夏場にテニスする際に今のような即乾仕様のシャツが出回る以前は、1レッスンする度くらいに替えないとシャツがビッショリで気持ち悪いし水気を含んで重く動きにくかったものです。
ただホントに猛烈に暑い日にはその濡れたシャツがあっと言う間に乾いていくので、気化熱でとても涼しくなることを発見して汗で濡れる前にわざと水に浸してから着用していました。
最初は控えめに少し湿らす程度にしてみたら準備体操が終わる頃にはもう乾いてしまって役にたたず、猛暑日には完全に水でずぶ濡れでしずくが落ちるのも厭わずに着ていましたがそれでもわずか10分ほどで乾き始めてしまうことに驚きました。
(身体もこれだけ水分が奪われているんだろうな)とよくわかり、それから水分補給の大切さが身にしみて納得できました。
昭和真ん中生まれくらいの我々が学生の頃はまだ科学的な運動生理学なんてジャンルが未発達で、代わりに戦前の軍国主義的な根性論がスポーツの世界には残っていました。
だから真夏のそれほど過酷な水分が奪われてしまう時でも顧問の先生や先輩から「水なんか飲んだらバテるから飲むな!それにそのくらい我慢できなくて試合に勝てるか!!」なんて怒鳴られて、恐らく熱中症と脱水状態で意識朦朧とした頭の中で発生した脳内麻薬だけが頼りで練習していたものです
それでも今に較べて夏の部活でのトラブルが多かったのかというと、それほどの差は無かったかむしろ昔の方が命を落とすような事故は少なかったような気がします。
まぁよくあんな非科学的なトレーニングをさせられて無事でいたものだと思いますが、その頃の特訓?の所為なのかその後のコーチ生活で培われたのかわかりませんが未だに夏でもそんなにたくさん水をがぶ飲みしなくとも1レッスンのあいだくらいは大丈夫なサボテン体質になってしまいました。
さらに最近はインドアや屋根付きの恩恵でそもそも汗ビッショリなんてことも少なくなりましたから、レッスン前に水浸しにしたシャツを着てコートに出ていた昔がとても懐かしいです、今そんなことしたら熱中症どころか水で濡れたシャツが冷たくて風邪をひくかも知れません