若いころ
といっても石器時代ほどではない
ラケットはすでに木の時代になっていた。
その頃
遠い蝦夷地に住んでいた私には
一流選手のプレーを見るチャンスがめったになかった。
このころ楽しみにしていたのは
国体への出場
高校生で参加しても
一般の試合を見ることができる。
当時の北海道は
弱い地域だったので
高校生の自分の試合は
早めに終わってしまう。
その後は他の試合の観戦になる。
国体には、関東や関西の県から
日本のトップクラスがたくさん出場している。
もちろんジュニアではなく
一般のトップクラス
これを
残りの日程中、見つめ続ける。
この後、地元に帰るのだが
帰ってからのプレーが素晴らしい。
なんせ
なりきっている
自分が一流なのだ。
残念ながら
当時、国体は秋の終わりごろ
この後
蝦夷地は雪に覆われる。
春の雪解け後
半年前に、一流になりきっていた私は
どこかに行ってしまったようだ。
さて
昔話はともかく
この、なりきることはとても重要
特にボールの飛んでくる感じとか
打球する臨場感とか
そして
身のこなし。
テレビでは難しい
有明コロシアムでも
A席、B席ではちょっと心もとない。
なるべく
選手のすぐそばで
選手と同じ方向を見て
すぐ後ろで感じ取りたいのだ。
そして
イメージが薄れないうちに
しっかり練習するしかない。