マイケル・チャンが錦織選手にフェデラーへの憧れとか尊敬の気持ちを捨て去り、対戦者としてのみ気持ちをフォーカスすべしとアドバイスしたとニュース記事にありました。
相手を憧れの存在として考えることは自分より上のレベルにいると認識してしまい、その意識が劣等感に繋がりパフォーマンスを低下させるというのです。
それを読んでマイケル・チャンがかつてデビュー間もない頃に大物相手にまったく動じることなく、むしろ上位選手が実力未熟なプレーヤーに対して放つような余裕のショットを打ちまくっていたことを彷彿とさせられました。
そして普通は実力はもっと高いのにも関わらず、メンタル面の弱さからレベル上位者と戦うとその持っている力のすべてを出し切ることが出来ずに負けてしまうものです。
ところがマイケル・チャンの場合は自分の潜在能力をほぼ出し切って戦い抜くことが出来て、その結果で自らのフィジカルやスキルの限界を確認することが可能になりそれに基づいて筋肉トレーニングや技術練習が的確におこなわれたというわけです。
さらに彼はそうした自分の肉体的強化だけでは足りない部分をツール、つまりラケットの改造という革新的なことまでやって世界のトップへと躍り出たのでした。
ヨーロッパやアフリカ系の人種に較べて手足が短い傾向にあるアジア人種であるチャンは、同じ体格であっても彼らヨーロッパ人たちの腕は長いためラケットスイング時での遠心力パワーがより高いということに眼目し、腕の短さを何とラケットの長さを1インチストレッチすることでカバーして大成功したのです。
それが今やプリンスの幻の銘品「マイケル・チャングラファイト」でした。
ラケットのストレッチはその後に1インチはやや長すぎて使いづらいということで、今ではハーフインチとか1/4インチロングというのが主流になっていますがその原点はマイケル・チャンで、ヨーロッパ系人種の独断場とも言える世界のプロテニス選手たちのなかで一歩も引かずに大活躍したチャン氏を象徴するラケットと言えます。
そのマイケル・チャンが錦織に託した世界トップへのチャレンジが今年もますます見ものとなってきました!!