レンドルのバックハンド
写真を見ていて思い出した。
昔々
月刊テニスジャーナルの解説をしていたころ
プロのバックハンド
グリップによる特徴をテーマにした。
代表的なプレーヤーを選び
連続写真を探して
そこに解説を加えることになった。
探したのは
ウェスタン、セミウェスタン、バックハンドイースタン
それぞれを代表するトッププロ。
ウェスタンはすぐに見つかった。
エナンとクエルテン
セミウェスタンはロジャー・フェデラーをはじめごろごろ。
この人はそのころの人じゃないが
手の甲とラケット面の向きが直角くらいなのがわかると思う。
バックハンドイースタンは?
これが探せどもいない。
もちろんトッププロじゃなければいないこともない。
実は私、松原コーチ。
しかしこの人では使えない。
レンドルは? エドバーグは?
この人たちはコンチネンタルだった。
手首を内側に折ることにより
打点が前でも、垂直面を作っていた。
スライスとトップスピンを同じグリップで打ち分けていたのだ。
トップスピンが主流になり
バウンドが高くなり
こちらからも強烈なトップスピンを打つには
薄めのグリップでは対処できなくなっているのかも。
どうせ厚くするなら
バックハンドイースタンでは
ご利益が足りないということなのだろう。
そういえば
学生時代にプロの大会中のクリニックで教わった
スタン・スミスとクリフ・リッチー
セミウェスタンだったような気がする。
打点をすごい前に取っていた。
今度写真を探してみよう。
ところで、松原さんは
プロに合わせるのが信条
先ほどの取材の日からグリップをセミウェスタンに変えた。
昨年、肘がつらくなり
元のバックハンドイースタンに戻して
最近、めきめきと調子を上げていることは秘密だ。
まあ、そんなわけで
ウェスタンの裏のような厚い、熱いグリップがプロでは常識
バックでもワイパーを使う。
ソフト出身の人などは
そのままかちょっと薄くして対処すれば
バックハンドに悩まなくても済むのかもしれない。