田舎での墓参り

水曜日、晴れ。明日からちょっぴり気温が下がるそうだ。

次男が墓参りに行きたいという。8月の盆にその話を持ち出したので、お盆にはお墓はからっぽだから、気候が良くなってからでどうかと、忘れることを期待したのだが、彼岸になると日にちを指定してどうですかと言う、それが今日だった。 みずから墓参りしたいというのは殊勝な心がけで、親としては感心すべきことであろうとじくじたる思いもあった。

周防灘に面した片田舎。車で7時半に出発して墓地に到着すると12時になっていた。父親と息子とは無口なもので、車の中でもしばらく沈黙が続いていがその内息子がいろいろ質問してきた。そういえばぼくのルーツなどはほとんど話していないことにようやく気がついた。厄年になろうとする息子、子供も二人出来てそんなことを考えていたのかもしれない。

ぼくはいつの間にか饒舌になって一生懸命話し出していた。 とりあえず通りすがりにあるぼくの生誕地、むかし石炭とセメントで栄えた町、香春岳のふもとの屋敷跡に案内した。なぜぼくの父親がこんな田舎町で写真館を営んだのか、その父が終戦の年に亡くなり、追い立てられるようにして墓のある田舎に戻り、そこで祖父の持っていた土地の一角に小さな家を建て、2反ほどの畑と、見よう見まねの写真を写して、親子4人生き延びてきたことなど、時間は十分にあったので知る限りを車の中で話していた。

幼児の時何度か連れて行ってはいたが、記憶は朧のようで様変わりした風景と、むかしのたたずまいを残している場所を案内したりして、何軒かの親戚にも訪れた。

帰りは有料道路、高速を最大限に利用したつもりだが3時間かかっていた。


カテゴリー: 日記 | 投稿者ていちゃん 22:23 | コメントをどうぞ