月別アーカイブ: 2014年5月

プロのラケット選択

プロのラケット選択について、『たまには勝ちたい』さんからの質問です。

以下がそのコメントの全文です。

 

カラオケ  松原コーチの解説によると、プロのスイングスピードになるとどんなラケットでも反発係数がゼロになるとのことですが、プロはどんな基準でラケットを選択しているのでしょうか?やはり、フルスイングできない苦しい状況のときに、コントロールしやすいとかそういう理由なのでしょうか?
また、いろんなメーカーから新素材を使用したラケットが発売されていますが、プロにとってはどれもさほど差はないのでしょうか?

たまには勝ちたいより

 

 

 

水瓶座  私の答えです。

 

男子プロの選択基準は

硬くて(剛性感がある)、しっかり変形しないこと。

振りやすいバランスと充分な重さ。

後は振動が少ないとか、色がいいとか

じゃないでしょうか。

 wau140503rak

ワウリンカはグリップをシンセティックからレザーに変えています。

つぶれず、フワフワしない、経時変化も少ない。

角もはっきりしていて

これはいいですよと、東戸塚校の田村コーチも言っていました。

さて、「プロのスイングスピードになると

     どんなラケットでも反発係数がほぼゼロになる」

ですので

サーブやフォアのとフルスウィング時は

ラケット面の先のほうで打つから

そこに当たっても、たわんだりしない剛性が必要ですし

トップスピンを強烈にかけるときに厚すぎるフレームだとじゃまとか

色々あるでしょうが

基本的には

「硬くて、しっかり変形しないこと」 です。

そうすれば、コントロール性能が上がり

安心して使えるからです。

 

男子プロだと

フルスイングできない苦しい状況」 でも

腕だけでけっこうすごいのが打てるし

逆に、思ったよりも飛んじゃうほうがいや

入れた力と効果がリニアーなほうがいいのです。

強烈なトップスピンを足元に叩き込まれた時も

コート内にボレーで返球できなくてはならない。

それは楽に打っても伸びのあるボレーを打てるラケットではないのです。

しかも、しっかりと筋トレをしている。

 

これが女子プロだと

握力、腕力の違いで

ボレーや

苦しい状況でラケットが活躍する余地が多くなるのです。

 date1405f

伊達さんはかなり飛びのいいラケットです。

だからわれわれ普通の日本男子は

女子プロと同じ考え方でいいかもしれませんね。

 

ただし、女子プロが一般男性と違うのは

相手ボールが重く、深いこと

これは女子のほうがスピンが少なくフラットが多いため。

だから女子プロのラケットは意外に重い。

選手によっては男子以上に重いのを使う人もいるようです。

 date1405bk

一番相手ボールが重く感じるテニス

ライジングの伊達さんは

フル装備で、370gと聞いたことがあります。

新素材や新構造

われわれや女性には効果ありですが

男子プロにはどうでしょうね。   テニス

 

 

カテゴリー: ラケット、用具他 | 投稿者松原コーチ 12:39 | コメントは受け付けていません。

ポリの張替えは

I32』 さんからポリストリングの追加質問です。

以下がそのコメントの質問部分です。

 

カラオケ   ・・ 私がもう一つ疑問に思っていたこと。
ポリって「切れにくいから耐久性が高い」=(イコール)「切れるまでテンションが保持されている」と勝手に思っていました。

ナイロンマルチやナチュラルだと「寿命」=「切れた」がある意味張り替え時期でしたがポリはそうではないんですね?
週末テニスプレーヤーの私。ポリにしたら切れないので張り替え頻度が減って、ポリって経済的なガットだなと解釈していました。

ではポリは張ってからどのくらいで張り替え時期とすべきでしょうか? 
お手数ですがポリガットの長所と併せもう一度ご教授いただければ幸いです。

I32より

 

 

水瓶座  私の答えです

ストリングはテンションをかけたとたんに伸び始めます。

張りあがり直後の状態が

テンションが一番高いので、伸びるのも一番速いのです。

張りあがりと、翌日でもけっこう違います

3日目と4日目だとわずかに違う

10日目と11目だと違いが分からない

だけど、徐々に伸びるので

10日目と20日目はかなり違います。

そして

1ヶ月もするとほぼ伸びきって落ち着きます。

しかしこの状態では

ゆるいし、飛びません。

 

ナイロンでも流れはいっしょですが

ポリよりは少し落ちが緩やか

でも

ポリの半分も緩まないというほどではなく

やはり、張って2ヶ月もたったストリングは

ゆるいし、飛びません。

 

どちらでも

10日でだめと思うか?

1ヶ月か?

好き好き、懐具合とも相談して

自分で判断してもらうしかありません。

 

シャラポワは大会中

前の晩に10本すべてを張替え

練習と試合に使い

使わなかったのも含め、毎晩張り替えるそうです。

プロが試合中にポリ袋に入ったラケットを出して

ボールボーイにポリ袋を渡している光景を見たことがあると思います。

あのストリングは新品

さっき張ったのか、前の晩なのかはわかりませんが

張りたてですよね。

 

私の場合ですが

トップスピンの量が多い人なので

3年位前、ポリに変える前は10日くらいで切れていました。

  (トップスピンに変えた35年前は2日くらいでしたが)

現在のポリだと、2本を交替に使って

どちらも2ヶ月くらいもつでしょうか。

それくらいで切れないことも多いので

切れたから張り替えるのと

緩んだので張り替えるのが半々くらいです。

  (そのころはしっかり伸びきっています)

 

さて、ポリの長所ですが

とにかく摩擦に強く、フルスウィングトップスピナーには必需品です。

ハードヒット時にボールを捉えた感触が強いのがその次。

そして、伸びにくいので、よらない。

ずれても、すぐに元へ戻ります。

いつでもまっすぐストリングパターンです。

最後が、カラフルなこと。

 ptgp120_01

そうそう、「メーカーはポリにあわせて設計しているか?」 という点

男子のストローカー向けの品ならそうでしょうね。

試打も当然ポリでするでしょうし

ただ、だからナイロンに合わないかというとそんなこともないと思います。

それほど設計はピッタンコ行かないと思いますし

プレーヤーもテンションもテニスも色々で

それほど単純ではないと思います。

 

結局色々と使ってみなくては分からないのです。  テニス

 

カテゴリー: ラケット、用具他 | 投稿者松原コーチ 20:48 | 1件のコメント

攻めるとは? 守るとは?

ちーばくん』 さんから質問です。

以下がそのコメントの全文です。

 

カラオケ  松原コーチ、始めまして。
いつもシンプルでわかりやすい技術論、ありがとうございます。
今回、始めてコメントさせて頂きます。

松原コーチはテニスと言う競技の「攻め」と「守り」についてどのような考えをお持ちでしょうか?

私は
「攻め」相手のバランスを崩す
「守り」確立の高いショットを選択する
と考えております。

「攻め」については【時間を奪う】なんて表現もありますが、【時間を奪う】だと早いショットだけをイメージされてしまうため、相手のバランスを崩すと指導しています。
(もちろん、ドロップショットやゆっくりのアングルショットも立派な時間を奪うショットだと考えております)

バランスを崩すために時間を奪う
時間を奪うためにバランスを崩す

どちらが正解なのでしょうか?
それとも、どちらもとんでもない間違いでしょうか?

情報過多な世の中ですが、いつも正しい情報を発信して下さる松原コーチのブログ、とても楽しみにしています。

お時間の許す時にでも、お答えいただければ幸いです。
よろしくお願い致します。

ちーばくんより

 

 

 

水瓶座  私の答えです

 

とっても、面白い考えで

ちょっと哲学的でしょうか

しかし、テニスというものを考証する上では必要かもしれませんが

実用上、指導上はもっと単純でもいいんじゃないでしょうか。

ひとつの言葉で全てを説明するためには

攻撃とは、広い意味で相手のバランスを崩すことといって

間違いはないと思います。

たしかに、時間を奪う、よりも広いかもしれませんね。

 

しかし実戦では

相手コートにウィナーを取るための空きを作るために

はじっこへ走らせたり

深く、対応できないようなショットを打ち込んだりします。

そのやり方をタクサン教えたり

それをできるようなドリルを実行することが大切なので

全てを一言で説明する必要は無いと思います。

後で各論を付け加えなくては結局分からない。

wau140502

攻撃側についてですが

私は最終兵器を持つことを重要視しています。

特にいつも大切にしているのは

浅くなったショットを決めきるフォアハンド

ジャンピングスマッシュの二つです。

そこへどうもっていくか。

じっくり待ってもいいし、強引にオープンコート狙いもいい。

この、「そこへどうもっていくか」 が

時間を奪うだ、バランスを崩すだ、展開が上手いだ

という話なのでしょうか。

ただ

最終兵器がないと

絵に描いたもち、机上の空論、ざるで水をすくう

ことになってしまうかもしれません。

最終兵器があるからこそ

相手のバランスを崩した時点で

相手ミスでの得点を稼げるのです。

  (テニスはミスで決まる種目なのです)

wauri1405sm

もう1つ、守備側ですが

「確率の高いショットを選択する」 とは

ポイントの確率でしょうか?

ショットの確率でしょうか?

一番大切なのは、ポイントをとる確率です。

ストローク力やスマッシュ力が強力なレベルの試合では

一番安全なショットが

ポイントをとる確率に結びつかないことも多いのです。

追い込まれたら、浅くならないようにきっちりクロスに叩くとか

守る選択肢が他に無かったら

20%の確立でもウィナーを狙う、というのもありなのです。  テニス

 

カテゴリー: 試合 | 投稿者松原コーチ 17:46 | コメントは受け付けていません。

ポリは伸びにくい

I32』 さんからストリングの質問をいただきました。

以下がそのコメントの全文です。

 

カラオケ  いつも拝見しています。
緩いボールの話題と緩い繋がりで、緩いテンションについて質問です。
昨今ガットはポリエステルが主流になってきて私もナイロンからポリに変えたのですが、ナイロンと同じテンションでは硬すぎると感じています。
でもテンションを下げるとコントロールが悪くなるかと思い切りがつきません。
ポリの場合ナイロンのテンションに対してどの程度までコントロールを維持したままテンションが下げれるのでしょうか?
また、下げたことによるメリット、デメリットが有れば教えて下さい。
現在の私のポリのテンションは48ポンドです。

I32より

 

 

 

水瓶座  私の答えです。

 

ポリはナイロンに比べ

同じ引っ張り力に対し、伸びる長さが少ないのが特徴です。

 

ですから

打球時にナイロンと同じだけ食い込ますためには

テンションを下げる必要があります。

同じくらい食い込んで

同じくらいボールをホールドすれば

コントロールはほぼおんなじくらい維持できるのではないでしょうか。

 

ご質問で

テンションを下げるとコントロールが悪くなるかと思い・・」

というのがありましたが

これは、緩くすると

思ったより飛んでしまって

アウトしやすいということではないでしょうか。

そうであれば、心配することはあまりないと思います。

ポリの方が飛ばないからです。

 

私はポリの方が、「捕まえた」感が強いので

何となく落ち着きます。

さすがに

耐久性を追求する必要がなくなってきましたので

ポリの中でもかなり細めの、1.20を使っています。

これが私の使用ストリングス

ヨネックスのポリツアープロ120

ptgp120_01

きれいな黄色

私のテンションは47Pです。

 

そうそう

テンションの下げ方ですが

ナイロンに比べて5P位下げてみたらどうでしょう。

最終的にどれくらいでいいか?

後は、いろいろと試してみるしかないと思います。

ところで、もう一つ

ポリの方が伸びにくいのは

今すぐの引っ張りに対しては、ということで

時間経過でいうと、ナイロン以上にゆるむのが早いのです。

ナイロンだとすぐ切れちゃう、という人じゃないと

伸びきって飛ばない、ユルイストリングばかり使うことになるかも。  テニス

 

カテゴリー: ラケット、用具他 | 投稿者松原コーチ 21:25 | 1件のコメント