錦織、ドデイグの猛攻をカワして3回戦へ

木曜日曇り 雨

全豪オープン、錦織圭の二回戦は朝9時ごろから放映された。NHKでも放映されるというのでwowowは録画してNHKで見ることにした。NHKの解説者、福井の方がいいのかなと思ってていたが、可もなく不可もない平凡な解説、wowowの松岡の解説の方が具体的で説得力がありうなずけることがあった。しゃべりすぎだと不快感を感じるときもあったが、解説もトーンを下げたりして研究しているのか進歩の後感じられた。

今日の2回戦の相手はドディグ(30歳クロアチア)、クロアチアのエースドディグ、デ杯戦で二人の対戦を見たことがある。全力を出し切る思い切りの良いテニス、熱い戦い方だ。見る方はどちらが強いのかと戸惑ったが最後には錦織が圧していた。

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初戦のアルマグロもそうであったがドディグも最初から飛ばしに飛ばした、それが彼の持ち味といえるが。出始めにブレークされるすぐに取り返すがまたもブレークを許した。フルスイングのファーストサービスは要所要所にきまり、ショットもいまいち不安定な錦織を圧して46でファーストを失う。

セカンドは互いにキープしてハラドキでゲームは進む、55で錦織がブレークすると65 75とセカンドを取りほっとした。

3セットはエンジンの掛った錦織が圧して62ととり、すんなり行くと思われた4セット、油断大敵うさぎさんではないがドディグは死んではなかった。序盤にブレークされて14 24 34 35 ブレークして45 キープして55、それからタイブレークへと持ち込んだ。一時はファイナルを覚悟をしてみていたがタイブレークでは勝負を急ぐドディグにミスが出て軽くいなしてつないでいるとドディグは一人相撲で一ポイントも取れずに負けてしまった。

46 75 62 76 錦織圭選手は勇躍3回戦へと駒を進めた。うれしかったに相違ない。勇気づけられたに相違ない。溢れんばかりの日本人がかけつけて応援していた。


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シャラポア、ナダル大苦戦の末3回戦へ

水曜日 曇り 雨

熊そう会、パークドーム午後から雨予報場所選定ぬかりなし。参加者男女合わせて100名弱、いつもものセレモニーの後いつものスライド方式で大会が始まる。

松Aは12名、進行係のU氏はテキパキと指示段取りをして試合は始まっていた。今日は3勝1敗の3位でいいともくろんで組合せ表を覗き込んでいるとso氏がぼくの組合せは恵まれていると言う、目を凝らしてパートナーを確認していると確かに3勝はいけそうなので内心ほっとした。こんな期待はいつも裏切られていたが、今日は間違いあると試合に望んだ。

1試合目は60と上々すべり出し、2試合目は期待してなかったが勝てそうな内容で試合は進んだ、勝ててもおかしくなかったのに大事なところでぼくが足を引っ張り56で負けて1勝1敗、3試合目は勝てるといき込んでいた、たのもしく見えたパートナーがガンガン叩いて42とリードしていたのに、ぼくが大事なところでキープできなかったりでそれでも頑張って何とか55に追いついたがまたも56で敗れて、謙虚のつもりだった3勝1敗のもくろみは潰えていた。希望が失せた4試合目は60とまたもベーグルで圧勝、パートナーに3位に貢献していた。成績2勝2敗、もし3勝1敗だったら2位は間違いなかったと誰かが云ったが、勝負の世界はいつでもきびしい。

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・ナダル大苦戦も予選勝者のスマイチェクにフルセット勝利 [全豪テニス]
・シャラポワ、灼熱の全豪オープンで2回戦敗退を免れる


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錦織圭 重圧をはねのけ初戦突破(全豪)

火曜日 晴れ  テニス日和

全豪オープン二日目は朝一番から錦織圭が登場した。相手は元トップテンランカーのアルマグロ選手29歳、昨年は怪我で10試合しか出ずにランキングを落しているらしかった、5シード選手が初戦に対戦するには重荷に思えてしかたがなかった。闘志を前面に押し出しガンガンと打ってくる選手ほんとうに危ない選手と手に汗を握って見つめていた。

「もう勝てない相手はいない・・」とのたまった圭にたいして、ふつふつと闘志を燃やしていたに違いないアルマグロは最初からテンションをピークにしてコートに立ち、いきなり圭のサービスをブレークして戦いは始まったが、すぐにブレークしてファースト64,セカンドは66タイブレークを一方的にリードして奪いゲームカウント20。3セット目はは62と圭のワンサイド62で締めくくった。ゲームカウント64 76 62。

3回戦はドティグ(クロアチア)、いやな相手だのコメントだがこれは社交辞令的なもので錦織圭の敵ではないことは過去の戦歴で証明されている。

・錦織圭がアルマグロにストレート勝ちで初戦突破 [全豪オープン]
・錦織 次戦対戦相手を警戒「嫌な相手だとは思います」
・ラッキールーザーの守屋宏紀はヤノビッチに敗れ、本戦勝利ならず [全豪オープン]
・添田豪が18歳のウマーをフルセットで破り、2年ぶりの全豪勝利 [全豪オープン]
・クルム伊達は最年長勝利記録の更新ならず [全豪オープン]
・奈良くるみは第6シードのラドバンスカに敗退 [全豪オープン]


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全豪オープン 伊藤竜馬1回戦で消える

月曜日 曇り  風あり 寒し

今年から月曜日の同じ時間にレッスンを変更する。今日、今年初めてのレッスンを受ける。コーチを替えてみた。
少し早めに出かけてミックスなどのダブルスを2セット楽しむ。その後レッスンまでSさんとシングルス1セット、負けてしまった。体勢を低くしての思い切りの良いファーが得意だ。

員数多しと言えどもシングルスに興味のある人はほとんどいない、テニスはダブルスしかないのかと思いたくなるほどだ。その中で一人二人三人とシングルスに興味を示し、その中に試合に出ている女性を見出したときは正直うれしかった。彼女もその一人だが、さてどこまでのめり込んでいくであろうか、期待をせずにいよう。がっかりするから・・。

いそげばまわれ! シングルスから入って行けば、ダブルスは強くなると思うけれど、それを理解する耳を持たない愛好者が多すぎる。

いよいよ全豪オープン開幕した。伊藤竜馬選手は1回戦クリザン(ウクライナ)にストレート負け、ファーストは互角の内容で競っていたがタイブレークで取られた。2,3セットは見てないがファーストより悪いスコアーで終わっていた。

クリザンといえば昨年の全仏1回戦で体調がいまいちだったとは錦織がストレートで敗れた選手、左利きでねばり強くつないでくる。フォアは上半身で巻き込むようにスピンボールをたたき込み、厚いグリップのバックの両手打ちはマシンのように確実につないでくる。

・伊藤竜馬 シード選手に敗れる


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Australian Open(全豪)明日いよいよ開幕 

日曜日 晴れ
今日もコートは余裕がみられた。少し待てばコートへ入れた。好敵手とのダブルス2セット楽しむ。迷いのサービス、いつになったら得心できるサービスが打てるのだろう。

全豪オープン、錦織の初戦は20日の火曜日だという。相手はアルマグロ、ぼくが注視していた一人でスペインの選手、昨年のこの大会で優勝したワウリンカと同じ片手バックハンドだ。キレのある思い切りの良いテニスが印象にある。

2013年のジャパンオープン3回戦B8で錦織はアルマグロと対戦して負けている。
初戦がキーポイントとなりそうだ。ここを突破すれば波に乗れるかもしれない。

次の準決勝でアルマグロは優勝したデルポトロ敗退。決勝戦ではラオニチと対戦してデルポトロはウイナーとなっていた。そのデルポトロは手首の故障で一年間棒に振っている。
全豪にも出るそぶりは見せたものの、前哨戦での状態からか今回も欠場の判断をし、守屋宏紀がラッキールーザーとして出場することとなった。

・錦織の1回戦、20日実施へ 全豪テニス19日に開幕
・デルポトロが全豪テニス欠場 守屋が繰り上がり出場へ
・民主党代表選 岡田氏が新代表に 野党担当記者の解説です。


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阪神淡路大震災が起きて20年目の朝

土曜日 曇り 晴れ

阪神淡路大震災が起きて20年目の日だという。テレビでは朝から特集が放映されていた。

ぼくはその数か月前に神戸を訪れていた。三重の鈴鹿まで義弟の娘の結婚式行っての帰り娘と三人で神戸に立ち寄ったのだ。丘の上の瀟洒な住宅街を見て回り中華街におりて昼食を捜したがどこも行列で入れそうなところは見当たらなかった。空いていた中華の店が目についたのでしめしめと入ったが、勘定に目玉が飛び出るほど驚いた記憶がある。たしかにフカヒレとかあったきはするが・・・。そのとき隣の席で同じ年頃の娘の親子と交わしたのだろう。名刺を交換した。エグゼクティブであった気がする。震災が起きてからその親娘のことが頭から張られなかったので、あるとき思い切って電話すると無事だと分かってほっとしたことを思いだす。

久しぶりのシングルススリーセットは体にこたえていたのか、朝起きるのがつらかった。それなりに体を鍛えているつもりだが、齢を考えねばと思う。ふだんは一万歩少しオーバーだが、昨日は倍近くになろうとしていた。

軽く壁打ちでもとチャリで行くと思った以上に寒い、今日は気温が低いのだとようやく理解した。壁打ちの前に行くとコートが3面遊んでいるのに気が付いたので、バックからボール5~6個探して隣のコートでサービスの練習をした。これだけ練習しているのになぜ、と言いたくなるようにばらつきが多いのだ。

しばらくすると仲間が来たのでストローク、風はいつもより強く思えたが、これくらいでうんぬんいっていれば試合には勝てない強さだ。

そのあと気の合う仲間とダブルスを2セット、2敗したが面白くて楽しい時間を過ごした。

・杉田祐一と守屋宏紀は本戦入りならず [全豪テニス予選]
・元世界ランク12位トロイキ、復帰後初の優勝でツアー2勝目<男子テニス>
 トロイキはセルビアの選手、ジョコビッチは彼を擁護するが、薬物検査拒否したとして停止を食らっていた。セルビアがデ杯で優勝したときの立役者、最後のシングルスを勝ち取り、セルビアに初の優勝をもたらした。選手全員頭を丸めて喜びをあらわにする。
・錦織、豪の地元紙1面で紹介…タイムの表紙にも


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陽だまりの下でテニス楽しむ

金曜日 晴れ  暖かい テニス日和

久しぶりG氏からメールが届いていた、OKですと返信して約束の10時前にコートへ出かけた。昨夜雨がたっぷり降ったのだ。人口芝コートは一番嫌いな状態だった。

調子は悪くないと挑んだが、回り込んでのフォアの強打に手のうちようがなかった。1ゲームが取れないのだ、隣のコートで練習していた仲間にぼくにも球出ししてくれーと叫んでいた。05、ベーグルで終わるかと心配したが1ゲームお情けで16でファーストやられていた。

トイレに行きながら頭をめぐらせた。あの強打にまともに対応しても勝てない、ゆるいガットのラケットでいなして粘るしかない。

少しは接戦になっても勝てるとは思わなかったセカンド。きわどいゲームを何とかものにしいると、相手がおかしくなりミスが多くなってきた。今度は逆に50とリード、1ゲーム粘りに落として61でものにして、16,61の円満の別れとなっていた。練習の時はまおまおのサービスも本番ではからっしきダメだった。

練習を終え昼飯の終わったKさんと3セット目とおもい対戦、出だしはいつも先攻されて苦戦することが多いが、今日もまたそのパターンに陥っていた。

ぼくは練習のサービスをきちいっといれて、自分のテニスを心がけようとコートに立ったのだが、苦戦を強いられた。33のぼくのサービス2回ダブルフォールトして0 40と追い込まれてこのゲームを諦めていたが、ばん回して43とリードして流れが変わった。彼女がくやむことしきり、あきらめていた昼食も、なんとかお預けにすることができた。


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JOPランキングメール有

水曜日曇り 雨

午前中はくもりで昼からは予報通りに雨が降りだした。冷たい雨。I氏とのシングルスは衣類の調節に苦労しながら寒さとの戦いでもあった。先週は完敗していたが、負けた原因をkさんとの試合で見極めていた。ぼくの調子は普通でI氏の調子が良すぎたという結果が出ていた。

今週もI氏の調子が持続していれば連敗をきっすることになる。出端は02となって嫌な予感がしたが22となって落ち着きを取り戻した。それから相手のミスに助けられ、思い切りの良いテニスができて勝たせてもらう。

今日は早めに寝ようと二階に上がりながら携帯を確認するとメールが入っていた。忘れていたJOPランキング速報が届いていた。今日のブログは題材も出尽くしてやめようと二階に向かったのだが、引き返してパソコンに向かう。

12月の発表で10位から一桁台に躍進して自己満足の世界に浸っていたが、三日天下で新年には10位台に戻るだろうとは覚悟をしていた。70歳代の選手が繰り上がってくる。

なんとぎりぎり一桁台のランキングが目にうつっていた。ぼくの終身最高のランキングになる可能性を秘めた数字ではあったが、それを一桁に維持できたのは正直笑みがこぼれてきた。ゴルフで言えはシングルス維持できたということになる。

目標は高く、今年は5位以内を目指すことにしょう。


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紅ークレナイー

火曜日 晴れ

朝の11時頃になると晴れの日は、太陽の恵みを実感することになる。最高温度の10度か11度近くに近づくのでコートもしのぎやすくなる。コートを走り回ると一枚また一枚とイソップ物語のようになってゆく。

kさんのJOPシングルスデビュー沖縄国際に向けて、コートで顔を合わせると極力シングルスを対戦、着実に腕を上げている。今日もタイブレークまで頑張られて危なげなシーンが2回ほどあったりしたが何とか勝たせてもらった。
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紅ークレナイー
  登場人物
       向日 椿(歌う人形)
       氷差 朝顔 

 路上で一人歌いはじめて、どのくらいの月日が流れただろうか。暗く、社会と隔てられたこの路地裏には、今日も日が当たることはない。
 そんな場所で私「向日椿」は今日も歌い続ける。
 ついたあだ名は「歌う人形」。誰がつけたかは知らない。ただそのあだ名が皮肉以外の何でもないことにはかわりない。
 この路地裏で歌いはじめて色々な人間を見た。体の一部が欠けた者。心の一部が欠けた者。最早、何もないやつもいた。
 でも、あいつは違った。
 あいつは急に現れた。それは、偶然なんかではなく、生まれる前から分かっていたような、不思議な感覚だった。
 その日は今年一番といわれたくらいに寒い日で、そいつも、真っ白なマフラーを首に巻いていた。
「貴女が歌う人形?」
 そいつは準備をしていた私の後ろに立っていた。
 とろけるくらいに甘い笑顔で立っていた。吐く息のように肌が白い少年だった。
「…そうよ、何?」
 そう私が応えるとそいつは嬉しそうに言った。
「やったっ!会いたかったぁっ」
 正直、新鮮だった。こんなに感情を露にする人間を、久しぶりに見たから。
「今日ずっと聞いてて良いですか?」
「…勝手にすれば」
 心から喜んでいると言わんばかりに、そいつはその場でぴょんぴょん跳ねた。
「ありがとうっ」
 最後にそいつは、私の手を強引にとってぶんぶんと振った。
 忙しい奴だ。見ているだけでクラクラする。
「ふふっ」
 私が無意識に綻んだ自分の表情に気づく事はなかった。
 私が歌い始めると、そいつは近くの壁に寄りかかって目を閉じた。
 少したつとここいらへんの住民が私の歌を聴きに来た。住民たちは、見かけないそいつをチラチラと見ていたが、無害だとわかり気にしなくなった。日が暮れてきたころ、そいつはやっと目を開けた。
「今日は終わり?」
「そうね、今日は何か疲れたわ。あんた、家は在るの?」
そいつは考える素振りを見せて言った。
「今んとこないかな、適当に探すよ」
 少し汚れてはいるが、身なりはいいから、家でしてきたとかそんなんだろう。
「お前、名前は?」
「…っと、朝顔。氷差朝顔」
「じゃあ、朝顔。うちに泊まる?」
「え?」
 目を見開いて私を見る朝顔は、本当の子供見たいで可愛らしかった。
 私には子供がいた、葵という男の子が。
「いいの?やったぁ!」
 葵もちゃんと育てばこのくらいの年齢なんだろうなと、朝顔の頭を撫でた。生きてるかどうかもわからない息子。無表情で笑わない奴だった。
 あの頃の若い私はそんな自分の異様に大人びた子供を気味悪がり、友人の研究所に売り払った。今では後悔しか残らない。無表情でも、笑わなくても、たった一人の血の繋がった息子だったのに。葵は私を恨んでいるだろうか。いや、恨んでいるだろう。それでいい、私は恨まれて当然のことをした。
 無言で朝顔をつれて帰宅した。今にも崩れそうなアパートだ。 
「さびれたところだが、自分の家だと思って寛いでくれ」
「はい」
 またニコッと笑う朝顔は輝いて見えた。
 お茶を淹れようとしたところ、不意にインターホンがなった。
「はい!」
 こんなアパートを訪ねてくる人間は初めてだ。
 なんて、思いながらドアノブにてをかけようとした瞬間
「出ないで!」
と、朝顔が大きな声をあげた。すると、ドアの向こうで音がした。ギシギシとなる廊下を走っていく音の様だった。
「え?なに?」
「つけられてたかな…、油断した」
「どういうことよ、朝顔。あの足音はなに?」
「ごめん、後で説明する!」
 そういった頃には、朝顔はベランダから飛び降りていた。
「えっ?嘘…」
 私がベランダから顔を出した頃にはもう朝顔の姿は遠くなっていた。
 ヤバいかもしれない。特に確証があるわけではないが、この裏側の社会で身に付いた直感が悲鳴をあげていた。ベランダから躊躇なく飛び降りる朝顔といい、不気味な足跡といい、おかしなことが多すぎる。知らないうちに、変なことに巻き込まれているのかもしれない。
「よしっ」
自分の顔を強く叩き、気合いをいれると、手ぶらで家を飛び出した。とりあえず、朝顔を追ってみることしか私には出来ない。
 なにかわかるかもしれないしね。それに朝顔を放っておけない。
 朝顔は確か、あっちの方向に走っていった筈だ。でも、あの足音の持ち主を追ったのなら、足音も真っ直ぐ逃げたりはしないだろう。だからこの方向の直線上に朝顔がいるとは限らない…
「どこいったのよ…」
息も切れてきて、私は一度立ち止まった。右も左も人の気配は見当たらない。
 そのとき、路地裏の方から音がした。軽い靴の音と、悲鳴のようなものが聞こえる。
「こっちか…っ」
 暗い路地裏を走り、音のした方へと近づくと殴り合うような新しい音も聴こえてきた。
「朝顔!」
そして目に飛び込んできたのは、虐待されている朝顔と顔を腫らした黒ずくめの男たちだった。
「椿さん…、何で来ちゃったんですか」
血の混じった様な声で朝顔が私を絡める。
「何でって…、何でだろう?」
 なにも考えず走ってきてしまったので、自分にも今一分からなかった。
「もう、あなたって人は…」
 朝顔は細い首を絞められながらも、呆れたように溜め息をし、真っ正面から私を見つめた。
「そこから、動かないでくださいよ。椿さん」
「え…」
 そういえば、何で私の名前を知っているの?と聞く前に、朝顔は動いた。
 朝顔は細い体躯を器用に扱い、物の数秒で男たちを地面にひれ伏させてしまった。
「朝顔…」
「椿さん」
 振り返った朝顔が言った。
「あなたは自分の息子のことを覚えていますか?」
「何を急に」
 私は適当に茶化そうとした、が、朝顔の真剣な顔を見てそうもしていられなくなった。
「実の息子を忘れるやつがいるかしら」
 私がそう答えると、朝顔はとても嬉しそうに笑った。
「良かった、これで本当の名前をあなたに教えられる」
 朝顔はその場で、クルリと舞った。
 すると、全体的に白かった朝顔が黒く染まった。雰囲気が代わったのだ。
 でも、不思議と怖いとは思わなかった。寧ろ、懐かしいような気がした。
「朝顔?」
「それは偽名です。俺の名前は向日葵。今は大神仁と名乗っています」
 大神…、息子を売った友人の名前だ。
「そう…、葵。あんただったんだね」
「ええ」
 それだけ言うと葵は背中を向けてしまう。
 私はそんな息子に話しかけた。
「ねぇ、葵。私のこと恨んで…」
「俺は今、幸せです」
 私の言葉を最後まで聞かず、葵が振り返り言った。
『あなたの息子はここに居ますよ。母さん

 それだけ言うと、葵…仁は黒ずくめの男たちを連れて闇に消えてしまった。
「ははっ」
 口許から自然と乾いた笑いが零れた。それに反比例するように雨が降り始めた。

~後日談~
 ふてぶてしい息子と再開してから1ヶ月ほどたった。
 あのあと、私は自分の情報網を駆使して様々なことを調べた。
 主にあの、黒ずくめの男たちについて。
 まぁ、情報網というのは…
プルルルルルルルルルッ
『はい、もしもし?』
「あっ、大神?おひさー。椿だよ」
『えっ?椿?久しぶりだねー』
 息子を売った友人だ。
『葵を、椿のところに寄越しただろって?違う違う、今は大神仁だって…。ああ、どうでもいい?いやいや、あのね。僕だって仁を行かせる気はなかったよ。でも仁がどうしてもって言うから。あ、あの黒ずくめ?あれはもともと仁を狙ってたんだよ。いわば世界の刺客というか、うんうん。そう、親を人質に取ってしまえっていう考えだったらしいよ。考え方がかたいよねー…」
ガチャッ
 そーゆーことか。
 相変わらずギシギシいう、床に寝転がり、携帯電話を放った。
 自分の尻拭いに親を使いやがったのか、あのバカ息子は。
「でも…」
 私の目にはあの笑顔が焼き付いていた。
『あなたの息子はここにいます』
「…ここにいるの?葵」
 振り返りざまのあのキラキラした笑顔に私は救われた。
「なんて、思ってたまるか!」
 腹筋だけで起き上がって怒鳴ると、ドアの向こうで物音がした。
「なんだろ」
 四つん這いになってドアを開けるとそこには、朝顔の苗と椿の苗が入り交じった1つの上木鉢が置かれていた。
「洒落たことを…ん?」
 上木鉢の影に沢山の写真が落ちていた。
「なにこれ…」
 その写真に写っていたのは歌う人形と呼ばれていた頃の私の写真だった。
「ほんっと、腹立つわぁっっ!」
 苛立ちにまかせて上木鉢も投げ捨ててやろうかと思ったがやめた。
 私の見た氷差朝顔と息子の向日葵と友人の養子(?)の大神仁は同じ人であることを、ふと思い出してしまったからだ。
「ふんっ、今回はこの華に免じて許してやるわ」
 すると物陰からクスクスと笑い声が聴こえた気がしたが、私の気のせいだろう。
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 皮肉な恩返し

月曜日 成人の日晴れ 気温低し

ホームコートのイベントに息子と参加、終日楽しむ。

・ワウリンカがチェンナイ・オープン連覇、全豪にはずみ

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 皮肉な恩返し

 これはそう遠くない昔、ある出来損ないの鴉の話。
 その出来損ないの鴉「ヒビキ」と燕や雀の村がありました。
 ヒビキは物心ついた頃に両親を人間達に殺されてしまい、独りボッチでした。
 そんないつも独りでいるヒビキに雀の「ルリ」が言いました。
「あなた、鴉なのに黒くないのね」た
 確かにヒビキの羽は灰色に近い色でした。ヒビキはまだ羽が生え替わっていなかったのです。
 そんないつも一日なにもせず枝に停まっているだけのヒビキに燕の「キキョウ」が言いました。
「お前、鴉なのに飛べないんだな」
 確かに羽の生え替わっていないヒビキはまだ空を飛べません。飛び方を教えてくれるはずだった両親はもういないからです。
 そして、ルリとキキョウが言いました。
『あなた・お前は本当にムラサキね・だな』
 出来損ないのヒビキはその『ムラサキ』の意味を知っていました。
  『ムラサキ』とはあの綺麗な色「紫」のことをいっているのではなく。斑が多い、汚い色・汚いやつという意味の『斑咲き』という、同情と憐れみを込めたあだ名であることを知っていました。
 毎日毎日、上から石や枝を落とされる日々。時にはけがをしたこともありました。
 でも、ヒビキはその場から動きません。どんなに石や枝が顔の近くを掠めても、一歩もその場から動こうとしないのです。
 最初はそんなヒビキを面白がって、繰り返し繰り返し石や枝を落とし続けていたルリとキキョウの仲間も、そのうち飽きてなにもしなくなりました。
 ある嵐の日、ヒビキはいつもと同じようにユラユラ揺れる枝の上に停まっていました
 ポタポタとヒビキの顔に雨が当たっては落ちて行きます。
 このヒビキが停まっている枝からは、一度は行ってみたいなと思っている大きな木と、綺麗な川が見えます。
 今日、その川は嵐のせいで黒く濁り、流れも速く、水の量なんて見たこともないようなものになっていました。
 ずっと同じ場所からその川を見ていたヒビキは、何故かとても裏切られたような気持ちになりました。
 ふと、ヒビキが視線を川の河口付近に逸らすとルリとキキョウの姿が目に飛び込んできました。
 ルリが増水した川に落ちてしまったようでした。必死にルリを助けようとするキキョウがルリと一緒にどす黒い液体に飲まれていくのと同時に、ヒビキはその川に向かって飛び降りました。
 ヒュルルルルとヒビキの翼が音をあげます。
 そして、ヒビキをも飲み込んでしまわんと黒々した川が渦を巻きます。
 でもヒビキはそんな川を見ても怖いとは思いません。逃げたいとは思いません。それどころかヒビキは、水面すれすれで体勢を持ち直して、水面と平行に飛びだしました。
 そして、すぐにルリとキキョウを見つけ出し大きな爪で二人を救いだしました。
 ヒビキは二人を危険のない場所まで連れていくと、その横にそっと座りました。
 二人はどちらも大事には至っていないようで、小さな胸を上下させていました。
 すると不意にルリが目を閉じて言いました。
「あなた、鴉なのに黒くないのね」
 ルリはあのときと同じ口調でした。
 ヒビキの翼は白く、その翼に水を滴らせ全身は銀色の膜に覆われているようでした。
 するとキキョウが目を閉じて言いました。
「お前、鴉なのに泣くんだな」
 キキョウはあのときとは全然違う、とても優しい口調でした。
 ヒビキは知らず知らずのうちに、透き通った黒く大きな眼から涙を流していました。
 ルリとキキョウは同時に言いました。
「ヒビキ、強くなったわね・な」
 ヒビキは泣きながら声を震わせて言いました。
『二人とも、何で目を閉じているのに俺をわかってしまうんだ』
 ルリとキキョウはニッと笑ってただ一言。

『当たり前でしょ・当たり前だろう?』


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