中学校に入学して初めてテニスを習い始めたという生徒と小学校4年頃からスタートした経験者の生徒では、当然その後者の方が上手くボールを打つことが出来ます。
レッスンでそうした生徒同士が4月からの新しいクラスでは一緒に練習するということがあって、その差はかなり開いておりビギナーの生徒は打ち合いどころかラケットにボールを当てることすら難しいという状況です。
ところが、それから半年くらい経つとこの子は「空振り大魔王か?」って思わされていた初心者がいつの間にかすごく良いボールを打てるようになって来ます。
それでも未だに10球中に1~2回は空振りしたりして(悪いとは思いつつ)笑わせてくれるのですが、実は空振りするほど思い切りラケットをしっかり振り抜こうとしているからこそ当たればものすごいボールが飛ぶというわけなんです。
そして当初はポイントをかけた打ち合い練習をこの両者にさせると、経験者の生徒が延々と勝ち続けていたのに「空振り小魔王」くらいになった脱ビギナー君が時々ものすごいショットを突然に炸裂させて勝ってしまったりするのでした。
通常の長い試合になったら間違いなく経験者の生徒が勝つのですが、1ポイントとか2ポイントのゲームだと空振り小魔王が「失うモノは何もない一発屋の怖さ」を見せつけるわけですね。
これを世界レベルのトーナメントに喩えるのはかなり乱暴過ぎるかも知れませんが、試合経験豊富な世界ランクトップ選手が時々かなり格下の新人プレイヤーにあっさり負けてしまったりするアレも、こんな感じの「一発屋の脅威」にやられてしまうのかな?
まぁテニスに限らずいろんなジャンルでも彗星のごとく頭角を現す者は、この「当たって砕けて一発に懸ける!」という勢いを持つ者がのし上がっていくのだと思えます。
経験者には「失うモノが山ほどあり、使える武器も100発くらいある」ので、未対戦のどんな相手かわからないと「気持ちは守りに入り、たくさん有り過ぎてどの武器を使うかの選択に迷う」からなのかも知れません。
たった一つだけの、しかし超強力な武器を持ち「これさえあれば絶対に誰にでも勝てる!」と自信を持って「たとえ勝てなくともそれで困ることなど何もない!」と挑む!
人生を切り開くにはそんな感じで当たって砕けろが大切なのではないでしょうか?