松原さんのフォアハンド
28歳まではイースタングリップで
フラット
どフラットといってもいい。
バックはスライスのみ。
その歳でテニスコーチになり
最新型を教えられるようになるため
テニス、ほぼすべてを
当時の世界標準に変えた。
トップスピンのテニスだ。
フォアハンドをセミウェスタングリップで
ヘビートップスピンに
バックもトップスピンに。
(これはずうっと後、スピン量もずいぶん減ったころ)
2年たって
トップスピンもなじんできたころ
友人にダブルスの試合に誘われ
帰省を兼ねて出た北海道の試合。
ダブルスは早々に負け
ついでに出たシングルス
2回戦で当たったのは
関東から成績稼ぎに来ていたインカレ選手。
順調に打ち勝ち
ファーストセット、最初に来たセットポイント。
ところが
若いころから
セットポイントやマッチポイント
1回で取れたことがない。
何度も何度も
そこからが大変という苦労のテニススタイル。
そこで、試してみた
ここでミスっても、いつもと同じこと
最初のポイントが取れないだけ
別に困らない。
心の中のもう一人の自分がささやく
「もしも、ここでフォアハンドを振り切れたら、自分をほめてあげよう」
いきなりリターンエースを決め、6-4
そして、そして
ついに来たマッチポイント
心に何を思うかをもう一度試してみることに
「もしも、ここでフォアハンドを振り切れたら、自分をほめてあげよう」
クロスコートにウィナーを打ち込み、6-3
30秒後には
しっかりと、自分をほめていた。
勝因は
フォアハンドをぐりぐりのヘビートップスピンにしていたことと
心に何を思うか
身体は何をすべきかを明確に意識して
単純に実行したこと。
心と身体が何をすべきか
明確につかむことができた記念すべき試合だった。
試合で、大事なポイントで固くなるような人は
とはいっても
むしろそんな人が普通の人
だから
フォアハンドのトップスピンは
鬼のようにぐりぐりかけること。
マイナス思考の、ミスラナイではなく
肯定的な
具体的に何をするかを明確に意識すること。
それが無意識にできればゾーンにも入れるのだろうが。
そしてプロにも ・・・
とにかく、グリグリだ。
余裕のある状態になったら
フラット気味にぶったたくもアリだが
この写真のようなショットが打てるようになるまでは
何年もかかっている。