テニススクールでのレベルチェックはどちらかというとやや厳しいことが多く、それはあまり安易にレベル判定して上のクラスに上げてしまうとそのクラスの担当コーチに甚だ迷惑がかかることとなるから慎重になるわけです。
その逆に自分のところに他のコーチがいい加減なレベル判定で実力が未だ未熟な方を受け入れなくてはならないという、最も避けたい事態をお互いに協力してなくそうという暗黙の了解によるものなのです。
でもそれが時として協定違反?じゃないかということがあるのは否めません。
特にジュニアのクラスではそんな曖昧なレベル判定の下で、(えー、この子は誰が上げちゃったんだよ、まだバックハンドがまともに打てないじゃないか!?)って感じのことがよくあります。
しかし、そういう子は他のクラスから振り替えでやってくるというのがほとんどで、なぜなら自分のレギュラークラスにそういう疑惑判定者?を受け入れるなんてことはまずないからです。
それで振り替えだから仕方ないかということでレッスンするのですが、もう他の子供が淀みなく快心の当たりで良いショットを連発するなかで一人だけそういう子が「カシュッ、ポコッ」っていう困った状態で拍子抜けしそうです。
ところがボール出し練習を終えて生徒同士で打ち合いをさせてみると、そんな困った当たりで悩まされた子が驚きのパフォーマンスを発揮するのです。
「さっきのひどい当たりは何だったんだ?」と思わされる豹変ぶりでビシバシとナイスショットを連発して相手を打ち負かせていきます。
(なるほど、ボール出しで打つのは苦手だけどリアルな打ち合いだと俄然よくなるから上げたわけなのか!)と納得します。
つまりものすごい個性的なプレーなので一見すると(えっ、この子まだ初心者だろ?)と思わされるのですが実力はしっかりとあるのです。
これはジュニアの話で大人ではあまりそういうことはなくて、あるとしてもそれはほんの一瞬だけの輝き?を勘違いしてレベル判定してしまったコーチのミスだったということがほとんどで、そういう方がいると練習に支障をきたすので正直とても困りものです。
だけど長いあいだにそういう方もいつの間にかレベルが上がって何の問題もなくなるわけですが、そうなるまでには練習内容に苦心が必要なのです。
なにせ言ってみれば中学校3年のクラスに下手したら小学校4年生くらいの子がひとり混じっている状態を想像してみてください。
中三のみんなの進歩を最優先に考えながら、その小4の子も何とかついてこられるように考えて練習させるという厄介さというとぴったりです。
良く言えばやり甲斐がある!本音を言えば「あー、またあのクラスか、どうやって練習しようかな?少し憂鬱だなぁ」と思います。
そう言えば、ちょっと前に話題になった本のタイトルにありましたね、「憂鬱でなければ仕事じゃない」とか言うのが。
どうかそんな「憂鬱のタネ」さんには早く上達して周りの方と同レベルに成ってもらいたいです!