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後輩に負けた話

JTA大会に出始めて1年、いざ始めてみたら日程的に出れる大会がほぼ無いので続けるかどうか迷っていたが、GWのトリの岩淵元杯にエントリー。

4月時点で僕の日本ランキングはなんと700位切りで自己最高をマーク。

もちろん4月は登録の切替の関係でランキングから抜ける人が出てくるので、勝手に順位が繰り上がっただけなのだ。

昨年は岩淵元杯で1回勝っただけだが、J1大会だったのでポイントが結構貰える。

内訳はともかく!ランキングさえあれば大会のエントリーが多かった時に枠から漏れ難くなる。

平日で大会回りなんてできない僕にとって昨年の1勝は貴重なポイント。

昨年出た大会はどこも枠ギリギリで入って、というか漏れて補欠になって棄権者待ちもした。

それが今の僕はトップ700位ですよ、昨年の岩淵元杯はランカーのエントリーが少なくて、ランキングが無い人も入っていたし、まさか補欠になるはずもなく難無くエントリーできる事でしょう。

問題はこの大会で得た1勝のポイントを守れるか、JTAの大会で僕の腕前で勝つのは至難の業。

それに今年の岩淵元杯はドロー数とかルールが諸々変わって1勝してもポイントの数が違うようだし、大変な戦いになるぜ・・・

とか、エントリーは容易だろうと思っていたら普通に枠から漏れて補欠行きになってました。

枠に入った人は全員ランカー。

ポイントを守るどころかそもそも戦えないぞという展開。

昨年とか今までのこの大会のエントリーを見てる限りでは大体ランキング無しでも入れていたけど・・・いや、そもそもJ1-1ってレベルが高いものなのだ。

しかし参ったな、補欠の待ち順は1番手だけど、賞金は出ないにしろポイント多く貰える大会で棄権者出るかな?

強い人達のスケジューリングはまるで想像つかないが、僕的に普通に考えたら棄権だなんてそうそう。

こりゃポイント無くなって出れる大会も無くてもうJTA挑戦からは撤退かしら。

ちなみに今年のシングルス戦績はこの時点で3勝4敗。

JTA以前に草大会だろうとテニスオフだろうとこんな感じ。

毎年の事だけど、上手く行かないねえ。

昨年の最高な経験をどうして生かせないのか。

辺りを見回してみれば、地元の市民大会でまた自分より若い子が出てきて良い戦績を掻っ攫ってるし。

自信無くすねぇ、弟ができた準優勝、ベスト4が全然遠い。

10年やってもそういうレベルのテニスが遠過ぎて途方に暮れる。

なんか思いません?まさか自分がここまで弱かったのかって。

 

 

 

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しかし母校の大後輩であるUコーチが日本ランキング500位以内になって、今回の大会も無事に予選に入っているので、大会に出れなくとも行かない訳にはいかないだろ。

我らが母校綾高のコーチであり、今年からスクールのコーチとして社会に出るUコーチは選手としてJTAを回る活動も継続するとの事。

おいおいマジかよ・・・高校時代を思い返してもみろよ。

県大会と地区大会の両方で本戦ゼロ、団体戦も一体何回勝ったか覚えてるかい?

ちなみに俺は覚えてる、自分の時の団体戦はたった1勝だけしかできなかったからな。

昨年JTA大会0勝から脱したとはいえ勝算はあるのか後輩。

一昨年、昨年と彼のテニスを見るに、そういう練習を積んできたテニス。

これから文字通りテニスで生きる彼、試合には出れなくともプレッシャーはかけておかなければな。

そして俺にも出るチャンスは少ないながらにもまだある。

ポイント高いしどうせ棄権者なんていないか、どうせ勝てる望み薄いし、待ちぼうけして一日を無駄にするぐらいなら家で寝てた方がマシか?

そんなのが我らが母校、綾高テニス部のやり方だなんて後輩には口が裂けても言えないな。

 

そして大会が始まってすぐに棄権者が出て、予選への繰り上がり出場が決定した。

 

 

 

 

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「デフォ待ちだから綾高OB同士の戦いもありえるぞ~」

「そうなったら面白いっすね」

なんて言った矢先に自分の初戦の相手はUコーチになった。

結果はご覧の通り。

綾高の後輩と大会で戦うのは初めての事。

かなり歳の離れてる遠い大先輩とならあるんだけど、テニスをやってきて10年、同世代や卒業後にちょっかいをかけてた頃に一緒にやった綾高の仲間達とは今まで一度も無い。

そもそも高校でも市民大会でも、同じ所属だったら基本的に初戦とか予選のリーグで一緒になり難い訳で。

同門同士で戦う場合ってお互い試合で勝ち上がれまくる強さが必要になるから、そういう経験をする人って中々いないものなのかな。

少なくとも僕らの母校はそういう所じゃ無かった。

今回僕とUコーチは違う所属で出てるけど、それでもドロー数的に初戦で当たる確率は期待できるものじゃない。というかまず俺入ってなかったし。

テニスの神様に愛されてるね。

同じ場所で綾高の仲間と戦える事をずっと心待ちにしていた。

JTAに出ろとまでは言わなくても、市民大会とか草大会とか、皆全然出てこない。

そもそもちゃんとテニスしてるのかね?続けてるのかね?

続けろって命令したいんじゃ無いけど、にしても、我が母校って随分と静かだと思う。

現役でもOBOGでも、目立つ戦績も無く、大きな大会に挑む様子も無く。

やり方、取り組み方は人それぞれ。

でももう少し一緒に大会に挑む仲間がいたらいいなって思う我侭な気持ちもある。

高校生の頃、まるで一人でおかしな事をしているようでずっと苦しかった。

やる気の無い周りなんか気にするな!自分のやり方を信じろ!なんて突っぱねる強さは俺には無かった。

俺にとってテニスの基準、原点は綾高で、昔も今も変わらない。

自分の最大の敵は弟よりも自分の過去。

たった3年だけの大昔の話なのにね。

それから大学、就職して、市民大会出て、長らくは単身で乗り込むって形。

最近は先輩も出ていて、UコーチがJTA出て・・・それぐらい?

現役がたまに綾瀬の方で市民に出るぐらいで、彼らと一緒の大会に出ることは中々叶わない。

別に出なきゃいけないってやつじゃないし高校生は高校生の大会が本番。

しかしどうも毎回印象に残るのが、市民大会で急に来て入賞を掻っ攫う学生。

自分が高校生だった時も、今もたまに出てくるのだ、鮮烈なプレーを見せる若い子が。

自分が出始める前に高校生が優勝して、綾高の先輩達がベスト4に入って、その先輩達を負かした中学生がいて、だから自分もソレになれると思っていたがなれなかった。

先輩達に続く事ができなかった。

俺は欲しかったね、少しでも綾高が強いって言えるような戦績。

母校のテニス、自分の頃より良くなったとは思うものの、何だかまだ、未だに、自分は一人でやって空回りしてる感じを拭えない。

ろくな戦績無くて、強い訳でも無い高校の部活で一人愚痴垂れて、未だにボロ負けばっかりで小さな勝ちにがっつくやり方はそんなに変か。

昔のモヤモヤした気持ちを未だに払拭できていないようだ。

しかし、だ、今日JTAの大会で綾高OB同士で戦うぞ。

別にわざわざこんな大きな大会でなくても、市民大会でも草トーでもこういう試合が今までにあってもおかしくないでしょ。

まあ運もあるんだけど、この日の例を見れば、綾高テニス部はこんな事がありえる部という事だ。

こうなる日をずっと望んでいた。

最近のUコーチの戦績は川角杯で優勝、専門の全国大会へ出場・・・なんかヤバい。

何でだ?後輩はめちゃくちゃ遠くの存在になってしまった。

川角杯なんて俺は何も通用せず全敗だったんだけど。

まあ彼はまさにちゃんと練習を取り組んできた成果なんですけど。

しかし僕じゃ彼のように堂々と戦える自信が無い。

本当に、彼が高校生だった時は手玉に取れるぐらい差があったはずなんだけど。

中学は軟式上がり、高校で本戦に行けなかった非力なベースライナー、僕らのテニスは結構似ていると思う。

綾高で本戦に行くようなのは中学時代に軟式で個人で勝ち上がって県大会に出ている人ばかり、そして皆、試合で思いっきりラケットを振れる人や、キレ良く動き回れる人だった。

中学の軟式の戦績でも僕らは良い結果を出せず・・・あっ、そう言えばUコーチは団体戦のレギュラーで県大会に出たらしいな・・・

おのれ・・・裏切り者め・・・(by個人:市大会止まり 団体:AとかBとかそもそもCチームでレギュラー外)

本戦に行けなかった僕らはパワーがある訳でもないのにストロークに頼り、背丈も無いけど小回りが利く訳ではない。

メンタル的にも相手や状況に飲まれ勝ちだった。

勝った人達と比べて、僕らは大会で勝ち上がるのに必要な物を備えていなかったんだろうな。

武器と言うよりマインドとか、テニスに対する認識的な物が。

だから俺はUコーチがこんなに強くなるなんて想像もできなかった。

ただ真面目に練習してれば勝てるのではない。

俺がお前と同じ歳だった時に何をしてたと思う?

20、21歳の時、市民大会の予選を1勝するのも難しくて、いつもいつも自滅していたな。

自分の力が出せないっていつもいつも予選負け、初戦負けの度に思っていた。

出せないんじゃなくてその程度って事を認められなかった。

自分の思い描いていた結果にならなくてとても辛かった。

お前と比べるとミジンコだったね。

でも毎日のようにテニスしてたし、アルバイトコーチやって、コーチの練習で揉まれて、俺のやってきたのもそんなに悪い環境じゃなかったと思うんだけど。

何でこんな差ができたんだろうね。

 

高校生の時のUコーチは上手い事には上手いが、彼のボールとコースはまるで手に取るように分かり易かった。

試合をすれば丁度良いところにボールが来て、彼が動くよりも先に攻撃してポイントが取れた。

しかし本番にもなるとそんな大胆に攻めれたもんじゃない。

試合序盤、Uコーチはサーブ権を選んで勝ち気のプレーをする中、自分はシコるプレーでブレイク。

自分は試合のリズムを取ったりギアを上げるのが苦手なので、トスではリターンを選び、最初はあまり攻めずプレーを安定させることに注力する。

流石に昔やった時のように、高校生相手にプレッシャーの無い状況下でポンポン攻めるテニスをするには、身体が重過ぎる。

足が全然動かず相手のミス待ちでポイントを取る。

一方でUコーチは1ゲーム目からギアを上げていく為にサービス権を取ると言っていた。

この前ツイッターでそんな事を討論していたので彼の戦術は既に把握していたのだ、はっはっは。

俺の中での彼は、最近でこそ強い相手に真正面から立ち向かってストロークで戦っていて、まるで打ち返せないボールは無いかのような印象。

もしやなんでもかんでも叩かれて、決められるのではと思っていたが、どうも彼は攻撃的なストロークを打つもあっさりとミスる。

こちらの返球は、普段彼がやっているレベルでは想定していないであろうタイミングが合わずカス当たりや浮いたスライスばっかなのに。

自分の予想を大きく裏切られた。

化け物になってしまったかと戦々恐々としていたが、どうやら中身は綾高生らしい。

チャンスボールをミスり、変なミスを重ねる甘いプレー。

強い人の姿、プレー、取り組み方をイメージできないであろう経験不足の弱小校だったからな、特に俺の頃は。

最近の大会で見ていた、強い相手に力強く迎え撃っていた彼は、どうやら相手のボールに生かしてもらっているだけで、まだまだ技術は洗練されていないようだ。

最初からギアマックスでいけないから慎重に行くべきだと思うが、彼がギアを上げるために攻めてサービスゲームを落とすようなら、選手として戦いつづけるのなら、先輩として存分に叩きのめしてやろう。

そう臨んだ1-0での自分のサービスゲーム、ダブルフォルトを連発して落とす。

いけない・・・。

このぐらい不安定だから最初はリターン選んで繋げて調子上げて、って考えていたのに全然ダメじゃん。

初っ端ブレイクでこれはミス待ちですんなり行けるかと思ったら、自分のミスが先行で超嫌な予感。

これ、次キープされて→またサービス自滅ひて→大量失点で負け

って未来が見える見える・・・まず入らないんじゃ作戦が意味を成さない・・・

昨年末からサーブのフォーム格好良くしようとしたら失敗して崩れ、そこから良くなってきたと思ったんだけども、肝心な場面で自信を失う。

続いてのリターンゲームはまたまたブレイクに成功、そして自分のサービスゲームはまたまた落として2-2。

まずいぞ!念願の綾高対決が!!お互い自滅連発でグダグダだ!!!

こちらからは相変わらず攻めていけず、緩いループボールでお茶を濁すばかり。

しかもいざ攻めに入ったらもれなくミス。

全然足が動かず手だけを伸ばして打ってる。

繋ぐならせめてコースをって話が、左右に打ち分けようとしても全部センターへ行ってしまう。

思ったところに打てない・・・いや、この余裕の無い状況で、コース狙う余裕無くない!?

別に相手は攻めてきてないんだけど自分の身体は言うことを聞かない、どうしたものか。

Uコーチ曰く、このラリーの時のボールが重かったとか言ってましたが、そんなボール打った記憶が無い・・・返すので精一杯・・・。

試合とはそういうものだと思いたい。

試合とはプレッシャーがのしかかるもの。

場数を踏もうとも、ビギナーもベテランもプロも平等に縛られて、戦っているんじゃないか。

これのせいで試合がまるで上手くできない。

昔はもっと苦しめられた。

でも時に、この重圧が自分の気持ちをとても楽にさせてくれると感じる事がある。

思い通りに打てない、でも打たなければ後輩に負ける。

その状況下で今自分ができる方法で必ず成功させようと打つ。

その為にどんなショットでも良い、自分の思うプレーを選べる、とても自由だ。

大会で勝てないとか弟に勝てないとか、今ここで後輩にハッキリと負けるのかもとか、そういう劣等感なんてどうでも良くなる。

後輩Uコーチとの試合はそう感じられた。

どうにもならないプレーばかりの自分だが、この日有効に働いたのがバックハンドのストレート。

最近何かで見た「勝つ人の条件」、自分の武器を持つ事。

自分の得意なプレーは・・・フォアは凡ミスの嵐だし、バックも数球打てばやはりミス、サーブはMAX150km/h、スピンも跳ねない、ボレーはできない、足も遅い。

昔はバックがフォアよりも攻撃力あって得意とばかり思い込んでいたが、蓋を開けてみれば一直線に振っていてまるで野球打ち。

回転のかかりようの無い馬鹿打ちは、一球ぐらい入ったとしても何球か続ければ当然精度が落ちる。

高校生の時はパワーこそが強さだと思っていたのでフォアもバックもフルスイングすることしか考えていなかった。

高校生の地区大会の予選で最初の1、2回戦だったら、精度の低さと自信の無さを突いた鉄板のバックハンド狙いをしてくる相手に馬鹿打ちが決まれば、そりゃセオリーガン無視されて驚いてもらってゴリ押しできる事もあるだろう。

しかしある程度のレベルになれば当然そんな博打が通用するはずも無い。

そうと気付かず自分はバックで無神経にバコって、市民大会で毎度毎度自滅していたのであった。

それでも一応は武器だと思い込んでいた物、今度はちゃんと使い所を選んで、どういうショットか考えて打つ。

Uコーチのフォアは強い相手が来ても辛抱強く打てるので、相手の武器にわざわざ打つのはリスキーと思ったが、やたらと効いてくれて、そしてやたらとコートに入った。

Uコーチが結構こっちのバック側にボールを集めてくれたのも大きかった。

アウトもネットも満遍なく多いフォアに比べてバックの方が信頼できるので願ったり叶ったりと言いますか。

更にストレートへの逃げだけでなく、バック同士のクロスの打ち合いでもウィナーが出てくる。

2-2となったここまでの失点はUコーチの攻撃によるものではなく自分のアンフォースドエラーが殆ど。

ストローク戦での駆け引きではこちらが優位と見た。

次のゲームはリターンだがここまで連続でブレイクできているし、後は自分のサービスを安定させれば、この流れなら・・・

と、臨んだ3度目のリターンゲームはブレイクできず、Uコーチに初めてキープをされてしまう。

これはいけない。

今回の大会の予選は3セットの4ゲームマッチ。

次をキープできなければあっという間に1セット目を失ってしまう。

こっちは相変わらず、ストロークで先に仕掛けようと色気立ったらミスが先行。

どうしても仕掛けられるレベルまで自分のギアが上がらない。

そしてこの調子だとサーブはまだ不安定、塩試合でもブレイク合戦ならまだ悠長にリズムを探す余裕があったが、これではキープできる可能性は低い。

が、今度はこちらもサービスゲームをキープ。

頑張っても最速150km/hしか出ないサーブ、それも今日は入らず、自信と共にトスもフォームもぐらぐら。

Uコーチ曰く打ち難いコースにばかり来たとの事だが、2ゲーム連続でサービスゲームを落としてる自分はコースを狙う余裕なんて無く、とにかくフォルトしない事しか考えていなかった。

3-3となった後も確かお互いキープして4-4、調子が出てきたところでタイブレーク勝負。

この試合での自分の最大のミスが、相手をミスが多い選手であると強く認識してしまった事。

スタート時からのミス待ちの戦い方を同じリズムで続けていたが故に、ここ1番で押し切られて1セット目を失ってしまう。

しかもこのセットを終えてもなお五分五分の状態だと楽観視していたのもいけなかった。

次のゲームもこのぐらい競るだろうが、この調子なら2セット目は取れるだろう。

今日は自分の攻めは全くタイミングが合わない、相手は攻め気だがミスが多い、ならばと自分の中の方針は守り中心で固まってしまった。

2セット目も互いに課題だったサービスゲームをキープして迎えた2-1、次のUコーチのサーブをブレイク成功。

こちらはリズムの起伏を抑えた戦い方、こうも上手く行けば次の自分のサービスゲームは順当に取れるはず。

リズムを上げようとするUコーチをスライスやループボールで揺さぶりつつ、要所は切り札のバックハンドでのダウンザライン。

自分としてはここで欲をかいたつもりではなく、あくまで淡々とこのペースでゲームを取ろうと考えた。

が、次のサービスゲームはブレイクされ3-2。

だがUコーチのサービスはさっきブレイクしたのだから慌てる必要は無い、これを抑えて3セット目だ。

しかしここもまくられて3-3。

自分の思い通りの展開にならない。

Uコーチは段々と配球をバックからフォアに変え始める。

こちらがバックの方が良いと気付いたようだ。

しかしフォアでも負ける気はしない。(ミス減らないけど)

あくまでも相手にはショットの安定感が無い、実は中身は昔からあまり変わっていない、その前提で作戦を変えなかった。

高校時代勝てなかった非力なベースライナー、お互いに似たタイプだと思っているが今の戦い方はまるで違う。

最初ミスが多くても、Uコーチは積極的に攻め続けてギアを上げていく。

それがここぞという場面で効果を発揮してきた。

段々とこちらのミスより相手のナイスショットによる失点が増えてくる。

俺に言わせりゃ、全体を通してこの精度で攻めのプレースタイルを貫くなんて無謀だと思った。

しかしテニスのあり方としてはミスに怯えず打っていくのは正解とも思っている。

ショットが安定せず自滅する人が目指すべきプレーは、弱点を埋めようとするより武器を生かした方が精神的にもやれる気がするのではないか。

ミスるかもしれないとネガティブイメージを引きずった戦い方は力を発揮するのに必要な自信を萎縮させる。

ミスから逃げるのではなくリスクを背負い、戦うこと。

Uコーチは自分なんかより断然強い格上相手にも、そういう強気のテニスを貫いていた。

俺はそういうテニスができずヘタれてしまった。

高校時代はある程度のレベルならただ打ってるだけで良かったのかもしれない、

市民大会では大人のテニスに翻弄され、自分が予選負け初戦負けレベルなのを受け入れられず、壁を乗り越えられなかった。

少しだけしなやかになった気はしたが、とうとう攻めのテニス、強気のテニスはできなかった。

いつも自滅ばかりならまずはコートに入れる事を重視するべし。

しかしいつまで経ってもボールが入らない。

攻めようとしたらミスになる。

選択肢が広がらない。

あくまで勝負は五分五分、3-3までまくられようとも試合はタイブレークまでもつれ込むはず。

自分のサービスゲーム、連続でブレイクされ3-4。

守ればミスるはず、が、もはやUコーチの攻撃がガンガン決まるようになって押し切られる。

ミス待ちにずっと頼りっ切りで自分のプレーが甘過ぎた。

もっとちゃんと深く返さないとそりゃブチ込まれるのに、守りではなくミスを待つだけの置き球ばかりを気がつけば打つようになっていた。

そしてUコーチのサービスゲーム、こういう時に限って良いファーストサーブが連発。

試合全体で見たらサーブの確率はかなり悪かったはずなのに、コース良く決まった重いファーストサーブを返せず。

タイブレークに辿り着けず、3-5でゲームセット。

初めての後輩との試合は負けとなった・・・

やる前から戦績とか諸々もう差があったけど、とうとうお前を超えられなかったよ・・・。

彼との差はそこまで開いていない、勝機は十分ある、試合中ずっとそう認識していたが負けてしまった。

相手に穴があったと感じていたが、振り返ると自分の甘いプレーがあまりにも多過ぎた。

せっかくの後輩との試合、もっと良いプレーをできなかったものか。

負けず嫌いか、ならちゃんと練習しとけよって。

まだまだ足りていないって事。

しかしリベンジの機会はもう巡って来ないかもしれないな。

自分が大学生だったら平日だろうとこういうのに出れたのだろうけど・・・大学生の時だったら話にならないか。

でももっと早くこういうレベルを身を持って知っていればもう少しマシだったかもしれない。

0-6どころじゃないボロ負けして恥晒して、折れてテニスを辞めても、それはそれで仕方ないかなと思う。

真剣にテニスをするタイミングがUコーチよりも遅かった。

大きく出遅れたが、ギリギリ後輩と戦う事ができて良かった。

JTAの試合に出れて良かった。

母校もUコーチの活躍もあり、今では毎年本戦に出てるし男子部も女子部もある。

なんやかんやで目標というか願望というか、そういう類のものは結構叶った。

弟にも日本ランキングと市民大会のランキングでは勝ってるぜ

まあ、なんとか及第点は取れた10年だったかな・・・あ、アラサーとはいえ20代ならまだまだこれからか?

リベンジしたくてももう一度試合で当たるのはJTAじゃなくても俺にはハードルキツいぞ。

楽なんて状況今まで一切無かったけどさ。

二度ある事は三度ある的な、もう一度ぐらい機会があったらそりゃ良いよね。

俺じゃなくても遠い後輩達、平均以下普通以下だった俺の時代より優秀な母校の後輩達なら、綾高同士の試合ももっと可能性高くなるだろうね、コート取って自由にやるんじゃなくてちゃんとした試合。

そういう事ができて、一緒に戦える仲間がいて、俺は最高に恵まれていた。

後輩達にも是非やって欲しい。

Uコーチに挑んで、倒してみせて欲しい。

きっともっとテニスが楽しくなる。

それを味わうのが母校で俺達だけじゃ勿体無い。

俺なんかよりもっと凄いテニスをして欲しい。もっと凄い部活にして欲しい。

もう顔も分からない部員ばかりとなったが、そういう事ができる部活のはず。

いつか綾高生同士の試合が、高校の大会でも卒業後でも、市民戦やJTAでも、これからももっとありますように。

カテゴリー: 未分類 | 投稿者クレー 20:13 | コメントをどうぞ