いつもやっていることは状況が変わってもわりと普通にそのままいつも通りにおこなえるものですが、逆に普段はあまりやっていないことはすぐ簡単には出来ません。
それは人にもよるのでしょうが、テニスをやっていて試合に出ている方にはその意味がよくおわかりでしょう。
たとえばいつもよく打っているフォアハンドストロークは試合でもあまり苦労せずに打てるのに、あまり練習できていないボレーはダメなんてことです。
それはもっと練習が必要なレベルと言うことではなく、すでに一定レベルのほぼ完成された技術を持っている場合での話です。
だからもしも同じだけ時間をかけて常日頃からコンディションを整えていたら、むしろボレーの方が良いボールを打てるという場合であってもやり慣れていないとすぐには実力が出せないというわけです。
それでよくあるパターンですが、公式戦以外の仲間内や知り合いとの練習や試合では本気で打つと顰蹙をかうほど強いフォアハンドストロークは控えめにして常に優しく打っているが何故か思い切り打つと逆に喜ばれるサービスはガンガン打ちこめるなんて状況です。
そうするとトーナメントに出場したときにサービスは普段から本気モードでやっているから試合でもすぐに臨戦態勢で打っていける。
でもいちばん得意で武器になるはずのフォアハンドストロークをチャンスボールで使うタイミングが来ると・・・
なんか力加減や打つ要領がよくわからなくなっていて困惑してミスする
使っていないことにプラスしてそれを思い切り打つと周りから白い目で見られるという心理的抑圧もかかっているから始末におえない。
これはテニスコーチでもレッスンばかりしていると陥りやすいケースで、まさかスクールレッスンのなかでコーチが鬼のようなマジショットでストロークを叩き込むなんてあり得ませんから、練習していなければそういう伝家の宝刀は封印されてしまいます。
でもサービスは先ほどみたいに何故か思い切り打った方が喜ばれるし、相手のいない場で一人で渾身の力で打って練習が出来るのですから大丈夫なんです。
こんな話をテニスの師匠である先輩コーチにしてみたら「それはまだ未熟だからで、ほんとに自分の得意ショットとして完成していたらほんの1~2球も打てばオッケーになるはず」とのことでした。
事実そのカリスマ師匠は正月休みあけとかお盆休みで2週間近くまったくテニスしていなかったのに、コートに出てほんの2~3球も打つと「オッケー、もう大丈夫だから初マッチ練習するぞ!」と言って、事実その後は(昨日まで山ごもりして特訓していたんじゃないのか?)と思わされるほど絶好調でした。
スロースターターとクイックスターターというのが存在することも確かにあるのですが、師匠は超クイックで僕は超スロータイプってことで納得するしかありませんでした