「スイング」を作り上げる

ラケットをあんな風に振り切って気持ちよくプレーできるようになりたいな、と、上手な人のプレーをみて思うわけです。

私の場合は、モノマネがけっこう出来たんですね。自分だったらこうやっちゃうところを、あの先輩はこんな風にするんだなぁ…あれが自分にもできるようになったら、あんな風に打てるようになるのかなぁ。。。ってところから、ワタシのテニスへの興味は始まってきたように思います。

 

自分がうまくなるためにも、それと、コーチの仕事について、自分とは違うタイプの「打ち方に悩んでいる人」について考えるときにも、モノマネするイメージ作りは役立ちました。

自分がうまくないと思っている時(いまでも”上手い”とまでは思い上がっていませんが)には、一番の悩みは「強く打とうとするとすぐに当たらなくなる」というものでした。何が悪いんだか、強い球、早い球を打とうとするとすぐにガシャる。

タイミングも早くなりがちだし、すごく力んでいたと思うし、今から考えればそうなって当然の動作だったと思いますが、当時の自分ではなんでなんだか全然わからなかった。

そこで、最初にイメージに残ったのは、しっかり合わせてミスなくきっちり打ち込んでくるN先輩。大学1年の頃の4年生のコーチの先輩でしたから、アドバイスを受けたわけでもなく、こっそり盗むようにして観察し、真似してみました。

打点のそばまでラケットをゆっくり持っていくようにして、当たる自信が付くところまで振り切るような力の入れ方をしない。

ぐぅ~っと合わせて、スパンと振り切る。足のリズムもそのためにしっかり沈み込んで、丁寧さを絵にかいたようなフォームの先輩でした。

その、「ぐぅ~っ」をなんとかモノにしたいと、暫く頑張って、スライスがうまく打てるようになりました。そこから8年くらいの間は、スライスこそ信頼できるショットだったし、フォアもバックもスライスで試合していました。

N先輩はスライスの人じゃなかったんですが、他にも憧れの大先輩たちがすごくいっぱいいる環境だったのは、当時の私としては最高のシチュエーションだったと、いまでも運命の神様に感謝しています(笑)。

スライスの名手が、千葉県チャンピオンにも、学生同好会の先輩でもいて、ものすごく強くてカッコよかった。サーブ&ボレーの世界チャンピオンがいた時代ですから、そういう選手たちからも良いイメージがすごくもらえた。

トップスピンが打てるようにならなきゃ、と取り組みを始めたのは、そんなこんなで30歳を過ぎてから。でも、そこで「合わせ」の動作をしっかりやっていた恩恵はかなりありました。

タッチの仕方、ボールに入る姿勢、身体の向きなどにスライスとの大きな違いはありましたが、モノマネがうまくできることで、そういうイメージに自分を近づけながらすこしずつ出来るようになっていきました。

3年目位には、シングルスの試合でバックハンドはドライブ系がメインで打っていけるようになりましたが、精度に関してはまだまだ。スライスだったら押し込まれて相手が前に来ちゃうような場面で、ドライブを無理やりセンターに強打する事でヤバい状況を回避するくらいの役割でしたが…スライスの頃にそのまま拾いきれなくなるような展開を変えられるようになり、すこしゲームがうまくなった実感がありました。

打点の感覚が上がるにつれて、その前後のスイング=フォワードスイングと、フォロースルーが変わってきました。一連の動作の繋がりですから、当たり前の事なんですが、打点でいっぱいいっぱいだったので、打点の感覚を元に、そうなる為の「構え」「テイクバック」「フットワーク」についてはとても見直しが出来ました。

その「感覚的なちがい」を発見して、自分なりに言語化したことで、整理が付きました。自分が再び元のレベルに戻ってしまうようなときに、キーワードで思い出すことで簡単に新しいレベルに復活できますし、コーチとして人のフォームを見るときに、どっちのタイプに近いか、その人の今日現在の適正はどちらが優勢なのかを見極めると、その日に使えるアドバイスが伝わりやすくなりました。

 

自分の上達が、コーチの仕事にも役立つようになりました。

ここまでの自分の中のキーワードが、

「打点の感覚を知ること」

「打点に入る為のボールの見方」

「ショットを成功させるための姿勢」

などが、スイングを作り上げるときの要素にと思います。

こまかくは、そのほかは個人個人のどの要素が何のために役立っていて、どこかの要素がうまく打てるはずの要素を邪魔しているはずで、それが何なのかを見極めます。

基準になる動作は一つじゃなく、スライス型の人もいればドライブ型の人もいるし、初級者の中にはさらにたくさんの「悩めるタイプ」が存在します。

でも、テニスがうまい人って、ある一定の枠の範囲に入ってくるので、そこを紹介する事でスクールのような集団レッスンでも打ち方の矯正が生徒さん自身でイメージできるように持っていくようにしています。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:49 | コメントをどうぞ

打点に「足で入る」

「ボールの後ろに入る」とか、あまり具体的でないけど、出来るようになるとそうとしか言えないような、そういう表現って、世の中に沢山ありますよね。

「肩を入れて!」…って、どこに?(笑)。

でも、しっかり肩が入った時って「ああ、これかぁ」ってわかると思います。

ワタシはテニスコーチですから、そういうわかりづらいことをわかるように出来るようになんないかな、と具体的に違いを指し示せるようになりたくて勉強しています。

けどやっぱり、良く分からないな、という人にやってみてもらわないと、いくら言葉でうまく説明したと思っても書いてる本人には「つもり」の域を出ないものですね。

 

 

とても簡単なドリルを紹介します。

チャンスボールみたいな感じで、ゆるめに高く跳ねるボールを、サービスライン付近で打てるように球出しします。

できるだけサイドラインの方で打てるように球出しし、サービスラインのセンターTのあたりにカラーコーンとかをおきます。

チャンスボールなので、強く打っちゃっていいんですが、課題はひとつ。

打ったらそのあとすぐにセンターTのコーンにタッチする。というドリルです。

高い打点を強打するのが、練習量が少ないのもあるかもしれませんが、苦手な人が多いものです。ボールが遅すぎるってのも、合わせづらいものですね。

だから、自分から打点に入る練習になります。

スピードの要素がなく、タテに弾む要素が強いので、普段通りの球出しのボールがうまく打てるスイングじゃなくて、その軌道に合わせやすい角度でまずラケットを当てやすく持ちます。

出来る事なら、バウンドの頂点で打って、ネットよりも高い打点からの直線的な軌道のボールが自分の打った球を速い球に見せてくれます。

相手が「攻めてこられた」と思えばそのショットの球速が何キロかは大した問題ではなくなります。

こちらから走って打点に入る事で、ボールの軌道予測が出来ていることがはっきりします。ボールを落とさないと打てない人でも、打ちやすい打点がどこになるかわかってその位置にいるんですから、予測はなされている訳です。

初級クラスなどでは、ネットのすぐ前から、狙ったエリアに面を向けて走ってきて合わせる練習から導入します。ラケットを縦に持って、面を狙った方に向けてくれば、当て方がわからなくなるなんてことはないですね。あらかじめ向けてあるわけだし、タテに弾むボールに合わせやすい角度でラケットを持っているので、そのまま突っ込んでいけば当たる、ということがわかるように走ればいいんです。

当たった瞬間がダッシュのスタートになるように、センターラインに向かって走るようにするには、軸足側できちっと位置を決め、ラケットにボールを当てながら次の地点に向かってスタートするような格好になります。

サイドラインに沿ってまっすぐ走っていき、ラケットがボールに当たるころに直角に曲がるような感じです。

身体ごと回転しても、ラケットの面の方向を維持すると、体の回転に合わせてスイングのような形になります。

手ごたえを感じながら、自分のラケットが狙ったラインにボールを押し込んだような感触になるようにスイングに意思を載せていきましょう。

そうすると、ラケット(を持っている方の手)の役割は、

「うまく当てること」

「面の向きを維持すること」

が最優先事項で、そこにいくらかのパワーアシストがあればいい。軸足を起点に身体が回転する力は、肩から先の腕ごと押し込むような力を貸してくれますから、うまく利用して、少ない力でパワフルなショットを打つようにイメージすればいい。

前に走りながら、自分のラケットの位置と、回転の中心となる足(軸足って意味です)の位置をドンピシャに合わせられるのが、良いフットワークです。そのまま体重移動でうまく腕の振り子を、打点にフォーカスの合った形で行えるのなら、なお至極です。

そっと触って、グイッと押す、みたいな形から入れば、打点への入り方の練習になるでしょう。

徐々に、コーンの位置を下げていき、深めのボールに対しても同じように自分の狙ったラインにボールが打てるように仕向けていけば、うまく打点に入りさえすれば狙ったコースを外さずに打てるようになるコツを掴めるようになるはずです。

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:42 | コメントをどうぞ

すんごい速いショット

ラケットを引いて、ってのはほとんどショットの動作の最初の方なんですが、そこで「体を使う」ってことはどんなことか、わかりますか?

 

これね、説明すんのすっごいめんどいんです。だからちゃんとはしない。

どうしても複合した色々な部位の動きを追うことになるし、そのひとつひとつを言葉にしたからといって、一瞬でできてなきゃいけないことを丹念に言語化しただけで、できる人にとっては最初からできるけど、できない人にとってはなかなかできるようにならないままだと思うんです。

だってね、腕を引くのに脚の力は必要だし、その脚だって動くわけだし、ホントいえば腕って後ろに引くわけじゃないし、そこをなんでそうなのか、どうしたらいいのかを説明したらまた長くなるし、引き方は打ち方のメインじゃないけど大きな影響を与える部分だから、人によって違うことも認めなきゃなんない。

 

はー、めんどくさい。

 

でですね。ざっくり知っておいていただきたいことがいくつかあるんです。

最も大事なことは、

「フォワードスイングのためのスペースが開けられること」です。

そのためには、

「腕は高めにあげること」かな、と思います。

レディポジションの腕の形

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から、「腕をあげること」と「腰と肩のターン」とで、極端にいえばこんな形にも。

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ウルトラマンタロウの腕の形から、グルビスのテイクバックまでは、胸の前を通って広げるだけですから、実はそんなに遠くない。

前から後ろに向かって腕を引くようにしてこの形になったとしたら、そりゃあプロのラリーでは間に合わないでしょう。むすんで、ひらいて的なシンプルな形。

この手首の形がグルビスにとってはインパクトの面を作りやすくてこんな風にしたんでしょう。←ちなみにここ2年くらい彼のニュースも動画も見ないけど、どうしちゃってるんでしょうかね。

 

そうすっとこの形も

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大して遠くないってわけで。

一般プレーヤーで、実はこのトッププロのように腰を深くターンすることができないことが多い。

まあ、必要ない深さかなぁとも思いますけど。すごい球が出るようになるかもしれませんけど、オーバーパワーしますね。

プロ選手の体幹の強さって、体幹部分だけにそのパワフルさって見えないものなんですが、一般人とは驚くほど違うものです。

両手で持った5キロのメディスンボールを、サービスラインからかなり後方から投げて、ワンバウンドで同じくらいの位置の相手に届きます。

いや無理だって。私も試しましたが、2キロでも無理でした。この意味がわかんない人は、まあいつまでもわかんないんだと思います。

きっと我々がそのくらい飛ばそうとしたら、無理矢理に体の方から引っ張って、軸はブレて腕が飛んでいきそうなくらい強く振っても、5キロのボールが重くてうまく出てこない、って感じでどうやって投げたものか…みたいな感じになると思いますが、体はきちんと中心になって腕は管理できる状態でボールを維持します。どういうことかっていえば下半身の強さと腹筋背筋のバランスも保って加速動作がボールに伝わります。で、5キロがやく15メートル飛んでいくわけですね。

物が飛んで行く場合に、そのパワーとは動作の量ですから、腕が長くなるわけはないので、ターンした際に腕が大きく引き上げられて、落ちて行く加速にさらに体からの加速が乗せられるわけですね。スイングの量が確保されて、そのパワーがボールに乗ることになります。

 

テニスコート上でラケットでボールを打つわけですが、パワーを求めて思いっきり打ったらアウトしちゃうってことは、普通に考えれば当たり前のことですね。

普通、強く打つという意識でスイングをすれば、インパクト付近に力を込めることになります。そうすると、その結果はインパクト後のスイングが強く大きくなることになるんですが、それがアウトする原因。

そっちのスイングがでかくなるってことが、飛んで行くモノの「飛距離」に対するパワーが出たってことになるんですね。

で、それでも入れたいもんですからスピンかけたりとか、肘を逃すようなウィップショットみたいな感じにして、ボールを殺すようにしてスピードが落ちていきます。スイングを強くしたという満足感と、スピンやスイングの形を変えるなどのテクニックを使ったという満足感なんかで、レベルの低い球に変えたということは忘れます。

偉そうに言っていますが、私自身がそうやっています。そうしないとコートの中に収まらないし、ゲームの相手がビビらない。ましてブレないスイングを落ち着いてできるような鍛え方もしていないし、メンタルだってそういうレベルのショットを連続で叩き込めるほど強くないものです。

だけどまあ、スイングビルダーとしての説明としては、なぜプロ選手だったらあんな150キロとかスピードのあるフォアハンドをコートに入れられるんだろうってことですね。

150キロ出るのもすごい(デルポトロとかモンフィスには190キロの記録もあります)ですが、それが23.77mしかないコートの長さで入ってくるってのがわかんないですよね。

理屈からいえば、テイクバックを大きくとることが、フォワードスイングの長さになり、それがイコール打球のパワーだってことがまず一つ。

それと、飛距離はインパクト付近のスイングの長さですから、なるべく普通通りに振り終わることで、いつも入れている距離で収まるっていうことが要素になります。

簡単にいえば、後ろがでかくて前が狭いスイングをするってことですね。

しかしスピンとかかけないと面の維持ができないじゃないですか。だから技術的にも相当すごいことなんだと思います。

 

腕よりも体、体幹の方が力がつよいってのが普通のことだと思います。それと、物理的に考えて体が回転することで腕の振りが引き出されてくるわけですが、力一杯スイングしようとすれば、体は必要以上に回そうとするはずなんです。

体の方が腕の振りよりも回転半径が小さいものですから、あっという間に打点の位置まで到達します。だけど腕はそれよりも遅れてしまうので、体の力をフルに使ってスイングする、なんて思っている人は腕が遅れて損をするようなスイングになっていることがほとんど。

体から腕に、腕からラケットに、と加速は乗り移っていかなければならないものですから、ここでトッププロのスイングは、そんなに前向きまで体を捻り戻していないし、打点ではしっかり腕と体の間が空けられている・・・つまり、体から腕→ラケットときちんと加速を繋いでこれている、ということがこの辺でわかるはずです。

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体の方をねじ切るような派手な動きはないですね。腰はむしろ残っている方だと思います。胸や肩は腕を先行させていこうとする動きですから、それもまた素晴らしいバランスでなされているってことですね。

一般レベル、という自分の中ではどのくらいまでがアベレージとして、あるいはチャレンジとして成し得るレベルのショットが出るかは、そう言ったことを知っておいてトライすることで、引き上げられるようになるかもしれません。

最大最速の飛び方をする打ち方と、それがコートの中に入る打ち方との差を知っておくのも面白いかと思います。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 11:58 | コメントをどうぞ

nishi・・・oka!!ブレイクスルーか!

テニス界になくてはならない存在となった錦織圭。

今日の話題はその後輩の西岡良仁選手。

インディアンウェルズでの活躍は、錦織選手のブレイクスルーの時とどうよう、心臓から血がたぎるのを感じるくらい興奮しました。

最近の傾向で、マスターズ大会への予選に挑戦する選手たちの結果もtennis365ではニュースに取り上げてくれていて、ある程度はそれだけでも追えます。(もっと詳しくは、ブログサイトの方で《ピンキーズ・リマークス》さんには日々結果を載せて下さっていますね)

このインディアンウェルズでは、西岡は予選決勝でイメルに負けてしまったのですが、本戦のドローから欠場者が出たためにラッキールーザーとして滑り込みました。

そこで初戦がそのイメルとの再戦。鮮やかにストレートでリベンジを果たすと、波に乗ったのか、快進撃を始めました。

 

 

思えば、錦織選手のブレイクスルーは、日本ではあの「デルレイビーチ・インターナショナル」で優勝したところからという印象があります。躍進のきっかけは当時120位前後だった錦織選手がそこで100ポイント稼いで100位ギリギリまで上がってこれたことから、グランドスラムの本戦にストレートインできる可能性が大きくなったことからだと記憶しています。

最近知ったことなんですが、錦織圭はジュニアの頃から、カテゴリを上のステージで、という取り組みが多くて、ジュニアでフレンチオープン準優勝とかの素晴らしい戦績もありますが、じつは勝ち星そのものはそんなに多くなかったらしいですね。より高いステージでどんどんもまれて…というプロジェクトだったんでしょうか。

その次の世代でというか、一つ後輩の中川選手もまだチャレンジャーを回っているらしいですが、詳しくは知ることが出来ません。その下に入った西岡選手の方が躍進を続けていて、グランドスラムにも何度も本戦を勝ち取ってきましたし、デ杯代表の席にもついています。

西岡選手はツアー選手の中では身長が低く、170㎝だそうです。弾むような躍動的なフットワークから、粘り強く拾いながら相手のボールのペースを崩す、立体的な展開力が魅力です。

けっこう画面で見てるとわかりづらいですが、高さの違うショットを組み合わせて相手を左右だけじゃなく、前後にも、また角度的にも横の角度、縦の角度にして打点を絞らせない努力をしているかのようです。

3回戦で魅せた、対ベルディヒ戦はこれまでの私のイメージを覆す大金星でした。

錦織もデルレイビーチでJ・ブレークを破って優勝し、同じ年の全米3回戦で当時4位のフェレールにフルセット勝ちを収めて一気に躍進の波に乗りました。彼は自分から打って出る、早い展開の攻撃型で、始めてみた時から魅力的なテニスで、毎回試合を追うようになっていました。そして今週の結果で、また自らが世界4位になります。本人はそれ以上を望んでいるんでしょうねー。10年前にプロデビューした時には、そんなことになるなんて夢にも思っていなかったですが。。。

 

西岡選手もカルロビッチ・ベルディヒと普通だったら「そんな勝てるわけないじゃん」って思ってしまうような選手を次々と撃破し、ワウリンカ相手にも一歩も引けを取らない見事なテニスでファイナルセットタイブレークまで持ち込みました。

ファイナルセットはなんなら5-4リード、6-5リードでサービングフォーザマッチだったんですが、そこを逃しました。

本人のコメントでは、「前に出る力がもうなかった」と連戦の疲れを感じていたことを明かしていましたが、常に先にブレイクしてプレッシャーをかけ続けていました。

ベルディヒには、ファーストを取られて、セカンドも2-5とあっさり負けそうなスコアからの大逆転でしたが、「自分のループボールにイライラしているのがわかった」と西岡本人の談もあるように、ラリーで迷い、ミスを重ねてラケットをたたき折るベルディヒ。

丹念に拾って、相手のストロングポイントを根こそぎ揺らがせるようなタフネス。シビれます。しかもマッチポイントはセンターにサービスエース!

打っても決まらない、打った後に次の攻撃ができない、というトップ選手すらイライラするような頑張り。

ワウリンカ戦でも、後ろに下がってバックフェンスに隠れてしまうくらいのポジションで、スマッシュみたいなフォアやバック、みたいなじゃなくてマジのグランドスマッシュまでも止めて、逆襲してポイントする、32ショットのラリーは圧巻でした。

いやー、つづくんですかねー?快進撃。

これからまたクレーシーズンですから、プレースタイルは生きてくると思います。

だけど真骨頂は、実はハードコートなんじゃないかと思っています。ウインブルドン後にまた、錦織だけじゃなくて西岡にも、またダニエルにも期待したいと思いますねー

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:07 | コメントをどうぞ

宿泊オタク会議を、ワンデイに変更します

先日このブログでお知らせをした、「お泊まりテニスオタク会議」ですが、宿泊先の「昭和の森フォレストビレッジ」から連絡がありました。

「予約人数8名以下ですと、予約をお受けすることができません」とのこと。他の宿泊客がなく、宿直者を置かなければならない都合上、8名以下は予約できないとのこと。

3週間しかないので、そんなに人数も集められないし、むしろこじんまりと内容濃くできたらいいとは思っていましたし、そのせいで宿の予約人数の変更とかキャンセルとかになるのが怖かったので、むしろ良かったのかも。

どのみちコートは昭和の森公園のコートになりますので、こちらは6時間おさえました。ハードコート2面。

昭和の森テニスコート

動画クリニック形式で個人別にショット研究クリニックをするコートと、もう片方はラリーやゲーム形式で目標を持ってテニスしていただくコートというように使っていければと思っています。

テニスの後は、近くのレストランにでも行ってテニス談義ができればいいと思っています。ご都合のつくみなさんで集まれればいいと思います。

何しろ急に動き出したもので、バタバタしていますが、興味のある方はご連絡をお待ちしております!

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 23:05 | コメントをどうぞ

スイングを速くすればよくなるのか

スクールでコーチをしていると、わりとどのレベルでも「速いスイングをしたい」のかな?と思わせるような動作の方ってかなり見かけます。

上級クラスの方に行けばいくほどそのショットが「力任せ」っぽくなっていく感じですが、ラケットの感覚とか技術があればそれをねじ込むようにしてポイントを取っていく事も出来ますね。

一本だけ、という集中をするのなら、べつに悪い事じゃないと思っています。だから、ラリーでつないでいる時にあまりそういうショットが多い人はラリーは単調になったり短いターンで終わってしまう事が多いですが、ゲームになれば話は別。ラリーの回数なんか競っていませんから、決められるんならそれはもちろんナイスショットなわけです。

 

初級クラスとか、あるいは腕力に自信がないような人でスイングを速くしようとしている人は、たいがいボールがあまり飛ばずに悩んでいる人です。

今回の記事はこちらの方が問題だ、ということです。

ふつう、スイングを自分のアベレージよりも速いスイングにすること自体がリスクを伴うことで、真ん中に当てるのがむつかしくなります。

物理の先生の本を読めば、スイートスポットに当たったボールとフェースの先端に当たったボールの、ラケットの反発力だけを測ったばあい、約6倍の差があったそうです。

スイングの量や衝突の力なども加味できるので、端っこに当たってもコートに入れられることはあると思います。

しかし、ラケット側の都合から見ても、よけいな力をまた使わなきゃいけないようになることから、スイングを速くしなきゃとか、もっと腕に力を入れなきゃみたいな形になる事で、悪循環が生まれます。

 

 

 

どだい、腕力に自信がない、という、ボールをうまく飛ばせないスイングの人が、速く振ったとしても、回転半径の小さな円を描くだけで、実はそこには「トルクが小さくなる」という落とし穴があって、速く振ってもボールは良く飛ぶようにならなかったりするわけです。

自転車をこぐのに、ギアをあげていけばペダルが重たくなりますね。トルクが必要になるってことなんです。ギアを下げていくと、自転車に乗っている人の力は軽くて済みますが、今度は進みません。軽い力で自転車が進むためのトルクが強くなった半面、仕事量が減っている訳です。

ペダルが付いている方のギアはたぶん、タイヤ側についているものよりも直径の大きなものが付いていて、タイヤ側は変速機付きなら大きなものから小さなものまで段数に応じて何枚かついているというもの。

タイヤ側のギアがおおきい=ペダル側のギアとの差が小さい→軽い力

タイヤ側のギアが小さい=ペダル側のギアとの差が大きい(こちらの方がはるかに大きい)→ペダルが重くなる

 

という理屈。小学校?か中学校の理科で習います。

力のない人が速いスイングをするのに、回転半径を小さくするってことは、ギアを軽くしただけで、仕事量は変わりません。さらに、自分で楽だと思っているスイングよりも速くしているので、真ん中に当たらなければもっと飛んでいかない。

身体の動きは、回転運動を伴って行っているはずなので、体重移動のきっかけでスイングを始めて、そこから体に巻き付くのを強くすれば見た目のスイングは速くなります。

遅くなったように感じたとしても、スイングスタートの条件が同じなら、スイングは徐々に大きくなっていったほうがトルクは増大していきます。

ちょうど、スイングしている腕が身体から離れはじめるくらいの位置で、面が安定してパワーが伝えやすい所があります。

打点をそこにとる、ということをデフォルトにしておいてあげるのは、訓練すべきことで、緊張した場面がやってきてもそれだけは守るようにしておきましょう。

身体じたい(胴体)が回転するところを中心とした円から、打球方向に延びていく楕円になるようにイメージしたスイングを腕が描ける、ということを考えて打ってみましょう。

そうすると、コーチがよくいう「グリップの方から打点に入れ」というスイングと形が似てきます。

打点のあたりではヘッドにスピードが乗って、力はそんなに入れなくてもキレイに飛ぶようになります。

 

良く分からなかったら、わざとゆっくり振るようにする、という風にしてみて、そのうえで身体から腕が離れはじめるあたりでボールを捕らえる、という二つの項目をクリアできるようにスイングしてみてください。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 08:18 | コメントをどうぞ

テニスオタク合宿を企画しています

千葉市緑区にある、昭和の森公園には、かつてユースホステルがありました。

さいきん、ここは民間の施設としてリニューアルし、「昭和の森フォレストビレッジ」として宿泊しながらあそべるように営業しています。
昭和の森フォレストビレッジ

http://forestvillage.jp/

↑公式サイトはこちらです

3月31日・4月1日(金・土)でジュニアのテニスキャンプを企画していたのですが、年度の切り替えとかで集まらず、企画がキャンセルになってしまいました。

ワタシの日程が空いてしまうってのもありまして、代わりにこのブログを読んで頂いているような、打球技術やラケットのカスタマイズなどの用具の知識に興味のある方が集まる機会が出来ればと思い、急きょですが大人の皆さんを対象にキャンプを張りたいと思います。

日程は3月31日・4月1日(金・土)。正午に集合です。13:00~16:00までをオンコートでショット練習や、動画撮影をしながらのクリニック、またゲーム形式などで3時間。

2日目もラリーやゲームを中心にやりたいと思っています。午後には試合を順に組んでいって楽しくできるようにしたいと考えていますが、景品などは用意できないと思います。

初日の夜には、動画を改めて見ながらの打球技術の考察や、ユーザーとして自分に合ったラケットのカスタマイズはどう考えたらいいのか、などマニアックなことでも知っていることは何でも相談に乗る、部屋呑みの会をつくって熱く語り合いたい・・・という企画です。

昭和の森テニスコート
昭和の森公園のテニスコートを利用します。ハードコート6面・オムニコート2面。宿泊施設から徒歩15分、車での移動ももちろんできます。

料金は一泊2食でテニスの料金も含めて25,000円。最少催行人員は4名です。

今月末の予定がまだ空いていて、興味のある方。おそらくレベルはスクール中級以上かと思います。走る能力があれば、打球スキルはそうとうカバーできますから、なんとでもなると思いますが。

参加のご希望は、このブログにコメントを入れていただくか、
直接永木宛てご連絡ください!

メールアドレス okappiki.ngk@i.softbank.jp
携帯電話 080-5036-2140

一週間経って集まらない場合は、企画をキャンセルし、このページごと削除しますー

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:21 | コメントをどうぞ

停滞期・・・

テニスの停滞期ってのもあるだろうとは思いますが、今日は私自身が停滞中っていうもどかしさを吐露します。

テニスの動作については、物理的な動きとして腕を振ってラケットの動きを生む・その腕は身体から生えていて動きの流れを上手く作る必要がある、てことを念頭に勉強を進めてきたので、今やっていることが間違っている様には思わなくなってきたのでそこには自信があります。

分かればわかるほど、出来る人と出来ない人の差がいろんなところに要素として入っていて、コーチとしてそれらを見比べて、足りないところとされる要素が、はたしてできない要素なのか、気づきさえすれば出来るようになることなのか、プレーヤー本人と一緒に考えながらやっていることで、時間はかかっても方向はわかるようになればいいと割り切って取り組みを持たせるようにしてきています。

信頼されているという事が会話からも生徒さんの反応からも、痛いほどにわかるので、こちらも真剣です。それだけにレッスンは楽しい。

 

一方で、ワタシはこういうことを記事や記録として残しておきたいと思いながら、こうしてブログを書いたり、教科書のようなものを作りたいと思ってそちらの勉強もしてきています。

何度も書くことに挑戦し、3~40ページくらい作ることが出来ますが、そのたびに見返すと新しいアイデアがわいてきたりして、書き直したりしてきました。

問題は、どこから切り口を作っていく事か、なにが一番大切なことなのか、どこまで掘り下げればむつかしいことにはあとから挑戦することにして、もっとも簡単なことからゲームに活かせるようになるか、ということを考えるようになってから、自分の知識の並べ順が代わってしまうという事です。

 

どんなレベルの人でも、テニスはゲームをして楽しむべきで、打ち方だけにこだわってする練習があってもいいですが、上達したのならゲームをして活かすべきだし、今のレベルで楽しむ為にもゲームをするという事がいやだったり怖かったりしないように「出来る喜び」があるべきだと思うからです。

むつかしいことに挑戦する楽しみもあります。だから、段階を踏んでいけばいい。

初心者にわかりやすいことが、上級者になって通用するものもしないものもあるわけです。

だから、初級技術として感覚がわかるようになったら、どんどん新しいことをむつかしくない方法で紹介できれば、興味がわいてゲームの中で生かしながら新しい感覚を育てられるようになるのではと思っています。

「習っている」せいで上達にブレーキがかかることだってあると、コーチとして自覚しています。

自分で考えながら出来る方が、自分のテニスとして楽しみながら挑戦していける。それこそがテニスが長く続けられるコツなんじゃないかと思っています。

教わらないとできないことがあるのも事実というか、その方がはやく気づけるというだけで、結局は与えられて使うかどうかはプレーヤー本人の問題です。だからこそゲームをする中で発見しやすいようにしたい。

ボールに上手く追いついてちゃんと真ん中に当てられるけど飛んでいくボールが不安定な人とか、かなりいるわけです。その人はゲームを上手くすることが出来ていないかもしれませんが、運動神経はよくて、上手になる要素はかなり持っている訳ですよね。

それをどっち向きに使えばいいかだけわかれば、上手く打っているのならうまくコートに入る、という感覚がわかるようにしてあげたい。

狙ったらそこに打てるのなら、ゲームで困らないわけですよね?

それこそレベルに関係なく、楽しくゲームが出来るんだと思うんですが、そう思えば思うほど、何をどう書けばいいのかが困ってしまって、ブログすら最近は止まりがちです。

もうしばらく、トンネルの中にいると思います。

どうか見捨てずにおいてやってください。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:55 | コメントをどうぞ

「型」と「タッチ」が先かな

ショットのコントロールは、空間把握の良い人から先によくなります。

さっきストレートに打ったショットが同じような所に返ってきて、もう一度打つときにクロスを選択したとしたら、打点のボールに目線を合わせることや、目標が変わったことに対して気を遣ったりするので難しくなることがあります。

見なきゃできない、というイメージを持つ人は、例えば球出しの練習でストレート狙いで、とか、今度はクロスへ、っていう練習は、打つ前にその準備というか心構え?だいたいあっちの方にこんな感じだな、ってことをよくイメージしてから打てば大丈夫だと思います。

それがラリーのテンポで、要するに一度打ってからもう一度打つまでの時間で相手がどこへ打ったのか、自分はその次どうするか決まっているのか、でどうすんのか?が素早く決められないと甘くセンターに行っちゃったりします。

 

平たく言えば練習不足ですね、ってことになるんですが、練習をどうやって使っているかも問題なんじゃないかと思います。

 

ああそれで、もう一個コントロールの要素があって、それは再現性。

狙おうと思ったら、さっとそこに打てるようになりたいわけですね。

どっちが先にできるようになればいいかって言ったら、この再現性の方じゃないでしょうか。

ネットの向こうにいる人のところへ、何度でも打てるようになれば、ラリーが続くようになるし、その中から打てそうなときにチャンスを決めさせてもらったり、ネットダッシュできるようなボールを選んでみたり、ってことができるようになることで試合のシチュエーションに近くなっていく。

これってスクールのコーチっぽい意見でしょうか?

空間把握が良い人だったとしても、ストレートへ打つときと、クロスへ打つとき、あるいは短めに落としてボレーヤーの足元を狙うようなことが初心者からできるってわけじゃありません。

何度かやって見て、経験値からこんな感じだったな、っていうのを再現できてみて、必要だと思われるときにやってみたらうまくいったとか思ったようにできなかったっていうことからだんだん自分なりに「やり方」ってのが身についてくる。

だからテニスは一足飛びにうまくなるスポーツじゃないわけです。

まず、インパクトの面はどう出るのか、そこが「ボールの当て方」みたいな感覚で、当たったボールがどう飛んでいったのかというフィードバックをもらいながら感覚がついてくる。

 

面の出し方が決まってきているのなら、スイングスタートの時の形も決まってくると思います。

ラケットを引く、という動作が、その形にいかに素早くできるようになるかは、レベルアップの鍵にもなると思います。

決まったタイミングで引くことが、その人によってやりやすい方法があるかもしれませんが、そのせいでテイクバックが時間のかかるものだったり、無理な力を必要とする(ラケットはそんなに重くないので実現可能なのかもしれませんが)ものだったりすると、ラリーのアベレージが速くなったり、相手のショットが強烈なものになってくればくるほど対応できなくなっていきますから、いかに素早く振り始められるようになるか、というのは課題になると思います。

実は、テイクバックが大きく見えても最短距離というか、一瞬でその形になれることがあります。グルビスみたいなプロがいて、ナダルみたいな人のショットに打ち勝ったりしてるわけですから、やりかたはあるんだと思います。

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お友達からもらった写真。

 

決まった型が、決まったスイング軌道を作ってくれて、安定した打点の形を約束してくれます。

その中で、どうボールタッチすべきか?

手のひらが、ラケットを通してどんなふうにボールが当たって飛んでいったのかを感じ取りながら、再現性を上げる努力をしていくと、いつも最高のショットをひねり出そうと頑張っている人よりかは最高のショットに近いショットを完成させるのに努力すると思います。

 

教わった通りできているかどうかを気にするより、なるほどこうやればいいな、ってことに早く気づいた人の勝ちなんじゃないかと思うわけです。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:07 | コメントをどうぞ

考えてから動いてたら間に合わない

あ。

タイトルの書き方間違えましたかね。

見てから考えて、それから動いたんじゃ間に合わない・・・って書きたかった。

相手がどんなショットを打つかは、結果を見るまではわからない事です。

予測はある程度できますね。全く分からない、ってことはなく、コートの広さが決まっている訳ですから、あまり速くない球だったら、どこへでも走る準備をしておけばいいし、すごい速い球とか、相手がボレーに詰めてきて一気に決められちゃいそうなシーンではあてずっぽうでも動くでしょう。

次に何が起こるのか?

「相手が打つ」ということが起こるわけです。その前に「どこに行けばいいんだろう」とか考えると、そこんところの順序がおかしくなって動けなくなったりします。

そもそも明確にどこに打つかなんて、打っている本人でも完璧に狙ったコースに打てていることがあんまりないんですから、余計なことを考えてないでちゃんと相手を見ましょう。

これ、前回のポーチの話と合わせて聞いてもらうといい話かもしれませんね。

ポーチに出るかどうかの判断も、いつまでも「タイミングがわからない」といってなかなか出れない人がたくさんいます。

私自身もポーチが得意とは自分では思っていません。だけど、ペアのサーブがよさそうで、相手のリターンにプレッシャーをかけるのに必要だったらぐいぐい出ます。

だから、集中します。

さきに、「甘いリターンよこしたら速攻で決めちゃうもんね」という態度を作って置きます。ファーストの時にわざと最初っからセンター寄りに顔を出しとくとか、そういう姑息なことをします(笑)。

相手が打つところを想像しておいて、そこから飛んでくるであろうボールのスピードと、自分が動くスピードのイメージをして、足の筋肉には緊張を入れておきます。

相手のフォームは、狙ったところに打とうとしてるはずですから、何となくでもラインがあります。飛んできたサーブに真っ向勝負的な動きをするなら、クロスリターンだろうと決めつけて飛び出します。そのあとで飛んできたボールの中にある一瞬の時間をもらいます。

そこが勝負だし、勝負のスリリングな魅力的な体験です。

成功したら、もうノレる(笑)。

それがもし、「もしもいい球が来たら出よう」「甘いリターンだったらでるね」みたいな中途半端なことだと、その判断をしなきゃいけない時間が必要になります。一歩目が出ない時間になります。

そこで、出遅れたと感じれば、もうポーチには出れません。

ラッキーに手の届くところに来てくれればボレー出来るでしょうが、ポーチではないですね。甘いリターンを美味しく頂いただけ。サーバーの手柄です。

だから、動いてみて考える、ってことと、一途な動き方じゃなくって、疑いのある動きが出来るかどうかですね。もうスタートしちゃったけどまだ反応できるっていう部分は必ず少しでも残しておく。

スリリングなポーチでなくても、ボールが動いている以上、自分から動いて当てに行かないと、当たり損ねは減らないものです。

相手のショットの軌道をみて、この辺でこんな形のインパクトをしよう、ってイメージがある時は、きちんとやり切ってそんなにミスをしないで済みます。

彼我の距離も必要ですね。先に前に詰めてしまって差し込まれたような格好になってしまっては、結局自発的に打点に入ったとは思えないと思います。

打点になるところが明確なイメージを持てているのなら、ラケットをどう扱っていく事になるのか、インパクトまでにすべてが出来ているように動く時間を使えばいいわけです。

インパクトは面であって、力や方向ではないな・・・と最近とても感じています。

力や、方向は準備しておくものであって、当たる瞬間に求めるとズレる。

「ボールをつぶす」っていう言葉にも、そんな意味があるような気がしています。

ボールがつぶれるには、いくつか条件があるだろうと思いますが、そうはいっても一瞬のインパクトの事を言っているのには相違ないので、動き全体の調和がとれない事には上手くはいかないでしょう。

 

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:10 | コメントをどうぞ