プロのラケット選択について、『たまには勝ちたい』さんからの質問です。
以下がそのコメントの全文です。
松原コーチの解説によると、プロのスイングスピードになるとどんなラケットでも反発係数がゼロになるとのことですが、プロはどんな基準でラケットを選択しているのでしょうか?やはり、フルスイングできない苦しい状況のときに、コントロールしやすいとかそういう理由なのでしょうか?
また、いろんなメーカーから新素材を使用したラケットが発売されていますが、プロにとってはどれもさほど差はないのでしょうか?
たまには勝ちたいより
私の答えです。
男子プロの選択基準は
硬くて(剛性感がある)、しっかり変形しないこと。
振りやすいバランスと充分な重さ。
後は振動が少ないとか、色がいいとか
じゃないでしょうか。
ワウリンカはグリップをシンセティックからレザーに変えています。
つぶれず、フワフワしない、経時変化も少ない。
角もはっきりしていて
これはいいですよと、東戸塚校の田村コーチも言っていました。
さて、「プロのスイングスピードになると
どんなラケットでも反発係数がほぼゼロになる」
ですので
サーブやフォアのとフルスウィング時は
ラケット面の先のほうで打つから
そこに当たっても、たわんだりしない剛性が必要ですし
トップスピンを強烈にかけるときに厚すぎるフレームだとじゃまとか
色々あるでしょうが
基本的には
「硬くて、しっかり変形しないこと」 です。
そうすれば、コントロール性能が上がり
安心して使えるからです。
男子プロだと
「フルスイングできない苦しい状況」 でも
腕だけでけっこうすごいのが打てるし
逆に、思ったよりも飛んじゃうほうがいや
入れた力と効果がリニアーなほうがいいのです。
強烈なトップスピンを足元に叩き込まれた時も
コート内にボレーで返球できなくてはならない。
それは楽に打っても伸びのあるボレーを打てるラケットではないのです。
しかも、しっかりと筋トレをしている。
これが女子プロだと
握力、腕力の違いで
ボレーや
苦しい状況でラケットが活躍する余地が多くなるのです。
伊達さんはかなり飛びのいいラケットです。
だからわれわれ普通の日本男子は
女子プロと同じ考え方でいいかもしれませんね。
ただし、女子プロが一般男性と違うのは
相手ボールが重く、深いこと
これは女子のほうがスピンが少なくフラットが多いため。
だから女子プロのラケットは意外に重い。
選手によっては男子以上に重いのを使う人もいるようです。
一番相手ボールが重く感じるテニス
ライジングの伊達さんは
フル装備で、370gと聞いたことがあります。
新素材や新構造
われわれや女性には効果ありですが
男子プロにはどうでしょうね。