フェデラーの老い?と凄み

自称、フェデラーファンです。これも毎度毎度よく言っていることなんですけど。

だから、錦織のテニスにも魅了されます。プレースタイルというか、スピード感のある展開はこの二人は近いと思っています。

ツアーの中では、じつはフェデラーっぽい人ってあんまりいない。攻撃に特化したプレースタイル。守りも決してレベルは低くないし、なんであんなに積極的にできるのか、プレーを見ている間はしびれちゃって納得しながら「やっぱりフェデラーは強いなぁ」って見ているんですが、相手が有利になる展開になかなかならないんですよね。

だから、フェデラーの試合って見たくなる。

フェデラーがまだ引退しない理由ってのも、過去のチャンピオンからは聞いたことのないセリフが。

「世界中の人が僕を待っていてくれているから」

。。。泣いちゃいますよね。また日本に来てプレーを見せてほしいです。ホント、待ってる。

 

 

 

さて、そんなテニスの神に愛された…いや、神になった男、ロジャー・フェデラーも36歳です。

高校生の頃に私の大好きだったジミー・コナーズも40歳までプレーしていました。

しかし、どう考えてもテニスの世界トップレベルを維持するフィジカルの強度は、30年前と現代ではやっぱり大きく違うと思います。

コナーズの40歳の全米オープンでの活躍もいまだに語り草になるほどですが、フェデラーの2017年、去年のカムバックは到底信じられないものでした。

同時に、ラファエル・ナダルにも。

けがで戦列を離れ、ランキングを落として復活した二人がグランドスラムの決勝に上がってくる。あの全豪は見なきゃいけない試合でしたし、その年の全豪のオフィシャルサイトで生配信があったので、私もパソコンに張り付いて泣きながら見ていました。

マジで、あのファイナルセット3-3からは今思い出しても泣けます。

今年の全豪もフェデラーがなんと連覇を達成し、去年のスタートダッシュがみられるかと思いきや、出場している試合も若干少なくなっているし、もちろん勝っているけど3勝です。

そして今年のウインブルドンでは、一回戦から見ていましたが(今年になって初めてwowowに加入できた)、ボールとのコンタクトが思い通りにいっていないようなシーンが頻繁にあります。

相手をネットに誘うようにしての、狙いすましたようなパスは、ネットに当たったりサイドアウトしたり、オーバーしたり。

昨日は3年ぶりのジョコビッチとの決勝戦。シンシナティも朝から見ていました。

ジョコビッチはクレーコートシーズンで錦織と当たって調子を取り戻し、ウインブルドンであの比類なき強さを取り戻しました。

私は歴代最高のプレーヤーこそロジャー・フェデラーだと信じていますが、歴代最強のテニスをしているのはノバク・ジョコビッチなんじゃないかと思っています。

ジョコビッチには得意なリズムがあって、フェデラーや錦織とのラリーでは攻めてくるボールに対してばっちりなカウンターを合わせながら自分のリズムに持っていくようなところがあります。

対してワウリンカやシモンのように、ジョコビッチのショットに対して大きく下がってそこから鋭いショットを打ち込んでくるプレーヤーにはやや、のびのびした感じが薄くなることがあります。

なので、決勝の舞台で相手がロジャー・フェデラーであることは、ジョコビッチはもちろん序盤に相手をペースに乗せてはいけないという大きな試練がありますが、そこをうまくキープし続けていくと勝てちゃう、というような雰囲気があると思っています。

この試合、フェデラーはリターンから攻め込んでプレッシャーを与えたいところでしたが、ジョコビッチのサーブもよく、ブレイクは1ゲームできたもののその次をセーブすることができずに逆にプレッシャーをかけられたような形になってしまいました。

流れを引き戻すことができず、セービングフォーザマッチのジョコビッチのサーブでは最初のチャンピオンシップポイントでフォアハンドのサイドアウトを犯し、ゲームセットとなってしまいました。

フェデラーの魅力は相手のマッチポイントでもリスクの高いと思われるショットを成功させて観客も私もうなる、ということがよくあったのですが、もちろんそこでそんなに厳しいところを狙う勇気もすごいし失敗することも覚悟したうえで放ったショットだとは思いますが、その日のそのラストショットは、試合の中でも目立ったミスヒットでした。

ジョコビッチのショットに対してタッチが弱くなった?ようなオーバーも多かったし、反応が一瞬遅れるようなシーンもそこここに見られました。

なんとなく、フェデラーも年齢がプレーに表れ始めたのか、肉体的な衰えがこうして出てくるようになったのか、と想像してしまいました。

今までは軽々と振って思い通りに打てていたショットに意識して力を入れないと再現できなかったり、その意識のせいで打点の精度が落ちているのかと。

 

・・・と、そこで考えました。

身体の老いというのは無言で未来からやってきて、気づかないうちに身体に入り込んでしまうもの、だと私は思っていたのですが、フェデラーのようにオフィシャルで見えるところでは懸命に鍛えるところを見せないプレーヤーでも、大会をスキップしたりしている間に厳しいトレーニングを積んでいるはずなんです。

その時に、自分の体が徐々に「落ちて」いっているのは感じるのではないかと。

それもわかっている中でウインブルドンは準々決勝のファイナルセットが11-13でしたっけ?そこまで戦っていける力と、今回のマスターズ1000でも決勝まで勝ち上がっていく強さ。

以前からフェデラーはショットメイクの達人だと思っていましたが、2007年くらいからは「この人はゲームの仕方が異常にうまいんだ」と思い直したことを思い出しました。

なにしろ試合に負けない。

このシンシナティの大会でも準決勝までのすべての試合で自分のサーブはすべてキープしていました。それがどれだけすごいことか。

キープに対する自信。それに対する相手へのプレッシャー。リターンゲームへの集中のしやすさ。そういった試合に対する自分に有利なサイクルを本当にうまく回してこれる、理想のプレーヤーなんだなぁと思いました。

BIG4のトップを走る(戦績的にも、年齢的にも)フェデラーがいつまでもプレーを続けたいと望み、また世界中のテニスファンがそれを望み、というなかで、ほかのBIG4はいつまでプレーを見せてくれ、またほかのプレーヤーがどこで台頭してきてくっきりと差をつけられるようなテニスができるようになるんでしょうか。

それって、フェデラーが進化させたテニス界がまた大きく進歩する機会なんじゃないかと思います。

その瞬間を私もみたい!と思ってしまいます!


カテゴリー: プロ選手オタク, 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:08 | コメントをどうぞ