達人、ラケットを選ばず

自分の使い慣れたラケットと全く触ったこともないラケットを二つ打ち較べたとしたら、簡単なボールを試しに打つ程度だと時には未知のラケットが良いと感じることもあり得ます。

しかし、それがゲームをする時という場合にはまた事情は違ってくるもので、ポイントがかかっている状況で精度の高い威力のあるショットを打とうとするとやはり使い慣れたマイラケットでなければ安心してプレーは出来ないものです。

以前にトーナメントへ行くときにあろう事か、うっかりラケットを1本もバッグに入れずに出かけてしまい会場で見つけた友達から借りたラケットでプレーしたことがありますが、結果は散々でした。

ここぞと言うときに思いきって打っていくこが出来ないし、仮に打ったとしてもいつもとまるで違うラケット性能に適応できずアウトするか逆に短くなり過ぎたりコントロールが思うように出来ませんでした。

これは実際ほんとうにそういうテクニカル的な問題もあるのでしょうが、主にメンタルでいつもと違うラケットでは上手くいかないと消極的な思考に陥ることが多分に影響していると思います。

なぜなら別の時にトーナメントではありませんでしたが、仲間との練習試合をした時に僕と同じラケットのフェースサイズもストリングも違う別のコーチのラケットを間違って手にしてプレーしたことがあり、その時は自分のラケットだとすっかり思いこんで戦ったらほとんどいつもと同じように出来てしまったからです。

ただし、テクニカル的に微妙な違いが出やすいドロップショットとかアングルボレーを打っているときには「あれっ、今のは絶対に上手く打てたはずなのに・・・」と感じることはありました。

でもいつもその相手と戦った時とほぼ同スコアの試合結果から見て、ラケットが違ってもそんなにパフォーマンスに大きな影響が出来ることはなさそうだと思えます。

実際にどんなラケットを使おうと全くいつもと同じ素晴らしいボールを打ちまくってプレーする達人がいることも知っています。

コーチ数人でポイント練習をしていたときに、そんな達人コーチが入って4~5人がかりでその彼に立ち向かって交代で挑みましたが全員が返り討ちに遭い全滅!

その時に達人氏が使っていたラケットは彼によると「このラケット、初めて使ったんだけどなかなか弾きが良くていいね!」とこともなげに言い放ち、それを聞いた我々は「えー、お試しラケットで俺たちはあれだけやられちゃったということなのか?!」とため息まじりで思わず呟きました :36 冷や汗:

「弘法、筆を選ばず」の故事そのものです。


カテゴリー: 未分類 | 投稿者fresco 15:09 | コメントをどうぞ

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