ふと、言い忘れていたことに気が付いた。
それはトップスピンのボールの弾み方。
どなたかの質問で
「トップスピンはコートを蹴って高く弾む」
というような趣旨の話が合ったのだ。
ホントにトップスピンのボールは
スピンの威力で弾むのであろうか?
もちろんテニスコートでは
ナダルのようなトップスピンは高く弾むし
フェデラーのスライスは低く滑る。
さて科学的な考察
と言ったって、簡単なことだから
ちょっとだけ付き合ってほしい。
ちょっとした図を用意した。
iは入射角と呼ばれるもの
rは反射角だ。
光が鏡に反射する時は
i と r は等しくなる。
つまり、飛んできた角度で跳ね返ることになる。
ボールのバウンドもほぼ同じで
摩擦や、バウンドの減衰がなければ
同じ角度で跳ね返るだろう。
石鹸水を塗った面を使い
スーパーボールで実験すればたぶんそうなる。
問題は赤い矢印の方向に回転するトップスピン
しかもテニスボールでどうなるのか?
ということ。
トップスピンでコート面に当たったボールは
打球方向に蹴るわけで
図のように
バウンドはむしろ低い方向に行くのではないだろうか。
そしてもう一つ
スーパーボウルほど弾まないテニスボールとしては
コート面に当たる速度より
跳ね返る速度は当然遅くなる。
だからますます低いバウンドになるのだ。
結論
「トップスピンのボールは弾まない」
えっ
でもナダルのボールは?
あれは、強烈に落下してくる勢いで跳ね上がっている。
トップスピンは急激に落ちるので
入射角が小さくなる
しかもスピードがあるので
強く地面に激突する。
だから高く弾む、という理屈なのだ。
一方のスライスは浮き上がる力が働き
低く滑るように飛んでくる
入射角が大きくなるので反射角も大きい
だから、低いバウンドになるのだ。
まあ、そんなわけで
いくらナダルが打っても
4mの高さから落ちてきたエッグボールが
6mの高さに跳ね上がるということはないだろう。
結論を言い換えると
「トップスピンそのもので高く弾むのではない」
ということ。
でも
トップスピンはスライスよりも高く弾むのだけれど。