学生時代の勉強について思い出してみると何かについて学習するときに簡単なことを反復練習して学んでいき、少しずつ難しいレベルへと進みます。
そうするときちんと段階を踏んでいけば最後のレベルまでの理解が出来て問題が解けるようになる。
その問題もだいたいの場合は難易度がやさしいものから次第に高度へと上がっていくパターンが多くそれは学習時の順番と同一なので要領もそんな流れとして掴めていれば解答を得るのは難しくありません。
しかし、問題の難易度がアトランダムだったり簡単なものと難しいのとミックスされていたりするいわゆる応用問題になるとそれまでの要領では少し困難になったり、その既製概念が邪魔して理解できなくなったりします。
これはテニスでもまったく同じ事が起きてしまうと思います。
たとえばフォアハンドボレーを基本的なミドルボレーからスタートしてやや低めのローボレー、そしてしっかり打ち込むハイボレーに進んで練習して場合です。
それを同じ順番でボール出ししてテストのように打ってもらうと練習で一通り出来ていたならば比較的スムースにこなしてプレーが出来るのですが、順番を変えると途端にミスばかりになるわけです。
これは頭の中で(最初はやさしいミドルボレーだからこういう感じで構えていれば良い、次は低めのだから膝を曲げてボールの下側をしっかり捉える、そして最後はラケットを振り回し過ぎないように強めにぶつけるように踏み込んで打つ)と想定しながら動いている。
しかし、その想定が出来ないあらかじめいわば心と身体の準備が不可能な状況に追いやられると対処不能に陥るということでしょう。
実際のプレーでは相手が打ったボールを自分が打ち返すまでのあいだにすばやく判断して的確なアクションが出来なくてはいけないのに、次は何が来るとわかっているような練習だけではそういったすばやいリアクションをする能力が養われないわけです。
自分の頭の中で(次は何がどちらに来る)と勝手に決めつけて常にプレーしている方は、その自分の考えを優先して行動するのでボールが実際には自分のフォアサイドに飛んできているのに想定したことが(次はバック)と思っているからバックボレーしようと構えてしまいます。
相手が打った瞬間にそのボールがどこに飛ぶかの判断がすばやく出来なくてはいけません、実際の打たれたボールそのものを観てその事実だけに集中してプレーしましょう