テニスコーチという仕事をしていますから、時々こういう質問を受けることがあります。
それは「どうしたらもっと上手に成れますか?」というものです。
とても素朴ながら切実な願いから生じた疑問で、出来れば「それならばこうして、ああして○○すればバッチリですよ!」と明解なお答えを差し上げたいところです。
しかし、もしもそんな言葉で簡潔に説明できるような何かノウハウがホントに存在したならば、僕のレッスンを受けている皆さんは全員が達人になられていらっしゃることでしょう。
そりゃ、中にはそのレベルまでいかれる方が皆無ではありません。
でもそういう方は何か特別な僕のアドバイスとか方法によってそうなったわけではなく、ご自分の努力の賜であることは間違いありません。
つまり、一言や二言、もしくはもう少し言葉を費やしたとしても、それによって上達の速度が速くなるとか短縮できるわけではないのです。
ではどうしたら上達するのか?
それは練習したりトレーニングを地道にこなす以外には絶対に実現不可能です。
そういう説明をすると、先の質問者の方は「いや、ですからその練習方法とかトレーニングについて上達するための秘訣とかコツを聴きたいんです!」と来ます。
それで「詳しくなんか話す時間がありませんから、じゃあ簡単に言いますよ、打って、走って、筋トレする!」と言ってあげます。
熱心なのか天然なのか、そこまで言葉でスポーツ上達を図るのは無意味と暗に伝えているつもりなのに「どういう風に打って、どのくらいどうやって走って、どこの筋肉をどうすれば良いのですか?」と食い下がられてしまいます。
確かに本来はテニススクールでそれらの事柄ついても提供するプログラムがあるべきで、それが無いからこそそういう質問をされる本気のプレーヤーを満足させられないのかも知れません。
さらには栄養指導とか試合参戦のスケジュールとかチョイスするアドバイスなんかも出来たら良いですね。
そうなると一人のテニスコーチだけで何とか出来る領域を超えていますから、トレーナー、管理栄養士、トーナメント参戦コーディネーターなんて人たちが必要になる。
まるで一流トーナメントプロ選手のテニスチーム並みですが、そんなサービスが一般向けにあっても良いのではないかなと思います。