今年はほんとに日本独特のジメジメした梅雨が少し長く続いている気がします。
そんな鬱陶しい梅雨空を観ていると必ず思い出すのが、今はすっかり再開発が進んで全く昔のテニスコートの面影がどこにも無くなってしまった二子玉川でのことです。
二子玉川園という広大な遊園地の跡地を将来の再開発に備えていつでも取り壊しが出来るテニスコートや運動施設にして時期を待つというプランで、僕がいた二子玉川東急スポーツガーデンはオープンしました。
そんな開発待ちの一時しのぎ的な目的で作られた施設なので、はっきり言って施設オーナーの親会社はあまりやる気がなくスタッフは必要最低限でしかも中高年の方がアルバイトで働いていました。
しかし、テニスコートはハード9面があり雨さえ降らなければコート整備も必要ないので問題なかったのですが、こんな梅雨のシーズンに入るとメチャクチャ大変なことになるのでした。
何せ少ない施設スタッフでおまけにご高齢の方々なので、本来は僕の担当していたテニススクール3面のみを水捌けすれば良いところでしたが、残りの6面を一人か二人のお年寄りがやっているのを黙って見ているわけにいかないので手伝わざるを得ない。
そして手伝いのはずがいつの間にか「我々は事務所で電話を受けたりお客さんの相手しないといけないから、あとは頼みますね」と言われてスクールのスタッフだけでやる羽目になる。
しかも、やっと9面の水捌けを終えて事務所に引き上げて次のレッスン準備しているとまた雨が降り出して中止、そのまま降り続くならそれで終わりなのにまた止んでしまい再び9面の水捌け
梅雨の時期になるとそんなことを一日の間に何度もやることとなって、朝から雨だとバイトのコーチは来ないので社員コーチが二人、最悪の場合は一人だけで9面の水捌けを黙々とやり続けることになりかなり疲れました。
最近はあまりハードコートを見かけなくなり、あの水捌け用のコートドレーナーというゴムヘラで水をかき出す器具が出すコートを擦る音も聞かなくなりましたが、あの「キュルキュル」というのを聞くと今も一人で延々と一日中ずっと水捌けしていた悪夢が蘇ります
その9面水捌け地獄?のスクールから、次に移った会場コートのサーフェースは当時まだ珍しかった人工芝で「これは水捌けしなくても雨が止んで少し待てば砂に浸透して乾くから楽なんだよ」と新たなヘッドコーチに言われたときはとても嬉しかったです。
でもその内に人工芝の雨水を除去するための吸水ローラーなるものが導入されると、もう9面もやる必要はなかったもののそのローラーで行ったり来たりするのがやはり面倒でした。