よわいをかさねるということは

金曜日 曇り

朝から孫娘にあいに行くあーちゃんを空港に送る。後楽園での巨人VS横浜のチェケットをツイッターに載せてぼくを誘惑したが乗らなかった。

雨の予定が降っていない。いつも午後からコートへ行く毎日だが、降る前にと11時頃コートへ出かけて一人で練習しているとコートわきの道をO氏が帰宅していた。挨拶すると立ち止まって、昼にラーメン食べに来ないと言う。今日からしばらく独身だしと甘えて返事をした。

歩いて二三分の距離、農業高校の校長先生だったというだけのことはあって、玄関先の庭には季節の花が咲き乱れていた。彼は3年前奥さんを亡くしている本物の独身。

三度の食事はどうしていますかと尋ねると、くわしく教えてくれた。参考にはなったが、一人での生活は寂しそうだった。何時かは誰もがそうなる運命だ。女が後の方がいいに決まっているがこればっかしは分らない。

誰もいない家に戻るとしーんとしている。彼のことを考えると人ごとではない。そんなふうになってもおかしくない世代に突入している。

JOPに参戦して、F県テニス大会で初めて勝利した選手がそんな運命を背負っていた。大会で顔を合わせていたが親しくなるには時間がかかった。ぼくと同じようにとっつきにくかったが、挨拶をかわすようにようになり、親しく会話が出来る関係になっていった。あるとき彼が何時でも奥さんと同伴して参加していることを知った。でも会場で顔を合わせたことは一度もなかった。近くのショッピングセンターとか、そういう所で待たせているか言っていたが、深くも考えはしなかった。

奥さんは病弱であることを知った。そのために連れてきているのか、深くは知るよしもないが、中国選手権で徳山まで一緒に来ていた。海辺の宿に泊まりましたという。そしてコートの近くの車に奥さんはいるという。

博多の森での出来事、駐車場の車に行き、コートの方に戻ろうと車の横を通りかかったら、助手席の窓が空いていて女性が席にもたれかかっていた。もしかしたらと考えた。が、ちらっと見て通り過ぎようとしたとき、ぼくの名前を小さな声で呼んだ気がした。初対面だったのに、主人がお世話になっていますと言った。慈愛に満ちて弱々しかった。

しばらくして仲間から訃報に接した。それから彼はコートに顔を見せたことはない。きっと愛妻家であったに違いない。テニスも出来ないようになってしまったという。
テニスのライバルたちはコートから消えてゆく。さびしい。
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カテゴリー: 日記 | 投稿者ていちゃん 22:22 | コメントをどうぞ

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