水曜日
ちょっとしたきっかけから手にして吹いた竹、二本の尺八、半世紀前の安物だと音色が悪いのはそのせいにしながら、吹いていると何故か何故か一生懸命に取り組んでいたあの青春時代が浮かんできた。凝り性のぼくは人に先んじようとその気になると、いつも唇に口内炎ができて頓挫してしまうのだった。
恥も外見もあまり気にしない恍惚の世界に突入せんとする世代になれば、懐古しても許されるだろうし、知っている人たちも少なくなり許しくれるであろう。
アマゾンから1冊残っていた非売品の会長の追悼録が早速届いていた。70歳を前にして亡くなった23年前のできごと、なぜ急にそんな気持ちになったんだろうと自分でもわからない。会長と特別親しくしてもらったわけではない、ただ遠くからその人のなりと行いを観察していただけだった。
そんなことを知っても分かっても、どうしょうもないのに、だけどなつかしさがこみ上げてきた。
諸行無常の響きあり。
さて、2週間ぶりI氏とのシングルス、もう以前みたいな余裕は全然与えてくれなくなった。ぼくはそんなに変わらない、I氏が昔むかしのI氏に戻っているのではと思う。
こんなことで沖縄国際はどうなるかと不安はよぎったがランキングチェックしていたので楽観はしていた。
ところが帰り際、I氏が気になることを一言発したので、戻るとドローをとりだしてみた。初戦で当たるだろうと思われる選手をパソコンで調べてみたら、鳥肌が立っていた。こんな人が沖縄まで来るんだ、ぼくが新参ものであることが証明された瞬間だった。
ぼくはその人を全く知らなかったし知ろうともしていなかった。近々全日本ベテラン二回もウイナーとなっていた。
何かの事情でここ一年間試合に出ていなかった、それでノーポイントなのだ。勉強不足もいいとこだが、どこまで通用するか挑戦しょう。沖縄国際、エントリーしたのも何かの縁であったかもしれない。