先ほどFBに投稿された動画でワウリンカの片手打ちバックハンドストロークの名場面集みたいなのを見ました。
対戦者はジョコビッチ、マレー、デルポトロ、錦織などトップランカーばかりでしたが、その強者たちから目の覚めるようなシングルハンドのノータッチエースショットを連発していました。
一時は世界レベルでのテニス競技からシングルハンドのバックハンドストロークは絶滅するのではと言われていたこともあり、そもそも指導するコーチで片手打ちの名手などほとんどゼロという状態でした。
そんな中で「神の手を持つ男」フェデラーがオーソドックスかつ正統派の片手打ちバックハンドの華麗な妙技を魅せるたった一人のいわばテニス界の絶滅危惧種だったわけです。
私がテニスを始めた頃の憧れはケン・ローズウォール選手という誰にも打てない独特で美しいフォームから放たれる芸術的な片手打ちバックハンドの名手でした。
そのバックハンドが打てるようになりたいというのが最大の目標で、試合に勝つとか負けるとかよりとにかくローズウォールのようにバックが打ちたいということで頭がいっぱいでした。
その後しばらくするとジミー・コナーズが現れて、とてもアグレッシブなプレーとネット上をわずか数センチくらいで矢のように飛び越えるダブルハンドのバックハンドストロークが素晴らしかった。
それでほんの一時は私もそのコナーズのダブルハンドを真似してみましたが、まったく上手くいかず壁打ちで半日ほど練習したら腰を痛めてしまいダブルハンドは腰痛持ちには向いていないと諦めました。
後年にトレーシー・オースチンが長年のダブルハンドストロークによって脊椎部の疲労骨折をしていたというニュースがあり、やはりダブルハンドは気をつけないと腰をやられるんだと知り、ジミー・コナーズの真似を早々に断念した自らの先見の明に自画自賛しちゃいました。
またシングルハンドのバックを打つ選手が増えている最近のテニス界には、少しホッとしますね。
ダブルハンドももちろん良いですけど、片手打ちバックのあの気持ちよく打てたときの爽快感はテニスする喜びを最も大きく感じる瞬間ではないかと私には思えます。