一年前の話ですがテニス人口の推移は長期的な減少傾向にあるとテニス協会から発表されたデータにはあり、その数は10年間で423万人から373万人と50万人も減ってしまったということでした。
そしてテニスコートの数はピーク時から較べると約2/3となってしまったというデータもありました。
コートの激減に比してテニス人口の減り方が少ない理由はそれだけテニススクールなどの会員数は幸いにも減少せず、クラブ制のコートやレンタル専用コートという所が無くなっている現状を現しているようです。
実際に私はもう30年近くテニススクールに従事していますが、その間にスクール会員がかなり減ってしまつたと感じたことはほとんどありません。
むしろ最初にコーチを始めた頃から考えるとテニススクールもその会員数もけっこう増加しているように感じます。
コーチ稼業のスタート時点にいたスクールは小田急成城テニスガーデンという大きなテニスクラブに併設されていた所でした。
生徒数はよく憶えていませんが500~600名くらいだったのではないかと思います。
スクール用のコートは2面とオートテニス用の小さいコートが3つくらいでしたが、それ以外のクラブコートは確か20面近くあったと思います。
その頃に我々が私的な練習をするときには、土日でなければコートが空いていないことなどありませんでしたがそれはクラブコートがたくさんあったおかげだけではありません。
スクールのたった2面のコートでも平日は空き時間がたくさん有ったので、レッスンする以外の時間は練習し放題で「テニスコーチの楽園」みたいな所だったのです。
その当時から較べると今のテニススクールではどこもレッスン枠数が大幅に増えて、あまりコートが空いていることはなくなりました。
それだけ昔より営業のためのコート使用が促進されているということですのでテニススクールの経営も効率安定化して、産業として成り立つようになってきたということです。
以前は楽しいテニスが仕事で出来るという幸せを感じつつも内心で(テニススクールってこれから大丈夫なのかな?)と漠然とした不安もあったのは事実です。
それが今やそう簡単にどうにかなるような不安定な運営ではなくなり安心できます。
まぁその半面でかつての「テニスコーチの楽園」みたいに朝から晩までテニスやり放題という豪快な楽しみは少なくなってしまったのですが、考えてみれば今そんなコート使い放題になったとしても自分の身体はとても使い放題というわけにはいきませんでした