのか、硬めなのか、ある程度見極めます。特に端っこの糸を通す時に、結構うごきます。横糸のテンションを下げるのか、維持するのか、あるいは上げるのか?
ほとんどの場合は、維持します。(私の場合は、です)
横糸のテンションを落とす、という人をよく見ますが、変形しない前提か、あるいはそのフレームの変形の癖を知っていての指定なのかは聞くようにしています。
横糸を緩く張る、ということは、単純に下げずに張ることに対して面圧を下げるということのみで、他に大した意味はないという説明を受けたことがあります。
ただし、変形に寄与する場合は、上げたり下げたりして調整します。これが、経験がないとわからないことで、いつもそこを興味深く観察することで経験値が上がってきました。
とはいえ、事前に知っていないとそんなコントロールはできませんから、やってみないとわからないこともたくさんあります。
アラウンドザワールドのように、端っこの糸を後回しにして張るパターンもありますが、ワタシの場合、それのいろいろなパターンに対して経験がなさすぎてどれをチョイスするのか悩ましくなります。使えるのは、せいぜいメインの最後を後回しにして、クロスを下までいってからL字型に回して、ショートサイドもクロスを先にして回しこむパターン。
これだって、クロスストリングを上から下に張り上げていくか、下から上に張っていくかを調整するため程度にしか選択しません。
だから、ほとんどがGOSENパターン。
特にリピーターの方なら、張る手順を変えない方が仕上がりは揃えられます。
フレームが変形するとですね。張上がりでマシンから外せなく(外しづらく)なるんです。(6点サポートの場合?他を試していない)
張人のテストの時は計測しましたけどね。張る前と後でフレームの幅に差があると減点ですから。まあ変形はフレームの性能維持の上では大事な項目だと思うので、当たり前なんでしょうが。