僕が子供の頃には、どんな忙しい会社や仕事でも正月休みは三が日のあいだはきちんとあったのではないかと記憶しています。
自分の父も年末は確か大みそかまで仕事しているような会社でしたが、新年は4日からの仕事始めでおそらくそれが当時の最も忙しい会社での正月休みの標準だったと思います。
それが今では元旦のみ休みで2日からという所も少なくはなく、その唯一の元日も出社という大変にご苦労様と感じる仕事の方々もいらっしゃることでしょう。
その分とても正月が賑やかで便利になってきましたが、昔の非日常的なほんとに静かで落ち着いた気分を味わえた年明けの雰囲気は失われてしまいました。
僕の住んでいる街はあまり商店などがなく主に宅地ばかりの所なので、子供の頃は普段からあまり車も通らず人通りも少ない静かな場所でした。
そんな元々とても閑静な町が正月を迎えるとどうなるのかというと、ほんとに冗談ではなく僕らが小学生の時は道の真ん中でメンコやコマ遊びを数時間やっていても全く車が走ってくることなどありませんでした。
だからふざけて道の真ん中に寝転がってプロレスごっこしたり、あぐらをかきながら人生ゲームをやっていてもまず誰にも邪魔されることがなかったくらいです。
それがいつ頃までそんなだったかはよく判りませんが、高校時代の正月にテニスコートがやっていないのでゴムひも付きのテニス練習機でやはり道のど真ん中を使って一日中ずっと打ち続けていても車が来て中断する必要がなかったことも憶えています。
それが最近はこの町にも車や住人が増えて、娘の練習に同じようなゴムひも付きボールの練習機を道でやろうとしたらほんの3分ですら続けていられないほど車両が往来するようになってしまいました。
テニスコートそのものが減ってきている都内の現状に、さらに道路のテニス練習場所も失われてしまっていることを痛感して何か少し残念な気持ちになります。
たぶんどこかもっとのんびりと静かに暮らせる土地に行けば、今でもそんな古き良き昔の静かなお正月と即席道路テニス練習場が簡単に確保できるのではないかと思います。
老後はそんな素晴らしい所に移り住んで、孫と共に道路であそんだりテニスの練習をして過ごしてみたいなとつくづく考えます。