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ナガキヤスヒロ

ナガキヤスヒロ の紹介

フリーのテニスコーチをしています。テニスにこだわること数十年。。。こだわりが強くて周りに引かれることも多いくらいですが、コーチとしてはアリかと。 こだわりはあるけど発表できない世の中ではダメだ!と思いブログを再開します。 以前のブログ=「身辺テニス情報」 オタク万歳!!

手首は「二軸関節」

前回は握る手の事で書きました。

手はラケットを感じる大事な器官なので、ラケットのどこが掌のどこの感覚とリンクしていて、ラケットの長さや重さ、軸の回転からくる力が掌にどうやってかかるかは一度でいいから考えてみるといいと思います。

↑簡単に言えば、前回の記事はそういうことを書きたかった。

 

その手を動かす、手首の事です。

手首は丸く動くので、マルチにどういう動きでもできそうな感じがしますが、動きを観察するとわりと制限があります。

自由に動くのは肩。その次が手首で、単純な動きしかできないのが肘です。

それぞれ、肩は「多軸関節」手首は「二軸関節」肘は「一軸関節」です。

手首の二つの軸はそれぞれの可動域が広いので、斜め方向にも動くような感じですが、動きは掌と手の甲の方向へ動く(掌屈・背屈)成分と、親指側と小指側に倒れる動き(橈屈・尺屈)だけで作られます。

 

例えば、ひもで縛った5円玉をくるくる回すのは、同じ軸回転で右回りも左回りも出来ます。手首の形を変えずに両方できます。

縄跳びを飛ぶように、縦方向の回転も出来て、前回しも後ろ回しもできますが、平面を回していた時とは前腕の角度を変えてあげないとできません。

この知識をテニスの、ラケットの扱い方にどう落とし込んでいくかっていうと、スピンとスライスの動きが最初のヒントになります。

もちろん、握り方もそこに関与してきます。

ラケットを持ちなれている人は、ご自身の癖が必ずついているので、わかりづらければ野球のバットのような、(平らな)面のないものを使って力の方向だけが分かるようにする方が考えやすいかもしれません。

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高い打点で力が入りづらい人は、握りを変えたり、打点を変えたりすることがラケットでは怖いかもしれませんが、こうやって円いバットの面をつかえば、手の形をどうやって上げると打ち返せそうで、そこからラケット面が垂直になるには打点の位置と握りをどうすればいいかが想像しやすいと思います。

バックハンドの握りが苦手な人も、こうやってバットでやったり、刀で斬るような動きをするうちに、どの方向に力の成分が必要かがわかってきて、握りと手首の形が必要になることが分かると思います。

一生懸命ボールを打つことももちろん必要な練習ですが、ラケット面とボールを飛ばしたい方向の方が先になって、握りを変えることが怖かった(普段通りに持っていないと=フォアのグリップでないと、ラケットの向きがわからなくなりそう)り、力加減でどうにかしちゃったりしてレベルアップの機会が遠のきます。

ごまかしていてもミスが少なかったり、そこでつないでほかのショットで十分に挽回したり勝ったりできる出来る要素があれば問題には感じないと思いますが、弱いところを攻められるとどうにも自分の展開に持っていけないのなら、やはり改善したいなぁと思う者ではないでしょうか。

トップスピンとスライスはこんな感じ。(フォアハンド)

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ちなみに、もちろん握り方が違うわけですが、どの力に対してどう握っているかっていう事を考えたいわけですね。

手首の力を入れてラケットの操作をするわけじゃないですけど、手首は動きます。

動かすんじゃなくて、ラケットの動きを助けてあげればいいわけですね。

左の写真のトップスピンを打っているときには、打点のあたりで面は安定していながら、腕を先にしならせておいて打点付近ではヘッドが良く動いてボールに適切なパンチ力を与えたい。

右の写真のスライスでは、面や手首のひねり動作を極力少なくして、安定した返球がしたいわけです。

腕の動作自体は、振り始めで掌が上向きになるような動きと、体の前まで振り出されたところで掌が下向きに返るような動きをします(フォア側ではスピネーション→プロネーションの動きをするってことです)

スライスの時にはスピネーションを大きすぎないように抑え、そのまま面を安定する方向へ振ると、下へ斬るような動きになります。

スピンの時にはプロネーションで掌が返るときにも面の向きが安定するように厚く持っていれば動き自体がパワーを出すことになります。

そのためには握りは2種類、最低でも持っておきましょう。

ラケットをつかんでいればテニスができる、のは初歩のテニスは出来るでしょうが、技は身につきません。

これと、
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これ
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前者の方は前腕とラケットの方向が一直線に見えるように持てば、フォアハンドのグリップにしかなりません。もちろんもう一個の写真の形から面を回すだけでもフォアのグリップになりますから、そこには許容範囲があることを含んでください。

この説明だとそうなりやすいってことを説明しているだけです。

こうやって握ることでバックスイングが完了して振り始めるころにうまくヘッドが下がった形になりやすく、極端に厚く持たなくても打点を前にしてボールの支えに手の形ができやすくなる。

下の写真は、前腕(尺骨)と直交するように(厳密に直角でなくてもいいんですが)持っている形になります。この握り方はギュッと握りしめるようにすることになることから、バックハンドの面になっても手首を固めてボールを弾き返すような形になれば、握りを薄くしやすくなります。

薄い握りを違和感なく持てるようになると、バックハンドやボレー、サーブやスマッシュを打つ練習にもよい効果がありますので、この二つを意図的に変えられるくらい握り慣れておくと、グリップチェンジで困らないようにすることが出来ます。

 

それで、こうやって握りを変えてみると、動かしやすい方向が違うことがわかると思います。

上の写真のフォアハンドの握りで持つと、トップスピンの方向に動かすのは楽にまわせて、なんなら手首で回すように扱ってもボールが飛んでくれそうな感じがします。

しかしスライス方向へラケットを動かすには、すでに指四本が下向きに手首を曲げ(尺屈)ているので、改めてそちら方向へ振るのが難しい感じがします。

下の写真のように薄い握りで持つと、トップスピン方向は動かせるけど面が回転するようになって角度が安定しない感じになっていて、スライス方向は手首を使うことはさほどないんですがスライスの写真のようにボールを受け止めてもブレずに持っていられるような感じがします。

 

そこいら辺が握りと関連した、ラケットの扱いのヒントになるかと思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:50 | コメントをどうぞ

握りについて

テニスのグリップ(ハンドル)の握り方については、神様がよく枕元に立って下さり、いろいろな事を教えてもらいました。

・・・実際に存在する人物じゃないですよ。朝、起きるか起きないかの時間にワタシの夢枕に立ち、イメージを明確にしてくれる本当の神様です。なんどか目まではそうは気づきませんでしたが、これだけたびたびレベルを上げつついろいろなヒントをくれるので、とうとう信じることにしました。

ラケットが動くことに対して、最も弱い関節が指であり、手首だと思います。その先には肘があって肩があって、より大きな負荷でもしっかり支えていられる。

握りは、そういったもっとも器用な器官である『手』によって支えやボールが当たる感覚などと一緒にラケットを感じながら操作・動作をつかさどります。

器用なだけに、力があれば力ずくで言うことを聞かそうとするし、ラケットをさほど重たくないと思えるプレーヤーにはとくに、なんでもできそうな感じになると思います。

一方では、ラケットの動きを支えるのにちょっと困難な非力な方もいます。ワタシの生徒さんの中には指が一本欠けている方、さらには小指が根元から曲げられずにうまく握れない方などもいます。

非力であるならば一般的にはストロークの握りは厚くあるべきで、その方が楽に面の向きを安定させ、または力を使わずとも面を向ける位置を覚えることが出来るようになるはずです。

掌が小さい、そのうえグリップが手に合う太さがなくて太いラケットを持つようなジュニア選手などにも、テニスがちゃんとできるようになるには厚く持つ方が簡単だと思います。

その反面で、握り替えが必要になるわけですが、そこを慣らすのがなかなか時間のかかることではないでしょうか。

 

握りの中にあるのは、力学です。

グリップを握ると、普通なら中指と親指がグリップを包んで接しているはずです。

ラケットなしで手だけでグリップの形を再現すると、中指と親指でリングが出来る。

そこは、ラケットの動きの中心、支点です。

ラケットを無作為に握って、垂直に立て、ボールを面に当てれば、手のひらはラケット面が押されることを感じます。

ラケット面は打球方向に対して後ろに倒される動きをしますが、その中指ー親指リングの上だけが後ろに押され、薬指と小指が接している部分のグリップは逆方向、つまり前に出ようとするはずです。

握っている人差し指の腹や、その下のナックルパッドにはラケット面が押された感覚があり、小指側の手のひらからは離れていくような感覚でラケットの動きを感じます。

 

同様に、フォアハンドストロークのテイクバックを完了して、勢いよく振りはじめると、それと同じような方向にラケットが倒れます。腕が加速すると、ラケットは置いていかれようとするので、手の中には回転トルクが発生していて、それがヘッドの重みを感じるもとになります。

腕とラケットを同時に加速させることはできません。

腕が加速できる最大値のときは、ひじや手首をラケットの倒れていく方向に負ける形で曲げることになり、そのおかげで回転半径が小さくなってスイング速度が上がります。

腕を伸びきらせて手首を完全に固定する力を入れたとして、そうなると今度は回転半径が大きくなったぶん、スイング速度は遅くなります。(腕とラケットの全体の回転トルクはいっしょ)

ボールが当たる瞬間を狙ってスイングを加速させようとすると面がぶれやすくなったり、または期待ほどあたりがよくなかったり、ショットのスピードが出なくなったりするのはその為です。

ラケットの反発力を上げるには、まずボールが当たってヘッドが押されていかないように小指側の支えをしっかりする(つまり、強めに握る)ことでラケット面が「重くて、硬い壁」のようになることが必要です。

といって早いスイングスピードが欲しいときに固定を強くするとスイングが遅くなるわけですね。

 

握りが「支点」となってヘッドを加速するポイントがあるわけですが、これは腕とラケットが「二重振り子」の動きをすることで生まれます。

つまり、ひじや手首をしなやかに保っておき、腕の加速を先にさせておいて、打点のあたりでうまく腕を減速させていくとラケットヘッドの加速へ運動エネルギーが移動していきます。

腕という振り子の先に、ラケットという振り子がくっついていて、スイング中に腕を止めてもラケットが急には止まらない、ということです。急ブレーキをかけた車内では乗員がカックンと進行方向に急激に動かされるようなもの。

掌の中の、親指―中指リングを支点に、ヘッドが走りはじめます。

ヘッドが走る=前に出ようとする=グリップエンドは手のひらの中に戻ろうとする、ということですね。

その重さは60gのボールに対して約300gのラケットですから、勝てる重さなんです。

その時に狙いの方向に向いているラケット面を用意できるなら、そこが打点であって良いと思います。

 

ちょっと今日は時間が無くなってしまったのでここまでですが、これがヒントでわかる人はワタシとおなじ言語が理解できる?人だと思います。

文章だけで申し訳ありません。解読に挑戦してみてください

 

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 13:54 | コメントをどうぞ

50000球

ウインブルドン開幕しましたね!

錦織の初戦を観ました。

グロスのサーブはさすがでしたが、ストロークのレベルが低くて、パワーがあって不安定な技術だから錦織もやりづらそうでしたね。。。

ボールを出すシーンが流されて、実況の人(鍋島さんだったっけ)のコメントありましたが、大会期間中に約5万6000球?くらいのボールを消費します、って。

練習用とかも含めてなんでしょうか、すごいですね。

テニススクールで3面あって、一度の入れ替え数はだいたい14000球。それの4倍ってことは、スクールがお正月から秋まで営業できる数です。

すげー

カテゴリー: プロ選手オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 10:38 | コメントをどうぞ

要素を考えればやり方につながる

前回、要素と成分という考え方で分析してる、ってことを書きました。

テニスが上手くなくて悩んでいるような人でも、ボールは打てているんです。納得できるかできないかってことだと思うし、コートの中には収まるけど、何本も続けるのが難しく感じているかもしれないせいか、ここぞというときに限ってミスをしたりして、自分が下手だなぁって思う印象の方が強かったりするだけ。

 

スクールでは球出しの練習やラリーの練習などがあって、たくさんボールが打てるのがメリットですよね。試合だと一度のミスでいちいちプレーが止まる。しかも止まるだけじゃなくてボール拾いに行かなきゃいけなかったりして、テニスしてるんだか走ってボール拾うスポーツしてるんだかわかんないような時期も、自分にもありました。

ワタシ自身は乱打のラリーが好きで、どこへ打たれても取れる感じが欲しいのと、その実相手は結構ワタシを狙って打ってきてくれるので取れるボールが多くなることと、ワタシが相手を狙って打つときに、同じ軌道のボールで何回か揃えてみようみたいな試みをやってみることで、自分の技術の確認がしたいからなんです。

 

自分が打つボールには

・打つコース

・ネットを通る高さ

・ショットの威力

・相手コートに入る深さ

・軌道やバウンドに影響する回転

の5要素をコントロールすることになります。

コートは広いので、狙うのはエリア。コースや高さは、回転をかけて軌道を作ることで、だいたいあの辺を通して、ということになりますし、その軌道の先が付加さになります。相手に取れるようにするのか、相手にミスをさせるようにするのかはショットのスピードを変えることでラリーのリズムを変えることになります。そういったものの影響で打ちやすかったり打ちづらかったりするショットを考えることになります。

 

できることなら、自在になりたい。

 

そこで、スピンがかからない人には、ラケットは振れるしボールはちゃんと当たるし、スピードもある。だけど、下から上に振ってるんだけどスピンがかからずに吹っ飛んでいくようなショットに悩み、打ちたいんだけど弱めに加減して入れにいったり、低く打とうとしてネットしちゃったり浅くなったりして「思ったように打てるようになれれば…」って思うんだと思います。

ラケットはボールに当たる時に、普通、ラケットの縦軸(長辺)は地面に対して水平で、ラケット面は地面に対して垂直をイメージすると思います。基本ですから、それがコートに入れる一つの条件。フォア打点

それで、そうやっているつもりでも…

ヘッドが上がってくる癖がある

インパクトの瞬間に手首で面を作る癖がある

などの理由でスピンのかかりづらい形でボールを捉えている可能性があります。そしてこれらの大概の場合は打点をもっと前に取るべきだったりします。

腕に力を入れたようなインパクトの形と、インパクトに強い腕の形とはちょっと違います。どうしても速いスイングなんかにイメージがあって、腕に力を入れてインパクトしようとするとこうなる。

ヘッドのスピードが出るところはそこではないのですが、そう思い込んでいる場合が多いですね。

スピンをかけて、軌道をいちど持ち上げるようにして、ネットを越えてからしっかり落ちるような、力強い弧を描いてコートに入るような軌道のボールを打つには、まずグリップを上げるようにしてインパクトの位置にスイングを入れるようにします。

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上の写真群はストレートアーム型のフォア、そしてこの錦織とジョコビッチはベンドアーム型のフォアハンドです。肘が曲がってくるというのはグリップが厚くなれば自然とそうなりやすいものなので、この差は握りの差で生まれるものが一般的です。

この写真を見れば、フォアハンドストロークのスイングが、「ヘッドを下げて、上げる」というスイングではなくて、インパクトにはグリップを上向き方向に持ってくるという意識でやると、インパクトまでヘッドが下になる形になります。

垂直面を保ちながら引き込むように体の中心に引き込むようなスイングをしてくる方が、面を保っていやすく、当たった後にヘッドが上向きに回りスピンがかかります。イメージだけを追ってネットの方に腕を振ると面がブレていきやすくなります。

ストレートアーム型の中でも同じことが言えますが、こちらはグリップが薄いタイプの人が垂直面を意識すると肘を伸ばしていくようにした方がヘッドのスピードが出るものです。意識はヘッドが先に上がらないように、やはりインパクトではグリップの方を先にあげてくるようなスイングをしながら、面を垂直に残すイメージですね。

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フェデラーやナダルは、握りそのものは比較的薄い方ですが、グリップエンドが手の中に入るように長めに持つことでヘッドの動きをフリーにしているという特徴があります。普通のイースタンフォアの握りでは、この位置で手首を面の垂直のために傾けてもヘッドはこの写真よりも上になります。その辺の解説は細くなりすぎるのでまたの機会にしますが。。。

 

ということは、インパクトの段階でヘッドが下=ボールは上に飛びやすいということになります。

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この写真を見れば、手首よりもヘッドが上がっていることからスライス系のフラットに近いようなショットを打ったんだろうな、ってのは見て分かりますよね。相手コートで滑っていくようなショットを打ったのでしょう。おそらくボレーではなくアプローチショットではないでしょうか。

スイング方向は、握りと密接な関係があるので、今度気が向いたら(書く時間があれば)簡単なスイングと握りの良いところの発見方法を紹介しようかと思います。

フェースが地面に対して垂直=でネットすれすれの低めのショットが入るとして、

ヘッドを下げてインパクト(グリップをあげてスイング)=軌道は高くなる

ヘッドをあげてインパクト=軌道は低くなる

同じようなスイングプレーンで、インパクト前にヘッドが上がってしまうような人は、ネットミスが多いか、浅めに落ちるスピンが多いと思います。そういう癖を保ちながら深く打つには、すごい高い軌道になるようなスイングに変えて、ショットのスピードはその分落ちるはずです。

 

タテのラケット面は、ボールが下に飛びやすくなります。

飛んでくるボールが水平に飛んできたとして、ラケット面を垂直に、ヘッドを上にしてインパクトすると、当たった直後に少し下に向けて飛ぶようになります。ラケットの反発係数は1ならば、水平に飛んできて水平に出ていくと思いますが、衝突すればストリング面とフレームのしなり、ボールの変形などの要因によって減衰がありますので、ボールの勢いは弱まって跳ね返り、それで下に落ちるような形になっていきます。

ということは、ボレーの決め球でミスる人は、ネットより高いところから打てるのであれば、ラケット面をタテにして、ネットに当たらない方向にスイングすれば、ほぼ確実にコートに入ります。

体を前向きに回転させるような動きをすると、面の向きを狙ったコースに残すためにはヘッドが横に倒れ、その分腕はひねられる(スピネーションする)ために上向きに変わります。

体の方ではそれを自然に感じて、スイングを下向きにしますが、ヘッドの倒れ具合とフェースのひねられ具合によっては、下に振っても水平に飛んで行って落ちないショットになったりします。ネットの向こうのコートの長さは12mもないものですから、落ちない軌道(アンダースピン)の強いショットはベースラインの向こうまで飛んで行ってしまう可能性が上がります。

体と腕の関係がそのような形を作ってしまうのも、打点の位置をどうするか、という要素になります。後ろ側なら、腕のひねりが発生する前にできるので、体は前に踏み込みながら、腰と肩をひねって打点を奥の方にとり、面を安定させて、ネットにだけは当たらないように、そして面のタテ成分は狂わないようにしっかり持つことにすれば、ネットにさえ当たらなければ精度はともかくとして必ずおコートの中に落ちるようになります。

タテの面は手首の角度でストレートやクロス、あるいは逆クロスに向けることが容易になります。ヘッドを横に倒せば、むしろそう言った手首の形でコースを変更することが大変(変えた量に対して変化する量が多く感じることにもなります)になります。

ボレーの打点には奥行きが結構あって、前でとった方が良い形もあるし、前でとったせいでミスヒットになる形もあります。奥で取ればスピードは出せないことになりますが、安定することが多いです。そして結構正確に打つことができるようになります。それは腕のひねりを使わずに打てるようになるためです。

 

整理すると、いくつかの例として

飛んでいくボールよりもスイング(フォロースルー)が上に抜ける=ボールが落ちる

飛んでいくボールよりもスイングが下に入る=ボールは落ちない

ラケット面を垂直にするイメージでヘッドを下げる=軌道が上がる

ラケット面を垂直にするイメージでヘッドを上げる=軌道が下がる

のような、簡単なことを覚えておくと打球イメージが楽になります。

スイングを上に抜くには、打点が後ろではできませんし、その逆も然りです。

何しろネットの高さを越えることが前提で、そのあとのコートに収まる軌道を考えれば、ということになりますが。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 12:23 | コメントをどうぞ

要素とか成分とか呼ぶことにします

ワタシってオタクなんですが、最もその度合いが強いのがスイング。

テニスのスイングを研究するようになって…てのがコーチになってからの歴史とほぼ一緒。

当時は(1988年)、自分のレベルが初中級くらいな中、上手い人が出来ていることと自分の違い、スクールに来ている人が見た目明らかに苦手にしていることと、その説明をどうやってするかってことを考えている程度でしたが、40歳を過ぎてフリーになって、ここ5年くらいは相当なマニアックなことを考えてこういうブログとかで書き記すオタクになりました。

身体がどうやって動くのか、そしてラケットがどうやって動き、ボールに当たるのか

人によって違うのは何が違うのか

または上手い人にだけ共通すること、さらにその逆の出来ない人に共通することはあるのか

ラケットがボールに当たった時に感じることで、扱い方は理解できるのか

理解しようとする人と、力ずくでいう事を聞かそうとする人の、上達の速さに差はあるのか

初級から初めて必ずぶち当たる壁はどんなものか、それはいつどの状態の時に感じられるものか

ボールを見るという事はどういうことを指すのか、レベルによって違いがある(心理的なもの?)か

 

 

・・・書ききれていないかもしれませんが、こういった具体的でないようなものがワタシの突き止めようとしていた課題です。

そして、たくさんのお客さんを見させてもらううちに、それらのすべてに一定の答えを見つけられるようになりました。

今ここに掲げた問題点の答えは、「・・・あるのか」と書いたものはあるし、「理解できるか」「違いはあるか」等と書いたものは全て「できる」し「ある」です。

理解しようとする人としようとしない人がいるのも事実ですし、自分は自分、と思っている人は見比べて評価しない性格の人です。そして、そういう人はけっこう上手い人がいるものです。更に言えば、上手い人たちの中で突出しない・・・そこそこ出来る人です。

テニスには得意のショットと不得意のショットがかならず皆さんにあって、それが得意のパターンにはまれば上手に出来たり、相手が返せなくて勝った(ポイントをとった)りしますが、得意のパターンにはめても対応がきく人に当たったり、期待と違った、得意なパターンになかなか状況がならない日にはふいに負けたりします。

そういう、全体の中に埋もれた小さな一因を「要素」と呼ぶことにしました。それは動作の中でもあるし、ゲームの中での人の動きや心の動きの事でも意味は一緒だと思うので、「要素」として分析します。

 

たとえば、動作の中では、ほとんどのプレーヤーはフォアハンドストロークを打つ時に「ラケットを引く」「打点(の予測地点)まで移動する」「ラケットを振る」「ボールに当たる」「打った後の次の動きに備える」

という動きをします。ほとんどの人?まあ全員でしょう。

そして、その中で上手いとか下手とかが出てくるわけです。「ラケットを引くのが遅い」とか、「あたり損ねをする」とか「打った後にバランスを崩して次の構えが遅くなる」という、見た目にわかるものです。

で、なぜ「ラケットを引くのが遅」くなるのでしょうか。原因を探ると、さらに小さな要素が出てきます。引き方が悪いのか、リズムの取り方が悪いのか、足が動かないせいなのか、そういうもののどれが対象者の癖なのかを読み取ります。心理的なものもある場合があります。ボールがすごい速さで来るように感じてしまっているなどの場合です。

当たり損ねが多い人は、難しいボールじゃなくても当たり損ねます。感覚の中心とラケットの実際の中心がずれているんですね。そこをどうやってアジャストするのか、という基本にトレーニングが必要かもしれないけど助言して良くなるケースがほとんどです。

そうすると、ラケットをどうやって持ち、どんなふうに扱うイメージがあるのかに疑いを持つ必要が出てきます。要するに見た目のせいではない部分ですね。フォームがダイナミックで、当たりさえすれば強烈なトップスピンのプロみたいなショットが打てる人が、当たり損ねが多いせいで中級クラスにいたりします。

「あの人は形は良いんだけど不安定だから」というのがコーチ側からみた、昇級できない理由だったりします。ゲームではもっと安定していないと武器として使えないとか、相手のレベルが上がっている中あれではまだついていけないだろうな、とか、そういう目で見てしまいます。ポテンシャルが高いことは、当たればすごい=スイング自体は非の打ち所のない=という事ですから、それをどうやって矯正していくかは腕の見せ所ですよね。

単純に「合わせ」の要素を持っているかどうかだと思いますが、これこそ人によって違うもので、発見するのにいろいろなテストをしながら時間をかけてみていきます。お互いが納得する中で出来るようになれば、思わずハイタッチをしに行くような、喜ばしい時間がやってきます。

 

一連の動きの中で、打点が高いとか低いとか、来たボールが速いとか遅いとかのせいで対応が変わることがありますが、基本、自分の型は崩さずに打てるようになりたいものです。

動きの中に、低い時にはこうする、とか高い時にはまた違ってこうする、ボールが速い時にも慌てないとか遅いからと言って急がないとか、そういう時に技術的に助言できるもの、そういうのを成分と言って自分のフォームの中に混ぜてもらうようにします。

自分のフォームを守るために対応する、というものなので、中に混ぜ込んで使うことでパフォーマンスが維持できるので、成分と呼んでいます。

 

ここに書いている書き方だと曖昧な感じになるようになっていますが、一人ひとりのお客さんに対するときにはかなり具体的な例と実際の動かし方のデモンストレーションと感覚の練習などの「差を感じる練習」を経て、実際にラリーで使えるなどまで発展させていきます。

細かいことは掻くこともできると思うので、次回はその例のいくつかを書いてみようかと思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:20 | コメントをどうぞ

バックハンドスライス

ワタシ自身は、若い頃はトップスピンが打てずに、スライスばっかり打っていました。トップスピンのスイングの仕方は真似事みたいにできるんですが、試合ではまず入らない。だから使うのをあきらめて、コントロールのいいスライスでひたすら走り回って拾うテニスをしていました。

30過ぎて若いやつの球の勢いにスライスでは対抗できなくなってきたと気づいて、そこから練習してスピンも打てるようになり、年を取るごとに球が速くなってきています(笑)。

バックハンドも最初は本当にスピンで打つのが怖かったものですが、ここ数年はスピンが打てないと試合がうまく自分のほうに傾かないような気がして、まずはしっかりクロスへのスピンが使えるように考えていたりします。

 

シングルスのクラスを担当してもう5年。週に3回、いろいろなレベルのシングルスに興味のある生徒さんが来ます。

戦術的なことを教えても技術が不安定な中、やりたいことができる前にミスショットで終わってしまう。

だからラリーではテニスコートのラインを無視してやるようにしました。入っているかいないかは無視してラリーをするってことです。

もともと、ラリーする、ラリーをつづける、ということができるようにするのには相手が打ったら即座に反応して適切に移動し、狙ったショットになるように打点をつくって打ち返せなければならないのですが、技術が不安定だから、テニスコートが現行の形だと狭いみたいだったんですね。だからもういいからつづけろ、ってことで考えたら、この練習のおかげでテニスコートに入っているボールが「狭い範囲のボール」ってことに思えて、楽(想定内のボールってむつかしくない)だってことがわかるようになりました。

 

そうやってショットを使い、相手をどっちに走らせてどうやって打たせれば崩したことになるのか、そのチャンスを見たら自分はどうやって勝てばいいのか、あるいは相手がきついショットで攻めてきたらどうすると更なる攻めを受けずに済むのか、速い球を使うだけではわからないことも、こういう練習の後にアドバイスをすると効果が出るようになりました。

そうなってくると、先に「いい球」を放り込んだほうが有利になるような雰囲気になります。そしてそこを単調に返すだけではどうにも勝ち目がない。

ロブとかにしてもロングボレーやドライブボレーなどの攻める武器を持っている人には通用しなかったりします。

とくに、片手打ちでも両手打ちでも、バックハンド側への対応はフォアよりも弱めになってしまいます。

普通に考えてもフォアハンドは利き腕側の肩が後ろへ引けた格好になりやすく、その分懐を深く守りの動きをしながらしっかりスイングする形を取りやすいものです。

一般レベルではとくに、肩と腰のひねりこみがフォアよりも十分になされないケースが多いことも苦手な人の多さの一因かと思います。

そこで、スライスを導入したほうがよかろうと。

きちんとしたスライスを使える人は結構いて、それでもその多様性に気付いている人はそんなに多くないかもしれません。

スピードがあって、低くてシャープに滑ってくるスライス

深く入るけど、空中でブレーキがかかったようにぽとっと落ちるスライス

ストレートからサイドラインに逃げていくサイドスピン

クロスがワイドへ切れていくサイドスピン

スライスロブ

ドロップショット

と、スピードや高さ、バウンドの効果などにいろいろな変化をつけることができます。

多様なだけに、教える、ってことがいまどれを打ちたかったのかがわからないことが多いために成果を見て許せる範囲が広くなってしまう分むつかしかったりします。

教わる側としてもタッチという言葉で説明しづらいものを教わるのに、経験がないショットだとしたら余計にわかりづらいものだと思います。

これを練習させるうえで勘違いされやすいのが、「回転のかけ方」を練習しようとする人がラケットをこねくり回してしまうことです。

あたる瞬間に変化を与えることは、その変化させようとする意図の分だけ不安定になるものなので、スライスでしか当たらない「型」を意識することと、その中でボールがよく飛ぶという感覚がまずわからないと、スライスというイメージの弱いショットを練習していることになります。

相手に攻めさせないという攻撃ができるショットですから、弱くしか打てないようでは当てるだけのショットと変わりありません。

野球のホームランも、アンダースピンがかかった、いわゆるスライス系のボールです。ということは、スイングのメカニズムとしては振り始めからあたるまでの過程はよく似ている。

そこで、片手で持ってホームランが打てる人は、それが低く出るように利き腕側の肩をさげて、ボールの出口を低く出るようにすれば、ある程度速い球っぽいスライス系のあたりになります。

そこから面の安定をはかるような感じで加減をおぼえていく、要するに当たれば結構速い球が飛んでいくようにするほうが先で、飛びすぎないように抑えるのが技術かな、くらいのものでいいです。

その辺の導入でついてこれるレベルなら、あとはロブとドロップを簡単に打ち分けられるような感覚さえつけば、先述した多様性のあるショットへの入り口が開いたようなものです。

プロの試合でもけっこう重要さが出てきているショットですからね。取り掛かったのならマスターしてほしいと思います。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:17 | コメントをどうぞ

いま、どこが動いているか?

身体を使って打ちましょう!と、よく言いますね。

どこをどのくらいつかえばいいのか?具体的にしてはいけないのかもしれませんが、把握していないのもまずいでしょう。

具体的に、ってのは、いつも同じ状況でボールが打てるわけじゃないのに、自分が明確なことをやろうとしすぎてさっきできたことをまたやろうとしているだけみたいになっちゃうのはまずいってこと。ある程度は約束を守りながら、ボールへの対応を適切に変化させられないとかえってまずい、ということです。

ストロークの動作だったら、

いま、身体の回転運動をしているのか・腕を打点に向けて振っているのか・ラケットをボールが飛ぶように動かしているのかは全部同時に力を発揮してはいけないでしょうね。

身体、腕、ラケットは、同じように動かしても回転半径の小さい体の方が先に目標点に到達します。打点まで回転し続けるのはナンセンス。腕も、打点のあたりで速く振ろうとする人が結構多いものですが、そこで腕が加速するってことは、動く方向によってはですがヘッドが後ろへ倒れるようになる可能性も高い。

そういう人には、例えば手首を使ってボールを狙ったコースに打ってみて、という簡単なアドバイスをします。

手首を使う=ラケットヘッドの速度を上げる、ということになります。

ヘッド加速するときには、腕は減速しています。これは振り子の運動原理で、腕が動かしてきた運動エネルギーがラケットに移るからできることで、腕を十分に加速させながらラケットをもっと速く振るというのには、ものすごくトルクが必要になります。ラケットは重くないので、腕が減速する(打点に手首の位置をピンポイントで合わせるような感じ)にしていくと、自然とヘッドが走るようになって軽い感触でボールが飛んでいきます。

手首をうまく使って面の向きを作りながらボールを飛ばすような意識をしてみると、経験者の方でないと無理だと思いますが、打点で面の向きがしっかり作れるのであれば、手首を使ってもコントロールは悪くならない。

スピードも出るし、狙った方向に力の方向がどうあるべきかわかりやすくなるので、うまく打ったような感じになります。

ヘッドが返るような動きになると、肘は外側へ膨らむような形になっていきます。

打点をピンポイントであわせて、打球方向へ押す力だったり、回転が掛かってヘッドがうまく抜けていくような感じだった理を手ごたえを感じながら練習していけば、あたりの良いコントロールされたボールの感触を体験できます。

いつまでも手首に頼ると、回転の加減はできるようにならないかもしれませんが、打点が上手くわからない、という悩みなら結構簡単かもしれません。

 

 

ボレーが上手くできない人は、ボールにラケットがアジャストしない感覚なんじゃないかな、と思います。

腕を振っても力が入らない。

ラケットは重心が手よりもヘッドよりの位置にあるので、腕を振ると反対にヘッドが残ろうとする力が回転トルクになって手首に負担をかけます。さらにボールが面に乗るので、手首が負けそうになっているところに追い打ちをかけるような形になるわけですから、うまく打てるような感覚がわからないのではないでしょうか。

考えてみれば、ボールなんてたかが60gしかないもので、ラケットはだいたい300gあるので、動かしてぶつけてあげるとそんなに負けないものです。

たとえば、「ラケットを振って狙った方へボールを飛ばす」という意識だと、打点よりも先に意識が飛んでいく方向やターゲットの方に行きがちで、打点がわからないのにスイングをしてもうまくつかめないと思います。

これも、簡単に言えば手首をうまく使ってボールの位置にラケット面を出す、ということをしてみれば、身体の動作を、ラケットをうまく動かしてきちんと当てる、ということに使ってみれば、当てることが動作のゴールになりますね。

ラケット面の向きが正しかったかどうかは、面にあたって跳ね返ったボールをみればすぐにわかることなので、例えばネットに当たったら今度は当たらない方向へ向けて面を作ればよく、思ったよりも右に行ったのなら左に向けるってこうかな、って試しながらやってみればいいのです。

引き方がこう、振り方はこうでなくてはならない、ボールをよく見て、身体が開いてる、ラケット振りすぎ…いろいろなダメ出しをされますが、常に「うまく当てる」「当たるときの面の向きに気を付ける」の二つがちゃんとできるのなら、そんなに文句は言われないんじゃないでしょうか。

そのうちに強く打つってどうやるかな、とか、ドロップショットってこんな感じかな、ってやってみればいいのです。間違っても、やり方を変えることを考えましょう。上手い人がどうやっていて、どんなふうに扱っているのかは観察しましょう。

それで、わからなかったらその人とか、コーチに質問しましょう。

そうすると、教わるときにほしい答えが見つかりやすいかもしれません。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 19:00 | コメントをどうぞ

ストリンギング

IMG_0835自宅のストリンギングマシンです。

電動・コンピュータ式が欲しかったのですが、やはり高くて手が出なかったものですが、ショップで使っていた中古を安く手に入れることができたのは幸運でした。去年の11月から自宅でストリンギングをしています。

GOSENの張人の認定は10年くらい前に受けていて、スクールでは年間300〜400本程度を張っていた時期がありました。ショップの人なら1ヶ月で張る本数ですね。

今は月に6〜10本程度ですが、自分のラケットを含めてほとんど趣味?のようにして張っています。

張人認定の技術者として、基本はGOSENパターンのみで張り上げをしています。特にお客さんのラケットを張るような場合は、前回と同じ手順で、時間もだいたい一定の範囲で張り上げることで、クオリティを守ることにしています。

張上がりの差とか、毎回同じように張れているのかどうかは使ってみないとわからないし、使ってみてわからないのなら同じだとしよう、みたいなところもあります。

オタクですから、一応テンションメーターとか、ストリングコンピュータなどでダイナミックテンションを計測したりもしましたが、概ね同じような数値が出ます。

誰かの張り方と同じ仕上がりで…というリクエストには、ワタシはちょっと応える自信がありません。

以前はよく、機械の差がある、と言われていましたが、ショップさんであればコンピュータ式が普及する中、機械の引きの差と、フレームの変形を抑えるサポートなどの都合がにているのなら、機械による差ってのはどうなんだろうと思います。

実際にアルドールのスクールにあるマシンと、写真に載せた自宅のマシンで、テンションキャリブレータを使って一本の糸の引きの強さを測ってみたら、だいたい同じ数字で、信頼できることがわかりました。

自分のラケットを両方の機械で、同じテンションで二本、作業にかける時間をだいたい同じくらい(25分程度)にして、もちろんストリングも同じものを張り上げてみました。

うん、差は出ない!

あくまでも自分の感覚の中でのことなので、それが正解なのかどうかはわからないことですが、自分のやり方で、条件をなるべく同じにして張れば結果は同じくらいに出ます。

ストリンギングに関して、絶対に守ろうと思っている戒めがあります。

・フレームを変形させない

・糸(ストリング)やフレームを傷つけない

・張り上げの手順を一定にする

・結び目での誤差に注意する

という、単純なものです。

フレームの変形は、タテ糸を張っている時に、引っ張るところをよく見ているとフレームがテンションによって変形していくのがわかります。

そのフレームは柔らかめなのか、硬めなのか、ある程度見極めます。特に端っこの糸を通す時に、結構うごきます。横糸のテンションを下げるのか、維持するのか、あるいは上げるのか?

ほとんどの場合は、維持します。(私の場合は、です)

横糸のテンションを落とす、という人をよく見ますが、変形しない前提か、あるいはそのフレームの変形の癖を知っていての指定なのかは聞くようにしています。

横糸を緩く張る、ということは、単純に下げずに張ることに対して面圧を下げるということのみで、他に大した意味はないという説明を受けたことがあります。

ただし、変形に寄与する場合は、上げたり下げたりして調整します。これが、経験がないとわからないことで、いつもそこを興味深く観察することで経験値が上がってきました。

とはいえ、事前に知っていないとそんなコントロールはできませんから、やってみないとわからないこともたくさんあります。

アラウンドザワールドのように、端っこの糸を後回しにして張るパターンもありますが、ワタシの場合、それのいろいろなパターンに対して経験がなさすぎてどれをチョイスするのか悩ましくなります。使えるのは、せいぜいメインの最後を後回しにして、クロスを下までいってからL字型に回して、ショートサイドもクロスを先にして回しこむパターン。

これだって、クロスストリングを上から下に張り上げていくか、下から上に張っていくかを調整するため程度にしか選択しません。

だから、ほとんどがGOSENパターン。

特にリピーターの方なら、張る手順を変えない方が仕上がりは揃えられます。

フレームが変形するとですね。張上がりでマシンから外せなく(外しづらく)なるんです。(6点サポートの場合?他を試していない)

張人のテストの時は計測しましたけどね。張る前と後でフレームの幅に差があると減点ですから。まあ変形はフレームの性能維持の上では大事な項目だと思うので、当たり前なんでしょうが。

 

カテゴリー: グッズオタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 01:07 | コメントをどうぞ

課題に取り組むときは

練習したい課題があって、改善すべきところとか、新しい要素を取り入れたいときには、一番最初にやらなければいけないのが

そのとおりに動けるかどうか

です。

たとえばコーチからアドバイスをもらったとか、ほかの人の真似をしてみたらいい球が打てたとか、自分の打球フォームになかった感覚を試してみたらいい感じだった、という時が一度でもあったら、取り組むべき課題に対していちどは成功体験をしたことになります。

それが練習してみようかな、と取り組みへのモチベーションをくれるものではないでしょうか。

ただし、体験したときに「いい球が飛んで行った」ということを思い出そうとするとなかなか納得のいく結果が得られないものではないでしょうか?

試しにやってみたら、たまたまうまくいった、というのは「たまたまドンピシャで調和のとれた打ち方にはまった」ということなんです。

うまくできないのはその「ドンピシャ」にどう持っていけばいいのかがわからなくなることなので、結果が出ないことに苛立って、取り組みをやめる--以前の打ち方にもどす、ということになりやすいものです。

ドンピシャは100点満点であって、取り組み中になかなか取れない得点だと思います。

だから最初にやるのは、

思った形で動くことができるかどうか

です。そういう時は、コントロールとかは完全に無視しましょう。

たとえばトップスピンが打てるようになりたいのに、ヘッドを遅らせて回転のかかる手首の形を保つ、ということができないとしましょう。

素振りで確認したり、簡単な手出し送球で練習すればできるとして、ラリーになったり、ネットの向こうからのラケット送球のボールになるとできなくなってしまう、なんていうことがあります。

ボールが飛んでくる、というプレッシャーがかかるわけですね。

「うまく打たなきゃ」(せっかく練習に取り組むんだから結果がほしい)と思うせいで失敗を避けるために、

課題だった手首の形ができない・・・

なんてことがよくあります。

手首の形を作ることで、回転のかかる形ができるのに、スピンのかかったショットが打てるようになりたいということへ大きな目標ばかりが気になって小さな要素が理解できないようなときもそういうことだと思います。

ボールが飛んでくる、いつの時点でその形を作り、どんなふうにラケット面を間に合わせれば狙った方に飛ぶようになるのか、が自分の中での【今までのやりかた】とどう変わるかをまず知らないと、できるようにはなりません。

 

ボールを見ている風景、というんでしょうか、そこに自分がどう動くかをうまくなぞれるようにならないとちゃんとできるようにはならないでしょう。

形の練習は

素振り

球出し

ラリー

試合

というようにプレッシャーのかかる状況をレベル分けして、いちばんプレッシャーのかからない素振り(それもラケットを持たずにまずやってみるとかがあってもいいです)で普段の自分が作る形(自然にできる形)とこれからやってみたい課題の形との差をはっきりさせましょう。

自分の中から見た自分と、鏡や動画で見た自分がわかりやすくなるようにイメージの練習をして、それから簡単な状況で打ってみましょう。

たとえば、フットワークなどを考えずに定点で打てるところから、徐々に足のリズムを作ってフットワークが出てきてもできるかどうか確認するとか。

ラリーではストライクみたいなボールが飛んでこなくても課題の打ち方で合わせられるかどうか。

試合では自分の動作から放たれるショットが相手のコートにはいるのを先にイメージしたら、頭では打ったショットが入っていくまでの体験をもとに、ぱっと打点を合わせて一気に振りぬきます。

 

動作はあっという間に始まって終わるものなので、途中で迷ったりしても変更ができないか、やろうとして失敗したりごまかしたようなショットに変わったりするものです。

狙った動作をうまく体がトレースできるようになっているかどうかを気にしましょう。

失敗することで、どこをどう合わせればいいのか、自分の動作は約束通りにできているのなら調整するのは簡単です。

カテゴリー: 打ち方オタク | 投稿者ナガキヤスヒロ 15:50 | コメントをどうぞ

テニスをする喜び

テニスにハマったのはなんでだったか。。。

ハイテンポで動く事と、自分がそのテンションの動きについていけること、その中で集中力がどんどん上がってきてなんでもできそうな気がすること、できるようになりたいと強く思うこと

そしてある程度打てるようになってきてからは狙った通りにプレーができるようにさらに挑戦すること、相手や相手の打ったショットを理解しようとすること

コーチになってからは自分が上手くなってきた喜びを他の人に伝えてわかってもらえる喜びや、上手く出来なかった時にどうやったらいいんだろうと突破口を探すことや、そういう悩みのうちにテニスに対する理解が深まったような気分になること

オタクであることを自認してからは動きの要素を取り出して自分の技術を見直したり、またそれがティーチングの材料になって役立ったりすること、試合をゲームとして捉えて真剣に遊べるようになったり、相手の心理や自分のできることを考えて常に前向きになる自分が上手くなったなぁと実感できるようになった時

 

だから、まだまだテニスに飽きることがありません。

上には上があるものだし、自分は到達度としてもまだまだなのでしょう。

ある程度のレベルまではボールもだいぶ自分のコントロール下におけるようになったと思いますが、ラリーのレベルが上がればそれも失われる。どのレベルまで自分が支配でき、やられてしまう時はどうすればよかったか?試合なら欲しい一球が打てた後に素早く行動に移せるかどうかのソリッドな感覚などはやめられません。

 

自分がすることとしてテニスを整理したい欲求があり、それが正しいこと?真理に近いことなのか?またはワタシにだけ効果のある理解の仕方であって誰でもできるような要素ではなかったのか?

コーチをやって、テニスに飯を食わせてもらっているので、できることなら真理に近づきたい。

真理を得られれば、ワタシに習いに来てくれるお客さんを、少なくとも正しい方向に導くことができる。

すぐに勝てるようになるわけでもないかもしれないし、あっという間にクラスをレベルアップできるようになることもないかもしれない。

だけど、自分の動きが理解できて、ボールを打てばどうやって打ったのか感覚的にわかるから責任持って打っているようになるし、自分で考えたプレーで試合ができるようになる。

相手がショットを放てば、瞬時に打点をイメージして、自分の打点が形良く捉えられるように「見え方」も変わってくる。

だから、自分で考えたプレーができるようになり、練習してもっと確実にできるように、もっと高いレベルでも崩れないようになり、上達を実感しながら長くテニスができるようになると思っています。

 

打ち方やテニスの仕方に悩んでいる人の、悩みは自分でも通ったところだと思います。完璧にクリアしなくても上の段階へ進めるのがテニス。

要するに、ミスなんていつでもどこでもするものなので、100%できるようになってから上のレベルへ、なんてことはないです。

ただし、ついていけないレベルでは、やはり何もできない。

それってボールの往来を見ていても、自分が考えたり判断して動いたりすることができないレベル。またはレベルを上げたつもりで早く動けば、動きを読まれて痛い目にあうようなレベル。

でもそういうことができる人がいるってことを知ってしまうと、また頑張りたくなります。

若い子たちが打ってくるものすごい勢いのショットを難なく返し、連続されれば取りきれなくて負けるとしても、ハードヒットはミスの確率も高いので、打てるボールをミスらなければ勝負になるし、その時にある程度強目とか深めにコントロールすることができるなら、自分がそのコートで渡り合える立場にいるという喜びがあります。

 

最近になってやらなくなった(と言ってももう10年くらい)ことが、細かく動きを止めながら注意することです。

動作はパワフルであったり、素早いものであったりするし、インパクトは一瞬です。ここで右足がどうでその後に左足がどうとか、やらなくなりました。ラケットを引いたら一回ヘッドを下げて、とか、やっちゃいけない指導だと思うようになりました。

レベルが上がれば、一瞬で通り過ぎることを、細かく見つめすぎても良くない。

インパクトへ影響することは一気に動き方をできるようになるまで動きの型をやっておいて、実際にその方をインパクトの位置とタイミングでできるかどうかが重要です。

バックスイングが終了した時点での型が、そのままフォワードスイングで繋がってインパクトまで影響します。スイング中に型を変化させれば不安定にしかならないし、インパクトの瞬間に調整できるものでもないからです。

だから、プレーヤーは個々に決まった型を持つようになる。

一定の法則に則った形の中であれば、個人の感覚と合うところを見定めて自分のフォームにすればいい。

手首の形で、ショットが良く飛ぶ形とそうでない形・ボールが高く上がりやすい形と上がりづらい形・回転が良くかかる形とそうでない形…がそれぞれあります。

 

初心者のうちにそこいらへんの、感覚さえ磨けばどうにでもできるようになる形を仕込んでおければ、誰かと一緒のスイングが合うこともあるし、自分の好きなスタイルを見つけることもあると思います。

ショットの技術は多様にありますから、多様に対応出来る型に入ってもいいし、不器用そうかもしれないけど相手の打ちづらいショットにこだわってもいいと思います。それは両方とも武器になることだから。

多様にある中で、小さな範囲のできることにこだわるのは逆にダメですね。

弱く返すだけとか、ロブに頼るとか、それしかできないのは返球率が上がったとしても、なかなか自信を得るには至らないと思うからです。ものすごく足が速くて、なんでも返せるという強みでもあれば別ですが。

 

 

テニスコートに立って、生き生きと動ける!ということを実感できるのがやっぱり一番の喜びじゃないでしょうかね。

カテゴリー: 日記 | 投稿者ナガキヤスヒロ 09:00 | コメントをどうぞ