昨日の昼にレッスンを終えてクラブハウスに戻ってくるとテレビで錦織選手対ラオニッチ戦のファィナルセットを生中継していました。
スコアから観てもその時の錦織の安定性と動きの良さから判断しても勝てそうだなと思ったら案の定の快挙を成し遂げてくれました。
最後の少しの場面しか観ていませんが、一昔前ならディフェンスゾーンと言われて不用意な攻撃は慎んで次のチャンスを待つべきエリアだったところから思い切りの良いノータッチエースのストロークショットが打たれるようになったのが印象的でした。
お互いに4時間もハードコートで戦い続けて脚が動かなくなりつつあるというのと全米オープンの球足の速いサーフェースならではの光景なのかも知れませんが、正に胸の透くようなファインショットで見応え十分でした。
それと同時にもはや自分が知っているテニスとは異質な競技に進化したような気がして、少しだけ一抹の淋しさとでもいうものを感じました。
「対戦者をディフェンスゾーンまで下がらせる為に苦労して打ったのに、そこから自分のオープンコートに動く間も与えられないスピードボールを叩き込まれる」なんて考えてみるだけでうなだれてしまいそうです
ナダルを生み出したスペインでのテニス強化練習について以前に読んだときに、ベースラインはるか後方のしかもサイドライン延長戦上のかなり横の位置からベースラインにいる相手からノータッチエース数本以上を奪う練習をしているとありました。
つまり、先ほど書いた一昔前にはディフェンスゾーンで守りの手堅いボールを打つべきエリアから相手が追いつけないほどのスピードショットを叩き込む練習を繰り返していたというわけです。
その話を読んだ数年後にナダルがすい星のごとく現れ、なるほどあのスペインの特訓がこのスーパープレーヤーをあみ出したわけかと納得しました。
でも今やそのいわば「どこでもオフェンスゾーン!」のプレースタイルが世界の主流となって来たわけで、その最右翼とも言えるポジションに我らが「テニスの王子様」が君臨しつつありやがて世界の「テニス王」となる日がやってくるはず!
昨日のファイナルでの最後の締めくくりプレーを垣間見た様子から強くそんなことを思いました。
この先もきっと王位継承への道をひた走る錦織選手の姿から眼が離せません!!