こんにちは
内藤です
大変でした
大惨事でした
事故なのか・・事件なのか・・・
事件は会議室で起こっているんじゃない！
調布市飛田給３－１－１で起こっているんだ！
あのね
調布校の方は知っていますが
コート２面の間にね
仕切りの網があるんです
開閉式なんですけど
レッスンの時は閉めているんです
なのでコートサイドが狭くて
アングルショットはほぼ取れなくなっちゃうんです
でもまあ
そこまで頻繁に気になるようなことはないのですが・・
・・・・・
１回・・２回・・３回
サーブ前
齋藤にはボールを３回つく習慣があった
今風に言えばルーティンというやつだ
レッスンテーマは試合
いつも以上に集中する齋藤
ズバンッ！
ファーストサーブがセンターに突き刺さる
しかし相手も上級者
リターンをしっかりクロスに
甘い！
一瞬の判断で踏み込む齋藤
スターッン！
強烈なフォアハンドがストレートを抜けた！
「ナイショー！」
３０－１５
テニスで最も重要と言われる４ポイント目
バックサイド
ここ！一気に流れを掴むならここ！
このファーストサーブ！
気持ちが入る
しかし、さすがは齋藤
そのままいかない
このままいくと打ち急いでネットする
落ち着け
「フゥーゥ・・・」
深呼吸 サーブのポジションに入りゆっくりとコール
「３０－１５」
集中する齋藤
１回
ボールをつく
２回・・・
そして
３回・・
つこうとした次の瞬間
「うぎい゛ゃーー！」
不意に齋藤を襲ったのは
この世のものとは思えない悲鳴、否、奇声だった
シュパーッン！
「ナイッサーブ！」
小泉の左腕からきれいなサーブが放たれる
１５－０
３０－０
レフティ特有の弾道に中級男性達はついていけない
しかし、そこは男性
女性のサーブに何度もやられるわけにはいかない
よどみないフォームから繰り出されるファーストサーブ
反応！踏み込んでブロック！
しかし、甘い！
「あま～～いっ！」
瞬間的に打点に入る小泉
スパーンッ！
切れ味鋭いフォアが男性二人の間を切り裂いた
キテる
キレてる
小泉の中で自信から確信に変わった
今日の私はキレッキレだわ
「座右の銘ってあります？四字熟語とかで？」
そう問われてもこう答えただろう
「座右の銘は・・キレッキレ ですね」
それほどにキレていた
あっさりサービスをキープしてリターンに
フォアサイド
１ポイント目
男性のファーストサーブ
普段なら踏み込んでブロックする場面
いける 今日はいける
自信から確信、通り越して過信にまでなっていたのだ
キレッキレ状態はときに人を盲目にさせる
気を付けなければならない
あえてポジションを後ろに取る小泉
ここから打ち返してやる
ワイドに来ても今日の私なら間に合うわ
シュパーン！
ワイド
スライス
逃げる
そして小泉
小泉
どうした小泉
先ほどまでのキレが嘘のようなおぼつかない足取りで
逃げるボールを真横に追いかける小泉
５０ｃｍ先に迫る網
もはや気付くことなど不可能な小泉
「うぎい゛ゃーー！」
捕獲
完全に網に捕らえられる小泉
小泉の悲鳴、否、奇声の直後
「キャーーー！」
齋藤の声が響いた
捕獲の際、網がたわみ
横のコートでサーブの態勢に入った齋藤のわずか２０ｃｍまで迫っていたのだ
瞬間、異変を感じ取った齋藤は見てしまったのだ
小泉捕獲の瞬間を
うぎい゛ゃーー！
齋藤・小泉二人の人生が
奇しくも交差した瞬間だった
「大丈夫ですか？」
果たしてこの声はどちらに向けられたものだろう
そう思いながら内藤は駆け寄った
捕獲の際に転倒 怪我がないかを心配するのか
トラウマ 齋藤が今後のテニス人生で抱える動揺を案じるべきか
小泉に怪我はなかったようだ
齋藤もどうやら落ち着いている
一安心
大変なことが起きたがレッスン中だ
進行しよう
齋藤もそのつもりだ
仕切り直してサーブのポジションに
ボールをつく
１回２回３回４回５回・・・
早い
明らかに早くて多い
１０回ほどついた後、齋藤が不意にしゃがみ込んだ
「キャッ・・・」
フラッシュバック
気丈にもサーブを打とうとする齋藤
入るはずもなくダブルフォルト
試合は終わった
レッスンも幕を閉じた
しかし、このことを語る者などいない
何の事件もそうである
事件に終わりはない
事件は終わりにせねばならぬものなのだ
いやー・・・
ほんとビックリしましたよ
皆さんも気を付けて下さいね
特にキレッキレのときほど要注意ですよ
次回はＴ中さんの・・・
やいやい言われそうやな・・・
ではまた
へばね～
