もうたくさんのいろいろな方が、昨日のジャパンオープンについて書かれているので今さら僕がそれに触れることもないだろうか?と思いましたが、(イヤ、逆にあれだけの偉業についてテニス業界人の端くれとして語らないのはいかがなものか?)などとちょっと葛藤を感じながら・・・やはり書かないではいられません。
でもいつもみたいに長いとただでさえ「また長文か」と嫌がられるのでちょこっとだけで。
試合を観て感じたことはたくさんありますが、その中で三つほど上げます。
一つは錦織選手のメンタルの強さというか、大舞台のプレッシャーを逆にエネルギー源のように吸い寄せて力を発揮する姿は、僕の世代ではミスタープロ野球、長島茂雄氏のそれと重なって見えました。
普通の選手が重圧で萎縮するような場面なのに、ミスターはそれを楽しんで「どんな風に格好良くやってやろうかと考えてワクワクしていた!」と言うのですが、それは天性の精神力の強さがもちろんあってこそですが実は人知れず血の滲むような練習の裏付けがあってこそだとも語られています。
錦織選手のあの自信溢れる大観客を沸かせるスーパープレーの影には、計り知れない修練の積み重ねがあればこそなんだろうと思います。
二つ目はユーチューブなどでフェデラーやジョコビッチのスーパープレー全集みたいな良い場面ばかり集めたものがありますが、昨日の試合はそんな編集して特別に作られたミラクル名場面集みたいな凄いショットが続出して(あれっ、これは録画編集のハイライトシーンか?)と錯覚するほどでした。
一昔前ならば1セットに一度か、全セットを通してたった1回というハイレベルなプレーがいわばてんこ盛りの名勝負が日本の有明で観られるなんて夢のようです!
三つ目はちょっと残念なことですが、昔はテニスの試合観戦では自分の応援する選手とそうでないプレーヤーに関わらず良いプレーに惜しまず拍手を送るがアンフォースドエラー、つまり凡ミスでポイントが終わった場面では拍手を慎むというのがエチケットでした。
日本で日本人プレーヤーが活躍する場面では相手がミスしてくれたら思わず喜んで自国選手に応援の気持ちから拍手してしまい、それは決して敵の選手を貶める気持ちなど微塵もないのでしょうが、冷静に観て考えるとあまり良いことではないと思えてなりません。
あぁ、やはり結局またしてもちよっと長いこと書いてしまいましたね、しかし昂奮をこれでもかなり抑えているつもりなんですけど
ところでタイトルの意味はおわかりかと思いますが、昨日の圭プロが優勝を決めて感極まって涙ぐむシーンには今までどんな試合を観てもなかったのに生まれて初めて、思わずもらい泣きしてしまったということです