先週の後半からひどい寒さの所為で体調が下降気味でしたが、ジムで汗をかいてそんな不調は吹き飛ばそうと目論みそれは見事に成果ありでした。
それで筋トレ後の爽快感に包まれながら家に帰って夕食もたっぷり摂ってその日は平穏無事に眠りにつきました。
ところが翌朝に目が覚めてトイレに行ってみると、どうしたわけか小用の排出が出来ない?
しばらく頑張ってみるとほのん少しだけ出てくれたんだけどその時になんだか痛みがあってものすごい違和感?!
でも、冬場であまり水を飲んでいないからかな?とか、そろそろ初老男性の病気である前立腺肥大になりつつあるからなんだろうか?なんて思ってました。
それが金曜日くらいのことで土曜日は午前中にテニスして家に戻るとまた風邪をひいて微熱がある感じがしたので熱を測ると37.3度くらいでした。
この程度ならすぐに治るとその日も相変わらずトイレに行くと出にくいし痛かったけど、これも風邪の影響なんだろうとあまり気にしないでいました。
日曜日の朝になるともう「出ない、痛い」の度合いがかなりひどくなっていて、(これは普通じゃないな病院に行かないと不味いことになりそうな気がする・・・)と思いつつ急に仕事を休むことは出来ないからそのまま出かけてテニスしてきました。
その日の午後から発熱は38.7度と高くなり「出ない、痛い」だけでなく「30分ごとにトイレに行きたくなる」という頻度も異常なことになり、それが翌日、月曜日の朝まで続いてしまい一刻も早く病院に行きたいと考えていました。
が、月曜日は振り替え休日でまだお休みなのでどこの病院もやっていない!?
もう必死でネットを検索してようやく家から12キロ離れたところに祝日でも診療している泌尿器科医院を見つけて電話したら、すぐに診てくれるというので自分で車を運転して飛んでいきました。
女性が妊娠したときに胎児の様子を映し出す時に使うのと同じ、エコー診断画像装置を下腹部に当てられてその診断結果は「急性前立腺炎」というものでした。
男だけにある前立腺が細菌感染して炎症を起こし腫れてしまい、その結果として尿道が狭くなり尿が出にくくなるし痛みがひどく発熱まで引き起こしてしまう。
治療は抗生物質薬剤の投与でそれを飲めば2~3日で良くなると言われ、もう涙が出そうなくらい安心しました。
それが月曜日のことで確かに薬が効いて翌日にはもう仕事へ行き、今日まで普通に生活していますが実はまだけっこう痛かった。
テニスして走ったときにいわゆる絵陰部という股のあいだのど真ん中が痛むんです。
こんな所が今まで痛くなったことないのでとても戸惑いを覚えますが、ここって武道でいうところの臍下丹田に近いんじゃないかなと思います。
そんな臍下丹田が痛くなるとどうなのかというと、いわばここが運動軸の完全なる中心点を司る部分なのですからその大切な所が痛くて力が入らないのでは全く形無しになるわけです。
昨晩の夜もレッスンでテニスしたんですがその時にちょっとハードに打つ相手とラリーしてみたら、まだここが痛むのでまるっきり打ち返せない?!っていうか構えすらままならないわけです。
それが今日はようやくそんなコアな部分の痛みから解放されて走っても腰を低く下げて構えても痛くなくなった。
試しにサービスからラリーの打ち合いをしてみたら調子よく打てました!
いや、昨日まで痛みを感じていたことで逆にこの臍下丹田のコアな部分への意識集中が高まり、何だか構えたときに実に安定して体の中心軸が定まってその周りを正確な回転軌道で腰、肩、腕が廻って出て行く不思議な感覚を覚えました。
わかりやすくいうと自分の体をバランスよく回転させるための、重心を置くべき正確な位置が認識されその結果として安定性が高まったということです。
これは「怪我の功名」、いや、「病気の功名」とでもいうべきものでしょうか。
あんなに辛い思いしたことがこれからの僕のテニスをより良く変えてくれるとしたら、とても貴重な体験だったと言わざるを得ません。
私はもう二度とあんなことは体験したくはありませんが、体幹とか軸、コアがよくわからなくて身体の回転を使った打ち方が出来ない方は「急性前立腺炎」は福音となるかもしれません。
「災い転じて福と成す」とは正にこういうことなんでしょうね。