40代になってからのほうが試合をしているような気がします。といっても年に数回。
マッチ練はコーチ仲間はよくやりますから、ゲームはしています。もともとそんなにガチの試合には出ていませんでした。
とはいえ、負けて悔しい試合は散々あるし、よくこの人に勝ったなぁという試合もあるし、目標にしていた相手から期待以上にゲームをとれた(負けてるけど)、なんていう試合もありました。
自分のスイッチを自分で入れられない、というジレンマも抱えていることはありますが、他人からは「ナガキさんてメンタルが安定していますよね」と見ていて言われるようになりました。
30代半ばまでは、本当に勝てなかった。
自分はメンタルなんて弱くてどうしようもない、と思っていたんですが、どこかのタイミングで何かが変わったと思います。
実生活では、相変わらず「意識しい」で、根本の自分は何にも変わっていないと思います。意識しい、っていうのは、もともと私は目立ちたがりのカッコつけな性格で、人前に出たがる性質があり、それを認めさせようとして何かしらカッコつけて何かを納得させたがるというところがあります。このブログでもそうでしょ?子供のころからなんだと思います。
だから、テニスのゲーム中でもポイントを取れたらうれしくて次のポイントを意識してしまったりして、そんなにうまくないのにもう一回、さっきみたいに気持ちよくポイントを取りたくて(取れるとも思っていて)でミスする。
欲しかったポイントが取れていないとがっかりするだけではなく、それこそ30-15が30-30になっちゃうんですね。気持ち的にはサーブの調子もよくて入る手ごたえがよかったから、同じにやればなんとかなる、と思ってフォルトして、セカンドが甘く入っていきなり防戦になり、守り切れずに決められる、という相手を乗せるようなポイントの取られ方とかします。
そういう時に、ああ、自分はメンタル弱いなぁ、ってつくづく思っていました。
なんにもわかっていなかった頃の話です。
いま、何かが分かっているような話になっていますが、気持ちの切り替えが少しできるようになっただけで、とくに何かが分かったようなことって程でもありません。
でも、当時はなんにもわかってなかった、ということが言えます。
次のポイントは次のポイント。新しいポイントですからその前の結果がよかろうが悪かろうが、きちんと切り替えるべきなんです。
私のテニスはとくに、トータルバランスを求めるところがありますが、実際のポイントはけっこうキラーショット的な、ほんの一球の「いい球」が相手を崩したところを見逃さなければチャンスは結構やってきます。
慎重に、だけど慎重になりすぎないようにしながら
また、リスクを負わなければならないシーンもありますが、できればリスクは低くて勝てる道が欲しい。
そういった相反する事柄をうまいことやりくりできる時には勝てます。
ショットの良し悪しでは結構勝負への影響が少ないと思っています。
ショットがいいときは積極的に相手にプレッシャーをかける、ができなければ自分にプレッシャーをかけることになる(調子がいいぞ、狙ったとおりに打てるぞ、と自分で思っていても、全部がオンラインで狙えるほど上手じゃないから決め球とかをミスする→そして凹む)
ショットが悪くってもひたすら走って走ってポイントをもぎ取ることもできる(コート上を視野を広くしてぜったい取る!という気迫を出す)
マイナスに思考することも、プラスに思考することもコート上ではありますね。
どちらからでもプラスに持っていくことができるものですが、要素としてはあってもよい材料がなければ結局自分がノレなくて「いい試合」をしたけれども勝てなかった、なんていう試合もよくあります。そういう時には落ち込まないですけど。だってしょうがないですよ。相手がよかったときとかあるし。
私が試合の時に欲しい材料は、
・リターンが入ること(できればクリーンヒットできる機会が多いか、やっと合わせるようなことがあっても相手がすぐに決めてこないような場合)
・サーブの後の3球目を自分のイメージで打てること
その二つができているときは、確実に勝てる可能性があると自分を信じてプレーできます。
常に自分を評価しながらやっていることは、
・打点に適切に入れるように足がちゃんと動いているか
・打点の感覚はボールをつかんだような感じが残っているか
・ポジションから積極的に動いて取ろうとしているか
というようなことを常に意識しています。
攻めることだけを考えてはいませんし、守ることだけを考えてもいません。
相手が打つ時には、基本守備の構えと範囲の設定。
相手が打ったショットに少しでもゆとりがあれば、踏み込んでいって狙ったコントロールにしてショットを打つ。
相手を崩したり、自分のリズムでネットが取れるときには、すぐさま勝負。
「ちゃんとゲームができている」と感じているときには、相手のテニスに対して上記のようなことができているので、自分にも自信があります。要するに相手をそんなに恐れなくていい。
ちなみに、ポイントのイメージは、毎ポイント最初の一球から自分が勝つイメージで流れを考えます。
当たり前ですが、そんなに具体的には考えない。相手がどこに打つかなんて知らないし、自分がその時に選択を変えるかもしれない。
だけど、サーブをバックハンドに入れたら、つぎにできることはある程度決めておくほうがいいし、相手のサーブを受けるとしたら、リターンを確実に返した後に相手をどっちに行かせるかは考えておきます。
例えば相手のバックハンドを狙いたいと思っていても、バックハンドの方向が開いていなかったり、自分の打ち方がそっちを狙うとすごく狭く感じたり無理っぽく感じることもあります。そういう時には大胆にフォアを狙う。そうすればその次には相手のバックハンド側が大きくあくことになるので、予定よりも一本多く消費しますけど、そこから自分のプランに乗るんだと思って相手のフォアに向けて勝負を仕掛けつつその次にバックを狙えるようなチャンスをうかがいます。
ラリー中に多くのことを考えたり、あるいは迷ったりする時間はありません。あると思っていると結局は真ん中に意思のないボールを打っていたりするものです。
ポイントの前に、相手のバックに低いスライスを打ちたい、と考えていたとしたら、自分ショットを見ながらどうなるか、それで相手が打つとすぐ、「できる?」瞬間的に「いまはムリ!」じゃあ単純にクロスにしっかり打つ!
みたいな感じで考えてはいますけど、それがいいかどうかを評価せずに「ハイ決定!」って言いながら打っている感じです。
それで、低いスライスを打てそうで、相手のバックを狙うゆとりさえあれば「はいチャンス!」っていう感じでまず相手を前のめりにさせて、その次のショットを反対側にできるだけ深く、大きく弾むように強く打ちます。
そうすると届かないか、届いても私のボレーでフィニッシュまで行ける、とかっていうプランが動き始めます。
頭の中にやりたいこと、というか相手にこうさせたい、というプランがあるときにはそれの実行に向けて頭がフル回転しながら連続した動作をしているので、凹んでいるとかそういう暇はありません。
私がこの辺まで来れた最初のきっかけは、「真面目に打つ」ということに気づいた時からです。
それまでは「勝ちたい」だけが頭にあって、ポイントを取った後の自分がどうなるか、または取られた後の自分はどうなるか、それともう一つポイントを「落とした」ときの自分がどうなるかを全く想定しないでコートに立っていました。
ポイントを落とした、というのは相手にとられたのではなくて、自分の簡単なミスや、決めたいところでリスクが高すぎて失敗した、などという自分側の要因による失点です。いわゆるアンフォーストエラー。
プロじゃないので狙ったら外さない、というほど上手くはないです。
かといって、相手のショットをコートに入れられないほど下手でもない。
じゃあなんでいまコートにも入らないショットを打ったんだ!
っていうところで気づきました。その時の相手の方にはいまだに感謝しています。誰だかは忘れましたけど。
相手のショットをちゃんとコートに入るように打てるなら、それを使う以外に勝つ方法はないじゃないか、というところで自分の腹の中にすとんと落ちたんですね。
入るんなら、クロスにしっかりとか、前に入って攻めるようにしながらもしっかり入れておくと、相手はちゃんと崩れてくれます。
ラリーが長引くことを、嫌がってはいけないんだと思いました。
けっこう自分のミスが怖いものなんですよね。そこから逃げようとして無理なショットを打つことになる。それが、相手のショットはそうでもないのに自分がミスをする原因なんだろうと思いました。
いま思えば、そこいら辺が原点だったかなぁ